82.影雅暗躍　作：くちなし

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瑞穂たちを守ったのは、翼と氏家さん。

「氏家さん、、あなた試合観戦に誘われたんじゃ、、？」
「もう終わったっさ」
「そうだね。もう終わった」

すると、ギュルルルとタイヤを回転させるトラック。

「まだ止まってないし、、しぶといな。このトラックも、、罠カード”壊獣捕獲作戦”発動。効果で裏守備表示に」

すると、暴れ馬のごとくタイヤを回す車を上下さかさまに反転させる。

「、、これでよし」
「、、助かったわ」

周りに人が集まってきて、ざわざわし始めたころ。

「もう十分だし、出てきたらどうっさ？”犯人さん”？」

氏家さんが声をあげる。そしてざわめく周囲。犯人なんているのかという顔である。

「、、あんたたちだよ」

翼が2人の人間を引っ張り出してくる。

「なんで私なのよ！証拠はあるの！？」
「そうよそうよ！証拠見せなさいよ！」
「じゃあ、出して見せてほしいんだけど。”鍵”」
「そ、そんなのないわよ」
「そうよ。車運転しないし」
「じゃあ、なんで手に持ってるの？」
「はあ？持ってないし！カバンの中入ってるし！」
「はい。墓穴掘ったね。出してもらおうかな？」

翼は柔い声で言うが、内心はかなり憤慨しているようだ。相手の表情が少しずつ青ざめていく。
相手が後ろに下がって逃げようとする。走った瞬間、翼が後ろをつかみ、引き留めるが、、

〈デュエルモード、オン、デュエルスタンバイ〉

「あ、、やらかしたわね」

これは決闘盤から出るアナウンスである。

「はぁーあ。面倒ね。。こんな街中で決闘なんて」
「じゃあ、相手はあたしがやるよっ。ああ、一人でいいっさ。丁度、あれをやるいい機会っさ！」
「”あれ”。。ですか。。？」
「さて、挑んだからには覚悟はできてるっさね？」
「ひとりで2人を相手？いいわよ！」

『決闘！！』　氏家さん VS enemy×2

「先攻は明け渡すっさ」

Tuen01　TP enemy1　手札5

「私はフィールド魔法”トラミッド・クルーザー”を発動！」

周囲が砂漠に覆われ、ピラミッドのような四角錐の建造物が現れる。

「そして、フィールド魔法””トラミッド・ハンター”を召喚」

トラミッド・ハンター　☆3　ATK600

「【トラミッド】モンスターが召喚されたことにより、フィールド魔法の効果が発動！」


トラミッド・クルーザー　フィールド魔法
「トラミッド・クルーザー」の③の効果はターンに1度しか使用できない。
①このカードが場に存在する限り、岩石族モンスターが召喚される度に、自分は500LP回復する。
②場に【トラミッド】モンスターが召喚された場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。
③場の表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「トラミッド」モンスター１体を手札に加える。


Enemy　LP8000→8500

「カードを1枚伏せてターンエンド」


Turn02　TP 氏家さん　手札5

「手札から、カードを2枚伏せてターンエンドっさ」
「なんだ。大口叩いた割にはそれだけ？舐めてるじゃない」


Turn03 TP Enemy2　手札5

「手札から”融合”発動！手札の”月光黒羊”と”月光白兎”で融合！」

【融合召喚！月光舞猫姫！！】

月光舞猫姫　ATK2400

「融合素材になった”月光黒羊”の効果で、”月光白兎”を手札に戻す。カードを1枚伏せてターンエンドよ」


Turn04　TP Enemy1　手札2→3

「”岩石の番兵”を召喚、”トラミッド・クルーザー”の効果を適用！」

「そして、2体のモンスターでオーバーレイ！」

【X召喚！ゴルゴニック・ガーディアン！】

ゴルゴニック・ガーディアン　★3　ATK1600

Enemy LP8500→9000→9500

「バトル！ゴルゴニック・ガーディアンでダイレクトアタック！」
「手札から”除雪機関車ハッスル・ラッセル”の効果を発動し、それに乗せて罠カード発動！”影依の原核”！”堕ち影の蠢き”！！」
「、、トラップモンスター、、」
「”堕ち影の蠢き”の効果で、デッキから”シャドール・ビースト”を墓地に送り、墓地に落ちた”シャドール・ビースト”の効果で、1枚ドローするっさ！」

影依の原核　DEF1950
除雪機関車ハッスル・ラッセル　☆10　ATK2500

「そして、”ハッスル・ラッセル”の効果で、”影依の原核”を破壊。その効果で、墓地の”堕ち影の蠢き”を手札に戻すっさ！」

「、、攻撃中止。ターンエンドよ」


Turn05　TP 氏家さん　手札4→5

(さてと、、良い感じの盤面っさ。このターンで勝てるかな、、？)

相手のライフは9500、、。

「手札から、”影依融合”を発動っさ！」


影依融合　通常魔法
「影依融合」はターンに1枚しか発動できない。
①自分の手札・場から【シャドール】融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手の場に存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。


