55.溢れる感情　作：くちなし

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【フィールド】
瑞穂→香織
伏せカード1枚

アンドレ　手札4　LP4400
サイバー・エンジェルー美朱濡ー　ATK3000
竜姫神サフィラ　DEF800


「次がでてきたね、、」
「。。。勝たせてもらいます。。！」
「ならばこちらも迎え撃つまで！」

『決闘！』　(アンドレLP4400 VS 香織LP6000)

Turn07　TP 香織　手札5→6


Dホイールをおいてきた瑞穂が戻ってくる。

「瑞穂っち、お疲れ様っ！」
「氏家さん、おつあり。あーあ、敗けちゃったわ」
「まあ、そういうときもあるって」
「でも、相手の戦術に、エースを引っ張り出せたことは大きなところよ」

それを聞いて、水筒の中身を一気に飲む瑞穂。

「ちょっと外で涼んでくるわ」

静かに立ち去って行った。

「今なら相手の場に伏せカードは無いな」
「でも、手札にはオネストがいるっさ！」
「攻撃力6000の壁、、手ごわいわね、、」　

「魔法カード、調律を発動します」
「調律、、シンクロ主軸のデッキね、、」
「デッキからジャンク・シンクロンを手札に加えます」

デッキから送られたのは、☆4のH・C サウザンド・ブレード。

「ジャンク・シンクロンを召喚します。。」
「蘇生効果は使わせない！手札から、エフェクト・ヴェーラーを捨てて効果を発動！」


エフェクト・ヴェーラー　光属性　天使族　☆1　チューナー
①相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、相手の場の効果モンスター1体を
対象として発動できる。その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。


「。。。でも、竜姫神サフィラの効果だけは阻止させてもらいます！ジャンク・シンクロンで、竜姫神サフィラを攻撃します！」

ジャンク・シンクロン　ATK1200
竜姫神サフィラ　DEF800

「カードを4枚伏せてターンエンドです」


Turn08　TP アンドレ　手札4→5

「簡易融合を発動するよ！」

アンドレLP4400→3400


簡易融合　通常魔法
「簡易融合」はターンに1枚しか発動できない。
①1000LPを払って発動できる。☆5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとして
EXデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、
エンドフェイズに破壊される。


「。。融合召喚。。！」

【融合召喚！現れなさい！旧神ヌトス！】

旧神ヌトス　ATK2500

「ヌトスの効果発動！ターンに1度、☆4のモンスターを特殊召喚できる！」

カメンレオン　ATK1600

「☆4モンスターが2体、、まさか、、」
「ランク4モンスターか、レベル8のSモンスターね」

「。。まさか。。」
「☆4のヌトスに、☆4のカメンレオンをチューニング！」

≪外なる力に抗う女神よ！地を這う獣と混じりて炎を纏う剣士とならん！≫

【S召喚！現れなさい！クリムゾン・ブレーダー！】

クリムゾン・ブレーダー　ATK2800

「ヌトスが墓地へ送られた場合、場のカード1枚を破壊できる！」

破壊されたのは、攻撃の無力化。攻撃をふせぐカウンター罠である。

「当たりを引いたわね」

「まずい、、！」
「クリムゾン・ブレーダーの攻撃力2800、美朱濡は3000、そして手札にはオネスト、、」
「このままだと、香織、ワンターンキルされてまうで！」

ピット組が推測する通りである。
美朱濡の攻撃力3000にオネストを使って3000ダメージにクリムゾン・ブレーダーの
攻撃力2800が通れば総ダメージは5800。
しかし、まだ召喚権が残っている。何かモンスターが出れば、香織のLPは尽きてしまう。

「バトル！サイバー・エンジェルー美朱濡ーでジャンク・シンクロンを攻撃！」

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「もうすぐ、、！」

人混みが見えてきた。人々の歓声が聞こえる。
裏道に入って、人混みを避けて進む。

「誰だ！止まれ！」
「いや、良いんだ」
「そ、そうか」

そんな声も聞こえる。
あれ、、あそこにいるのは、、

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「、、、」

打ちひしがれているというか。感傷に浸っているというか。
黄昏というか。なんかぼうっとしている。

「、、(あたしは、、何も、、っ！)」

拳を強く握りしめる。

「、、(悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、、っ！！！)」

敵一人倒せずに、、ただはしゃいで、、バカじゃない、、あたし、、

「何しょげてんだ？らしくないぞ」
「、、！？」

聞きなれた声。そして、聞けなかった声。

「あんた、、なんでここに、、」
「、、遅くなったな」
「、、ほんとよ！」

悠里である。

「泣けばいいさ。全部抱え込むなよ」
「泣かないわよっ、、！」
「そうかい。でも、溜め込むなよ。お前の頑張りはみんなにちゃんと伝わってるから」
「、、、っ！！」

なにさ、、心配させといて、、

「うあぁぁぁ、、、！！！あたし、、あたし、、なにも、、」
「、、そうか」

泣き出す瑞穂を受け止めてやる悠里。悔しさのあまり泣き出す瑞穂。悠里はただ、何も言わず頭を撫でてやった。

「お疲れ様、瑞穂」
「なによ、、次はあんたの番よ」
「、、そうだな」
「行ってくる」
「ちょ、、待ちなさいよ！」
「どうした」
「これ、、持っていきなさい」

瑞穂からカードを受け取る。

「ありがたく使わせてもらうよ」
「ふん、、敗けたら承知しないんだからねっ！」

歩き去っていく悠里の背中を、瑞穂はずっと見つめていた。

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次回予告！
今日はあたし、稲垣瑞穂よ！
あたしは敗けて、あいつに情けないところをみられたけど、香織とあいつがやってくれる！
やってくれなきゃ許さないんだから！反逆罪に値するわ！
まあ、戻ってきてくれたのは嬉しかったわ、、心配してたし。
べ、別に、あいつのことが好きとかじゃないんだからねっ！！

と、とにかく！次回！第56話　「想いは受け継がれて」

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