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第3話 これからの生活 作:ヒラーズ
あれから2日後、ゲーテから色々と教えて貰ってだいぶ知識を得たものの、問題なのはこの先、僕はどう生きていくかだ。
囚人を輸送していた航空機はないし、見覚えのない国だし。
この世界で生活するしかないのだろうか…。
しかも僕が寝ていた民家はゲーテの別荘だったらしく、僕は丁度その近くに漂流してたらしい。
だからといって居候は御免被りたいからなぁ…。とは言ってホームレスって訳にはいかないし、なによりこの国の通貨が無いし、困ったな。
「…」
まぁ…最終手段は自分の能力次第といったところか…。
「…あ、そうだ」
能力で思い出した。そういえば僕の能力を封じていた手錠が外れてるんだったな…。
誰も居ないところで能力が使えるか確かめて見るか。
「うん、言葉より行動がものを言う!早速だ!!」
僕はゲーテの別荘を出て、近くの森林で能力のリハビリを行った。
「よし、まずは基礎的なものだ。ええと…《幻影槍(ファントム・スピア)》1本だけ出そう」
そう僕は宣言し、自分の影から黒い槍を取り出す。
「うん、頑丈さは変わらない。次は…《ファントム・アポート》だな」
僕は槍を影に戻し、自分から2mくらい離れたところに石を置く。
「では…《ファントム・アポート》!」
僕が自分の影に手を突っ込み、石の方に目をやると、石の影から自分の手が出ていた。
「一応は…成功だね…よし次だ」
―――――
2時間、影での能力のリハビリは最後の能力1つのみとなった。
「最後だ、《ファントム・フライト》、3分間だけ浮いてみるか」
そう言って僕の背中に平らで丸く黒いの物質が出現する。
「では、浮いてみよう。よっこらせと」
僕は軽く跳躍し、能力を試す。
「おお…浮いた浮いた」
見事に能力の発動は成功し、空中に浮く。
「次は浮いたまま移動だ」
次のステップに移行した僕は、浮いたまま移動する。
思った以上にスイスイと進み、発動時間が切れるまで浮きながら、様々な影能力を使って短時間のリハビリ始めていった。
6年間も封印された能力だが、鏡を利用した能力はまた今度という事にしておこう。
そう考えている間に能力の効果が切れ、地面に着地する。
「よし!今日はここまでにしておいて、別荘に戻るか」
そしてゲーテの別荘に戻った僕は、中に入って彼女の帰りを待った。
「…今頃、あっちの世界の刑務所はどうなっているんだろう…」
囚人を乗せた航空機が竜巻で粉々になったんだ。
救援といったものは…恐らくないな。ただでさえこの世界に警察みたいなものは居なさそうだし、並大抵の戦犯は暴れ放題かも知れない。
「けど…僕だけが生き残っているとは限らないし、きっとこの世界のどこかで僕と同じく輸送された囚人も生きてるはず…」
そう願うしかない、しかし1つだけ不安があった。
仮に元の世界に帰れても、僕に帰るべき『場所』はあるのだろうか?
その考えが横切った、僕は9歳の頃から親を失い、妹は意識不明の状態で病院送り、親戚すらいない仲だ。妹が意識不明の状態に陥ったのは僕のせいでもあるし、また攻められるだけ。
そんな世界に帰っても意味があるのだろうか…?
僕はその事で悩んだ、現実的に言うのであれば今後の先、この世界における拠点を持ち、帰れる方法があったとしても、帰る家が無いという事になる。
今でも僕は犯罪者だ、平穏というものは無い。戻ったとしてもまた独房の生活に逆戻りになる。
仮にこれが運命の神が仕込んだ、更生というものならば、それは極めておかしいものだ。サイコパスに更生なんぞ無理だというのにだ。
「…ここからの生活は、きっとティアーズ家の世話になってしまうかも知れない」
それしか考えれなかった、いや…それしかなかった。
無論、タダという訳にはいかない、何かしらの金策は必要になる。
ゲーテから聞いた話では、ティアーズ家はかなりの金持ちらしい。
武術、芸術、大半は優秀な一族で、デュエルではプロ並だとか…だからゲーテのデッキは1ターン目からシンクロができる訳だ。
「奥が深いな、この世界は」
その時だった。
コンコン!
