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54話 次への一手? 作:名無しのゴーレム
「……ごめんね。急に、しかもこんな大人数で……」
「構いませんよ。お嬢が捕まるなんて、俺たちが絶対にさせませんから。」
「……本当に、ありがとう。」
現在、俺たちは恭治の忠告に従って風音の食堂の常連客の1人の家に移っていた。なんでも、この辺りの住民全員で俺たちを匿ってくれるらしい。
「……それじゃあ、現在の状況をまとめるぞ。何故かは分からないが、恭治がセキュリティに追われている。そして、その参考人として風音も、という訳だ。恭治を追っていたセキュリティは俺と恭治でなんとか食い止めた。よって、俺も奴等に見つかるとマズイ。つまり……」
俺は一度言葉を切り、2人を真っ直ぐに見つめた。
「凉花、京子。これからの行動はお前たちが中心になる。いいな?」
「もちろん! 任せといて!」
「……分かりました。精一杯、努めさせてもらいます。」
「じゃあ、さっそくだが……」
2人は一言も聞き漏らすまいとこちらに耳を傾けている。
「……風音の家に戻って、服とかを取ってきてくれ。しばらくここで暮らすことになるからな。」
「「……え?」」
「……プフフ、強志、なんであんなに大事みたいに言うのよ。そのせいで、2人とも、ポカーンって、……アハハハ!」
「笑いすぎだ。……ジョークの一種だよ。緊張しすぎは良くない。少しはリラックスさせないとな。」
「まあ、そうだけどね。……これからどうする? どこにいるかも分からないんじゃ、お兄ちゃんを探すことも出来ないし……」
「そうだな……俺としては、俺たちの仲間と合流したい。このままじゃいつか皆捕まっちまう。」
「でも、そっちだって手がかりは無いんでしょう? じゃあ、手詰まりには変わらないわね……」
うーん、どうしたものか……
「そう言えばさ、地下デュエル場ってどんな場所なんだ?」
「あそこは、違法な賭けデュエルを扱っているの。連勝を続ければフレンドシップカップにも出場できるから、お兄ちゃんみたいなのが成り上がるために日々デュエルを繰り広げているの。」
「フレンドシップカップ?」
「ああ、フレンドシップカップってのは、シティ一番のデュエル大会よ。そこで優勝すれば、普通では絶対に得られないような富と名誉が手に入る。……ここではね、デュエルは生きるための道具になってるの。」
「そ、そんな……」
デュエルが生きるための道具……俺たちの住んでいたハートランドでは、デュエルは皆で楽しむものだった。なのに……
「次元が違えば、ここまで変わるものなのか……」
「……ねぇ、確かあなたの仲間も地下デュエル場に居たのよね? なんでかしら?」
「? そりゃあ……待てよ!」
「……どうかした?」
「……確か……そうだった。なら……いけるか?」
「ちょっと、何考えてるの?」
「……風音、1つ、提案があるんだが。」
「……なによ。」
「それはな……」
「ただいま~!! ……え?」
「帰りました。……え?」
よし、2人とも驚いているようだ。成功か……?
