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HOME > 遊戯王SS一覧 > LASTTURN 団円―歪みゆく運命―上

LASTTURN 団円―歪みゆく運命―上 作:Dann


 「……こ、ここですか」

 疲れきった声で少女は一人、手元のメモを見ながら呟いた。

 「もう、何年ぶりになりますかね……? 彼は今、18ですか……」

 ここまで来る途中に何度も考えた事を口にする。

 「よし……」

 意を決し、少女は目前の家のインターホンを押した。



 「ルビィ~♪」
 『ル、ルビィ……!』

 雀夜の家に遊びに来ていた葵は、家の中を走り回るルビーを追いかけていた。
 見るからに遊びに来た理由は完全にルビーだ。

 「おいおい、あまり家の中で暴れるなよ?」

 かわいいものによって壊れた葵に雀夜が釘を刺す。

 「そうよ。転んでその可愛い顔に傷が付いたらと思うと……」

 「「黙れ変態」」

 悠美の発言に対して雀夜と葵が冷たい目線と共に言った。

 「ちょ、それ酷くな~い?」
 「だって事実だし……」

 真もまた冷たく言うと、全員がコクコクと頷いた。

 「何この四面楚歌ぁ~!?」
 「あ、ルビィ~、どこ~?」

 一人うな垂れる悠美を他所に、思い出したかのように葵はまたルビーを探し始めた。

 ピンポーン。

 と、そこにインターホンが鳴った。

 「はいはい、今行きますよ~っと」

 雀夜はその音を聞いて、玄関へと向かった。

 ガチャッ。

 「あの……遊幻 雀夜さんのお宅ってココですか?」

 玄関の外に居たのは茶髪の髪をツインテールで結っている、外見年齢十代半ば程の小柄な少女だった。

 「ん? ああ」

 キョトンとした表情で雀夜は答えた。

 「も、もしかして……雀夜さん?」
 「そうだけど……?」

 少女は少し驚いた様子で雀夜を見つめた。

 「……?」

 こんな表情で見つめられた事は無いので雀夜は対応に困っていた。

 「……ん? もしかして……一魅(カズミ)か?」
 「あ、はい。そうです」

 雀夜は記憶の中から少女の顔を探し、思い出した。

 「うわぁ……大きくなったな。何年ぶりだっけ?」
 「私が……7歳ぐらいの時に会ったのが最後だから……約7年ぶりですね」
 「そんな経ったのか……立ち話もなんだし、上がって話しよう」
 「あ、はい。お邪魔します」



 「ルビィ~♪ ……?」
 『ルビィ?』

 ようやくルビー・カーバンクルを捕まえた葵は、玄関から中々雀夜が帰ってこない事を気にしている様子で玄関を見つめた。

 「葵ちゃんってルビーが目当てで来たのよね? それなのに雀夜君を気にするなんて……も、もしかして二人ってもうそんな関係に!?」

 悠美が絶望した表情で葵を見つめた。

 「そ、そんなんじゃありません!」
 「……爆発しろ」
 「真も変な事言わないでよ!?」
 「こんにちは~」
 「ひぇっ!?」

 真達との言い合いに気を取られ、背後から不意に発せられた少女の声に葵は変な声を出してしまった。

 「あ、あの……大丈夫ですか?」

 振り向くと、そこには随分と大きな荷物を持った少女が立っていた。その後ろには雀夜もいた。

 「うん……えと、この子は?」
 「コイツは竜北 一魅(タツキタ カズミ)。俺の両親の友達の娘だ」
 「あ、そうなんだ」

 雀夜が葵に説明していると、急に悠美が立ち上がった。

 「可愛い娘じゃない?♪」
 「まずいっ……!」

 雀夜はこれから起こる事の全てを悟った。しかしその速度に雀夜や他の皆は付いて行けなかった。
 悠美は一魅の正面に立ち、彼女を抱きしめた。

 「~♪♪」
 「……っ!?」

 突然の出来事に一魅は少し驚いたが、すぐに正気を取り戻した。

 「まずいって、こういう事……?」
 「いや……もしかしたらこれ以上の結末が……」

 葵の問いに雀夜は答え、再び一魅に目を向ける。

 「な、なんですか?」
 「あまり胸無いけど、ロリ担当もいいわね♪」

 ブチッ。

 何かが切れた音がした。
 本当に聞こえたわけではない。そんな雰囲気がしたのだ。

 「私は……ロリじゃなぁぁぁい!」

 キレたのは一魅だった。
 一魅は両腕を巻き込んで抱きしめていた悠美の腕を払い、その場で跳躍して右足で蹴りを悠美の左肩に決めた。

 「おりゃぁぁ!!」
 「ったぁぁ!?」

 蹴りを決めた後、一魅はその場で後方宙返り……いわゆるバク宙をし、見事に着地した。
 蹴りを決められた悠美は、蹴られた衝撃で倒れた。

 「あ~あ……相変わらず蹴りが凄いな……」

 着地の姿勢を保っている一魅に雀夜が言った。

 「はい!」

 一魅は立ち上がり元気良く答え、拳を堅く握った。

 「……で、なんでここに?」
 「あ、はい。父が、雀夜さんの家に行ってそこに住ませてもらえって……」

 「「……はぁ?」」

 呆気に取られている全員に、一魅は続けた。

 「理由は良く分かりませんけど……あと、着いたら雀夜さんと決闘しろとも言われました」
 「そう、か……えっと、2階の直ぐ手前の部屋が空いてるはずだから、そこに荷物置いて来い」
 「わかりました」

 雀夜の了承を貰い、一魅は部屋へと向かった。

 「……どうするんだ?」
 「ま、決闘すれば分かるんじゃないか?」

 雀夜は真に答えると、デッキとディスクを用意しに部屋に戻った。

 「竜北……一魅ちゃんか……」
 「どうした?」

 難しい表情をする葵に狩が声をかけた。

 「なんか……嫌な予感がして……」

 しかし、その嫌な予感の正体は今の葵には分からなかった。
 少しして、二人が準備を終えた様子で出てきた。
 もちろん決闘をする場所は家の前の道路。サテライトとシティが1つになっても、雀夜の家の前の道路の交通量は相変わらず、皆無であった。


 「「決闘!」」

 ――竜北 一魅【LP:4000】VS遊幻 雀夜【LP:4000】――
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うおさ123
この娘が幻狂気の使い手なんですかね、どちらにせよ第二シーズンのキーキャラで重要な役目になりそうですね。 (2013-02-14 19:54)

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