第18話：決勝戦開幕　作：青き眼の凡人

飛車鳥「ついに…！ついに来ました！ナイトドミノカップ決勝戦！対戦するのはこのチーム！ダークロード！そしてキングダムクラッシャーズ！」

長らく延長していた決勝戦がついに始まる。観客は先日よりも多く、空席は一つも無い。

竜泉(ついに始まるか…)
プレア(ンー！いい舞台！張り切っちゃうヨー！)
ミドラ(ドコデアロウガカンケイナイ。ザコハフキトバスダケ…)
良経(懐かしいな…！シップウ団のあの頃を思い出すぜ！)



麟(とうとうここまで来ちゃった…緊張しない、やるだけやるのよ！あたい！)
アマンダ(シップウ団の時も見た光景だなぁ…みんな元気かなあ…)
ゴードン(大舞台は久しぶりだな…ま、せいぜい頑張ってみるか！)
アルフレッド(お嬢様のため、必ず勝つ！)






羅刹「目指すものは勝利のみ！ゆくぞ！」

ユーリ「みんな、頑張りましょう！」




飛車鳥「さあ、お互いのチームの一番手は誰になるのか…おおっとキングダムクラッシャーズはもう決めたようです！一番手は才刄 竜泉！」

麟「竜泉お兄ちゃん…！」

竜泉と戦うことを心から願っていた麟。

ゴードン「いきなりお兄さんの登場ってか？頑張りな！」
アルフレッド「アマンダから事情は聞いた。…頑張ってこい。」
ユーリ「頑張って！あなたならきっと勝てるわ！」
アマンダ「私も応援します〜！」

仲間が麟を励ます。その言葉は他の誰の言葉よりも頼もしかった。

麟「…また励まされちゃったね、あたい。行って来ます！」

飛車鳥「さあチームダークロードの一番手の登場だ！あれは…才刄 麟選手です！」
チェック「ふーむ、サイバー流対決となりました。キメラテックフォートレスが怖いところでしょうか？」

竜泉「久しぶりだな麟。もっとも、お前はまだ俺の顔など覚えていないだろうけどな。」
麟「ううん、孤児院のみんなに話は聞いてたわ。顔をまともに見るのは初めてだけどね。」
竜泉「そうか…」

7年前、孤児院を救うために離れ離れとなってしまった才刄兄妹。
竜泉は海馬コーポレーション特設チーム所属となり、順調な7年を送ったが、麟は闇人居住区にいたままだった。
そこで7年を過ごすのはどれだけ辛かっただろう。同じ場所で育った竜泉には容易に想像できる。
だがそれでも、恨み言一つ言わない麟を見て、竜泉は悲痛な顔をする。

竜泉(こんないい妹を俺は置いて行ったというのか？)

だが、過去を悔やんでも仕方がない、竜泉は目の前の勝負に集中する。

竜泉「言っておくが、手加減は無しだ！デュエルモード！」
麟「あったりまえよ！デュエルモード！」

飛車鳥「お互いの準備は整った！デュエル開始イイ！！」

「「デュエル！！」」

竜泉 LP4000 手札5枚 デッキ35枚

麟 LP4000 手札5枚 デッキ35枚

竜泉「先攻は俺だ！俺は手札から、『サイバー・ドラゴン・フィーア』を召喚！」

サイバー・ドラゴン・フィーア
ATK1700

竜泉「このカードが通常召喚に成功した時、デッキからレベル4以下の『サイバー』モンスターを特殊召喚できる！こい！『サイバー・ドラゴン・ドライ』！」

サイバー・ドラゴン・ドライ
ATK1800

竜泉「まあ、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となるがな…」

麟「…でも、レベル4のモンスターが二体ってことは…」

竜泉「察しがいいな、行くぞ！俺は！二体の光属性機械族でオーバーレイ！」

竜泉「音無き宇宙を駆け巡る機械竜よ！今この地に飛来し、勝利の礎となれ！」


エクシーズ召喚！


竜泉「こい！『サイバー・ドラゴン・ブレイザー』！」

サイバー・ドラゴン・ブレイザー
ATK2000

飛車鳥「ここで竜泉！いきなり1ターン目からエクシーズ召喚だ！」
竜泉「まだ終わりではない！ブレイザーの効果発動！エクシーズ素材を二つ取り除き！このカードよりランクが一つ高い『サイバー』エクシーズモンスター一体を、フィールド上のこのカードに重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する！」
麟「なるほど、つまりその効果で出てくるモンスターは…」
竜泉「無論、『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』！」

