57.撲殺天使　作：くちなし

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【フィールド】
香織　LP4000　手札0
氷結界の龍 トリシューラ　ATK2700
A・O・J カタストル　ATK2500
ドッペル・ウォリアー　ATK800
伏せカード1枚

蒼羽　LP6000　手札5
神の居城－ヴァルハラ


『決闘！』　(香織LP4000 VS 蒼羽LP6000)

Turn10　TP 蒼羽　手札5→6

「、、あなた、大きなミスをしたわね」
「。。」

胸ポケットから黄色と黒の線が交互に塗られたカードを取り出す。

「これ、知ってる、、？」

「おい、、あれ、、ジャッジメントシステム、、！」
「香織、、何かしたん、、？」
「、、！そうか、、そうなのね」
「理沙、なんや、どうしたん？」
「今ここで香織がジャッジを受けたら間違いなく敗けるわ、、」
「、、なんで、、！？」
「カードテキストの理解不足、、、通常、ソウル・チャージを使用したターンはバトルを行えない、、」
「相手プレイヤーが変わってしまった現状、巻き戻しはできない。よって香織が負けるのよ。有希、一応準備を、、」

ジャッジメント・システム。
何か不服や、確認を取りたいときに行う一時的なデュエル中断である。

「あなた、バトル、、したよね？」
「。。しましたけど。。」
「ソウル・チャージを使ったらそのターンはバトルできいないのよ？」
「。。っ！」
「気付いたようね。私は今、これを掲げて『ジャッジメント』と言うだけであなたを強制交代できるのよ」
「。。。」

やってしまいました。。わたしったら、なんたることを、、

「。。わたしはあなたがそのような行為に出た場合もあまんじて受け入れます。。」
「ふぅん、、」
「。。」
「ま、いいや。行くよ！」
「。。！？」
「、、こんな勝ち方しても面白くないもの」

蒼羽は、カードをポケットに戻し、加速する。

「トレード・インを発動！」

強力なドローソースを引いたみたいである。

「ヴァルハラの効果発動！現れなさい！堕天使アスモディウス！」

堕天使アスモディウス　☆8　ATK3000

「速攻魔法、光神化、発動！」


光神化　速攻魔法
①手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は半分になり、エンドフェイズに破壊される。


「現れなさい！【The Splendid VENUS】！」

The Splendid VENUS　☆8　ATK2800→1400

「いきなり攻撃力3000と2800のモンスターをリリースなしで。。！」
「それだけじゃないわ！地獄の暴走召喚、発動！」
「な。。なんですって。。！」

地獄の暴走召喚、、場のモンスター1体を指定し、可能な限り特殊召喚する効果である。
つまり、The Splendid VENUSがデッキと墓地から1体ずつ特殊召喚される。
一方、香織の場にはドッペル・ウォリアーがデッキから2体特殊召喚される。

The Splendid VENUS　☆8　ATK2800　×2
ドッペル・ウォリアー　☆2　DEF800　×2

「トレード・インでで捨てたモンスターを。。」
「これも戦術のうち！これが私の【撲殺天使デッキ】よ！」

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「総攻撃力10000、、」

モニターを見て瞬時に数値を出す有希。

「そのDホイール、、有希が一番似合ってるかもな」
「、、！」

悠里がやってくる。

「お帰り、、」
「ああ、ただいま。んでもって、なんで泣いてるんだ、、」

悠里の目線の先に映る有希の顔には何かが流れている。

「泣いてない、、」
「、、そうか」

頭をさすってやる。

「悠里、来たから、、私は退く、、」
「え？別にいいんだけど。まだ瑞穂くらいしか知らないし」
「そう、、瑞穂、どうだった、、？」
「、それなりに、とでも言っとく」
「、、、そう」
「、、」
「、、私の代わりに、、出て」

その目はどこか真剣な気がした。有希にしては、と言ったら変だけど。

「分かったよ、、」
「、、あとは任せた」
「、、うん」

歩き去る有希。悠里はその先へと進む。

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「The Splendid VENUSの効果で天使族以外のモンスターの攻守は500下がるわ」

場には3体のThe Splendid VENUS。よって下がる数値は1500．

氷結界の龍 トリシューラ　ATK2700→1200
A・O・J カタストル　ATK2500→1000
ドッペル・ウォリアー　DEF800→0　×2


「バトルよ！アスモディウスでカタストルを攻撃！」

堕天使アスモディウス　ATK3000
A・O・J カタストル　ATK1000

「アスモディウスは闇属性よ！」

香織LP4000→2000

「続けて、VENUS1体目でトリシューラを攻撃！」

The Splendid VENUS　ATK2800
氷結界の龍 トリシューラ　ATK1200

「。。っく。。！」

香織LP2000→600

「The Splendid VENUS2体で攻撃！」

The Splendid VENUS　ATK2800
The Splendid VENUS　ATK1400

「。。っ！！」

香織の場にいたモンスターは5体から1体にまで減ってしまった。

「わたしは、The Splendid VENUS、☆8のモンスター2体でオーバーレイ！」

≪光り輝く女神よ！今ここにひとつとなり、新たに輝く竜騎士へとなりなさい！≫

【X召喚！現れなさい！神竜騎士フェルグラント！！】

神竜騎士フェルグラント　★8　ATK2800

「カードを1枚伏せてターンエンドよ。本来、光神化の効果で特殊召喚されたモンスターは破壊されるけど、X素材になっちゃ、破壊もないわよね」


【フィールド】
香織　LP3400　手札0
ドッペル・ウォリアー　DEF800

蒼羽　LP6000　手札1
The Splendid VENUS　ATK2800　×2
堕天使アスモディウス　ATK3000
神竜騎士フェルグラント　ATK2800


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次回予告！
読者のみなさん、こんにちは。安楽々(々)木理沙です。
2人目の香織は1人目を何とか倒したものの、2人目の決闘者、蒼羽によって、不利な状況に
苦しめられているわね。残りのライフはあと600。手札は0。香織はいったいどう動くかな？

次回！第58話　「友達(なかま)の帰還」


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