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虹彩竜と歩むもの/第11話:逆鱗(後編) 作:光芒




「2つの過ち……? どういうことですか! 私は……自分の、このデッキの最大限の力を出せているはずです!」

 先攻1ターン目かつそのターンで戦闘を介さずに遊希のライフを6500も削った礼。盤面上を見る限りでは礼が圧倒的有利な状況であるにも関わらず、遊希は礼の犯した「過ち」を二点指摘する。それに礼は思わず激昂した。
 彼女からしてみれば、それはデュエリストとしての自分に対する侮辱であり、またあの天都 遊希ともあろう者がデュエルの敗北に際して言い訳をしているのではないか、と感じていたからだ。
 しかし、激昂する礼とは真逆に遊希はあくまで冷静沈着だ。当然のことながら遊希にそのつもりはなく、彼女はあくまでデュエリストとしての観点から思ったことを言っているだけである。

「勘違いしないで。あなたのデュエルタクティクスやデッキの強さ、プレイングを貶しているわけではないの。ただあなたはその過ちを犯したばかりに、味合わなくていい敗北を喫する」
「っ……!!」
「まず1つ目。あなたが対戦デッキにこの4つ目のデッキを選んだこと。あなたは私のこのデッキとデュエルをしたかったようだけど、あなたがもしこのデッキを対戦デッキに選んでいなければ……私は次のターンに確実に負けていた」

 遊希の3つのデッキはいずれも持ち主と相まって強力な力を発揮するデッキになっている。しかし、そんなデッキを以てしてもインディペンデント・ナイチンゲールの効果を得たThe tyrant NEPTUNEとRR-アルティメット・ファルコンの2体を突破することは不可能であった。
 唯一可能性があったのが遊大を撃破した【壊獣サイバー】デッキであるが、それもNEPTUNEとアルティメット・ファルコンがいずれか1体しか存在しない場合のことである。
 あらゆるカードの効果を受けないその2体にも弱点はある。その1つが壊獣の効果でリリースすることだ。しかし、壊獣モンスターはそれぞれのフィールドに1体しか存在できないため、仮にNEPTUNEを壊獣でリリースしたところでフィールドには壊獣全ての攻撃力を上回るアルティメット・ファルコンが存在する。更に現在の礼のフィールドにはサイバー・ドラゴン・インフィニティで対処できないアルティメット・ファルコンに加えてフリーチェーンの除去効果を持つ十二獣ドランシアまで出されてしまうと、仮に突破するにしても多大な負担を強いられることになるのだ。

「あなたは私に勝ちたいのであれば、このデッキを選んではいけなかった。そして2つ目、それはあなたがデュエルの相手に私を選んだこと。あなたは龍皇たちの逆鱗に触れてしまった」
「龍皇たちの逆鱗……?」
「そう。逆鱗というものは知っているわよね?」

 逆鱗とは龍の鱗のうち、顎の下に1枚だけ逆さに生える鱗の事を指している。龍とは普段人間に危害の加えることのない聖獣であるが、喉元に1枚だけ生えている逆鱗に触れられることを嫌がるため、これに触れられた場合は激怒して触れた者を即座に殺してしまうとされている。

「これに触れた者には龍によって災いをもたらされる。あなたは星龍皇たちのデッキに挑んだけれど、それが星龍皇たちの逆鱗に触れてしまった。その報いを受けさせてあげる」
「ですが、あなたのライフは残り1500! そしてフィールドには4体のモンスター! この布陣を破ることなど……!」

 この時、礼は無意識に先のデュエルのマイケルと似たようなことを口走っていた。礼自身がそれを理解しているのではない。遊希という目の前に立ちはだかるデュエリストがそうさせていたのだ。

