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デュエルと私、どっちが大事なの? 作:雷音@菅野獅龍
それはある一言で始まった。
「デュエルと私、どっちが大事なの?」
少女がそう少年に詰め寄る。
その部屋は二人しか居ない少女の部屋である。ベッド横、勉強机の近くには可愛らしいぬいぐるみやらが連なっている。壁紙は薄桃になっており、絵に描いたような「少女らしい部屋」である。
さて。詰め寄られた少年は手元に持っていた自分のデッキを見た。一番上のカードには《深海のディーヴァ》と書かれていた。
どうもこの少年は、少女の部屋へ遊びに来たはいいのだが、そこでデュエルの事ばかりを意識していた為か、少女に詰め寄られているらしい。ベッドに座り、地べたに座る少年に前のめりになって詰め寄るようにする事から、その様な間柄なのだろう。
少年は困っていた。というのも、少年は心からの決闘者だった。
確かに少女のことは大切にしている。しかし、デュエルも同じぐらいに愛していた。
次元が違う愛とはいえ、愛である事に変わりはない。それが恐らく、少女の琴線に触れたのであろう。
ではどうしたものか、と少年は考える。
此処で簡単に「君だよ」とキザな台詞を吐いたなら、女性の心理上「じゃあデュエルは捨ててね」と言われるのは明白である。コインを投げて表裏を当てるよりも簡単な未来だ。少年はそんな事はしたくない。だからといって「デュエルだ」と言う事もできない。少女の事は本当に愛しているし、何より「じゃあ私とは遊びだったのね」だなんてまたごちゃごちゃとした話になるのも見えていたからだ。
右も左も行かぬ厳しい現実が少年を襲っている。
勿論「どっちも」と言うのはおこがましい等と言うものではない。ただの優柔不断と言うものだ。いくら愛の違いがあるといえ、それが非決闘者である少女には理解不可能だろう。
一番いいのはデュエルをして判ってくれることだったが、前述のとおりそれは出来ない。
何より少年はデュエル脳故にそれ以外の解決の方法が思いつかなかった。
「……どうなのよ」
少女は今にも泣き出しそうだった。此処で少年の心が揺らいだ。
今此処でデッキを捨てれば、この少女と共にいれる。それはどんなに幸せだろうか。デッキは金を積めば作れるが、この愛は幾ら金を積んでも手に入れることは出来ない。少女と育んだ愛の結晶は、古くからの交流からあったものなのだ。それに比べれば、デッキを捨てる位安いのではなかろうか。
そう思い、デッキトップを見る。また少年の心が揺らいだ。
このデッキは少年が決闘者になって初めて作ったデッキ――【純海皇】である。
このデッキの主力の《海皇龍 ポセイドラ》は決して強力なモンスターではない。寧ろ下手なバニラ最上級モンスターよりも弱い。しかし、それでも少年はこのデッキを愛用し、大会で優勝を勝ち取った事もあった。
友人と仲たがいしそうになった時には、このデッキでデュエルをし、二人の友情を取り戻した事もあった。云わば、このデッキは自身が積み重ねてきたデュエル、そして友情の証であった。それを捨てるという事は、このデッキとともに自分の過去はいらなかったという事になる。
それはどうなのだろう。過ぎた事はどうでもいいのだろうか。今を生きればいいのだろうか。デュエル脳の少年も悩んだ。
「………」
真剣に考える少年に、少女は呆れすら覚えていた。
少女としては直ぐに、自分である、と答えてくれるつもりであった。普通そうであろう。ゲームに命をかける人間なんて現実には存在しない。そんなものはアニメやゲームだけだ。
だが残念だか少年はその類の人間であった。アニメやゲームの登場人物の様に、馬鹿みたいに夢を追いかける体の人間だった。勿論、少女もそれに惹かれたこともあったし、時には本当に夢の様な存在だと思った時期もあった。
だが、真実はそうではない。顔はまあまあ。運動能力は平均の上。学力もそこそこ。秀でるものはデュエルにおける事のみ。大よそ一万近い数の種類のカードのテキスト・効果裁定・イラスト・印刷・レアリティ・言語……それらを理解できたところで、現実世界に何の徳があろうか。まあ、英語・中国語・韓国語なんかはそれらの恩恵は受けてはいるが、日常会話に必要な程度のものは存在しない。あくまでも「デュエルで必要不可欠な単語」を拾うだけの能力を身につけているに過ぎない。
少年にとっては死活問題なそれらも、少女にとってはただのお遊びでしかない。確かに凄いと思えど、結局それまでだ。それ以上は存在しない。
「……わかった」
少年は此処でようやく口を開く。少女はうつむいていた顔を上げて、少年を正面に見据えた。くりくりとした大きな目が少女の目を貫く。決闘者の心理を見抜く眼光に、少女は怯んだ。
少年は思った。もし、この問答自体が無意味だとしたら、と。