「……オ、オーホッホッホ! ワタクシは人呼んでシンクロ仮面! そこのアナタたち、ワタクシのシモベになりなさい!」
「……えーと、あの、……」
「……風音さん、だよね? なにこれ?」
「…………やっぱ無理!! こんなことするくらいなら死ぬ~~!!」
「我慢してくれ風音! これも俺たちの為なんだ!」
「……お兄さん、なにこれ?」
「あ、ああ、これはな……」
2度同じ問いをした京子の目は、今まで見たことないくらいに冷えきったもので、思わず答えに詰まってしまった。
「「……変装ぅ~~!?」」
「ああ、『シンクロ仮面』はその第一案でな、これくらい目立てば集客力は十分だと思うんだが……」
「嫌よ!! もう絶対しないからね!!」
「……と、いう風に不評だった。次の案を考えないと……」
「いや、強志、ちょっと待ってください。え? なんでこうなったんですか?」
「……じゃあ1から話していくか。凉花、たしかランサーズがここに来たのは仲間集めの為なんだよな?」
「は、はい。打倒アカデミアのため、強いデュエリストを探すと、赤馬 零児は言っていましたが……」
「じゃあ京子、風音は強いと思うか?」
「そ、そりゃあ強いと思うよ。でも、それがどうしたの?」
「……いいか? ランサーズは強いデュエリストを探している。そして風音は文句無しに強い。ということは……?」
「強志、まさか……」
「え? どういうこと?」
どうやら凉花には分かってもらえたようだ。これから行う作戦、それは……
「風音にひたすらデュエルしてもらって、目立ってもらう。そして、それをランサーズのメンバーに見つけてもらうって寸法だ。だが、風音はセキュリティに見つかるとマズイ。だから風音には変装してもらう必要があるんだ。」
「……いや、だからって、あれは……」
「……ナシでしょ。あれはダサいって。」
「そうか、なら次は……」
「待って! 私が決めるから! 2人とも、手伝ってちょうだい!」
「「は、はい!」」
……シンクロ仮面、そんなに気に入らなかったのか……
「……あの、あれってそんなにおかしいですか?」
「……ああ、あんなのをお嬢に薦めるのはあんただけだよ。さすがにあの仮面はない。」
うーん……何が駄目だったんだろうか。
「お待たせ~! こんな感じでどうかな?」
京子たちが風音を連れて戻ってきた。そこには……
「……おお、いいじゃねぇか、お嬢!」
「そ、そうかしら。まあ、さっきのよりはマシだけど……」
さっきとは違い仮面は着けていなかったが、代わりに帽子とメガネ、そしてマントを装着して、変装しながらも確かに目立つ格好になっている。
「どう? ブラスト・レディの姿を見た感想は?」
「……『ブラスト・レディ』? それが名前か?」
「はい。京子が昔見ていたアニメのキャラクターの名前……だ、そうです。」
「へぇ……風音はそれでいいのか?」
「……まあね。どうしてもやらなゃいけないなら、これで行くわ。」
「よし。じゃあ細かい話を進めていくか。凉花と風……ブラスト・レディは都市部でデュエルをしてくれ。凉花はその宣伝と、いざという時にブラスト・レディを連れて逃げてくれ。」
「はい、分かりました。」
「了解。ってか、ブラスト・レディって言うの止めてよ。」
「……で、俺と京子でこの辺りを回る。効果は薄いだろうが、やらないよりはマシだろう。これでいいか?」
「オッケー!」
「さて、方針も定まったことだし、ご飯にしようか。すみません、台所を借りてもいいですか?」
「ああ、構わねぇぜ。まさか自宅でお嬢の飯が食えるなんてな……」
……すげぇ。この人、感動して泣いてるよ。
――翌日。
「……よし。じゃあ始めよう!」
「「「オーー!!」」」
風音たちが出掛けていくのを見送ってから、俺たちも出発した。
「……でさ、お兄さん。何から始めるの?」
「うーん……まずは歩き回ってみるか。聞いた話では向こうの辺りにあまり見かけないやつがいるとか。そっちに行ってみるか。」
「分かった~!」
……しばらく探し回ってみたが、やはりと言うべきか何の手がかりも得られない。
(……はあ、収穫無しだと徒労感がすごいな……)
「……お、お兄さん。あれ……」
「ん? どうか……何だとっ!?」
京子が指差した先には、見慣れた服装の集団がバイクで走ってくる。っていうか、あれ……
「セ、セキュリティじゃねぇか! 京子、隠れるぞ!」
「う、うん!」
咄嗟に物陰に身を隠す。……最悪、俺が囮になってでも京子は……
「……あ、あれ? お兄さん、あの人たち、向こうに行っちゃった……」
「なに? ……本当だ。」
じゃあ、あいつらはどこに向かっている……?
