第68話 大乗寺兄弟の決闘(後編)　作：マジかっ！

67話の続き

大乗寺LP1400手札1枚
モンスター
白き伝承竜サクソンドレイク
攻撃力3000/ORU2
魔法罠
ロストオーバーレイ(効果無効)

魄LP2100手札1枚
モンスター
英霊軍師-ぬらりひょん
攻撃力2500/ORU0
魔法罠
リビングデットの呼び声(発動済)

魄がウェルズドレイクに攻撃し、サクソンドレイクの効果でサクソンドレイクが特殊召喚された。

魄「私はカードを1枚伏せてターンエンドだ」


大乗寺「俺のターン！このスタンバイフェイズにエクストラデッキに戻った[ウェルズドレイク
]をエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する！来い！[ウェルズドレイク]！」

赤き伝承竜ウェルズドレイク
攻撃力2400

大乗寺のフィールドには攻撃力3000のサクソンドレイクと攻撃力2400のウェルズドレイクが存在する


大乗寺「ここで一気に決めさせてもらう！俺はランク4の[ウェルズドレイク]と[サクソンドレイク]の2体オーバーレイ！！」

魄(守…あのカードまで操るのか…)


大乗寺「伝説の竜を束ねし竜王よ、その輝かしき翼でドラゴンの頂点に立て！エクシーズ召喚！！現れろ！ランク0！[竜王の伝承竜ウルゲルヌスドレイク]！！」

竜王の伝承竜ウルゲルヌスドレイク
ランク0/光属性/ドラゴン族/ORU2
攻撃力3000


遊斗「あのモンスターは？」

遊斗達はウルゲルヌスドレイクを初めて見る

大乗寺が初めてウルゲルヌスドレイクを召喚したのはソクベ戦である(53話)

大乗寺「[ウルゲルヌスドレイク]の効果発動！このカードがエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドの表側表示のカードを全てデッキに戻す！この効果に対して相手はカード効果を発動する事は出来ない！」

ウルゲルヌスドレイクが起こした風により、魄のぬらりひょんとリビングデットの呼び声がデッキへと戻った

大乗寺(このまま攻撃すれば、勝てる…だが兄上の伏せカードは一体何なんだ…)


大乗寺の心の中で迷いに迷った…

この攻撃で魄を倒せるか、兄上は簡単には負ける訳がないと…


大乗寺(だが俺の手札は2枚…それに比べ兄上の手札は0で伏せカードが1枚…例えあの伏せカードで[ウルゲルヌスドレイク]が破壊されても残りの2枚でまだ戦える…行くしかない！)

大乗寺は攻撃する決心をつけた…この攻撃で終わらせると

魄「攻撃する決心はついたか？守」

少し笑顔になる魄、弟の成長が嬉しそうだ


大乗寺「行け！[ウルゲルヌスドレイク]！！兄上をダイレクトアタック！！！」

魄「簡単には負ける訳にはいきません永続罠発動、[百鬼の流れ風]自分の墓地の[英霊]モンスターを2体除外し、エクストラデッキから[英霊]エクシーズモンスターを1体特殊召喚する。再び出陣しなさい[英霊将軍-酒呑童子]」

英霊将軍-酒呑童子
攻撃力2000


コストで除外したカードは[大蜘蛛]と[水虎]

大乗寺「これでライフが残ると思ったら大間違いだ！兄上！[ウルゲルヌスドレイク]の効果発動！ORUを2つ取り除き攻撃力を2倍にする！」

ウルゲルヌスドレイク
攻撃力3000→6000

大乗寺「喰らえ！光の波動！アーサード・バースト！！」



ウルゲルヌスドレイクの口から光のビームが放たれる

ウルゲルヌスドレイク
攻撃力6000

英霊将軍-酒呑童子
攻撃力2000


魄のライフは2100

遊斗「これが通れば、大乗寺(守)の勝ちだ」


アーサードバーストが魄に直撃し、煙が発生し辺りが見えない


大乗寺「勝ったか？」


魄LP100

魄は立っていた

そしたフィールドには[英霊将軍-酒呑童子]が残っていた

池島「何⁉︎」

遊斗「⁉︎」


大乗寺「あの攻撃を耐えたのか…」

魄「あの時私は[百鬼の流れ風]のもう一つの効果を発動していたのだ。このカードを墓地に送り、次のターンのエンドフェイズまでこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力を倍にして、戦闘破壊をされなくなるのです」