まず、もし自分が少女を選び、デュエルを捨てたとしたらどうなるかをシミュレートしてみた。間違いなく壊れる。隷書体のテキストを読む事ができないストレスで絶対に発狂することはもう自覚していた。それ位にデュエルには固執していた。
ではデュエルを選び、少女は二の次だとしたらどうなるだろうとシミュレートした。これはこれで絶望するだろう。きっと少女は自分を振るだろう。昔からの幼馴染とは言え、やっぱり赤の他人である事に変わりはない。失望すれば縁を切る。さながら使えると思って買い占めた禁止カードの如く。少年は少女の笑顔が生きる要でも有った。それを失うのも半身を切り裂かれるのと同等に苦しいものだ。
少女は決闘者ではない。決闘者としての器もない。それを創る時間はない。
なら如何すべきか。
それは、少女が持っていたあるカードにあった。
現在、D何MとかMが配信しているオンラインゲームに俗にホモこれとか言われているものがある。
それが何故か某武士道の名前の会社の某英語で前衛を意味する単語のカードゲームとコラボするという事が起きた。
少女はそのホモこれにはまっていた為か、ヴァンガードに走っていた。昨日だったかスターターを既に一箱買っていたようだ。
少年は思った。これを利用するしかないと。
「僕は君が好きなそれの様に、僕はデュエルがまた好きだ」
少女はその言葉に一瞬戸惑いを見せた。しかしその言葉をゆっくりと反芻してから、徐にその答えを出した。
「そう……じゃあ、仕方ないよね」
それでこの話はおしまいである。どうやら少年は今も少女と上手くやっているという。
ただ少年はその少女の言葉を聞いて、何故か腑に落ちない点がいくつか生まれたというが、それはまた別の話である。
<あとがき>
(無駄すぎる文なのでいらいらしてる人は見ないでください)
ヤンデレを書きたかったのにどうしてかこうなった。反省はしてるし公開もしてる。まちった後悔してる。
あと某武士道っていう会社のヴァン守りのホモこれコラボの話は別にどうという関係性はありません。ただ、ヴァンガ…守りが最近ニコニk……笑顔になれる動画サイトの広告に良く出るモンなので調べたらそんなのがあったからちょっとネタを仕込みたかっただけです。後はオチつけるためですね、はい。
受験生にもなったので、今や勉強が彼女or彼氏です。まあ、私の場合は、一方的に浮気する事もできるんですけどね。
こういう奴がヤンデレに刺されるんですよー。みんなこれテストに出ますからねー。
以上です。だらだらとつまんない文を連ねてしまいお目汚し申し訳ありませんでした。
「デュエルと私、どっちが大事なの?」
少女がそう少年に詰め寄る。
その部屋は二人しか居ない少女の部屋である。ベッド横、勉強机の近くには可愛らしいぬいぐるみやらが連なっている。壁紙は薄桃になっており、絵に描いたような「少女らしい部屋」である。
さて。詰め寄られた少年は手元に持っていた自分のデッキを見た。一番上のカードには《深海のディーヴァ》と書かれていた。
どうもこの少年は、少女の部屋へ遊びに来たはいいのだが、そこでデュエルの事ばかりを意識していた為か、少女に詰め寄られているらしい。ベッドに座り、地べたに座る少年に前のめりになって詰め寄るようにする事から、その様な間柄なのだろう。
少年は困っていた。というのも、少年は心からの決闘者だった。
確かに少女のことは大切にしている。しかし、デュエルも同じぐらいに愛していた。
次元が違う愛とはいえ、愛である事に変わりはない。それが恐らく、少女の琴線に触れたのであろう。
ではどうしたものか、と少年は考える。
此処で簡単に「君だよ」とキザな台詞を吐いたなら、女性の心理上「じゃあデュエルは捨ててね」と言われるのは明白である。コインを投げて表裏を当てるよりも簡単な未来だ。少年はそんな事はしたくない。だからといって「デュエルだ」と言う事もできない。少女の事は本当に愛しているし、何より「じゃあ私とは遊びだったのね」だなんてまたごちゃごちゃとした話になるのも見えていたからだ。
右も左も行かぬ厳しい現実が少年を襲っている。
勿論「どっちも」と言うのはおこがましい等と言うものではない。ただの優柔不断と言うものだ。いくら愛の違いがあるといえ、それが非決闘者である少女には理解不可能だろう。
一番いいのはデュエルをして判ってくれることだったが、前述のとおりそれは出来ない。
何より少年はデュエル脳故にそれ以外の解決の方法が思いつかなかった。
「……どうなのよ」
少女は今にも泣き出しそうだった。此処で少年の心が揺らいだ。
今此処でデッキを捨てれば、この少女と共にいれる。それはどんなに幸せだろうか。デッキは金を積めば作れるが、この愛は幾ら金を積んでも手に入れることは出来ない。少女と育んだ愛の結晶は、古くからの交流からあったものなのだ。それに比べれば、デッキを捨てる位安いのではなかろうか。
そう思い、デッキトップを見る。また少年の心が揺らいだ。
このデッキは少年が決闘者になって初めて作ったデッキ――【純海皇】である。