「……くっ、放せ!」
「この俺を誰だと思ってやがる! お前ら、ただじゃ済まないからな!」
少しした後、遠くの方から声が聞こえてきた。
「……あれ? 今の声って……」
「もしかして沢渡? それじゃあ……」
「……まさか! おい京子、急ぐぞ!」
クソ、間に合え……
「……待て! ……なっ!」
「……そんなぁ!?」
俺たちが声のした場所に着くと同時に、護送車が走り去っていった。周りにランサーズの姿はない。
「遅かったか……クソッ!!」
「クロウ~~!!」
「置いてかないでよぉ~~!!」
子供たちが泣いているのに気づいた。
「……ねぇ君たち、今の車に誰が乗せられたか分かる?」
京子がその子たちに話しかける。
「……え? クロウと、シンジと、……」
「ユーヤたちも、連れていかれちゃった……」
「え!? 遊矢君も!?」
「……すまない、君たち。詳しく話を聞かせてもらえないかな?」
「凉花、どう思う?」
『……話からするに、捕まったのは沢渡 シンゴ、セレナ、榊 遊矢で間違いないでしょう。居なくなっていた子供というのは赤馬 零児の弟、赤馬 零羅の可能性が高いです。』
「そうか。となると……」
『……ランサーズのメンバーの、ほぼ半分が捕まったことになります。』
遅かったということか……残っている(とされている)のは赤馬兄弟、月影、郁哉、智、秀か。もっとも、俺たちが知らないだけなのかもしれないが……
「あなたたち、これからどうするの?」
「「「…………」」」
京子の問いに、子供たちは押し黙った。どうやら、全員が身寄りがないらしい。
「……じゃあさ、私たちと一緒に来ない? あなたたちだけじゃ不安でしょ?」
「……だそうだ。凉花、一応風音に聞いといてくれないか?」
『あの……風音さんは今、少し立て込んでまして……』
「ああ、デュエル中だったか?」
『いえ、そういう訳ではないんですが……ちょっ、風音さん? 待って下さい!』
「凉花? ……切れたか。」
「お兄さ~ん! この子たち、一緒に連れて帰ってもいいよね?」
「……はあ、俺に聞くなよ。取り敢えず連れていこう。」
「は~い! 皆、行くよ!」
「「「うん!」」」
京子のやつ、あっという間に仲良くなったな……まあいい、体勢を立て直すためにも、一度帰るか。
こうして、仲間を探すはずの探索が、想定しない形で始まりを迎えたのだった。
「構いませんよ。お嬢が捕まるなんて、俺たちが絶対にさせませんから。」
「……本当に、ありがとう。」
現在、俺たちは恭治の忠告に従って風音の食堂の常連客の1人の家に移っていた。なんでも、この辺りの住民全員で俺たちを匿ってくれるらしい。
「……それじゃあ、現在の状況をまとめるぞ。何故かは分からないが、恭治がセキュリティに追われている。そして、その参考人として風音も、という訳だ。恭治を追っていたセキュリティは俺と恭治でなんとか食い止めた。よって、俺も奴等に見つかるとマズイ。つまり……」
俺は一度言葉を切り、2人を真っ直ぐに見つめた。
「凉花、京子。これからの行動はお前たちが中心になる。いいな?」
「もちろん! 任せといて!」
「……分かりました。精一杯、努めさせてもらいます。」
「じゃあ、さっそくだが……」
2人は一言も聞き漏らすまいとこちらに耳を傾けている。
「……風音の家に戻って、服とかを取ってきてくれ。しばらくここで暮らすことになるからな。」
「「……え?」」
「……プフフ、強志、なんであんなに大事みたいに言うのよ。そのせいで、2人とも、ポカーンって、……アハハハ!」
「笑いすぎだ。……ジョークの一種だよ。緊張しすぎは良くない。少しはリラックスさせないとな。」
「まあ、そうだけどね。……これからどうする? どこにいるかも分からないんじゃ、お兄ちゃんを探すことも出来ないし……」
「そうだな……俺としては、俺たちの仲間と合流したい。このままじゃいつか皆捕まっちまう。」
「でも、そっちだって手がかりは無いんでしょう? じゃあ、手詰まりには変わらないわね……」
うーん、どうしたものか……
「そう言えばさ、地下デュエル場ってどんな場所なんだ?」
「あそこは、違法な賭けデュエルを扱っているの。連勝を続ければフレンドシップカップにも出場できるから、お兄ちゃんみたいなのが成り上がるために日々デュエルを繰り広げているの。」
「フレンドシップカップ?」
