78.巨躯蹂躪　作：くちなし

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≪大地を砕き、目覚めなさい！眠れる巨人 ズシン！！！≫

「あのズシンを実際に使うやつがいるとは驚いたな、、」
「超でっかいやんね！攻撃力はいくつ、、」
「、、未知数よ」
「未知数、、」


【フィールド】
翼　LP2600　手札3
眠れる巨人ズシン
KYOTOウォーターフロント
伏せカード1枚

氏家さん　LP5000　手札3
除雪機関車ハッスル・ラッセル　DEF3000
伏せカード1枚


(、、まさかズシンが来るとは考えてもいなかったさね、、)

眠れる巨人ズシン。本来の召喚条件の難易度の高さから、この世に存在しているものの、誰一人とて召喚する人がいなかった。そのモンスターが今、氏家さんをはじめ、悠里たちの目の前に存在しているのである。

「おおおおお！！！」
「でけぇぇぇ！！！」

珍しいモンスターなのか、召喚したことがすごいのか、観客たちは興奮している。

「、、でもズシンは次のあたしのターンのエンドフェイズまでしか持たないし、おまけに青天の霹靂の追加効果で召喚もできないっさ。」
「そんなこと知ってのうえさ。バトル！ズシンで除雪機関車ハッスル・ラッセルを攻撃！」

除雪機関車ハッスル・ラッセル　DEF3000

「ズシンの効果発動！ズシンの攻撃力は相手モンスターの攻撃力+1000になる！」

眠れる巨人ズシン　ATK0→3500

氏家さん　LP5000→4500

「カードを1枚伏せてターンエンド」


Turn10　氏家さん　手札3→4

手札は4枚。ズシンは確実にこのターンでデッキに戻るっさ、、それに、モンスターを出さなければ、、

「フィールド魔法、転回操車を発動して、深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトを召喚っさ！」

深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト　☆10　ATK3000→0

「レベル10をリリースなしで、、っ！」
「ナイト・エクスプレス・ナイトはリリースなしで召喚できる代わりに、元々の攻撃力が0になるっさ。そして、転回操車の効果発動！」


転回操車　フィールド魔法
「転回操車」の効果はターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①自分の場に機械族・地属性・☆10モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。デッキから攻撃力1800以上の機械族・地属性・☆4モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの☆10になる。この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける戦闘ダメージは０になる。
②自分の手札を1枚墓地へ送って発動できる。デッキから機械族・地属性・☆10モンスター１体を手札に加える。


「デッキから無頼特急バトレインを特殊召喚っさ！」


無頼特急バトレイン　地属性　機械族　☆4　効果
このカード名の②の効果はターンに1度しか使用できない。
①ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。相手に500ダメージを与える。この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
②このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから機械族・地属性・☆10モンスター1体を手札に加える。


「バトレインの効果でこのターンのバトルを放棄して500ダメージを与えるっさ！」

翼　LP2600→2100

「そして、転回操車の効果で出したバトレインのレベルは10になるっさ！」

無頼特急バトレイン　☆4→☆10

「魔法カード、臨時ダイヤを発動するっさ！この効果で、墓地の攻撃力3000のモンスターを特殊召喚するっさ！墓地のハッスル・ラッセルを特殊召喚っさ！」

除雪機関車ハッスル・ラッセル　DEF3000

「あたしは☆10のバトレイン、ハッスル・ラッセル、ナイト・エクスプレス・ナイトの3体でオーバーレイ！！」
「☆10モンスター3体でX召喚、、！？そんなモンスター聞いたこともないよ、、っ！」

≪熱気溢れる勇猛なる列車よ、いまここに時空を越えて合体せよっ！≫

【X召喚！超次元ロボ ギャラクシー・デストロイヤー！！】

超次元ロボ ギャラクシー・デストロイヤー　★10　ATK5000

「攻撃力5000、、！？」

ズシンを迎え撃つ巨大ロボット。胸部には頭文字の「GD」が描かれている。

「でも、いくら攻撃力が高くとも、ズシンはその上を行く！」
「でも、このターンでそのズシンは退場っさ！私はこれでターンエンドっさ」

「よし、これでズシンはデッキに戻るやんね！」
「次のターン、ギャラクシー・デストロイヤーで攻撃すれば、、」

ズシンがデッキに戻り、氏家さんの勝利に期待を寄せている中、悠里が気付く。

「なんでだ、、なんでデッキに戻らない、、」
「え、、！？」

「ズシンが、、デッキに戻らない、、なんでっさ、、ズシンはほかのカード効果を受けない完全耐性があるはず、、除外をふせぐ方法なんてない、、」
「、、まだターンが終わっていないからだよ。。」
「え？たしかにあたしはターンエンドを宣言したはずっさ、、！」
「さりげなく飛ばしたけど、バトルフェイズ開始前にこのカードを発動させてほしいな」
「、、！」
「速攻魔法発動！星遺物を巡る戦い！」
「このタイミングで速攻魔法、、！」


星遺物を巡る戦い　速攻魔法
①自分の場の表側表示モンスター1体をエンドフェイズまで除外し、相手の場の表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの攻撃力・守備力は、このカードを発動するために除外したモンスターのそれぞれの元々の数値分ダウンする。


