パラサビオの激昂

ター坊
「効果は羽根箒+αですが、条件を満たせば相手ターンでも飛んでくる恐怖に。

ストーリー

怪物が持ってきた物…それは１本の木であった。何処からか切ってきたのであろう。…しかし何故？と姫が首を傾げていると、親蟲を喰っていた怪物の子供の一匹が木から何か切り取り、姫の元にそれを持って来た。その何かを見て姫はひどく驚いた。
怪物の子供が持って来た物…それは美味しそうに熟した真っ赤な林檎であった。それを見てどうして？と考える理性よりもここ数日飲まず食わずの飢えた体がそれを欲した。怪物の子供が持って来た林檎を受け取ると早速ひとかじりする。果物特有の甘さと瑞々しい水分が体を癒す。

そんな奇妙な出来事から数日後
怪物や少し大きくなった子供はさらに物を持ってくるようになった。別の果物の木や水の入った樽、服、干し肉など色々だ。その甲斐もあってか姫の体力も回復し、冷静に判断できる程の精神力も取り戻せた。
子供らが5mを越えるくらいのサイズになると、子供の同伴が条件(故に脱走は出来ない)ながら玉座の間から出歩くことができた。王宮内は蟲達の巣窟となっていたが比較的安全であった。と言うのも蟲達は姫を襲うと怪物達に喰い殺されると本能的に学習したようで、姫を見ると恐れて退いていくようになったのだ。
さらに日にちは経ち、姫は少なくとも他の蟲よりかは怪物を信じるようになった。そこで姫は他の蟲達を支配している怪物をエンペラー、その子供をJr.と名付けることにした。
とある日のことであった。エンペラーは口の触手であるものを持って姫に見せつける。
「…絵本？」
ﾆｭﾙﾆｭﾙ
エンペラーの触手はある挿絵を示し、別の触手で姫を指す。挿絵は食事をしている親子の絵である。姫はエンペラーが意思の疏通を試みていることにも驚いたが、その伝えたいであろう内容も驚きであった。
「もしかして…私の事、お母さんって言いたいの？」
ｷｰ
そうだ、と応えるように高い声でエンペラーは鳴いた。

王国が滅んで何日経ったであろうか。Jr.は15mくらいに、エンペラーはそれ以上大きくならないだろうが充分大きく育った頃であった。遠方から何処かの軍勢が迫ってくるのを姫は見ていた。
「エンペラー。私を城門の辺りまで連れていって」
母親の言うことを聞く子供のようにエンペラーは姫を乗せて言われた場所に向かう。姫がそこに着くとエンペラーに言い聞かせる。
「いい、エンペラー。私はこれから来る人に貴方達の事を話すわ。だから大人しく待ってて」
エンペラーはしばらく考えるような素振りを見せた後、姿勢を低くした。

やって来た軍勢は案の定、蟲の軍団の討伐隊であった。
「お待ちください！」
「何！この国の人間は全員喰われたんじゃないのか！？」
指揮官であろう、馬上の人は驚きを隠せない様子であった。
「蟲達を討ちに来たのでしょう！でも少々、お待ちください！この子達は…」
「貴様！！醜い蟲の化け物を庇う気か！」
馬上の指揮官は激昂し剣を抜く。すると
「うわぁぁ！ば、化け物！！」
指揮官の後ろの兵士達がどよめく。城壁から巨大な怪物…エンペラーが顔を見せる。
「ダメ！エンペラー！！攻撃しちゃダメ！！」
姫は懸命にエンペラーをなだめる。
「なに…まさか……。貴様は蟲を操る魔女か！悪の元凶め！我が討ってくれよう！」
指揮官が馬を走らせる。
「待ってください！私は…！」
しかし聞く耳を持たず突進してくる指揮官。姫が馬に踏みつけられる寸前…

ザシュ…

指揮官は馬ごと宙に浮く。俊敏なエンペラーは姫のすぐ近くまで移動して、口から触手を鋭く伸ばして指揮官を貫いたのだ。
エンペラーの瞳は怒りに燃えていた。母親を傷つけられそうになって、黙っている子はいない。
エンペラーは母親を傷つけようとした指揮官とその軍勢を大地ごと滅ぼした。
」(2016-06-19 08:00)