「ああ、フレンドシップカップってのは、シティ一番のデュエル大会よ。そこで優勝すれば、普通では絶対に得られないような富と名誉が手に入る。……ここではね、デュエルは生きるための道具になってるの。」
「そ、そんな……」
デュエルが生きるための道具……俺たちの住んでいたハートランドでは、デュエルは皆で楽しむものだった。なのに……
「次元が違えば、ここまで変わるものなのか……」
「……ねぇ、確かあなたの仲間も地下デュエル場に居たのよね? なんでかしら?」
「? そりゃあ……待てよ!」
「……どうかした?」
「……確か……そうだった。なら……いけるか?」
「ちょっと、何考えてるの?」
「……風音、1つ、提案があるんだが。」
「……なによ。」
「それはな……」
「ただいま~!! ……え?」
「帰りました。……え?」
よし、2人とも驚いているようだ。成功か……?
「……オ、オーホッホッホ! ワタクシは人呼んでシンクロ仮面! そこのアナタたち、ワタクシのシモベになりなさい!」
「……えーと、あの、……」
「……風音さん、だよね? なにこれ?」
「…………やっぱ無理!! こんなことするくらいなら死ぬ~~!!」
「我慢してくれ風音! これも俺たちの為なんだ!」
「……お兄さん、なにこれ?」
「あ、ああ、これはな……」
2度同じ問いをした京子の目は、今まで見たことないくらいに冷えきったもので、思わず答えに詰まってしまった。
「「……変装ぅ~~!?」」
「ああ、『シンクロ仮面』はその第一案でな、これくらい目立てば集客力は十分だと思うんだが……」
「嫌よ!! もう絶対しないからね!!」
「……と、いう風に不評だった。次の案を考えないと……」
「いや、強志、ちょっと待ってください。え? なんでこうなったんですか?」
「……じゃあ1から話していくか。凉花、たしかランサーズがここに来たのは仲間集めの為なんだよな?」
「は、はい。打倒アカデミアのため、強いデュエリストを探すと、赤馬 零児は言っていましたが……」
「じゃあ京子、風音は強いと思うか?」
「そ、そりゃあ強いと思うよ。でも、それがどうしたの?」
「……いいか? ランサーズは強いデュエリストを探している。そして風音は文句無しに強い。ということは……?」
「強志、まさか……」
「え? どういうこと?」
どうやら凉花には分かってもらえたようだ。これから行う作戦、それは……
「風音にひたすらデュエルしてもらって、目立ってもらう。そして、それをランサーズのメンバーに見つけてもらうって寸法だ。だが、風音はセキュリティに見つかるとマズイ。だから風音には変装してもらう必要があるんだ。」
「……いや、だからって、あれは……」
「……ナシでしょ。あれはダサいって。」
「そうか、なら次は……」
「待って! 私が決めるから! 2人とも、手伝ってちょうだい!」
「「は、はい!」」
……シンクロ仮面、そんなに気に入らなかったのか……
「……あの、あれってそんなにおかしいですか?」
「……ああ、あんなのをお嬢に薦めるのはあんただけだよ。さすがにあの仮面はない。」
うーん……何が駄目だったんだろうか。
「お待たせ~! こんな感じでどうかな?」
京子たちが風音を連れて戻ってきた。そこには……
「……おお、いいじゃねぇか、お嬢!」
「そ、そうかしら。まあ、さっきのよりはマシだけど……」
さっきとは違い仮面は着けていなかったが、代わりに帽子とメガネ、そしてマントを装着して、変装しながらも確かに目立つ格好になっている。
「どう? ブラスト・レディの姿を見た感想は?」
「……『ブラスト・レディ』? それが名前か?」
「はい。京子が昔見ていたアニメのキャラクターの名前……だ、そうです。」
「へぇ……風音はそれでいいのか?」
「……まあね。どうしてもやらなゃいけないなら、これで行くわ。」
「よし。じゃあ細かい話を進めていくか。凉花と風……ブラスト・レディは都市部でデュエルをしてくれ。凉花はその宣伝と、いざという時にブラスト・レディを連れて逃げてくれ。」
「はい、分かりました。」
「了解。ってか、ブラスト・レディって言うの止めてよ。」
「……で、俺と京子でこの辺りを回る。効果は薄いだろうが、やらないよりはマシだろう。これでいいか?」
「オッケー!」
「さて、方針も定まったことだし、ご飯にしようか。すみません、台所を借りてもいいですか?」
「ああ、構わねぇぜ。まさか自宅でお嬢の飯が食えるなんてな……」
……すげぇ。この人、感動して泣いてるよ。