英霊将軍-酒呑童子
攻撃力2000→4000


大乗寺「そして攻撃力を上げる事により、戦闘ダメージを2000に減らしたのか…ターンエンド…この時[ウルゲルヌスドレイク]の攻撃力は元に戻る…」

ウルゲルヌスドレイク
攻撃力6000→3000

悔しそうにターンエンドをする


大乗寺(まさか…俺の切り札でさえ、突破できなかったのか…)


魄「私のターン、守…お前にチャンスをやろう私がドローしたカードは[霊魂の武士道]」

大乗寺「あ…あのカードは⁉︎」


〜回想〜

小さい頃の魄と守が道場でデュエルをする

その後ろで魄の父親がデュエルを見守っている

その他にも大勢の門下生がいた

魄「私は[霊魂の武士道]を発動。その効果は、墓地・除外ゾーンの[英霊]モンスターを全てデッキに戻す、その後デッキより、[英霊]モンスター1体選択し、相手はそのモンスターの属性を宣言する。当たった時は私がそのモンスターの攻撃力分ダメージを喰らい、外れた場合、守…お前にそのダメージを食らう…さぁどの属性だ…


回想終了

魄「守…どの属性を宣言しますか」

大乗寺「俺は、風属性を選択する…」


〜回想〜

さっきの続き

大乗寺「俺は、風属性を選択する…よ」

魄「………」

ここは聞き取れなかったようだ

〜回想終了〜


魄「残念ですが…炎属性です」

大乗寺「くっ…(やはり兄上には勝てなかった…か…)

目を瞑り拳を握り悔しい顔の大乗寺

魄「炎属性の[ふらり火]の攻撃力は1900ポイントのダメージを受けなさい」


大乗寺はダメージを受けて吹き飛ぶ

大乗寺LP1400→0


さくら「勝負あり！勝者…大乗寺魄…」



遊斗「大乗寺が負けた…のか…」

池島「で…でもあのカードがたまたま当たっただけじゃ…」

そこに大乗寺が喋る

大乗寺「いや…これは俺の力が及ばないばかりに…」

魄「守…お前は確かに昔よりプレイングもよくなり、成長した…だが心は昔のままだ…あの時と同じ…もう父上は…」

そう言うと魄は道場を立ち去る

大吉・小吉「…」

大吉と小吉も魄の後を追うように立ち去る

さくらも無言で立ち去る


大乗寺「くそ！！」

大乗寺は力一杯床を殴った


遊斗「……」

池島「大乗…」

駆け寄ろうとする池島に黒陽が手を出す

黒陽「辞めとけ…今は奴を1人にさせるんだ」

池島「あぁ…」



遊斗達が道場を立ち去る時、白夜は何か疑問を持つ

白夜(やはり大乗寺は過去に何かがあったのか…)



その後遊斗達は寝床についた

その夜暗い部屋の窓に腰をかけ外を見る大乗寺が1人いる

大乗寺(俺はこの5年間何を思い…何を背負いながら戦ってきたんだ…父上…なぜ…)


