デッキセット:welcome world　作：零のイラストや

地球にある小さな島国、日本。

その日本の○○県○○市は
今年も、暑い夏が来ていた。

「今日もあっちぃ~なぁ~。」

今年で15になる、澪仁(れいと)
はそういって、扇風機のスイッチをいれる。そして近くにある、紙の束に目を向ける。
『遊☆戯☆王』のカードだ。
何でこんなのがあるのか、
時は遡って、夏休みの最初の週に戻る。

「レイ~。お前も遊戯王しようぜ~。」

と友達の佑斗がごねてきた。今月でもう、５回目である。最初、「夏休みの間、暇だなぁ~」と言うと、「なら、遊戯王しようぜ!」というくだりから始まったのである。

そして今日、遂に澪仁はセミのように佑斗が鳴くので、仕方なく佑斗の誘いに「わかったよ。」と素っ気なく答えた。

すると、佑斗はいきなり立ち上がり持ってきた鞄からプラスチックのケースを３っつ取り出した。

「その言葉を待っていたぞ我が同士よ! ここに三つの箱があるじゃろぅ、この中には１期から最新の13期までのカードがあるんじゃ。さぁ、お主のデッキを作るんじゃ。」

と変顔しながら倍速で話始めた。デッキ枚数は40から60までとか、EXは15までとか、

「このカードはお前にやる！だから来週までにデッキを作ってくれ！そして、俺とデュ↑エェェ↓ﾙｩｩ↑ﾀﾞｧｧｯｯｧｧｧ。」

と叫んだ。未だに最後の言葉が耳に残っている。

回想終了

というわけで、もう５日もたった今、デッキをみて、どうしようか考える。ネットをみたり、佑斗のアドバイスを聞いたりして、昨日の夜完成したデッキだ。枚数は45枚。モンスター23枚・魔法15枚・罠８枚で『ミラーフォース』とか、あるサイトが最強といっていた『モリンフェン』とか、『異次元の埋葬』などが入っている。

デッキをもらった(押し付けられた)革製のデッキホルダーにいれ、佑斗の家へ向かった。

そして今、俺は倉庫の片付けをしている。

また時を遡って数十分前、

佑斗にあった途端、
「同士よ！よくぞ助けに来てくれた！っというか、もう、助けてくれ!」

と頼まれ、物置小屋の掃除をすることになった。佑斗の野郎は何と、俺がロボオタクなのを知って、『ネオゲッ○ーロ○対真ゲ○ター○ボ』のサウンドトラックを条件に手伝ってくれたらやる！と言った。けどこいつは金持ちだったのを忘れていた俺がバカだった。倉庫といっても軽く6畳以上ある。絶望。

回想終了。

「澪仁、悪いな~手伝だわせてしまって。」

と言っている佑斗の言葉を聞き流しながら片付けをしていると、目の前の棚に少し埃の被った巻物らしきものを３っつ見つけた。手に取ると、なにか書いてある。

「そういえばさ~澪仁~昨日見たか。バラエティーなんだあけどさぁぁあ？！」

佑斗がビックリした声で何事かと思ったら次の瞬間、

「澪仁! 危ない！」

と佑斗は叫んだ。

後ろを振り向くと、溜まりにたまった道具などが色々落ちて来たのだった。

自分より高い所から滝のように降って来る道具の波に、埋もれてしまった。

重い。

暗い。

頑張って澪仁は、自分の上にあるなにかを振り払おうとすると、目が覚めた。

「あっ!目が覚めた。君、大丈夫？」

「!?」

いつの間にか布団の上に寝かされていて、隣には誰か知らないショートで金髪な女の子と、前まで髪のかかっていて、丸型のペンダントをしている男の子がいた。

「大丈夫ですか、旅人さん！」

と男の子が言った。

よくみれば二人とも自分と同年代位だ。

( -_・)?ん？

旅人？

布団から起き上がると近くにある窓を見た。

「！？」

ガラスに写っていた自分の顔は自分のままだった。異世界転生とかではなかった。

けど外を見ると、小さなビルが少し建っていて、後は木と住宅街が広がっていて、その真ん中にとてつもない大きさの木が生えていた。

「どこだ，，，ここ?日本じゃねぇ。」

「ここはユグドラタウンだよ。」

その言葉を聞いた途端、目の前が真っ白になった。

ユグドラ？
世界樹って事か，，，
あの木がそうかな,，，，
と、澪仁は頭をフル回転した。

そんな時、金髪の女子が
「ねぇ」と声をかけてきた。

「何ですか？」

「旅人さん。僕とデュエルしてよ！」

と、満面の笑顔で言った。

隣の男子はオロオロしていた。

デッキセット:
ターンエンド(終)

次回:なんかよーわからんけど、
遊戯王のルールも
知ら無いけど、金髪女子
と人生初デュエル！
ﾄﾞｰｽﾙﾝﾀﾞｺﾚ？
次回、１ターン目
『スピードデュエル！』
デュエルスタンバイ！