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魔妖の白雪聖女

内視鏡さん の作成したオリジナルカードです。


魔妖の白雪聖女
種類・種族 カテゴリー名
【アンデット族/チューナー/効果】 第273回オリカコンテスト
属性 レベル 攻撃力 守備力
2 0 1900
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分のモンスターゾーンに通常召喚されたモンスター1体のみが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのこのカード以外の表側表示モンスター1体を対象に発動できる。対象のモンスターのレベルを自分の手札の枚数分アップする。③:自分フィールドにSモンスターが特殊召喚された場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。特殊召喚されたSモンスターよりレベルが低いSモンスター1体を自分の墓地から特殊召喚する。
作者 作成日時
内視鏡さん 2022/12/22 21:00



内視鏡
「魔妖の雪女さんにお越し頂きました。冬に女の子が赤い服を来ていたらそれはサンタです(断言)。


大学で文化人類学を専攻する僕は、とある地方に伝わる妖怪伝説の調査の為、辺境の山奥に足を運んでいた。

「あの山には入っちゃならん。人を喰う化け物が出よるでな。」
周辺の村々を取材した結果、一人の老婆からそれらしき情報を得る事ができた。僕は早速その山へと探索へ向かった。

しかし、山に入った僕を待っていたのは化け物でなく、突然吹き荒れてきた猛吹雪であった。視界もままならない吹雪の前に、軽装備であった僕は困窮を極めた。もはや方向感覚すら失い、体力は減っていくばかりであった。

突如、目の前に赤い何かが現れた。何もかもが白い世界で、その赤は鮮烈であった。

「あらまぁ、迷い人でしょうか」
それは朱色の着物をまとった若い女性であった。きっちり着こなされた着物は、巫女服を連想させる神秘的な風格があった。短い裾からはすらりとした脚が露わとなり、赤い雪駄を履いている。髪と肌は雪よりも尚白く、繊細な氷細工の様な透明感に満ちていた。青い眼はまるで宝石の様だ。ふつくしい‥‥これ程に美しいものを僕は見た事がなかった。

唯一欠点を上げるとすれば、頭に被った粗末な赤い帽子だろう。形から察するにサンタを模したものだろうが、彼女の完璧な美しさを損なわせる組み合わせであった。反面、どこかトボけた印象が可愛らしさを与えていた。

「あ、この格好ですかぁ? いま人里ではお祭りをやってるんでしょう? それを真似してみたんですよ~。どうです、似合ってますかぁ~?」
雪原の上でくるくると回る彼女は、さながら雪の妖精であった。

意識が朦朧とする僕を、彼女はどこかへと案内してくれた。ふと、吹雪が止んだかの様に錯覚したが、それは違った。しかし雪も風もまったく体に触れる事はなかった。彼女の周囲だけぽっかりと空間が出来ているのだ。まるで吹雪が彼女を怖れ避けているかのように‥‥いや、この吹雪は彼女そのものなのか‥‥。混濁している僕は訳の分からない思考をしていた。

到着したのは、場所に不釣り合いな程に西洋風の住居だった。石造りの壁に、大きな煙突からは煙が出ていた。彼女はそこで僕に暖を取らせ、料理まで食べさせてくれた。

「お祭りでは~、赤い服を来た老爺が贈り物を届けたり~、みんなで鶏肉を食べたり~、恋人達が仲睦まじくしたりするんですよねぇ~」

「私達たちもお祭りしましょうよ~、恋人ごっこなんて素敵ですねぇ~」
彼女は酔っているかの様に楽しげであった。

「さあさ、今夜は私に一杯甘えてくださ~い」
彼女の体温が伝わってくる。冷たい様な熱い様な、不思議な熱を感じた。さっきまで寒さで震えていた体は、むしろ服を脱ぎたくなる程に熱さを感じていたのだった。



意識を取り戻した僕は、周囲の状況を捉えるまでに時間が掛かった。最後の記憶と状況が食い違っていたのがその原因だ。ベッドで寝ていた筈の自分の体は、古めかしい囲炉裏の側で寝かされていた。自分が居るのは木造建築の古い日本家屋であった。囲炉裏からはまだほんのりと熱を感じたが、それ以外は何もかもが記憶と食い違っていた。

幻覚を見ていたのか‥‥。ゆっくりと体を起こした僕は、台所に真新しい包みが置いてある事に気がついた。中を見てみると、カチカチに凍ったケーキが出てきた。一緒に入っていた紙には、恐ろしく達筆な文字で「めりぃくりすます」とだけ書かれていた。そういえば、昨日はクリスマスであった。

吹雪はすっかりと止み、空はどこまでも澄み渡っていた。
よし、この山に住もう。僕はそう決心したのであった。」(2022-12-22 21:00)

ガンドラP
「お疲れ様です……!

いや相変わらず文章力エグッ!!!!
以前自分が開催させていただいた「渚の堕天使」のコンテストの際にも味わわせていただきましたが、今回もまた甘々ドロドロゾクゾクなSSをありがとうございました!
コンテスト(というか当テーマ?)の趣旨を汲み取って下さったのでしょうが、今回はホラーテイストも香らせつつも『不思議な出来事』レベルに抑えて下さって助かります。
まぁ大学生くんの性癖は歪んでしまったかも知れないけど……本人幸せそうだし万事OKですね!!

効果もグッドですね!
キチンと本家で使って強くなるようにしつつも、上記のフレーバーを感じさせる効果のデザインはお見事。
レベル上昇は単なるシンクロのレベル調整のみならず、大学生くんの体温の上昇を表しているかのよう。
共通効果すらも、『迷える迷い人の元にふわりと現れる』様で自身のフレーバーに変えてしまっていますね……!」(2022-12-22 22:12)

ファンデッカス4号
「魔妖モンスターは「○○の魔妖 △△」です(アンデット警察)
手札の枚数で偶数にも奇数にも転ぶのが過激派(多分)の雪女らしくないようでもありますが、その他の挙動は妲己とめちゃくちゃ相性が悪いところが面白いですね。

しかし現代ということは終戦後なんでしょうかね?
妲姫や武部(の家)はどうなったのやら……」(2022-12-22 22:59)

内視鏡
「>ガンドラPさん
クリスマスなので流石に空気を読みました。違う日なら男は春まで氷の彫像になってたかもネ。

>ファンデッカス4号さん
魔妖はエアプなのですみませぬ‥‥。半分汎用カードなので単体性能はそこそこですね。色々おかしい部分はクリスマスの奇跡です!」(2022-12-23 01:01)


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