部屋の外にさくらが大乗寺のことを見守っている

さくら「…」



場面は変わり、魄の部屋

白夜が魄の部屋を訪れる

白夜「失礼します」

白夜は一礼して入る

魄「どうしましたか？」

白夜「大乗寺…いや守君について…」

いつも大乗寺と呼んでたのでちょっとぎこちない感じの白夜


魄「なんですか？」

白夜「あいつの過去に何かあったのですか？」

魄「どういう事です？」

魄の目つきが少し険しくなる

白夜は少しずつ大乗寺について話す

白夜「デュエルをしてる時の話を聞くと、大乗寺のデッキ[伝承竜]に何か秘密があると俺は思うですが…あのデッキに何があったのですか？」


魄「お気づきでしたか…なら少しだけお話をしましょう…」

魄は静かに語り始める



5年前、私達の道場の師範代の父上は病気となり早くも後継者決める事になりました…


布団で寝ている父、布団には魄(13歳)・守(8歳)・さくら(12歳)の3人が囲んでいる


父「も、もう後継者を決めなくてはならないとは…ゲホッゲホッ」

さくら「大丈夫ですか⁉︎父上！」

父「だ、大丈夫だ…」

父上は元から余り体は良くなく、良く布団で休まられた


守もこの時は毎日、走り…負けず嫌いで、私を目標にしてました…ですが守は1人で自由に行動し、周りの者は手を焼きました…

私達の道場では師範代は男と決まっており、現師範代の息子が後継者になるのが決まりでした。なので私(魄)と守の2人が師範代候補に決まりました。

そして師範代となった者は師範代しか扱われないデッキが継承される


白夜「まさか…そのデッキが…」

魄は無言で頷き、続きを話す


そして師範代を決める日が来ました


回想

守「たとえ兄上でも俺は全力で倒す！！そしてあのデッキを貰い、俺が師範代になる！」

魄「私も手加減なしで行きますよ、守」


さくら「…」

さくらはただ見守る事しか出来なかった


そして…

守は負けた


守「ぐわぁぁ！」LP1700→0


大吉「守様！」

小吉「魄様が勝った…」

父「継承者は魄、お前だ…」

守「……」

守は父が持ってるデッキを奪った

父「何をするんだ！守！そのデッキを返すんだ！」

守はデッキをギュッと握る

守「お、俺は…父上の後を継ぎ、この道場を守るんだ！！」

魄「守…」

さくら「守…もう魄兄さんが勝ったんだから…)

守「で、でも！俺は…」

バチン！

魄「いい加減しろ…守…」

魄は守を頬をビンタした

そして涙を浮かべた守は道場から出て行った

父「待つんだ！守！」





1度振り返り大声で叫ぶ

守「俺は、絶対に戻ってきてこの道場の師範代になってやる！」


そう言うと守は崖から飛び降りた


父「追うんだ！守を！」

言った瞬間、魄の手が横から出た

魄「追うな！」

大吉「で、でも…」

魄「私は、守が戻ってくる事を信じる…成長して…」


この日から5年後の今まで私は守と会う事は無かった…



白夜「…そんな事が…あったのか…」

魄「はい…」

白夜「でも何故、今大乗寺をここに呼んだんですか？」

魄は思い口を開き喋った

魄「実は…先日、父上が亡くなられた…」

それは大乗寺の父親が亡くなった事で大乗寺をここの道場へと呼んだようだ

白夜「…」



一方で小吉は広い道場の見回りをしている。

小吉「今日も以上なし…かな」

シュッ！

目の前を一瞬何か動く影が見えた

小吉「あいつら！まだ遊んでたのか」

あいつらとはもちろん遊斗達一行のことである


小吉「おい！隠れてないで出てこい！お前らと遊んでる暇はないんだぞ！」

するといきなり

ドスッ！

小吉「グッ…」

背後から何者かが小吉の首を1撃攻撃した

小吉「だ…誰だ…お前は…」ドサッ



そして時間が立ちみんなが寝て、道場が寝静まった後大吉が小吉の見回りが遅いと探し始めた

大吉「お〜い小吉！どこじゃあ！」


道場に行くと小柄な少年がいるのが暗いながら分かる


大吉「そこにいるのは小吉か！」

すると目の前からデュエルディスクが光りだしその光で小吉なのがわかった


大吉「小吉か！見回りの時間は終わりじゃぞ！」

小吉「……」


明らかに小吉の様子がおかしい
大吉の声が聞こえてないかのように動く気配がない

シュッ！

いきなり小吉は腰につけてる小刀で大吉を襲撃する

紙一重で大吉は攻撃をかわした

大吉「な、何じゃ！いきなり」


小吉「デュエルだ…」

大吉の言葉を無視し、デュエルディスクを構え始める

大吉「ワシじゃ大吉じゃ気付かんのか！！おい！！」

何を言っても小吉は反応しない

小吉はずっとデュエルディスクを構え続ける


大吉(小吉の奴…何かおかしい…魄様に伝えに行かなければ…)

大吉が道場を出てこうと背後を向くと小刀が大吉の顔を擦り壁に刺さり、顔から少し血が垂れる

大吉「ワシを怒らせたようじゃな…小吉…」

大吉もデュエルディスクを構える


大吉「手加減は無用じゃ！行くぞ！！」


大吉・小吉「デュエル！！」

大吉LP4000

VS

小吉LP4000



その頃、遊斗たちは
遊斗・池島・雪菜はぐっすり寝ていて黒陽と白夜は布団からいなくなっている

黒陽は道場の外で1人突っ立ている。何かに気づいているようだ。そして背後から白夜が来た


白夜「お前も気づいてるようだな」

黒陽「あぁ…この道場に誰かが潜んでいる……どこかで感じた力を…」






どこかの部屋、そこには

⁇「ふふふ…」

何かが潜んでいる

その部屋は







魄の部屋だった…



第68話終わり