誰かがドアをノックしている。
僕はあえて出てみることにした。
「はい」
僕はドアを開け、外を見ると。
「…」
「…」
目の前に一人の女性が立っていた。
青髪で翡翠色の眼、どこぞの学園の制服っぽい服装。そして腰には何やら刀っぽいものが二本、ぶら下がってる。いかにも生徒会長っぽい人に見える。
「えーと…君は?」
「私か?チェルノボグだ。妹が世話になったな」
また死神の名前、ティアーズ家の人の名前センス悪すぎな気がする。
しかも妹が世話になったって…ゲーテの事か。
「ええ、まぁ…むしろ助けて頂き感謝の極みです…」
「そうか、この別荘にいるのも何だ、町を回っていく気は無いか?」
そういえば外回りをしていなかったな。
ここはあえて乗るか。
「はい、お願いします」
「そう改まるな、私語で構わない」
おや?以外と優しい。
こうして僕の今後の行動は町の探索となったのであった。
次回に続く
囚人を輸送していた航空機はないし、見覚えのない国だし。
この世界で生活するしかないのだろうか…。
しかも僕が寝ていた民家はゲーテの別荘だったらしく、僕は丁度その近くに漂流してたらしい。
だからといって居候は御免被りたいからなぁ…。とは言ってホームレスって訳にはいかないし、なによりこの国の通貨が無いし、困ったな。
「…」
まぁ…最終手段は自分の能力次第といったところか…。
「…あ、そうだ」
能力で思い出した。そういえば僕の能力を封じていた手錠が外れてるんだったな…。
誰も居ないところで能力が使えるか確かめて見るか。
「うん、言葉より行動がものを言う!早速だ!!」
僕はゲーテの別荘を出て、近くの森林で能力のリハビリを行った。
「よし、まずは基礎的なものだ。ええと…《幻影槍(ファントム・スピア)》1本だけ出そう」
そう僕は宣言し、自分の影から黒い槍を取り出す。
「うん、頑丈さは変わらない。次は…《ファントム・アポート》だな」
僕は槍を影に戻し、自分から2mくらい離れたところに石を置く。
「では…《ファントム・アポート》!」
僕が自分の影に手を突っ込み、石の方に目をやると、石の影から自分の手が出ていた。
「一応は…成功だね…よし次だ」
―――――
2時間、影での能力のリハビリは最後の能力1つのみとなった。
「最後だ、《ファントム・フライト》、3分間だけ浮いてみるか」
そう言って僕の背中に平らで丸く黒いの物質が出現する。
「では、浮いてみよう。よっこらせと」
僕は軽く跳躍し、能力を試す。
「おお…浮いた浮いた」
見事に能力の発動は成功し、空中に浮く。
「次は浮いたまま移動だ」
次のステップに移行した僕は、浮いたまま移動する。
思った以上にスイスイと進み、発動時間が切れるまで浮きながら、様々な影能力を使って短時間のリハビリ始めていった。
6年間も封印された能力だが、鏡を利用した能力はまた今度という事にしておこう。
そう考えている間に能力の効果が切れ、地面に着地する。
「よし!今日はここまでにしておいて、別荘に戻るか」
そしてゲーテの別荘に戻った僕は、中に入って彼女の帰りを待った。
「…今頃、あっちの世界の刑務所はどうなっているんだろう…」
囚人を乗せた航空機が竜巻で粉々になったんだ。
救援といったものは…恐らくないな。ただでさえこの世界に警察みたいなものは居なさそうだし、並大抵の戦犯は暴れ放題かも知れない。
「けど…僕だけが生き残っているとは限らないし、きっとこの世界のどこかで僕と同じく輸送された囚人も生きてるはず…」
そう願うしかない、しかし1つだけ不安があった。
仮に元の世界に帰れても、僕に帰るべき『場所』はあるのだろうか?
その考えが横切った、僕は9歳の頃から親を失い、妹は意識不明の状態で病院送り、親戚すらいない仲だ。妹が意識不明の状態に陥ったのは僕のせいでもあるし、また攻められるだけ。
そんな世界に帰っても意味があるのだろうか…?
僕はその事で悩んだ、現実的に言うのであれば今後の先、この世界における拠点を持ち、帰れる方法があったとしても、帰る家が無いという事になる。
今でも僕は犯罪者だ、平穏というものは無い。戻ったとしてもまた独房の生活に逆戻りになる。
仮にこれが運命の神が仕込んだ、更生というものならば、それは極めておかしいものだ。サイコパスに更生なんぞ無理だというのにだ。
「…ここからの生活は、きっとティアーズ家の世話になってしまうかも知れない」
それしか考えれなかった、いや…それしかなかった。
無論、タダという訳にはいかない、何かしらの金策は必要になる。
ゲーテから聞いた話では、ティアーズ家はかなりの金持ちらしい。
武術、芸術、大半は優秀な一族で、デュエルではプロ並だとか…だからゲーテのデッキは1ターン目からシンクロができる訳だ。
「奥が深いな、この世界は」
その時だった。
コンコン!
誰かがドアをノックしている。
僕はあえて出てみることにした。
「はい」
僕はドアを開け、外を見ると。
「…」
「…」
目の前に一人の女性が立っていた。
青髪で翡翠色の眼、どこぞの学園の制服っぽい服装。そして腰には何やら刀っぽいものが二本、ぶら下がってる。いかにも生徒会長っぽい人に見える。
「えーと…君は?」
「私か?チェルノボグだ。妹が世話になったな」
また死神の名前、ティアーズ家の人の名前センス悪すぎな気がする。
しかも妹が世話になったって…ゲーテの事か。
「ええ、まぁ…むしろ助けて頂き感謝の極みです…」
「そうか、この別荘にいるのも何だ、町を回っていく気は無いか?」
そういえば外回りをしていなかったな。
ここはあえて乗るか。
「はい、お願いします」
「そう改まるな、私語で構わない」
おや?以外と優しい。
こうして僕の今後の行動は町の探索となったのであった。
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