――翌日。
「……よし。じゃあ始めよう!」
「「「オーー!!」」」
風音たちが出掛けていくのを見送ってから、俺たちも出発した。
「……でさ、お兄さん。何から始めるの?」
「うーん……まずは歩き回ってみるか。聞いた話では向こうの辺りにあまり見かけないやつがいるとか。そっちに行ってみるか。」
「分かった~!」
……しばらく探し回ってみたが、やはりと言うべきか何の手がかりも得られない。
(……はあ、収穫無しだと徒労感がすごいな……)
「……お、お兄さん。あれ……」
「ん? どうか……何だとっ!?」
京子が指差した先には、見慣れた服装の集団がバイクで走ってくる。っていうか、あれ……
「セ、セキュリティじゃねぇか! 京子、隠れるぞ!」
「う、うん!」
咄嗟に物陰に身を隠す。……最悪、俺が囮になってでも京子は……
「……あ、あれ? お兄さん、あの人たち、向こうに行っちゃった……」
「なに? ……本当だ。」
じゃあ、あいつらはどこに向かっている……?
「……くっ、放せ!」
「この俺を誰だと思ってやがる! お前ら、ただじゃ済まないからな!」
少しした後、遠くの方から声が聞こえてきた。
「……あれ? 今の声って……」
「もしかして沢渡? それじゃあ……」
「……まさか! おい京子、急ぐぞ!」
クソ、間に合え……
「……待て! ……なっ!」
「……そんなぁ!?」
俺たちが声のした場所に着くと同時に、護送車が走り去っていった。周りにランサーズの姿はない。
「遅かったか……クソッ!!」
「クロウ~~!!」
「置いてかないでよぉ~~!!」
子供たちが泣いているのに気づいた。
「……ねぇ君たち、今の車に誰が乗せられたか分かる?」
京子がその子たちに話しかける。
「……え? クロウと、シンジと、……」
「ユーヤたちも、連れていかれちゃった……」
「え!? 遊矢君も!?」
「……すまない、君たち。詳しく話を聞かせてもらえないかな?」
「凉花、どう思う?」
『……話からするに、捕まったのは沢渡 シンゴ、セレナ、榊 遊矢で間違いないでしょう。居なくなっていた子供というのは赤馬 零児の弟、赤馬 零羅の可能性が高いです。』
「そうか。となると……」
『……ランサーズのメンバーの、ほぼ半分が捕まったことになります。』
遅かったということか……残っている(とされている)のは赤馬兄弟、月影、郁哉、智、秀か。もっとも、俺たちが知らないだけなのかもしれないが……
「あなたたち、これからどうするの?」
「「「…………」」」
京子の問いに、子供たちは押し黙った。どうやら、全員が身寄りがないらしい。
「……じゃあさ、私たちと一緒に来ない? あなたたちだけじゃ不安でしょ?」
「……だそうだ。凉花、一応風音に聞いといてくれないか?」
『あの……風音さんは今、少し立て込んでまして……』
「ああ、デュエル中だったか?」
『いえ、そういう訳ではないんですが……ちょっ、風音さん? 待って下さい!』
「凉花? ……切れたか。」
「お兄さ~ん! この子たち、一緒に連れて帰ってもいいよね?」
「……はあ、俺に聞くなよ。取り敢えず連れていこう。」
「は~い! 皆、行くよ!」
「「「うん!」」」
京子のやつ、あっという間に仲良くなったな……まあいい、体勢を立て直すためにも、一度帰るか。
こうして、仲間を探すはずの探索が、想定しない形で始まりを迎えたのだった。
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104 | 32話 選手権への道 | 1048 | 0 | 2015-05-12 | - | |
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129 | 33話 快進撃!? | 1035 | 2 | 2015-05-14 | - | |
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63 | 35話 過去の確執 | 849 | 2 | 2015-05-16 | - | |
54 | 36話 暗黒に君臨する魔王龍 | 1007 | 2 | 2015-05-17 | - | |
78 | 37話 逆転への希望 | 865 | 2 | 2015-05-18 | - | |
83 | side凉花:接触 | 926 | 2 | 2015-05-19 | - | |