「デッキから融合、、！」
「あたしはデッキの”シャドール・リザード”と、地属性の”豪腕特急トロッコロッコ”を墓地に送るっさ！」

≪闇に堕ちし影よ、深淵より糸を引き、地鋼の番人へとならん！≫

【融合召喚！☆10、エルシャドール・シェキナーガ！！】

エルシャドール・シェキナーガ　☆10　ATK2800

「墓地に落ちた”シャドール・リザード”の効果で、”月光舞猫姫”を破壊するっさ！」
「っ私のモンスターが、、！」
「そして、手札からフィールド魔法”転回操車”を発動し、”深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト”を召喚！」

深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト　☆10　ATK4000→0

「”転回操車”の効果！場に機械族、地属性モンスターが召喚された時、デッキからレベル4の機械族、地属性モンスターをレベル10にして特殊召喚するっさ！”豪腕特急トロッコロッコ”を特殊召喚っさ」

豪腕特急トロッコロッコ　☆4→10　ATK1800

「あたしは☆10のナイト・エクスプレス・ナイトと、トロッコロッコでオーバーレイ！」

≪遥か地平の彼方より轟着せよ！★10！超弩級砲塔列車グスタフ・マックス！！≫

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス　★10　ATK3000

「バトル！”エルシャドール・シェキナーガ”で”ゴルゴニック・ガーディアン”を攻撃っさ！」
「”ゴルゴニック・ガーディアン”の効果！X素材を1つ取り除き、相手モンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にする！」
「”エルシャドール・シェキナーガ”は、相手の特殊召喚したモンスターの効果の発動を無効にして破壊できるっさ！」
「、、！」

これで相手の場はがら空き。

「”グスタフ・マックス”、”ハッセル・ラッセル”でダイレクトアタック！」

Enemy LP9500→6500→4000

ライフは残っているが、氏家さんの猛攻は止まらない。

「速攻魔法発動！”神の写し身との接触”手札と場から素材となるモンスターを墓地に送って”シャドール”融合モンスターを特殊召喚するっさ！」
「バトルフェイズに融合召喚、、！」
「あたしは、場の”エルシャドール・シェキナーガ”と、”除雪機関車ハッスル・ラッセル”を融合！」

【融合召喚！エルシャドール・シェキナーガ！！】

エルシャドール・シェキナーガ　ATK2800

「シェキナーガで攻撃！」

Enemy LP4000→1200

「あ、危ない、、”クルーザー”がなかったら負けてたわ、、」
「いや、もう勝負はついたっさ！」
「、、！？」
「”グスタフ・マックス”の効果発動！X素材を1つ取り除いて、相手に2000ダメージを与えるっさ！」

Enemy LP1200→0

ーーー

「さあ、観念するっさ！」
「、、、」

黙りこくる2人。何も言わず、動かず。それでもって聞かず。

「氏家さん、、【列車ドール】だったのね」
「まあ、あの時見せられなかったから、ちょいとすっきりしたっさ！」
「瑞穂、大丈夫か、、！って、、カタはついたみたいだな」

様子を見て、やってきた悠里が声をかける。

「やっほー悠里くん！」
「おう、氏家さんか。お疲れさん」
「じゃあ、色々聞かせてもらおうとするか」

悠里が近づいて話をしようとしたとき。

「あ、いたいた」
「、、”また”あんたたちか、、」
「”また”。。って常習犯ですか。。！？」
「っていうか誰だよ、、」

あ、そうだ。という表情をする2人の青年。どうやら顔見知りのようだ。

「いやあ、こちら側の者が迷惑をかけた。すまない」
「、、あたし達、死ぬとこだったわよ、、」
「この子たちみたいに、一部の過激な人が対戦相手を怪我させようとしてるみたいなんだ」
「そんな不戦勝、うれしくもないのに、、」
「なんと詫びを入れればいいか、、本当に申し訳ない」

深く頭を下げる2人。しかし、瑞穂から出た言葉は意外な台詞だった。

「そしたら、決勝、全力でかかってきなさい！それがあたしからの命令よ！」
「、、！」

2人はきょとんとしている。意表を突かれたみたいだ。

「それでいいのかい？」
「ええ。あたしは、あんたたちとデュエルするの、すっごく楽しみなのよ！だから向こうで大勢の歓声を受け、全力でぶつかりたいのよ！」
「へえ。君、面白いね、、」
「、、お前がそういうなら今日は帰るか。なあ、瑞穂？ああ、こいつらの処理は任せる」
「、、分かった。ありがとう。そして申し訳ない」

2人の青年は再び頭を下げ、去っていった。

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次回予告っ！
決勝戦に向けて準備を進めていく中、瑞穂はあるものを取り寄せた。それは瑞穂にとって思い入れがあるようで、とても大事なものらしい。そして瑞穂は悠里たちに、それについてある話をする、、

次回！第83話「想輝旋錬」