17. 委任状　作：くちなし

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「ただいま」
「お帰り、悠里」
「今日、会長室に呼んだのって、義姉さんが呼んだの？」
「それは違うわ。私が話すのは別の事」
「別の事、、？」

リビングに向かう2人。向かい合って座った先の桜花の顔は何やら真剣そうである。

「あのね、、」
「なんだよ、やけに真剣で、、」
「近々に新入生親睦会あるじゃない」
「あるな。確か再来週か？」

本日7月3日。有希の所へ突っ込むのが25日。テストは10日。球技大会は20日、、だったっけ。

「それで、頼みがあるんだけど、、」
「はぁ、、」
「実行委員、やってくれない、、？ホントは頼みづらいんだけど。。」
「実行委員、、？何するんだよ」
「基本は、、指揮とったり、言い換えるなら、学級委員と同じよ。連絡する時、やりやすいじゃない。姉弟だし」
「自分、デュエル委員なんだが、、」
「大丈夫、そういう時は私から先生に話を通しておくから」
「、、しょうがないな」
「ありがとう♪」

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翌日。

ｰｰｰ回想①始

「これ、私からの委任状よ。生徒会の名前が入ってるから、これを渡せば行ける筈よ」

封筒に入った紙を受け取る。

「これ、渡せばいいんだな」
「立候補する時に見せるのよ」
「分かった」

ｰｰｰ回想①終

親睦会の話し合い、、は、学級委員2人が進行役として進められた

「じゃ、学年親睦会について話し合いたいと思います」
「日程は7月20日、5，6時間目で、昼休みの時にアリーナ(=体育館)へ向かいます」
「親睦会実行委員を学級委員とは別に決めなければならないんですけど、誰かやる人は？」

今、見せればいいのか？

「これ、生徒会から預かってきた。自分にやって欲しいってよ」
「これ、、委任状じゃない。生徒会発行の」
「だから言ってるじゃん。とにかく、自分で決定」

先生含むクラス内騒然。まさか直接委任状が来るなんてな。因みに、内容はこんな感じだ。


生徒会会長発行　委任状　生徒No.1-2-13

該当生徒を学年親睦会実行委員に推薦する。
ただ、何らかの原因で事故等が発生した場合、責任は生徒会が負う。

〇年 7月2日 生徒会長　最上陽翔


随分と丁寧な字で書いてある。

「本物ね」
「じゃ、決定で」

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休み時間。

「へぇ、悠里が実行委員長に」
「生徒会長の権力だな」
「紙切れ1枚だろ、、？これ1枚で皆ホイホイつくんだからな」
「ホイホイって悠里、、」
「あ、そうそう、俺も学級委員だから、仕事一緒だな」
「そうか、そう言えば」
「にしても、親睦会、オンステージやるみたいだな」
「ステージ、？何するんだ」
「そりゃ、デュエルでしょ」
「なんか嫌な予感がする、、」

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その日の帰り道。ウミキヨと電車の駅から家までの途中。

「なあ、悠里」
「ん？」
「あの生徒会長、なんか怪しくない？」
「ん、、雰囲気的にはそうだけど、まだ怪しい行動は何も起こして無いじゃないか」
「じゃあ、なんでわざわざ悠里にだけ委任状を渡したんだ？」
「なんでって、、」
「不思議なんだよな、、それに、副会長も怪しいし」

義姉さんが、、？それまた何故だ、、？

「なんでなんだ、、？」
「噂なんだよ。なんか夜の校舎でやってるってさ」
「まさか、、鍵しまってるのに、無理だろう」
「まさか、恋の相手だったりして」
「まさか」
「ま、どちらも証拠掴めてないから何とも言えないけど」

生徒会が怪しい、、？気になる。恋路だったら夜の校舎に入る必要もない。
またなんか聞いたら個人的に言ってみるか、、