「じゃあさっきのあなたの言葉を借りるわ……ファイナルターン!!」


☆TURN02


「私のラストドロー! まず私は手札から魔法カード“星龍皇の覚醒(ドラグリステル・アウェイク)”を発動!」


※星龍皇の覚醒(ドラグリステル・アウェイク)
通常魔法(オリジナルカード)
(1):自分のデッキから「星龍皇」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを手札・フィールドから墓地に送ることで「真星龍皇」と名のついた融合モンスター1体を融合召喚する。
「星龍皇の覚醒」は1ターンに1度しか発動できず、このカードの(2)の効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動できない。


「この効果でデッキから星龍皇カード1枚を手札に加える。私は“星龍皇 ラスタウィルム”を手札に加えるわ。そして手札の星龍皇モンスター2体をゲームから除外し、星龍皇 ラスタウィルムを特殊召喚する! 来なさい、ラスタウィルム!」

 遊希のフィールドにはワイバーンのように両手が翼になった巨大な飛竜のようなモンスターが舞い降りる。龍の外見に鳳のような羽毛を持つそのモンスターは、身体に夜空に瞬く星の光を纏い、風と共に甲高い咆哮を上げた。

「特殊召喚に成功したラスタウィルムの効果を発動!」


※星龍皇 ラスタウィルム
特殊召喚・効果モンスター(オリジナルカード)
星8/風属性/幻竜族/攻2500/守3000
このカードは通常召喚できず、「星龍皇 ラスタウィルム」は1ターンに1体までしか特殊召喚できない。メインフェイズ時に手札・墓地から「星龍皇 ラスタウィルム」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター2体をゲームから除外することでこのカードは手札から特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在するカードの効果を無効にする。また、このターンの終了時まで相手はカードの効果を発動できない。
(2):このカードがフィールド上に表側表示で存在し、魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した場合に発動できる。その発動を無効にし、このカードをゲームから除外する。その後、ゲームから除外されている幻竜族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。この効果でゲームから除外されたこのカードはこのターンの終了時に自分フィールド上に戻り、この効果で特殊召喚された幻竜族モンスターは元々の持ち主のデッキに戻る。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。ゲームから除外されている「星龍皇 ラスタウィルム」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
「星龍皇 ラスタウィルム」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。


「ラスタウィルムの効果により、相手フィールド上に存在する表側表示で存在する全てのカードの効果を無効にし、更にこのターンの終了時まで相手はカードの効果を発動できなくなる」
「NEPTUNEとアルティメット・ファルコンはその効果を受けない……でもドランシアは……」
「ドランシアの攻守は効果によって決定される。効果が無効化されればその攻撃力は0となり、そして除去効果も発動できなくなるわ! そしてゲームから除外された“星龍皇 ウィルムアンサル”と“星龍皇 ウィルムダシク”の効果を発動!」


※星龍皇 ウィルムアンサル
効果モンスター(オリジナルカード)
星8/水属性/幻竜族/攻2800/守2400
(1):相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、このカードはリリースなしで通常召喚できる。この方法で通常召喚に成功したこのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
(2):このカードが「星龍皇」と名のついたカードによってゲームから除外された場合に発動できる。自分のデッキから「星龍皇 ウィルムアンサル」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター1体を選択してゲームから除外する。
(3):1ターンに1度、自分の手札または墓地から「星龍皇」と名のついたカード1枚をゲームから除外し、フィールドに存在するカード1枚を選択して発動できる。選択したカードを破壊する。
「星龍皇 ウィルムアンサル」の(2)の効果は1ターンに1度までしか発動できない。


※星龍皇 ウィルムダシク
効果モンスター(オリジナルカード)
星8/風属性/幻竜族/攻2400/守2800
(1):自分フィールド上に「星龍皇 ウィルムダシク」以外の「星龍皇」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で手札から特殊召喚に成功したこのモンスターの攻撃力・守備力は元々の半分になる。
(2):このカードが「星龍皇」と名のついたカードによってゲームから除外された場合に発動できる。ゲームから除外されている「星龍皇 ウィルムダシク」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。
(3):1ターンに1度、魔法・罠カードが発動した時、自分の手札または墓地から「星龍皇」と名のついたカード1枚をゲームから除外して発動できる。その魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する。
「星龍皇 ウィルムダシク」の(1)の効果による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。