このデッキの主力の《海皇龍 ポセイドラ》は決して強力なモンスターではない。寧ろ下手なバニラ最上級モンスターよりも弱い。しかし、それでも少年はこのデッキを愛用し、大会で優勝を勝ち取った事もあった。
友人と仲たがいしそうになった時には、このデッキでデュエルをし、二人の友情を取り戻した事もあった。云わば、このデッキは自身が積み重ねてきたデュエル、そして友情の証であった。それを捨てるという事は、このデッキとともに自分の過去はいらなかったという事になる。
それはどうなのだろう。過ぎた事はどうでもいいのだろうか。今を生きればいいのだろうか。デュエル脳の少年も悩んだ。
「………」
真剣に考える少年に、少女は呆れすら覚えていた。
少女としては直ぐに、自分である、と答えてくれるつもりであった。普通そうであろう。ゲームに命をかける人間なんて現実には存在しない。そんなものはアニメやゲームだけだ。
だが残念だか少年はその類の人間であった。アニメやゲームの登場人物の様に、馬鹿みたいに夢を追いかける体の人間だった。勿論、少女もそれに惹かれたこともあったし、時には本当に夢の様な存在だと思った時期もあった。
だが、真実はそうではない。顔はまあまあ。運動能力は平均の上。学力もそこそこ。秀でるものはデュエルにおける事のみ。大よそ一万近い数の種類のカードのテキスト・効果裁定・イラスト・印刷・レアリティ・言語……それらを理解できたところで、現実世界に何の徳があろうか。まあ、英語・中国語・韓国語なんかはそれらの恩恵は受けてはいるが、日常会話に必要な程度のものは存在しない。あくまでも「デュエルで必要不可欠な単語」を拾うだけの能力を身につけているに過ぎない。
少年にとっては死活問題なそれらも、少女にとってはただのお遊びでしかない。確かに凄いと思えど、結局それまでだ。それ以上は存在しない。
「……わかった」
少年は此処でようやく口を開く。少女はうつむいていた顔を上げて、少年を正面に見据えた。くりくりとした大きな目が少女の目を貫く。決闘者の心理を見抜く眼光に、少女は怯んだ。
少年は思った。もし、この問答自体が無意味だとしたら、と。
まず、もし自分が少女を選び、デュエルを捨てたとしたらどうなるかをシミュレートしてみた。間違いなく壊れる。隷書体のテキストを読む事ができないストレスで絶対に発狂することはもう自覚していた。それ位にデュエルには固執していた。
ではデュエルを選び、少女は二の次だとしたらどうなるだろうとシミュレートした。これはこれで絶望するだろう。きっと少女は自分を振るだろう。昔からの幼馴染とは言え、やっぱり赤の他人である事に変わりはない。失望すれば縁を切る。さながら使えると思って買い占めた禁止カードの如く。少年は少女の笑顔が生きる要でも有った。それを失うのも半身を切り裂かれるのと同等に苦しいものだ。
少女は決闘者ではない。決闘者としての器もない。それを創る時間はない。
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それは、少女が持っていたあるカードにあった。
現在、D何MとかMが配信しているオンラインゲームに俗にホモこれとか言われているものがある。
それが何故か某武士道の名前の会社の某英語で前衛を意味する単語のカードゲームとコラボするという事が起きた。
少女はそのホモこれにはまっていた為か、ヴァンガードに走っていた。昨日だったかスターターを既に一箱買っていたようだ。
少年は思った。これを利用するしかないと。
「僕は君が好きなそれの様に、僕はデュエルがまた好きだ」
少女はその言葉に一瞬戸惑いを見せた。しかしその言葉をゆっくりと反芻してから、徐にその答えを出した。
「そう……じゃあ、仕方ないよね」
それでこの話はおしまいである。どうやら少年は今も少女と上手くやっているという。
ただ少年はその少女の言葉を聞いて、何故か腑に落ちない点がいくつか生まれたというが、それはまた別の話である。
<あとがき>
(無駄すぎる文なのでいらいらしてる人は見ないでください)
ヤンデレを書きたかったのにどうしてかこうなった。反省はしてるし公開もしてる。まちった後悔してる。
あと某武士道っていう会社のヴァン守りのホモこれコラボの話は別にどうという関係性はありません。ただ、ヴァンガ…守りが最近ニコニk……笑顔になれる動画サイトの広告に良く出るモンなので調べたらそんなのがあったからちょっとネタを仕込みたかっただけです。後はオチつけるためですね、はい。
受験生にもなったので、今や勉強が彼女or彼氏です。まあ、私の場合は、一方的に浮気する事もできるんですけどね。
こういう奴がヤンデレに刺されるんですよー。みんなこれテストに出ますからねー。
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