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第18話:水仙竜 作:ドクダミ2号
「ふふふ……あなた達はもう終わりよ。」
恵の一言に、2人は恐怖の顔を浮かべる。明らかに……何かいいカードを引いた。
「フライちゃん……手札みせてもらっていいっスか?」
「え?はい、どうぞ。」
太陽がフライの手札を確認する。確認し終わると、今度は顎に手をやり何か考え始めた。
(参ったな………。フライちゃん、完全に寄せ集めのデッキだ。最初にマシュマロンを伏せてたからまさかとは思ったけど……。)
太陽は知らないが、フライはどこからともなくいきなり現れた人間だ。デッキを持っているはずが無く、仕方なく櫻と六花が頭をひねって作り出したデッキを使用している。それでも寄せ集めになってしまったのは単純にカードが足りなかっただけである。
「私は手札からこのカードの効果を発動するわ。」
そういって彼女がみせてきたのは、櫻達が持つ竜のカードと酷似したカードだった。
「出でよ!貪食竜 ファージドラゴン!!」
貪食竜 ファージドラゴン
闇属性
ドラゴン族/星8
5000/0
①:このカードは手札から特殊召喚する事ができる。②:このカードは1ターンに2回まで攻撃する事ができる。③:このカードがバトルフェイズ中に破壊された場合、バトルフェイズ終了時に手札からカードを5枚除外する事で墓地から特殊召喚する事ができる。④:このカードが自分フィールド上に存在する限り、自分のスタンバイフェイズ毎に3000ポイントダメージを受ける。
恵がカードを掲げる。そのカードは光を放つと、そこにはドロドロの巨大な竜がいた。
「嘘だろ……。なんスか……これ。」
太陽が驚くのも無理はない。そこには明らかなぶっ壊れカードが存在していた。
「ふふふ、最初こそ疑ったけど……あの2人の言うことは本当だったわ。こんなに素晴らしい力をくれたんだから。」
このままじゃ……負けてしまう。太陽の脳裏に嫌な予感が走る。だがそれ以上に気になるのは彼女達の言葉。あの2人とは?疑問は重なるばかりである。
「く……どうすれば。」
つい言葉が漏れる。
「あら?勝ち目がないのかしら?じゃ……やらせてもらうわね。行け!貪食竜 ファージドラゴン!イートバスター!」
「と、トラップ発動!聖なるバリアミラーフォース!」
幸い、あのカードに破壊耐性はない。破壊すればなんとかなる。ただし、そのターン中に復活するが。
「ふん!そんなの延命にもならないわ!私はバトルフェイズを終了!その時、貪食竜 ファージドラゴンは特殊召喚される!」
再度フィールドにファージドラゴンが現れる。事実上の破壊耐性。太陽は生まれて初めて絶望した。圧倒的な力の前に……。
「ターンエンドよ!」
「俺の……ターン…。ドロー……!」
どうする事も出来ない。今まで見たことの無い巨大な力に屈するしかなかった。何か争う方法がないか詮索するも………。
(ダメだ!あのカードの打点を超えられない!コンボの中に破壊する効果もないから本格的にどうしようもないっス……。)
世良と恵が何もしないの?と聞いてくる。何もしないんじゃない……何もできないのだ。
「俺は!俺は……。」
その時だった。教室にドアが勢い良く開いた。
「私達は風紀委員よ!今すぐそのデュエルを中止しなさい!!」
櫻の声が響く。それと同時に風紀委員達が続々とやってきた。
「な、風紀委員!?」
「しまった!」
2人は驚くもすぐにいつもの調子に戻り、風紀委員達と向き合った。
「あら?一体何の騒ぎですか?私達……普通のデュエルをしていただけですよ?」
猫被った声で世良が言う。しかし、風紀委員長である櫻は誤魔化せない。
「残念だけどそうは言わせないわ。貴女達の事…調べさせてもらったから。」
その言葉に心当たりがあるのか、2人が少し震えてるように見えた。
「……ふぅ。しょうがないわね。……オラァ!」
世良が声をあげると同時に周りが煙に包まれる。
「何!?なにも見えない!!」
「クソ!煙幕か!奴はニンジャか!?」
煙が晴れたころには2人の姿はなかった。
「助かったー!ありがとうございます!櫻さん!」
「あなたの為じゃないわよ。って言うかデュエルしてたのあなただったのね。フライまで巻き込んじゃって。」
「申し訳ないっス……。でも、ほんと助かりました。あのままじゃ即負けていたので……。」
……太陽のデッキはポセイドラ採用型海皇デッキだ。環境に居座るほどじゃないとは言え、そう簡単に負けるデッキじゃない。そんな彼がこんな事言うのだから、彼女達が手に入れた「力」は半端なものではないのだろう。櫻の頰に冷や汗が走る。
「ま、無事でなによりね。それより……貴方のデッキ光ってるわよ。」
太陽が驚きデッキを見る。確かにデッキは光り輝いていた。
「これは一体…!?何が起こってるんスか!?」
「……そう、水は彼なのね。ふふ……確かにピッタリね。」
櫻の一言が太陽に刺さる。
(俺が水……?何の話っスか?)