「除外されたウィルムアンサル、ウィルムダシク、そして特殊召喚に成功したラスタウィルムの順番でチェーンを組むわ!」
「それならば更にそれにチェーンする形で十二獣ドランシアの効果を発動! このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールドに存在するカード1枚を破壊する! 対象はラスタウィルム!」
「だったらそのドランシアの効果にさらにチェーンしてラスタウィルムの2つ目の効果を発動!」


チェーン5(遊希):星龍皇 ラスタウィルム→十二獣ドランシア
チェーン4(礼):十二獣ドランシア→星龍皇 ラスタウィルム
チェーン3(遊希):星龍皇 ウィルムアンサル
チェーン2(遊希):星龍皇 ウィルムダシク
チェーン1(遊希):星龍皇 ラスタウィルム


「チェーン5! ラスタウィルムをゲームから除外し、ドランシアの効果を無効にする! そしてゲームから除外されている星龍皇 ウィルムアンサルを特殊召喚!」
「チェーン4のドランシアの効果はラスタウィルムの効果によって無効にされます……」
「でもチェーン3のウィルムアンサルの効果はウィルムアンサルが除外されていないために発動しない。そしてチェーン2のウィルムダシクの効果で除外されているラスタウィルムをフィールドに特殊召喚! そしてチェーン1のラスタウィルムの効果で相手フィールドの全てのカードの効果を無効にし、相手はこのターンの終了時までカードの効果を発動できない!」
「っ……」

十二獣ドランシア ORU:1 ATK1200/DEF400→ATK0/DEF0

「どっちにしてもドランシアが無力化されるのには変わらなかったわね。これで……“一番厄介な”ドランシアは封じた」

 一番厄介な、というその言葉に礼はもちろん遊大と陸も息を飲んだ。NEPTUNEやアルティメット・ファルコンよりもドランシアの存在が遊希にとって厄介ということなのだろうか。

「ああ、なんでドランシアが一番厄介かとか思っているようね。正確に言えばドランシアの除去効果が一番嫌だったのよ。それを的確なタイミングで使われてしまうと私の戦術が破綻してしまうから……でもその心配も無くなった。後顧の憂いが断たれたから、安心して展開することができる。まずは手札からフィールド魔法“星龍皇の聖域(ドラグリステル・サンクチュアリ)”を発動!」

 遊希の発動したカードにより、彼女のフィールドはまるで満天の星空が煌めく庭園のような美しい世界へと変貌する。この地こそ女神たる龍に仕える星龍皇たちの世界であり、星龍皇たちがその力を最大限に発揮することのできる聖域であった。


※星龍皇の聖域(ドラグリステル・サンクチュアリ)
フィールド魔法(オリジナルカード)
(1):自分フィールド上に表側表示で存在する「星龍皇」と名のついたモンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップする。また、このカードがフィールドに存在する限り、自分は「星龍皇」と名のついたモンスターしか特殊召喚できず、フィールドに表側表示で存在するモンスターは「星龍皇」としても扱う。
(2):1ターンに1度、手札・墓地から「星龍皇」と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動できる。フィールドに表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。
(3):自分メインフェイズに墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動できる。自分の墓地に存在する「星龍皇」と名のついた魔法・罠カード1枚を選択して手札に加える。このカードの(3)の効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動できない。


「フィールド魔法、星龍皇の聖域の効果により私のフィールドの星龍皇の攻守は300ポイントずつ上昇するわ」

星龍皇 ラスタウィルム ATK2500/DEF3000→ATK2800/DEF3300
星龍皇 ウィルムアンサル ATK2800/DEF2400→ATK3100/DEF2700