92 | 38話 選手権へと | 850 | 2 | 2015-05-20 | - | |
113 | 39話 開幕 | 997 | 2 | 2015-05-21 | - | |
132 | 40話 帝王VS古の魂 | 1105 | 2 | 2015-05-23 | - | |
56 | 41話 逃れられぬ罠地獄 | 929 | 2 | 2015-05-24 | - | |
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88 | side美愛:裏切り、脱走劇 | 906 | 2 | 2015-06-08 | - | |
108 | 48話 旅立ち | 926 | 2 | 2015-06-08 | - | |
56 | 49話 吹き荒れる風の音 | 897 | 2 | 2015-06-09 | - | |
123 | side恭治:嵐を呼ぶ男 | 1000 | 2 | 2015-06-10 | - | |
83 | side心希:裏切りの発覚 | 833 | 2 | 2015-06-11 | - | |
44 | 50話 三度あることは | 907 | 2 | 2015-06-12 | - | |
59 | 51話 黒白の戦い | 1014 | 2 | 2015-06-13 | - | |
42 | side恭治:守る理由 | 998 | 2 | 2015-06-14 | - | |
112 | side郁哉:突然の災難 | 887 | 2 | 2015-06-15 | - | |
103 | 52話 捜索開始 | 1021 | 2 | 2015-06-16 | - | |
97 | side凉花:地下デュエル場 | 962 | 2 | 2015-06-17 | - | |
98 | 53話 襲い来る脅威 | 956 | 2 | 2015-06-18 | - | |
113 | side月詠:自らの為の戦い | 1002 | 4 | 2015-06-19 | - | |
94 | 解説とお知らせ | 959 | 2 | 2015-06-19 | - | |
41 | 54話 次への一手? | 889 | 2 | 2015-06-22 | - | |
59 | side風音:行け! ブラスト・レディ | 930 | 2 | 2015-06-29 | - | |
52 | side郁哉:神との対峙 | 891 | 2 | 2015-07-03 | - | |
90 | side月詠:進む彼ら、止まった私 | 947 | 2 | 2015-07-06 | - | |
68 | 番外編(記念企画):でゅえるぶ!! 前編 | 998 | 2 | 2015-07-07 | - | |
88 | 番外編(記念企画):でゅえるぶ!!後編 | 1114 | 2 | 2015-07-14 | - | |
51 | side凉花:Let’s 拷問タイム♪ | 919 | 2 | 2015-07-21 | - | |
93 | side郁哉;2体目の神 | 1080 | 2 | 2015-08-08 | - | |
72 | 55話 『守護者』 | 990 | 2 | 2015-08-16 | - | |
88 | side月詠:不死の大英雄VS蘇る太陽神 | 1075 | 2 | 2015-08-23 | - | |
104 | side京子:絆の力、結束の力(前編) | 1011 | 4 | 2015-09-13 | - | |
104 | side京子:絆の力、結束の力(後編) | 885 | 2 | 2015-09-21 | - | |
72 | side郁哉:立ち上がれ、何度でも | 1034 | 2 | 2015-09-22 | - | |
100 | side月詠:最後の戦いへ | 965 | 4 | 2015-09-27 | - | |
109 | 解説コーナー1 | 1173 | 2 | 2015-09-28 | - | |
37 | コラボ企画 第1話『異世界での再会』 | 884 | 2 | 2015-09-29 | - | |
116 | コラボ企画 第2話 『反逆者と救世者』 | 1089 | 2 | 2015-10-03 | - | |
