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覚星する星霊少女

にゃるさん の作成したオリジナルカードです。


覚星する星霊少女
種類・種族 カテゴリー名
- 星霊少女
属性 レベル 攻撃力 守備力
- - - -
「覚星する星霊少女」は1ターンに1枚しか発動できない。①自分フィールドの「星霊少女」Sモンスター1体を対象に発動する。エクストラデッキから、そのカードよりもレベルが2つまたは4つ高い同属性「星霊少女」Sモンスター1体、またはそのカードとレベルが等しい別属性「星霊少女」Sモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。その後、対象としたカードをデッキに戻す。
作者 作成日時
にゃるさん 2016/08/01 7:48



にゃる
「チューナー無しでS召喚まがいか同レベルのキャラ呼び出し。ちなみにこのカードでは敵のアクシオンは呼べないあたり割と考えられている。なお、「モンスターの特殊召喚」と「デッキに戻す」は連続している効果なので、相手は特殊召喚に対して発動するカードは使えない(タイミングを逃す)。

その光景を、私は見ていた。閉じ込められた精神(こころ)で、親友が、悪友が、先輩が、命の恩人が、私の皮を被った存在に蹂躙されている。私は叫ぶ。こんなことはやめろと。しかし、私の体は新しい主を尊重するかの如く、私の事を聞きはしない。
私の精神は、最早ボロボロだった。取り憑かれていたとは言え、紛れもなく、彼女たちを傷つけたのは私だった。今も、私の体は彼女たちを攻撃し続けている。私は、そんな私が情けなく、消えてしまいたい、そう思って精神のチャネルを閉じた。

体が再生する。影の槍が刺さってから2分後、私の体は動くことができる程度には回復していた。右肩は上がらないし、腹にはまだ2つほど穴が開いているが、動けるならばそれでいい。
アデル「驚いたな、私のした事と言えば輸血程度のものなのに」
アデルさんが率直に言う。
アデル「しかし、どうするつもりだ?今ではサキが打ち合っているが、私の見立てではあと2分保つまい」
マツリ「会話を、します。小春さんと」
アデル「ほほう?会話?成る程な」得心がいったかのように嘯く。
マツリ「小春さんがこの姿になったのは私たちを誤認し、心が折れたからだと思ってます。それなら、その心を補強すれば……」
アデル「理には叶う。だが、どうするんだ?話そうとしても、コハルの心は恐らくは沈み込んでいるぞ?」はぁ、と息を吐く。話にならないと言いたげだが、しょうがないなという感情がこもっていた。
アデル「カードを切ろう。切り札は切らなければね」
アデルは一枚の紙を生み出す。それは、マツリにとっては見慣れたものだった。
マツリ「カルテ……?」
アデル「うむ、これが切り札だ。……コハル!いつまで塞ぎ込んで体を明け渡しているつもりだ!随分と脆い心を持っているのだな!大きいのは口調と胸だけか!そしてアクシオン!お前は人の体を借りんと復活もできんほど弱いようだな!全くお笑い種だ!」
アデルは大声を上げる。そんな事をしたら、アクシオンに狙われるのは分かっているはずなのに!
アクシオン「何と!宿主よ、私たちが煽られておるぞ!早速串刺しに行こうではないか!剣の女!続きは彼奴を磔刑にしてからだ!」
アクシオンがサキを足蹴にし、こちらへ飛んでくる。アクシオンは剣を構え、アデルを串刺しにせんとする。まずい、アデルさんでは避けられない……!
しかし、アクシオンは途中で剣をだらりと落とし、結果として、アデルに避けられた彼女は地面に激突した。何が、怒ったのだ……?
アクシオン「何だ、この感情はぁ……っ!?ぐっ……!頭が……何故だ、凄まじく怠い……!」
アデル「……診療録に記す、貴様は『精神疾患』だ、アクシオン」
アデルが構えたカルテ。そこの病名の項目には、「鑑別不能型身体表現性障害」と書かれていた。
アデル「今だマツリくん!今ならば奴の心は脆弱、心の中のコハルくんにも言葉が届くだろう!」
アデルさんが整えてくれた舞台。私は、小春さんへ言葉をかけるため、近づいていく。
アクシオン「な、め、るなぁ……っ……!」手をかざすアクシオン。しかし、その手は氷の鏡に封じ込められる。
クーシャ「邪魔は、させまセン!」
マツリ「ありがとう、クーシャさん」
小春さんの身体に、掛けたい言葉を言い放つ。お願い、届いて……!

眠っていたのに。心の外壁がひび割れ始め、光が漏れ出す。眩しさで目をしかめ、そっちを見ると、祀里ちゃんがいた。
「あ、あ、祀里、ちゃん……」怒っているのだろうか?私が彼女を攻撃したから、きっと怒られるだろうなあ。
「小春さん……」祀里ちゃんが口を開く。もういいよ、何を言われても、どうせ私はもう……
「ごめんなさい。私たちが、小春さんの状態に気づかなかったから、こんなことになってしまったんです。悪いのは私たちです。だから、責めなくていいんですよ」
ぽかんとする。悪いのは、祀里ちゃんたち?それは違う!悪いのは私だ!私が一人で間違って、自己嫌悪して……!
「そもそも小春さんは何でもかんでも自分のせいにし過ぎですし、一人で何でも解決しようとするきらいがありますよね!?それが私は悲しいです!」
……!一人で、何でも。もしかして、もしかして。私が、祀里ちゃんたちに相談すれば、このようなことにはならなかった……?
「私は小春さんの相談に乗ります。クーシャさんだって、表面では乗り気じゃなくても、きっとノリノリのはずです!」
クーシャがノリノリ。思わず笑みがこぼれる。
「……ですから、自分の事を責めないでください。どうしても、と言うならば、悪いのは全員、と言うことでいいじゃないですか」
悪いのは、全員。……乾いた笑みしか出てこない。私は、もしかしたらずっと一人で戦っていたのかもしれない。これで、よくもまあ彼女らのことを友達と言えたものだ。嗚呼、なら、彼女たちを友達と言えるように頑張ろう。まずは、体を取り返してから……!
アクシオン。その体、返してもらう!
続く。多分。」(2016-08-01 07:48)


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