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プロローグ・3 作:KOUBOU(旧名:光芒)




「……ファイナルターン宣言ですか、大きく出ましたね」

 そう言って呆れたような表情をやれやれ、といったポーズを取る結衣。しかし、結衣はプロデュエリストとして多くのデュエルを経験してきただけに、内心はそう穏やかではいられなかった。

(P召喚の強みはP召喚による大量展開から更に別の召喚法に繋げられるところ。遊大さんのフィールドにはチューナーモンスターに、同じレベルのモンスターが複数体……SにX、Lと取れる戦法がたくさんある)
「行くよ。まずは、レベル4の闇属性Pモンスター・覇王眷竜ダークヴルムに、チューナーモンスター、覇王眷竜ライトヴルムをチューニング!」

 光の眷属の身体が4つのリングに変わり、闇の眷属の身体がその中心で4つの星になる。2体の眷属の魂が混ざわることで生まれたのは、覇王の名を持つ竜の一角を為す白き破壊竜。

「“その翼は全てを断つ。その魂は絶望を貫き光をもたらす意志。白翼の魔竜にあらゆるものを撃ち砕け!!” シンクロ召喚!《覇王眷竜クリアウィング》!」

《覇王眷竜クリアウィング》
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
チューナー+チューナー以外の闇属性Pモンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。
(2):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。そのモンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
(3):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「覇王眷竜」モンスター2体をリリースして発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。

「クリアウィング……でも、シンクロ・ドラゴンじゃない?」
「S召喚に成功した覇王眷竜クリアウィングの効果を発動! 相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する!」

 クリアウィングから放たれた漆黒の波動が承影を切り刻んだ。もし、三戦の号からのサンダー・ボルトが通っていなければ承影には破壊を防がれつつ、効果でクリアウィングを除外されてしまっていた。そう考えるとあの局面で三戦の号を引けていなければ、ここまで上手くはいかなかっただろう。

「さらに、俺はレベル7のアストログラフ・マジシャンと覇王門の魔術師でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! X召喚!現れよ、《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》!」

《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/水属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
レベル7モンスター×2
「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時に、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その攻撃を無効にする。その後、自分の手札・墓地から「オッドアイズ」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。
(2):X召喚されたこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。エクストラデッキから「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン」以外の「オッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。

「そして、リンク2の軌跡の魔術師とオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!」
「Xモンスターをすぐにリンク素材に!?」
「リンク召喚。現れろ、リンク3《奇跡の魔導剣士(エクシード・ザ・ペンデュラム)》!」

《奇跡の魔導剣士(エクシード・ザ・ペンデュラム)》
リンク・効果モンスター
リンク3/光属性/魔法使い族/攻2000
【リンクマーカー:左下/下/右下】
Pモンスターを含む効果モンスター2体以上
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがL召喚した場合に発動できる。自分のEXデッキから表側のPモンスター1体を手札に加える。
(2):このカードの攻撃力は、自分フィールドのPモンスターカードの数×100アップする。
(3):自分・相手のメインフェイズに発動できる。自分のPゾーンのカード2枚のPスケールでP召喚可能なレベルを持つPモンスター1体を自分の手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。

「L召喚に成功した奇跡の魔導剣士、そしてフィールドから墓地に送られたアブソリュート・ドラゴンの効果を発動!」

チェーン2(遊大):オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン
チェーン1(遊大):奇跡の魔導剣士

「チェーン2のアブソリュート・ドラゴンの効果。X召喚に成功したアブソリュート・ドラゴンが墓地に送られた場合、EXデッキから同名カード以外にオッドアイズモンスター1体を特殊召喚する。来い!《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」

《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、自分の墓地から闇属性モンスター1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材にできる。
【モンスター効果】
レベル7のPモンスター×2
レベル7がP召喚可能な場合にEXデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。このカードはX召喚されたターンにはX召喚の素材にできない。このカード名の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドの攻撃力3000以下のモンスターを2体まで対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
(2):モンスターゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