「そしてフィールドの表側表示のモンスターは全て星龍皇として扱う。この効果は相手フィールドにも適用されるわ。最もカードの効果を受けないNEPTUNEとアルティメット・ファルコンには関係ない話だけど」
「ドランシアとキングレムリンを星龍皇としても扱う……それで何が変わるというのですか!」
「それは後のお楽しみ。自分フィールド上に星龍皇モンスターが存在すること、私は手札から星龍皇 ウィルムダシクを特殊召喚するわ!」
「2体目のウィルムダシク!?」
「この効果で特殊召喚に成功したウィルムダシクの攻守は半分になる。それでも星龍皇の聖域の効果である程度は補われるけど」

星龍皇 ウィルムダシク ATK2400/DEF2800→ATK2700/DEF3100→ATK1350/DEF1550

「ラスタウィルムの効果で特殊召喚されたウィルムアンサルはこのターンの終了時にデッキに戻る。だったら有効活用させてもらうわ。私はレベル8の星龍皇 ウィルムアンサルと星龍皇 ウィルムダシクでオーバーレイ!」
「エクシーズ召喚!? しかし、星龍皇の聖域が発動されている間天都さんは星龍皇しか特殊召喚できない……」
「だったらその星龍皇のエクシーズモンスターを見せてあげる! “遥かなる天空において輝く星々よ。今その輝きを1つに繋ぎ、誇り高き蒼炎の龍皇となりてこの地に降臨せよ!!”エクシーズ召喚! 燃え盛れ! “真星龍皇 ドラコニスウィルム”!!」

 蒼く光る炎と銀色の鎧をその身に纏った龍皇が気高い咆哮を上げる。真星龍皇(ハイドラグリステル)―――星龍皇たちを統括する4体の龍皇のうちの1体がこのドラコニスウィルムであった。


※真星龍皇 ドラコニスウィルム
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/炎属性/幻竜族/攻3000/守2700
「星龍皇」と名のついたレベル8モンスター×2
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このターンの終了時まで自分フィールド上に表側表示で存在する「星龍皇」と名のついたカードは相手のカードの効果の対象にならず、戦闘およびカードの効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードにX素材が存在しない場合に発動できる。自分の墓地に存在する「星龍皇」と名のついたカード1枚を選択してこのカードのX素材にする。
(3):このカードが相手によってフィールドを離れた場合に墓地の「星龍皇と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動できる。エクストラデッキから「真星龍皇 ドラコニスウィルム」以外の幻竜族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
「真星龍皇 ドラコニスウィルム」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。


真星龍皇 ドラコニスウィルム ORU:2 ATK3000/DEF2700→ATK3300/DEF3000

「星龍皇を更に上回る真星龍皇……しかし、それでも攻撃力はアルティメット・ファルコンにすら及ばない!」
「確かに今のままではどうしようもない。でも言ったでしょう? これがファイナルターンだって」

 そう言って遊希は1枚のカードを礼に見せた。それはモンスターカードでありながら、魔法カードとして扱う“ペンデュラムモンスター”のカードだった。

「私は―――スケール3の“神星龍皇(ゴッド・ドラグリステル)ヘーラーウィルム”をペンデュラムゾーンにセッティング!!―――」

 青色の方のPゾーンには1枚のカードがセッティングされる。礼から見て右側のPゾーンには白く巨大な龍のようなモンスターがの姿が浮かび上がり、その頭上には「3」という数字が表示される。

