夜会の仲買人カツヤ

黒壱(クロイツ)
「ゴコウとセットで運用したいカード。ゴコウから埋葬したカードを除外してこのカードをssし、除外時効果を発動、ランク3に繋げます。
ずんぐりとした体躯の男で、長髪を三つ編みにしている。鈍重そうに見えるものの、筋肉量も多く意外と俊敏で怪力。そして頭脳明晰。多分痩せると美形。
「夜会」における業者間の斡旋や仲介を行っており、夜会の営利活動は大体この男が担っている。ゴコウの兄貴分であり、「大哥」と呼ばれている。
影は「蠍」。対応する欲望は「虚栄」。

※

（やれやれ、ゴコウの奴め。随分景気良く絞りやがったな）
カツヤは内心で苦笑しながら、債権書類から顔を上げ、目の前で契約書を睨みながら震える男を見遣った。
今夜だけで男の抱えた借財は、到底彼の支払能力を超えた莫大な額となっていた。そして今後は更に利子が付く。
最早夜が明ける前にこの男が崖から飛び降りても、不思議ではなかった。
「……つまり、あんた方の為に便宜を図れというのか？」
男は出された茶を飲み干し、震える声で確認してくる。
カツヤは目を細め、笑顔でそれに答えた。
「いやいや、わたくし共から提案するのは、あくまでも副業の紹介ですよ。現在のままでは利子の払いだけで貴方が破産するのは時間の問題。わたくし共と致しましても、それは本意ではない。別に貴方に法を犯せと言っているわけではありません」
「くっ……そもそもこんなのイカサマだ！ 無効だ無効！」
激昂する男に、カツヤはぴくりとも笑顔を崩さない。
「そうは言われても、証拠が御座いません。それに、この債権は正式に契約を取り交わして発生したもので。法的に正しいのはこちらですよ」
ひらひらと書類を振ってみせると、男はぐうの音も出せずに唇を噛んだ。
そもそも訴えるとして、官憲は取り合わないだろう。何故ならこの国の官憲にも店の常連は多いからだ。
「貴方としても損な話では無いはずです。大した労力無しに収入を得て、しかも本来の仕事も我々がバックに付くことでやりやすくなる。いやぁ、美味しい話ですなぁ」
「……わ、わかった。条件を呑む」
「やぁ、それは重畳。では契約書にサインを」
男がペンで契約書にサインをし、それをテーブルに置こうとして、からん、と取り落とした。
「な、何だ？ 毒……？」
男の身体がぐらつき、目の焦点が合わなくなる。
「毒ではなく、薬ですよ」笑顔でカツヤが男の使った茶碗を示した。「こちらとしても貴方が国外に逃げたり身投げしたりしても旨味が無いので。いつまた大きな戦争が起こって債務が有耶無耶になるのもわかりません。少し保険をかけさせて頂きますよ」
すっかり前後不覚になってぐったりとした男を見て、カツヤは浮かべていた営業スマイルを消した。
手許のベルを鳴らして黒服を呼び、顎をしゃくる。
「丁重にお連れしろ」
「はい」
部屋に一人になり、カツヤは執務机の引き出しから酒瓶を取り出した。
「まったく、戦争は嫌だねぇ。……この国の平和に乾杯」
」(2016-07-11 17:43)

海藻
「マフィアらしく黒い商売もやってるみたいですね。はてさて、どのような「副業」を持ちかけているのでしょうか？
手札から自分墓地のカードを除外して簡単に特殊召喚することができ、他のモンスターの効果も誘発させられる優秀な方。レベルが3になるのでX召喚もしやすいですね。除外されるとリカバリーもついてくる」(2016-07-11 21:01)

黒壱(クロイツ)
「海藻さん＞
本筋とはあんまり関係無いのでアレですが、多分顧客の情報横流しとか、不動産転売の名義貸しとかだと思います＞副業」(2016-07-11 21:46)

名無しのゴーレム
「『薬』、ですか……今までの話から総合して考えるに、どう考えてもまともなものじゃないことは確か。……蟲入り？
①はカテゴリ外でも仕事できそうな特殊召喚効果。レベル3のチューナーに化けるので、そこからS召喚に繋げるといいでしょう。
そして目を引いたのが②の効果。何回読んでも自身も回収できるようにしか読めません。つまり闇の誘惑が強欲な壺になるということで……ミス、なんですかね？」(2016-07-11 22:05)

黒壱(クロイツ)
「名無しのゴーレムさん＞
あ、失礼。完全にミスです。
「このカード以外の」を追加します。
後チューナーでは無いので悪しからず。
薬は、ふふふ、鋭いですねぇ。」(2016-07-11 22:39)