ダンセル好きの人
「やはり蟲達は姫を母親として見てたのだなぁって。まぁ、得体の知れない怪物故に怒らせてしまうと大変な事に…指揮官の軍の国も危なくなりそうですね。
パラサビオ専用の羽箒。実質、制限カードが４枚積めるのは非常に有り難い性質のカード。昆虫族が場にいれば良いという効果なので、罠カード故の遅さもありますが、他昆虫族デッキへの出張もできそうですが、既存の昆虫族テーマとはイマイチ噛み合わないのは欠点でしょうか（甲虫装機等）。」(2016-06-19 08:12)

ター坊
「ダンセル好きの人さん、コメントありがとうございます。
人を喰って寄生して蟲姦して…だけだったらあまりにも後味が悪いと思ったので奇妙な関係が生まれたと言うことにしました。
インゼクターは元々破壊が得意なカテゴリですからね。逆に的が減ってキツいでしょうな。」(2016-06-19 08:49)

風鼠
「(指揮官側から見たら)どんな関係であれ蟲の化け物と仲良くしてる姫が元凶にしかみえないのも確か。和解ストーリーや戦争ストーリーだとしても、姫はつらい道を歩く事に…。
普通に使えば、バーンが付いた代わりに、発動条件が付き罠化した羽箒。
ただ場に「パラサビオ」融合モンスターがいれば、普通の羽箒感覚で打てます。」(2016-06-19 09:03)

ター坊
「風鼠さん、コメントありがとうございます。
さて、結末はどうしようかな。
実は普通の羽根箒よりも恐いです。相手ターンに前触れなく射たれる羽根箒って怖くね？」(2016-06-19 09:30)

にゃる
「セメタリーオブファイヤーと羽箒を足して二で割ったような効果。
手札から飛んでくる罠とかろくなことがない。
おこなの？」(2016-06-19 09:36)

ター坊
「にゃるさん、コメントありがとうございます。
ママを攻撃されてエンペラーは激おこどころの騒ぎではありませんぞ。」(2016-06-19 09:44)

名無しのゴーレム
「まあ現に国一つ滅ぼしてる蟲連中に「これ以上争うつもりはありません」なんて言われて信じる奴もどうかしているとは思いますが。どんな道を辿ろうが姫ハードなのは変わりありませんが……これ、映画とかなら姫が〇されて怒った蟲がさらなる突然変異を……みたいなパターンですよね。
単純に昆虫族デッキの汎用カードとして使っても強力ですが、怪物連中が場にいると手札からフリーチェーンで飛んでくる強化版羽箒とかいう控えめに言って頭おかしい性能に早変わり。そんなのどうやって防げばいいんだよ！」(2016-06-19 17:53)

ター坊
「名無しのゴーレムさん、コメントありがとうございます。
実は明日でパラサビオは最終回で終わり方も静かにする予定です。次回の新カテゴリは別の方向でブッ飛ぶぞ！
ほら、融合体を裏守備とかにすれば大丈夫だって(震え声
」(2016-06-19 18:35)

廃人
「カーチャン虐める奴は許さねーぞ！ってな感じの激昂だった訳ですね。何このいい子。
その内姫も蟲に全てを委ねるようになって行くんでしょうか。
手札から罠だと！？羽根帚＋妖精の風のような効果ですね。自分の魔法罠ゾーンに何も伏せていなくとも、パラサビオ融合体が場に居るだけで魔法罠の全除去を警戒しなければならない……これはストレスフル。
せっかく逆転の一手足り得る罠を引いて伏せてもこのカード１枚でおじゃんでござんす……ってな状況も十分ありますからね。
いよいよ最終回か……結末が見逃せませんね。」(2016-06-19 20:01)

ター坊
「廃人さん、コメントありがとうございます。
相手にしては常に羽根箒を警戒しなければならないので相手は迂闊にセットは出来なくなるでしょうよ。
結末はそんなに期待するほどでは…」(2016-06-19 20:17)