「ペンデュラム……まさか、そのデッキはペンデュラム召喚まで網羅しているというのですか!?」
「Pゾーンに置かれたヘーラーウィルムのP効果を発動!!」


※神星龍皇 ヘーラーウィルム
特殊召喚・ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星12/光属性/幻竜族/攻4000/守4000
【Pスケール:青3/赤3】
(1):1ターンに1度、ゲームから除外されている「星龍皇」と名のついたカード1枚を自分のデッキに戻して発動できる。自分のデッキまたはエクストラデッキから「星龍皇」と名のついたPモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
このカードは通常召喚できず、自分フィールド上に1体までしか存在できない。このカードは自分の手札・フィールド・墓地から「真星龍皇」と名のついた融合・儀式・S・Xモンスターをそれぞれ1体ずつゲームから除外することでのみ手札から特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。フィールドに存在するこのカード以外のカードの効果を無効にし、このカード以外のフィールドに存在するカードを全て破壊する。その後、このカードの効果で破壊されたカードの数×800ポイントのダメージを相手ライフに与える。このカードの(1)の効果に対して相手はカードの効果を発動できない。
(2):1ターンに1度、墓地に存在する「星龍皇」と名のついたモンスター1体もしくはゲームから除外されている「星龍皇」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功したモンスターはこのカードが破壊された場合に破壊される。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):モンスターゾーンに存在するこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。


「1ターンに1度、ゲームから除外されている星龍皇カード1枚をデッキに戻して発動。自分のデッキまたはエクストラデッキから星龍皇と名のついたPモンスター1体を手札に加える。私が手札に加えるのはスケール9の“星龍皇姫(ドラグリステル・プリンセス)イーリスウィルム”。そして今加えたイーリスウィルムをもう片方のPゾーンにセッティング!」

 ヘーラーウィルムのPゾーンとは反対側の赤色のPゾーンにはまた別のモンスターの姿が「9」という数字と共に浮かび上がる。これまで現れた星龍皇モンスターはいずれも龍に近い姿をしていたが、この時現れたモンスターは龍よりも人型に近いものであった。
 銀色の長髪に竜のような翼と尻尾、そして漆黒の鎧に虹色のヴェールを纏うその姿はまるで女神のような神々しさを放っていた。

「Pゾーンにセットされた星龍皇姫 イーリスウィルムの効果を発動!!」


※星龍皇姫 イーリスウィルム
ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星10/光属性/幻竜族/攻3500/守3000
【Pスケール:青9/赤9】
(1):このカードがPゾーンに置かれた時に発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在する特殊召喚されたモンスターの数だけ自分のデッキ・墓地から「星龍皇」と名のついたモンスターを選んで自分のエクストラデッキに表側表示で加える。
(2):1ターンに1度、もう片方のPゾーンに「星龍皇」と名のついたカードが存在する場合に発動できる。ゲームから除外されている「星龍皇」と名のついたモンスター1体を自分のエクストラデッキに表側表示で加える。
(3):このカードが自分のPゾーンに存在する限り、エクストラデッキに表側表示で存在するPモンスター以外の「星龍皇」と名のついたモンスターもP召喚できる。
【モンスター効果】
このカードは自分フィールド上に存在する「真星龍皇」と名のついたモンスターを含む「星龍皇」3体をリリースすることで手札またはエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):自身の効果で特殊召喚に成功したこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールド上に存在するこのカード以外のモンスターの効果は無効化される。
(2):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。デッキ・墓地・エクストラデッキから「真星龍皇」と名のついた融合・儀式・S・Xモンスターをそれぞれ1体ずつゲームから除外することで自分のデッキまたはPゾーンから「神星龍皇 ヘーラーウィルム」1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果の発動は無効化されない。


「相手フィールド上に表側表示で存在する特殊召喚されたモンスターの数だけ、自分のデッキまたは墓地から星龍皇モンスターをエクストラデッキに表側表示で加える!」
「なっ……」
「あなたのフィールドに存在する特殊召喚されたモンスターは4体! よってデッキから4枚のモンスターをエクストラデッキに加えるわ。私が加えるのはレベル8の“星龍皇 エルタウィルム”と2体目のウィルムアンサルとレベル4の“星龍皇 ウィルムゼクンド”! そして私のPゾーンにはスケール3とスケール9のペンデュラムモンスターが存在していることにより、これらのモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できるわ!」
「ペンデュラムモンスター以外をエクストラデッキから特殊召喚? そんなことができるデッキが……」
「あるのよ。これが、私の星龍皇たちの力! その目に焼き付けなさい!!」