「自分の場のモンスターを除外、、！」
「そう。この除外効果はコスト。よって耐性は無視できるってことさ！ズシンを除外！、、でも元々の攻撃力が未知数だから、攻撃力は下がらないけどね。そして、エンドフェイズに除外したズシンは戻ってくる！」
「、、うまい戦法っさ、、」


Turn11　TP 翼　手札3→4

「その伏せカード、気になるけど、、バトル！ズシンでギャラクシー・デストロイヤーを攻撃！ズシンの効果で、攻撃力は6000だよ！」

眠れる巨人ズシン　ATK?→6000

(しょうがない、、ここで使うっさ、、！)
「、、リバース発動！攻撃の無敵化！このターン、ギャラクシー・デストロイヤーの破壊を無効にするっさ！」

氏家さん　LP5000→4000

「ターンエンド」

(何を考えているか知らないけど、手札に壊獣はいないみたいっさ、、)

「さてと。あたし、そろそろ行くわね」
「、、瑞穂」
「、、なによ」
「、、やってこい」
「当たり前じゃない、、勝ってやるわよ！」

階段を下りていった瑞穂の背中は、なぜか頼もしく見えた。

「さて、翼。あたしは悪いけど、ここで降りさせてもらうよ」
「、、！」
「久々にデュエルしたの、楽しかったっさ」

徐々に失速して路肩により、分岐に入る氏家さんと、待機している瑞穂。

「お疲れ様」
「いやーごめんねぇ！あんまし役に立たなくて！」
「ううん。相手のエースモンスターを引っ張り出せただけありがたいわ。それに、こんなになるまでやってたのって、、「あたしたちのため」でしょ？」
「、、さあね。ま、いいや、あとは任せたよっ！」

ポンっと背中を軽く押すと、手を振って走り去っていった。


【フィールド】
翼　LP2600　手札3
眠れる巨人ズシン
伏せカード1枚

氏家さん→瑞穂　LP5000　手札3
超次元ロボ ギャラクシー・デストロイヤー　ATK5000
転回操車


(まあ、ズシンを出すとはそれだけでもすごいけど、まさか【壊獣】で来るとはね、、)

「、、、」
「やっと真打お出まし？」
「残念だけど、あたしは敗けないから」
「臨むところさっ！」


Turn12　TP 瑞穂　手札5→6

「さて、行くわよ、、！」

(あたしに指図とは気に食わないけど、今回は聞いてあげようじゃない、、)

瑞穂が受け取った策。あくまで確率ではあるが、ズシンを突破できるかもしれない。チームが勝つため。ズシンを倒して見せる、、！

「あたしは、、ギャラクシー・デストロイヤーの効果を発動！その効果は、、相手の魔法・罠カードを全て破壊する！」
「ウォーターフロントの効果を発動、、」
「させないわ！ギャラクシー・デストロイヤーの効果に対して、相手は魔法・罠カードを発動できない！」
「チェーン不可能、、！？」

壊獣の司令塔は破壊した。あとは、、モンスターをどかすだけね、、

「あたしはこれでターンエンドよ」
「、、、」

モンスターを召喚せず、カードも伏せず、、ギャラクシー・デストロイヤーの効果だけ使ってターンエンド、、普通なら何かしらのモンスターなどで牽制する状況下ではあるが、相手がズシンなら話は別である。モンスターを出せば出すほど、相手の思うツボになってしまう。そう考えた瑞穂は、このターンは様子を見ようと考えた。


Turn13　TP 翼　手札3→4

「、、威勢はいいけど、モンスターが丸裸って、、まあいいよ。魔法カード、トレード・イン発動！手札の怒炎壊獣ドゴランを捨てて、2枚ドローする」
「、、、」

瑞穂は何かを察する。翼のかすかに動いた表情。そして曲がる唇。

(、、来た、、っ！)
「、、カードを2枚伏せてターンエンド」


Turn14　TP 瑞穂　手札6→7

(あの伏せカード、、明らか怪しいわね、、でも、デストロイヤーの効果で発動はさせないわ！)
「ギャラクシー・デストロイヤーの効果発動！相手の魔法・罠カードを全て破壊する！」
「、、ねえ、一つ聞くけど、、破壊された時に発動する効果は使えるのよね、、？」
「、、まさか、、！」
「、、今破壊された罠カード、やぶ蛇は相手の効果で破壊された時に効果が発動するわ！その効果は、、モンスターを(EX)デッキから特殊召喚する効果！」
「デッキからモンスターを、、っ！」
「真打登場！”クリアー・バイス・ドラゴン”！！」

クリアー・バイス・ドラゴン　ATK？


【フィールド】
翼　LP2600　手札2
眠れる巨人ズシン　ATK？
クリアー・バイス・ドラゴン　ATK？

瑞穂　LP8000　手札7
超次元ロボ ギャラクシー・デストロイヤー　ATK5000　素材1


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次回予告！
氏家さんのギャラクシー・デストロイヤーを引き継いでチームを背負いながら戦う瑞穂。そんな彼女に向かう翼は真打こと、クリアー・バイス・ドラゴンを特殊召喚する。2人の決闘が火花を散らしていく中、唯一悠里は、瑞穂に策を預けていた。。その策とは一体、、！

次回！第79話「黒陣翠舞」