「そしてチェーン1の奇跡の魔導剣士の効果。自分のEXデッキから表側表示のPモンスター1体を手札に加える。俺はライトヴルムを手札に加える」

 遊大のフィールドに存在するモンスターは攻撃力3000のオッドアイズ・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン、攻撃力2500のクリアウィング、攻撃力2000の奇跡の魔導剣士。総攻撃力の合計は7500となる。

「……何を考えているかはわかりませんが、それらのモンスターを出す前の方がフィールドの総攻撃力は高かったですよね?」

 このまま3体のモンスターで攻撃したとして、結衣のライフは500残る。このゲームは1でもライフが残れば負けではない。逆に、そこまでライフを削りながらも仕留めきれないと手痛いしっぺ返しを食らうことも少なくないのだ。
 しかし、遊大は結衣のその言葉を聞いても動揺するどころか凪いでいる水面の如く、穏やかなままだった。

「もしかして、プレイングミスって言いたい? とんだロマンチストだね」
「……イラっときますね。その言い方。あとで遊希さんに告げ口しますね」
「ごめんなさい。えっと、俺はオッドアイズ・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを素材に更にオーバーレイ! "二色の眼を持つ竜よ。己が限界を超え、あらゆる全てを刺し穿て!!” 《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード》!!」

《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード》
エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
【Pスケール:青4/赤4】
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカードを特殊召喚し、「リベリオン」モンスターか「幻影騎士団」モンスター1体をこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。その後、自分のPゾーンのカード1枚をそのモンスターの下に重ねてX素材にできる。
【モンスター効果】
レベル7モンスター×2
自分は「覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
このカードは自分フィールドの「リベリオン」Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もでき、レベル7がP召喚可能な場合にEXデッキの表側のこのカードはP召喚できる。
(1):ランク7のXモンスターを素材としてX召喚したこのカードは1度のバトルフェイズ中に3回攻撃できる。
(2):モンスターゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

「Xモンスターを素材にして、更なるX召喚を!?」
「ランク7のXモンスターを素材にX召喚されたこのモンスターは、一度のバトルフェイズに3回攻撃できる。バトル! 覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロードでダイレクトアタック!!"革命の雷牙 オーバーロード・ディスオベイ”!!」

 雷撃を纏ったオッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロードの攻撃が結衣を襲う。その重い一撃が自身のライフを削る中、結衣は思い出していた。それは遊大と初めて会った時のことだ。

―――遊希さんの一番弟子はこの私。なのに、どうして遊希さんはあんな人を……

 遊大が遊希と出会ってからまだ1年も経っていない。一方で結衣が遊希と出会ったのは2年以上も前のこと。あの時の遊希との出会いがあったからこそ、彼女はプロデュエリストになれたのだ。そのため、遊希への感謝と親愛の情は誰よりも強い。
 だからこそ、彼女は今まで抱いたことのない感情を遊大に向けた。遊希から期待を受け、将来を嘱望される新しいデュエリスト。だからこそ、夏にデュエルをした時はまだまだ半人前にすら至っていない遊大を完膚なきまでに叩きのめしたのだ。

(……私もまだまだということなんでしょうか)

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン-オーバーロード ATK3000×3

結衣 LP8000→LP0



「……まさか、ここまで一方的にされてしまうとは思っていませんでした。完敗です」

 デュエルが終わった後、結衣は自ら遊大の下へ歩み寄っては握手を求めた。夏に出会った時は嫉妬から辛辣な態度を取ってしまった彼女であるが、今の遊大は明らかに自分と同等、もしくはそれ以上の力を持っている。少なくとも今まで戦ったどのプロデュエリストよりも強いのではないか。そう思わざるを得ないほどであった。