サイバー・ドラゴン・ノヴァ
ATK2100→3100


ユーリ「攻撃力が3100に…！？」

竜泉「『サイバー・ドラゴン・ブレイザー』をエクシーズ素材としているモンスターは攻撃力が1000アップする！」


サイバー・ドラゴン・ブレイザー ※オリカ
ランク4/光属性/機械族/エクシーズ/攻2000/守1600
光属性機械族レベル4モンスター×2
(1)1ターンに一度、このカードのX素材を二つ取り除いて発動できる。
このカードよりランクが一つ高い『サイバー』Xモンスターをフィールド上のこのカードに重ねてX召喚扱いでエクストラデッキから特殊召喚する。
(2)このカードをX素材としたモンスターは攻撃力が1000アップする。

竜泉「まだまだ！『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』に重ね、このカードをX召喚！」

竜泉「機光の竜よ、無限の理によって進化を果たせ！」


エクシーズ召喚！

竜泉「『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』！」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ
ATK2100→3500


竜泉「俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド！」

飛車鳥「やっぱり出ました！『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』！」

麟「確かに強力かもしれない…だけど！あたいは絶対に乗り越える！あたいのターン！手札から、『サイバー・ドラゴン・ドライ』を召喚！」

サイバー・ドラゴン・ドライ
ATK1800

麟「このカードは『サイバー・ドラゴン』としても扱う！そしてエクストラデッキのこのカードは…」

麟が機械族の天敵たるあのカードを取り出そうとしたその時。

竜泉「トラップ発動！『緊急防御装置』！自分フィールド上の機械族モンスターを全て裏側守備表示にする！そしてこのターン、相手は攻撃宣言できない！」

機械竜の姿が消え、代わりに横向きのカード一枚が現れる。裏側守備表示になったということの表れだ。

麟(？？？…あのカード、なんの意味があるの？確かにバトルはできないけど、キメラテック・フォートレスは…)

麟はそこまで思考するとハッとし、一度、『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』の効果を確認した。

麟(やっぱり…！竜泉お兄ちゃんの狙いはバトル阻止だけじゃなく…！)









麟(『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』の召喚を防ぐこと！)



麟「してやられちゃった…ターンエンド！」

飛車鳥「おや？てっきり『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』が出るかと思いましたが…」
チェック「…なるほど、そういうことですか。」
飛車鳥「チェックさん、解説をお願いできますか？」
チェック「『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』の意外な弱点です。まず、これが『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』のテキストです。」


キメラテック・フォートレス・ドラゴン
星８/闇属性/機械族/融合/攻0/守0
「サイバー・ドラゴン」＋機械族モンスター１体以上
自分・相手フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ、
エクストラデッキから特殊召喚できる（「融合」は必要としない）。
このカードは融合素材にできない。
(1)：このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×１０００になる。

飛車鳥「そうですね、『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』は機械族のはず…あっ！？」
チェック「察しがいいですね。」
飛車鳥「いまインフィニティは『裏側表示』！？」
チェック「そう、裏側表示となっている『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』の情報は『非公開情報』となっています。無論、機械族であるという情報も非公開。この状態では『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』を融合召喚できないんですよ。」
飛車鳥「『緊急防御装置』は、まさに『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』の対策カードというわけですね！」


竜泉「俺のターン！ドロー！インフィニティを反転召喚！」

カードが裏返り、再び機械竜が現れる。

竜泉「インフィニティの効果発動！その『サイバー・ドラゴン・ドライ』をもらい受ける！」

サイバー・ドラゴン・インフィニティ
ATK3500→3700


竜泉「バトル！『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』でダイレクトアタック！エヴォリューション・バースト・インフィニティ！！」

感情を持たぬ機械竜の容赦ない攻撃が麟に襲いかかる。

麟「うううっ！！…本当に手加減無しね…」

麟 LP4000→300

竜泉「俺はこれでターンエンド！」



麟(いたた…さっきも言ったけど、手加減無し、の言葉は嘘じゃないみたいね…まっ、そうじゃないと面白くないってユーリお嬢様なら言うかな…！！)
麟(ライフは首の皮一枚程度…だけどまだデュエルは終わりじゃない！)




麟(今に見てなさい！竜泉お兄ちゃん！！)










－－－次回予告

アマンダ「麟ちゃんのライフはあと300しかありませんよ〜！？」

プレア「リュウセーン！！このまま勝っちゃいなヨー！」

飛車鳥「いったい、このデュエルはどうなるんだ！？」

次回、最終機械竜VS無限機械竜


麟、竜泉「「勝ちは譲らない！！絶対に！！！」」
















※大分遅れましたが、あけましておめでとうございます。今年も遊戯王DARKROADをよろしくお願いします。


せっかくの元日なのにお正月特別編をやらずに本編をやる気の利かない作者を許してくれ……