太陽のデッキがデッキケースごと浮き上がる。そこから1枚の白紙のカードが出て来る。それはゆっくりと降りてきて、太陽の手に落ちた。
「……?」
そのカードは光り輝いていた。彼のデッキが光っていたのはこのカードが原因か。
「……何か見えてきたっス。」
光が薄れていく。と同時の絵が作られている。そこには4本足で立つ美しい竜が描かれていた。
「水仙竜……アクアテール。」
そう。そこには櫻達が持つあの竜のカードがあった。彼は、5人目の選ばれた決闘者だったのだ。
水仙竜 アクアテール
ドラゴン族/星7
2900/2100
①:このカードが自分フィールドに存在する場合。墓地に存在する水属性モンスターを2体まで選んで発動する。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動する際、相手はカードの効果を発動できない。②:自分フィールド上に存在する水属性モンスターを手札に戻して発動する。このカードを手札から特殊召喚する。この効果を発動場合、自分のターンを終了する。③:このカードが墓地に送られた時発動する。デッキから水属性モンスター2体を手札に加える。
「これは一体……?俺、こんなカード持ってなかったっスよ?」
「静かに。……来るわ。」
太陽の声を遮り、櫻が言う。
「お姉ちゃん……。」
「えぇ。……みんなにも知ってもらった方が良いかもね。」
知ってもらう……。自分達の……竜のカードを持つ者としての使命を。そう思う櫻は、少しづつ口を開いた。
「太陽。貴方には話さなくてはならない事が沢山あるの。とは言っても私達の全然把握出来てないんだけど。」
太陽は息を飲んで聞いていた。隣のフライもつられて真剣な表情になる。その時。
「ごめんなさい、櫻さん。それは私がやります。」
どこからともなく声が聞こえる。周りの人達が辺りを見回す。それでも声の主はいなかった。
「その声は誰?」
六花が聞く。すぐに反応が帰る。その声の元は櫻のエクストラデッキの中にいた。
「私は……そうですね。姿を現した方が良いですね。」
櫻のエクストラデッキから一枚のカードが出てくる。そこに描かかれていたのは「あの」カードだった。
次回に続く
ーーーおまけ的なーーー
櫻「ねぇ六花。」
六花「なぁに?お姉ちゃん。」
櫻「1つ気になることがあるの。」
六花「うん。」
櫻「この更新ペースだと終わるのいつになるの?」
六花「それ聞いちゃう!?まだ序盤だよ!?」
おまけ終わり
恵の一言に、2人は恐怖の顔を浮かべる。明らかに……何かいいカードを引いた。
「フライちゃん……手札みせてもらっていいっスか?」
「え?はい、どうぞ。」
太陽がフライの手札を確認する。確認し終わると、今度は顎に手をやり何か考え始めた。
(参ったな………。フライちゃん、完全に寄せ集めのデッキだ。最初にマシュマロンを伏せてたからまさかとは思ったけど……。)
太陽は知らないが、フライはどこからともなくいきなり現れた人間だ。デッキを持っているはずが無く、仕方なく櫻と六花が頭をひねって作り出したデッキを使用している。それでも寄せ集めになってしまったのは単純にカードが足りなかっただけである。
「私は手札からこのカードの効果を発動するわ。」
そういって彼女がみせてきたのは、櫻達が持つ竜のカードと酷似したカードだった。
「出でよ!貪食竜 ファージドラゴン!!」
貪食竜 ファージドラゴン
闇属性
ドラゴン族/星8
5000/0
①:このカードは手札から特殊召喚する事ができる。②:このカードは1ターンに2回まで攻撃する事ができる。③:このカードがバトルフェイズ中に破壊された場合、バトルフェイズ終了時に手札からカードを5枚除外する事で墓地から特殊召喚する事ができる。④:このカードが自分フィールド上に存在する限り、自分のスタンバイフェイズ毎に3000ポイントダメージを受ける。
恵がカードを掲げる。そのカードは光を放つと、そこにはドロドロの巨大な竜がいた。
「嘘だろ……。なんスか……これ。」
太陽が驚くのも無理はない。そこには明らかなぶっ壊れカードが存在していた。
「ふふふ、最初こそ疑ったけど……あの2人の言うことは本当だったわ。こんなに素晴らしい力をくれたんだから。」
このままじゃ……負けてしまう。太陽の脳裏に嫌な予感が走る。だがそれ以上に気になるのは彼女達の言葉。あの2人とは?疑問は重なるばかりである。
「く……どうすれば。」
つい言葉が漏れる。
「あら?勝ち目がないのかしら?じゃ……やらせてもらうわね。行け!貪食竜 ファージドラゴン!イートバスター!」
「と、トラップ発動!聖なるバリアミラーフォース!」
幸い、あのカードに破壊耐性はない。破壊すればなんとかなる。ただし、そのターン中に復活するが。
「ふん!そんなの延命にもならないわ!私はバトルフェイズを終了!その時、貪食竜 ファージドラゴンは特殊召喚される!」
再度フィールドにファージドラゴンが現れる。事実上の破壊耐性。太陽は生まれて初めて絶望した。圧倒的な力の前に……。