―――星満ちる天空に輝け、神に仕えし龍の軌跡!―――






―――ペンデュラム召喚!!―――






―――現れよ!!―――







―――星龍皇 エルタウィルム! 星龍皇 ウィルムアンサル! 星龍皇 ウィルムゼクンド!―――






 2体の女神の名を冠する龍によって描かれる軌跡。そしてその軌跡は遊希のフィールドを5体の星龍皇で埋め尽くした。

「特殊召喚に成功した星龍皇 エルタウィルムと星龍皇 ウィルムゼクンドの効果を発動!!」


※星龍皇 エルタウィルム
特殊召喚・効果モンスター
星8/炎属性/幻竜族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できず、「星龍皇 エルタウィルム」は1ターンに1体までしか特殊召喚できない。メインフェイズ時にゲームから除外されている「星龍皇 エルタウィルム」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター2体を墓地に戻すことでゲームから除外されているこのカードは自分フィールド上に特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。このターンの終了時まで自分フィールド上に表側表示で存在する「星龍皇」と名のついたモンスターの攻撃力はフィールドに表側表示で存在する「星龍皇」と名のついたモンスターの数×600ポイントアップする。
(2):このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合に発動できる。そのモンスターをゲームから除外し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。この効果でゲームから除外されたモンスターは次の相手のターンの終了時に相手フィールド上に戻る。
(3):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。自分の墓地に存在する「星龍皇 エルタウィルム」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
「星龍皇 エルタウィルム」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。


※星龍皇 ウィルムゼクンド
効果モンスター
星4/地属性/幻竜族/攻1900/守1500
(1):このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキから「星龍皇 ウィルムゼクンド」以外の「星龍皇」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
(2):このカードが「星龍皇」と名のついたモンスターによってゲームから除外された場合に発動できる。フィールドに表側表示で存在するモンスター1体を裏側守備表示に変更する。
(3):1ターンに1度、手札の「星龍皇」と名のついたカード1枚をゲームから除外して発動できる。このカードのレベルをこのターンの終了時まで8にする。
「星龍皇 ウィルムゼクンド」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。


星龍皇 ウィルムアンサル ATK2800/DEF2400→ATK3100/DEF2700
星龍皇 ウィルムゼクンド ATK1900/DEF1500→ATK2200/DEF1800


チェーン2(遊希):星龍皇 ウィルムゼクンド
チェーン1(遊希):星龍皇 エルタウィルム


「ウィルムゼクンドの効果でデッキからウィルムゼクンド以外の星龍皇モンスター1体を手札に加えるわ。私が手札に加えるのは“星龍皇 ウィルムヴァイン”。そしてチェーン1のエルタウィルムの効果で私のフィールドの星龍皇モンスターの攻撃力はこのターンの終了時までフィールドの星龍皇モンスターの数×600ポイント攻撃力をアップさせる!」
「フィールドの星龍皇は5体……いや、違う……!」
「そう。エルタウィルムの効果にはあなたのフィールドの星龍皇としても扱うドランシアとキングレムリンもその数に含める! よってフィールドの星龍皇の数は全部で7体! 私のフィールドの星龍皇の攻撃力は―――4200ポイント上昇する!!」

 エルタウィルムの身体から燃え広がった蒼炎は遊希のフィールド全てを包み込み、煌めく青色のオーラとなって星龍皇たちの力となった。エルタウィルムによって力を分け与えられた星龍皇たちは一斉に咆哮を上げる。そしてその咆哮は、何物をも凌駕する力となって世界を覆う。


真星龍皇 ドラコニスウィルム ORU:2 ATK3300→ATK7500
星龍皇 エルタウィルム ATK3300→ATK7500
星龍皇 ラスタウィルム ATK2800→ATK7000
星龍皇 ウィルムアンサル ATK3100→ATK7300
星龍皇 ウィルムゼクンド ATK2200→ATK6400


