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星の名を背負う者(雑談掲示板にてイベ募集)/08. ひきこもりがーる 作:浮幽さくら


☆★☆★

城ヶ崎と話してから1週間経過したあの日。電話が鳴る。

「もしもし」
「ん、、?誰だ?」
「私よ。城ヶ崎楓よ」
「なんで、携帯の番号を知っているんだ?」
「あんたが先に帰った後、安楽々さんから教えて貰ったのよ」

あいつめ。人の番号を勝手に教えるなよ!

「で、何の用だ」
「この後、会える?」
「来れない事は無い」
「じゃあ来てくれない?1人で」
「分かった。何処に居ればいい?」
「駅」
「分かった。じゃあな」

因みに、今はアカデミアで昼食を食べている。
この後、っていう事は放課後か。
丁度いい、今日の午後は教科担任が居ないから休講、すぐに帰れる。

という訳で、終学活後、運よく掃除当番を免れた僕は、アカデミア最寄り駅へ向かう。
日本都心部にあるアカデミアの最寄り駅から電車に揺られ、30分弱。最寄駅につく。
改札を出ると、私服姿にポーチで待っていた城ヶ崎がいた。

「待たせたのか。悪かったな」
「ううん。大丈夫」
「そうか」
「ついてきて」

言われるがままついて行く。流石に、人の多い駅で話をするのは躊躇したのか、人通りの少ない路地にある
児童遊園に連れて行かれた。真昼間だからか誰もいなく、太陽は眩しい位に照っている。

「で、話は何だ」
「昨日の夜、策は無くもない、って言ったよね」
「ああ、言ったな」
「私はどうすればいい?本当はこんなこと聞くもんじゃないし、あんなこと言って聞く義理じゃないけど、
昨日、色々考えたりしたけど、私の考えではこれ以上変えるには少しばかり及ばない、だから、教えて、、」

あの事か。

「うーん、そうだな。誰からがいいかな」
「舞は?正直、長い付き合いだったからこれからも仲良くしたいのよ、、でも、着てなかったから、、」
「松下達は個人的意見では、もう止めといた方が良いよ。城ケ崎がいない間に、色々あったんだよ」
「色々なこと、、?」
「ああ、」

一般的視点から『たった一週間』に感じられる事が、此方からすればため息が出るほど鬱陶しいのであった。
なにせ、こんな事があったのである。

・松下達女子御一行がコンビニの集団万引きで補導。生徒には知られていないが、専制の耳打ちから聞いた。
・隣のクラスの男子と、此方のクラスの1人が大ゲンカ。掲示物はぐしゃぐしゃ。
・球技大会は結局、学級委員の選別で男子はドッヂボールとサッカー、女子はテニスとバレーボールになった。

はっきり記憶しているのがこのくらい。後諸々。

「大変だったね、、」
「まあな。だから、もう関わらない方が良い。城ケ崎は城ヶ崎自身で、新しい学校生活を過ごせばいい。他は、、佐々木か。佐々木は佐藤、早柿と一緒に居るから、もしかしたら絡めるかもな。だけど、一度喧嘩したらなかなか仲直りできないから、注意が必要か。男子は基本止めとけ」
「うん。ありがと」
「明日から、来るのか?」
「今日の内容次第だったけど、来ようかな、とは思ってるよ」
「そうか」
「私さ、観月と話したとき、印象と全然違っててびっくりした」
「なんだよ、いきなり」
「まさか、あんな深い話するなんて思ってもみなかったし。正直、説教三昧かと思ってた」
「ひどい言われようだな」
「それと、、」
「なんだ」
「私も、入れて欲しい」
「あれか」
「そう」
「。」
「」

暗黙の了解的な感じを漂わせる沈黙で城ヶ崎は同盟に仮入部する事になった。後は安楽々がどう言うかだ。
話が終わると、ありがとう、と一言残して去っていった。

その1時間後。ある人間の家へ行く事にする。
そいつは、アカデミアに憧れている人である。幼い頃は僕とよく遊んだものだ。

ピンポーン、、チャイムを鳴らす。
はーい、と言う女の人の声と共にドアが開く。エプロン姿の高校生らしき女の人だ。

「あなたは、、?」
「えっと、、覚えてないかもしれませんが、こういう者です」

学生証を差し出す。若い女はまじまじと学生証を見て、その後、顔を見つめる。

「お宅の、有希さんと話は出来ませんか?」
「今の有希じゃ、話せるか分からないけど、とりあえず上がってって」

言われるがまま、お邪魔します、と一言言い、階段を上る。

「有希、有希!悠里くんよ」
「有希か。僕だ」

部屋の中からは無言。

「ほら、よく遊んだだろ。家で。プールは入ったり、泊まってったり」
「姉さん、下降りてて」
「、、分かったわ」

有希をよろしく、と一言残し、階段を下りて行った。

「座るぞ」

流石によく遊んだ仲と言えども、部屋には入れさせては貰えない様である。
その場に腰を掛ける。

「有希、最近はどうだ、元気か?」
「うん」
「そうか、、」

有希、は僕と1つ下の少女である。最近会っていなかったから、どう変わっているのかは知らないが、最後に
会ったときの記憶を基に特徴を述べるならば、眼鏡っ子で物静か、スタイルはそこそこ、短髪な少女である。
有希は現在、訳アリらしく、引きこもりになっている。
僕が有希の家を訪ね鵜事になったのは1か月ほど前。入学を報告しようとした時。
近所の人が噂話しているのを偶然耳にして、引き籠っている事を知った。近所の子供は有希の事を
「引きこもりかまくらガール」とあだ名を勝手につけて呼んでいるらしい。
近所の情報ネットワークは素晴らしい物だな。すぐ情報が伝達されるのだから。

「悪いけど、部屋には入れられない」
「別に構わない。有希の部屋に入るために来たんじゃないしな」

そう言って僕は苦笑。

「悠里、なんで知ってる?」

知ってる、とは、引きこもりの原因だろうか。

「近所の情報ネットワーク」
「何しに来た?」
「様子見」
「なんで来た?」
「心配だから」
「なんで?」
「後輩で、仲良しの子が引きこもりって聞いたら、来るだろ」
「いや、普通来ないよ」
「そうか。籠もって、1か月か」
「だいたい。日付の感覚が薄れている」

どうしてだ?と言う唐突過ぎる質問はしてもいいのか否か。妙な沈黙が流れる。

「電話番号、、教えて」
「携帯、持ってたのか」
「うん」
「分かった。えっと、、」
「書置きする。待って」

部屋の中で何かを探る音がする。それ以外の音は何もしない。そして、いいよと声が明かる。
自分の番号をそらんじる。

「ありがとう」

それだけ言った。
こうして有希が引きこもって初めての自宅訪問は終わった。
自分の都合優先なので、気楽である。迷惑だったらスマナイ。

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