「ターンエンドよ!」
「俺の……ターン…。ドロー……!」
どうする事も出来ない。今まで見たことの無い巨大な力に屈するしかなかった。何か争う方法がないか詮索するも………。
(ダメだ!あのカードの打点を超えられない!コンボの中に破壊する効果もないから本格的にどうしようもないっス……。)
世良と恵が何もしないの?と聞いてくる。何もしないんじゃない……何もできないのだ。
「俺は!俺は……。」
その時だった。教室にドアが勢い良く開いた。
「私達は風紀委員よ!今すぐそのデュエルを中止しなさい!!」
櫻の声が響く。それと同時に風紀委員達が続々とやってきた。
「な、風紀委員!?」
「しまった!」
2人は驚くもすぐにいつもの調子に戻り、風紀委員達と向き合った。
「あら?一体何の騒ぎですか?私達……普通のデュエルをしていただけですよ?」
猫被った声で世良が言う。しかし、風紀委員長である櫻は誤魔化せない。
「残念だけどそうは言わせないわ。貴女達の事…調べさせてもらったから。」
その言葉に心当たりがあるのか、2人が少し震えてるように見えた。
「……ふぅ。しょうがないわね。……オラァ!」
世良が声をあげると同時に周りが煙に包まれる。
「何!?なにも見えない!!」
「クソ!煙幕か!奴はニンジャか!?」
煙が晴れたころには2人の姿はなかった。
「助かったー!ありがとうございます!櫻さん!」
「あなたの為じゃないわよ。って言うかデュエルしてたのあなただったのね。フライまで巻き込んじゃって。」
「申し訳ないっス……。でも、ほんと助かりました。あのままじゃ即負けていたので……。」
……太陽のデッキはポセイドラ採用型海皇デッキだ。環境に居座るほどじゃないとは言え、そう簡単に負けるデッキじゃない。そんな彼がこんな事言うのだから、彼女達が手に入れた「力」は半端なものではないのだろう。櫻の頰に冷や汗が走る。
「ま、無事でなによりね。それより……貴方のデッキ光ってるわよ。」
太陽が驚きデッキを見る。確かにデッキは光り輝いていた。
「これは一体…!?何が起こってるんスか!?」
「……そう、水は彼なのね。ふふ……確かにピッタリね。」
櫻の一言が太陽に刺さる。
(俺が水……?何の話っスか?)
太陽のデッキがデッキケースごと浮き上がる。そこから1枚の白紙のカードが出て来る。それはゆっくりと降りてきて、太陽の手に落ちた。
「……?」
そのカードは光り輝いていた。彼のデッキが光っていたのはこのカードが原因か。
「……何か見えてきたっス。」
光が薄れていく。と同時の絵が作られている。そこには4本足で立つ美しい竜が描かれていた。
「水仙竜……アクアテール。」
そう。そこには櫻達が持つあの竜のカードがあった。彼は、5人目の選ばれた決闘者だったのだ。
水仙竜 アクアテール
ドラゴン族/星7
2900/2100
①:このカードが自分フィールドに存在する場合。墓地に存在する水属性モンスターを2体まで選んで発動する。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動する際、相手はカードの効果を発動できない。②:自分フィールド上に存在する水属性モンスターを手札に戻して発動する。このカードを手札から特殊召喚する。この効果を発動場合、自分のターンを終了する。③:このカードが墓地に送られた時発動する。デッキから水属性モンスター2体を手札に加える。
「これは一体……?俺、こんなカード持ってなかったっスよ?」
「静かに。……来るわ。」
太陽の声を遮り、櫻が言う。
「お姉ちゃん……。」
「えぇ。……みんなにも知ってもらった方が良いかもね。」
知ってもらう……。自分達の……竜のカードを持つ者としての使命を。そう思う櫻は、少しづつ口を開いた。
「太陽。貴方には話さなくてはならない事が沢山あるの。とは言っても私達の全然把握出来てないんだけど。」
太陽は息を飲んで聞いていた。隣のフライもつられて真剣な表情になる。その時。
「ごめんなさい、櫻さん。それは私がやります。」
どこからともなく声が聞こえる。周りの人達が辺りを見回す。それでも声の主はいなかった。
「その声は誰?」
六花が聞く。すぐに反応が帰る。その声の元は櫻のエクストラデッキの中にいた。
「私は……そうですね。姿を現した方が良いですね。」
櫻のエクストラデッキから一枚のカードが出てくる。そこに描かかれていたのは「あの」カードだった。
次回に続く
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櫻「ねぇ六花。」
六花「なぁに?お姉ちゃん。」
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六花「うん。」
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おまけ終わり
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