「攻撃力7500、7300、7000、6400っ!? そんな……すべてのモンスターの攻撃力が……NEPTUNEを上回る?」
「だからこのデッキは普段は使わないでいたの。世界で私一人だけが持つこのデッキをね……バトル! 真星龍皇 ドラコニスウィルムでThe tyrant NEPTUNEを攻撃! “ドラコニス・バースト・ブレイズ”!!」

真星龍皇 ドラコニスウィルム ATK7500 VS The tyrant NEPTUNE ATK6000

 真なる星龍皇から放たれた光り輝く蒼炎が、海王星の化身を飲み込んでいく。そしてまるで彷徨える魂が浄化されるかのように、NEPTUNEの姿は炎と共に消えていった。

礼 LP7000→5500

「次。星龍皇 ラスタウィルムでRR-アルティメット・ファルコンを攻撃! “ラスタバン・スーパーセル”!!」

星龍皇 ラスタウィルム ATK7000 VS RR-アルティメット・ファルコン ATK3500

 風の力を持つ龍皇の放った嵐の刃が、究極の隼を3つに切り裂いた。その身体を切り裂かれたアルティメット・ファルコンは、断末魔に近い叫びを上げながら、地へと落ちていった。

礼 LP5500→2000

「きゃあああっ!!……そんな、そんなことが……」
「これで終わり。星龍皇 エルタウィルムで十二獣ドランシアを攻撃―――全てを焼き尽くせ! “エルタニン・ギガフレア”!!」

星龍皇 エルタウィルム ATK7500 VS 十二獣ドランシア ATK0

礼 LP2000→0


 星龍皇たちの進撃。それは止まることを知らず、その眼に映るものすべてを破壊しつくす。それが逆鱗に触れた者に下される裁きであった。















○後書き
【星龍皇】カードについては、前作『銀河竜を駆る少女』の「星龍皇 設定・カード紹介」の回をご覧下さい(ダイマ
ちなみにそちらで紹介されていない星龍皇姫 イーリスウィルムについては、こちらの作品で遊希のキャラ紹介と併せて掲載する予定です。




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ター坊
悪魔め(紅の鉄騎感
星龍皇も成長してるようでペンデュラムまで習得してるとは。それにしたって全体パワーアップ4200はおかしいですよ!というかエルタウィルムVSドランシアの時点で即死じゃないですか!だけどここまで殺られると爽快でもありますね。まさに全力全壊。
さて、ボロ負けした礼ちゃんはどうなるのやら? (2017-02-09 02:00)
カズ
まさかのペンデュラムまで。これで全ての召喚法を星龍皇は網羅したわけですが、全てを見せるまでもなく完膚なきにフルボッコ。あの盤面を速攻で崩して葬り去るとは、相変わらず恐ろしや。
ここまでやられるとさすがにメンタルブレイクしてしまいそうですが、礼は...? (2017-02-09 11:37)
光芒
ター坊さん
一応ペンデュラム召喚に関しては前作終盤でヘーラーウィルムが顕現した時点で実装されています。イーリスウィルムは登場こそしていませんでしたが、ひっそりと遊希のデッキに紛れ込んでいたりします。

>それにしたって全体パワーアップ4200はおかしいですよ!というかエルタウィルムVSドランシアの時点で即死じゃないですか!
やりすぎ、というところもあると思いますが、やりすぎないと突破できないカードを作ってしまうKONMAIの方にも問題があると思うんですがそれは(殴
ただ勝敗に関係なくNEPTUNEとアルティメット・ファルコンを潰すことでより敗北感を演出したいという意図はあります。

カズさん
さすがに全ての召喚法をここで見せていられるだけの余裕もなく……遊希も遊希で結構必死だったりします。ただあの盤面を完璧に破壊するためにオリカを使わなきゃできない、というのはとんでもないことだと思います。何考えてるんですかKONMAIさん。


見るまでもなく、礼はフルボッコにされたわけですが……そんな彼女の負けを苦々しく思う人物が今後登場するので、そんな彼に頑張ってもらう形で。

(2017-02-09 12:00)