72 | コラボ企画 第3話『例え無力でも』 | 1060 | 2 | 2015-10-12 | - | |
86 | コラボ企画 最終話『またいつか』 | 1006 | 4 | 2015-10-17 | - | |
91 | コラボ企画 解説……? | 908 | 4 | 2015-10-19 | - | |
100 | side凉花:地獄への帰還 | 1006 | 4 | 2015-11-03 | - | |
53 | 56話 進化する最終兵器 | 952 | 4 | 2015-11-04 | - | |
103 | 57話 戦場の流儀 | 992 | 4 | 2015-11-07 | - | |
76 | 58話 抗う者たち | 883 | 4 | 2015-11-10 | - | |
81 | side杏:それぞれの思惑 | 888 | 4 | 2015-11-12 | - | |
90 | side恭治:思い出クッキング | 806 | 2 | 2015-11-23 | - | |
81 | side郁哉:『仲間』 | 891 | 2 | 2015-11-26 | - | |
59 | side月詠:決別 | 956 | 4 | 2015-11-28 | - | |
111 | side敦人:過去と現在、『彼ら』の変化 | 950 | 2 | 2015-12-02 | - | |
47 | side風音:速見 風音と『彼女』の関係 | 829 | 4 | 2015-12-19 | - | |
57 | side月詠:天宮 月詠と『彼女』の関係 | 968 | 2 | 2015-12-20 | - | |
94 | side凉花:薙野 凉花と『彼女』の関係 | 752 | 4 | 2016-03-03 | - | |
53 | 59話 突然の再会 | 855 | 4 | 2016-03-04 | - | |
125 | side恭治:駆け抜ける旋風 | 920 | 4 | 2016-03-08 | - | |
97 | side涼花:交わる光と闇 | 903 | 2 | 2016-03-09 | - | |
44 | 60話 襲い来る巨悪、託された未来 | 809 | 2 | 2016-03-13 | - | |
79 | side恭治:スピードの向こうへ | 903 | 4 | 2016-03-14 | - | |
109 | side風音:最強の兄妹 | 902 | 4 | 2016-03-17 | - | |
118 | side美愛:黒き野望の胎動 | 905 | 2 | 2016-03-19 | - | |
118 | side美愛:造られた存在 | 913 | 4 | 2016-03-23 | - | |
69 | side京子:守り抜くために | 903 | 2 | 2016-03-26 | - | |
94 | 61話 次元を超えた力 | 840 | 4 | 2016-03-28 | - | |
70 | side敦人:すべては彼のために | 732 | 4 | 2016-03-29 | - | |
110 | 62話 未来への希望 | 925 | 5 | 2016-03-31 | - | |
51 | 63話 神を討て | 895 | 0 | 2016-04-09 | - | |
140 | 64話 すべてを砕く闇 | 1033 | 2 | 2016-04-13 | - | |
77 | 65話 残された光 | 735 | 4 | 2016-04-21 | - | |
103 | 66話 終焉を齎す者 | 924 | 4 | 2016-04-25 | - | |
45 | 67話 破滅へ導く四騎士 | 915 | 4 | 2016-04-27 | - | |
109 | side京子:いろんな想い、一つの願い | 987 | 4 | 2016-05-31 | - | |
174 | 68話 闇を祓う希望の光 | 1665 | 4 | 2016-08-12 | - |
更新情報 - NEW -
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ダサいのは名前じゃない、格好なんだ……
次回は風……ブラスト・レディのデュエル。相手はなんと……? (2015-06-23 15:52)