09. みゅーじっく・ぷれーやー　作：くちなし

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休み時間での話。

「悠里、最近、誰だっけ。安楽々さんだっけ？その娘と一緒に居るけど、何してるの？まさか、、」
「彼女な訳無いだろ」
「そっかぁ、悠里じゃまだ出来ないよねｗ」
「五月蠅い。なんか、同盟がどうとかって話された」
「同盟？なんの」
「友達いない(少ない)同盟だと。ペア決めや、貸し借りのときにたすけあったりするらしい」
「へえ、で、どうなの？」
「ん、、そのうち消滅しそうな気がする」
「ふーん」
「そうそう。有希は元気か？」
「昨日、久しぶりに家に行ったよ」
「どうだった？」
「元気だったよ」
「俺も行こうかな」
「いや、止めとけ。今忙しいみたい」
「そうか。次、遊びに行く時は一緒に行こうな」
「ああ」

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教室にて。
城ヶ崎が何人かに囲まれていた。
しょうがない。こちらが聞くのも嫌だから、少し手助けしてやるか。

「おい、城ヶ崎」
「なによ」
「これ、使えばいいよ」

持っていたミュージックプレイヤーを手渡す。

「何やってんだよ」
「調子こくなよ」

ガヤガヤ五月蠅いな、、

「五月蠅ぇのはそっちだ。今城ヶ崎と話してるんだ。愚痴なら後にしてくれ」

周囲沈黙に包まれる。城ケ崎自身は沈黙が少し苦手なようで、表情を曇らせていた。

「何かと絡まれるのは嫌だろう。だから、貸してやる。これ使えば愚痴も聞こえんだろう」

それだけ言って、立ち去った。愚痴も聞こえたが、無視無視。

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有希の家へ足を運ぶ自分にメールが来た。

『今大丈夫？』
『大丈夫だけど』
『音楽プレーヤー、ありがとう』
『気にするな。誰であろうが人の愚痴を聞くのは嫌だから』
『助かった』
『(人｀▽｀)ありがとう☆』

可愛らしい顔文字でメールは終了。
助かったみたいで良かった。

何時の間にか、家の前に立ち止まっていた。
前日と同様に部屋の前に腰を掛ける。

「今日も来てくれたんだ」
「まあね」
「ありがと」
「気にするな。それよりさ、いつも家に居て何してるの？」
「特に何も。言うなれば、デッキ調整」
「そうか」
「今度。海清と一緒に来てもいいか？」
「いいよ」
「分かった」

その他いろいろな事を話しているうちに、日没を迎えていた。

「そろそろ出るよ」
「、、、」

有希の無言は受諾、了承、理解のサインである。顔が見れない今、これだけしかサインは分からない。

有希の姉さんに一例をして、帰る帰り道。
カーブミラーを見ると、後ろから誰かついてくる。
僕より背の低い子である。頭にはフードを被っている。
僕は直ぐ先の交差点を曲がる。すると、そいつも曲がって来る。
また曲がる。また曲がって来る。
歩くスピードをゆっくりにする。早く追い抜いてくれと思って歩いても、なかなか追い抜かない。
後ろをつけているそいつも歩くスピードを遅くしているのだ。
逆に、歩くスピードを速くすると、そいつのスピードも速くなる。
一周して、同じ所へ戻って来る。同じ方向に曲がってきた。
完全にマーキングされている。
少し走って、交差点を曲がる。歩かずに止まって、携帯を見る。
知らずに曲がってきたそいつは「ふにゅ！？」と変な声を上げて背中にぶつかる。
すぐさま逃げようとするところを、肩をつかんで、

「つかまえた」

とだけ言ってやった。

フードを取る。後ろをつけていたそいつは、よく見ると自分と同じくらいの背丈をした女の子だった。
ポニーテールで、美人とも、ブ〇とも言えない自分と同じくらい身長のある普通の女の子。
その娘はモルモットの様に怯えた顔をしていて、体を少し震わせていた。

「何してるの？」

そう言って、手を放してやる。

「えっと、、さ、さっき、有希先輩の家に居ましたよね」
「いたね」
「なんで、入れたんですか！？」
「なんでって言われても、有希の気まぐれじゃん？それより、なんなの？後ろついてきてさ」

私が行っても門前払いなのに、とぼそっと言う少女。

「貴方は有希先輩とどういう関係なんですか？」