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8 第14話:血戦 533 8 2017-02-19 -
8 第15話:攻防 562 5 2017-02-21 -
12 第16話:約束 429 6 2017-02-23 -
13 第17話:部活 381 4 2017-02-25 -
9 第18話:激励 496 5 2017-02-28 -
8 第19話:恐獣 339 2 2017-03-07 -
15 第20話:天命 458 2 2017-03-09 -
8 第21話:恋情 429 4 2017-03-13 -
36 第22話:真価 331 3 2017-03-16 -
13 遊大たちが4月制限について語るようです 442 7 2017-03-17 -
35 第23話:信頼 378 6 2017-03-22 -
39 第24話:魔竜 426 8 2017-03-24 -
41 第25話:度胸 407 5 2017-03-28 -
26 第26話:漆黒 300 5 2017-03-30 -
82 番外編:4月1日 408 6 2017-04-01 -
13 第27話:英雄 301 3 2017-04-04 -
41 第28話:最高 398 4 2017-04-07 -
19 第29話:銀河 283 2 2017-04-10 -
46 第30話:昇華 441 3 2017-04-13 -
17 サブキャラクター紹介・1 411 3 2017-04-16 -
48 第31話:試練 361 5 2017-04-18 -
18 第32話:迷宮 350 3 2017-04-20 -
16 第33話:成長 348 3 2017-04-23 -
18 第34話:双子・1 311 4 2017-04-25 -
48 第35話:双子・2 363 2 2017-04-28 -
20 第36話:幻奏 353 2 2017-05-04 -
45 第37話:戦術 423 2 2017-05-08 -
23 第38話:門番 405 5 2017-05-12 -
37 第39話:白黒 272 3 2017-05-17 -
17 第40話:奇跡 309 6 2017-05-19 -
25 第41話:錬装 316 4 2017-05-23 -
42 第42話:命運 277 2 2017-05-27 -
34 第43話:覚悟 367 3 2017-05-30 -
17 第44話:条件 282 3 2017-06-03 -
18 1万アクセス記念企画のお知らせ 434 5 2017-06-04 -
40 第45話:幻影 318 4 2017-06-08 -
13 第46話:黒牙 267 2 2017-06-14 -
15 遊大たちが7月制限について語るようです 324 2 2017-06-14 -
15 第47話:終幕 357 4 2017-06-17 -
17 第48話:宣誓 283 2 2017-06-22 -
11 サブキャラクター紹介・2 246 2 2017-06-24 -
17 第49話:編入 265 6 2017-06-29 -
14 第50話:理由 295 4 2017-07-03 -
11 番外編:七夕 293 6 2017-07-07 -
18 第51話:一歩 365 5 2017-07-12 -
19 第52話:修練 281 4 2017-07-17 -
11 第53話:自信 255 5 2017-07-20 -
16 第54話:克服 227 4 2017-07-24 -
15 第55話:猛攻 260 6 2017-08-02 -
14 第56話:障壁 181 3 2017-08-08 -
8 第57話:意地 170 3 2017-08-13 -
9 第58話:提案 267 3 2017-08-17 -
11 第59話:来訪 221 3 2017-08-27 -
17 第60話:交錯 231 3 2017-09-04 -
14 第61話:諜報 197 3 2017-09-11 -
67 遊大たちが10月制限について語るそうです 308 5 2017-09-14 -
10 第62話:暴露 174 2 2017-09-21 -
13 第63話:決意 201 4 2017-09-25 -
6 第64話:結束 197 4 2017-10-02 -
10 第65話:渇望 343 3 2017-10-07 -
12 第66話:証明 171 4 2017-10-13 -
10 第67話:空想 145 2 2017-10-16 -
9 第68話:魔鎖 138 2 2017-10-23 -
6 第69話:喝采 113 2 2017-10-27 -
8 第70話:胸愛 158 3 2017-11-01 -
10 第71話:点火 139 4 2017-11-07 -
5 第72話:誘惑 107 3 2017-11-15 -
3 第73話:憤怒 92 3 2017-11-18 -

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