「ありがとう。でも今回はまだ運に助けられたな、って思うところはあったかな」
「運……ですか?」
「うん、三戦の号を引けたことやサンダー・ボルトを通せたところとかね。あれがなかったらと思うと今でもヒヤヒヤするよ」
(ほぼ完璧ともいえるデュエルだったのに、運が良かったの一言で済ますということですか。私もこれだけストイックでありたいものです)
「お疲れ様、二人とも」

 そんな時、デュエルフィールドの遊大と結衣の前に二人の少女がやってくる。

「遊希さん!」

 現れた少女の名前は天都 遊希(あまつ ゆうき)。伝説のプロデュエリストであり、遊大と結衣の人生を大きく変えた存在だ。そして、そんな彼女に連れられてやってきたのは白人の少女。その少女の顔を見た結衣は驚いた様子を隠せなかった。

「もしかして、ベアトリスさん!?」
「よかった、覚えていてくれたんですね。お久しぶりです、結衣さん」

 欧州人もといフランス人の少女の名前は“ベアトリス・オルレアン”。結衣と共に3年前のデュエリスト交流イベントにフランスからのゲストとして来日していた彼女は、自身もデュエリストとして自分を高めたいという一心から来賓でありながら一参加者としてエヴァの下に付き、デュエリストとしての手解きを受けた。
 そしてその一件が影響して遊大が入学する一年前にこのセントラル校に留学生として入学。エヴァの下で生徒会の一員として自分と同じ外国人の生徒の日本での生活をサポートしていたのだ。

「入学していた、とは聞いていましたが。まさかまた会えるとは思いませんでした!」
「一年だけですけど、同じ学び舎で学べますね」
「まだ試験は受かっていないですけどね……それでどうしてあなたがここに?」
「そっか、結衣には伝えていなかったわね。実は彼女―――来季の生徒会長なのよ」

 去年は遊希の親友で結衣とも親交のある“月宮 詩織(つきみや しおり)”が務めていた生徒会長は文字通り生徒の代表として学校側と協議する重要なポストだ。しかし、遊希ともども卒業を迎える詩織の後継者として彼女たちが選出したのは他ならぬベアトリスだったのだ。

「ベアトリスさんが生徒会長ですか……凄いですね」
「エヴァさんをはじめ先輩方皆さんから推薦を受けた時はびっくりしましたが……今ではワクワクの気持ちがいっぱいです。色々と至らない点が多いですが、宜しくお願い致しますね」

 そういってペコリと頭を下げるベアトリス。もちろん生徒会長を留学生が務めるということ自体異例のことではあるが、彼女の性格は生徒会の人間として一年間接してきた遊希たちはよく理解している。しかし、人柄が良くても務まるかと言えばそうでもない。

「そう。それであなたにも伝えたかったのよ、遊大」
「俺に?」
「そう。あなたには私の後任として私が去年務めていたデュエル委員を引き継いでもらいたいの」

 遊希が担当していたデュエル委員とは、この学校においてデュエルを司る委員である。去年は遊希がメインとなって学校側と共に生徒たちにデュエルを学べる環境づくりを行ってきた。遊希の指名を受けてデュエル委員に抜擢された遊大であれば、無理なく後を継いでくれると思ったから。それが彼を後任に選んだ理由であった。

「遊希さんがやっていたことを俺が……」
「そう。今の遊大なら問題なくできるはずよ」
「……ちょっと過大評価な気もしますが。ですが、遊希さんにそう言われては引き下がれませんね。わかりました、デュエル委員の仕事。謹んで引き受けさせて頂きます」

 春を迎えるセントラル校には新しい風が吹こうとしていた。未来への一歩を踏み出そうとする遊希、希望を胸にアカデミアという学び舎に進もうとする結衣、そしてそんな二人を見送り、迎え入れるベアトリスと遊大。四人の若いデュエリストたちの心はキラキラと輝いていた。








「……さすが高海 遊大。あたしの見てきた通りのデュエリストだね。うん、とっても楽しみ。早く―――4月にならないかなぁ」











 風は吹く。希望と、不安を乗せて。


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