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告白(裏) 3/3 作:ぎゅうだん


 2枚のカードを見て、微妙な表情を浮かべる。起死回生とは言えず、しかし動けないわけでもない。絶妙な2枚。沼田の微妙な表情からそれを感じ取ったのだろう、ミチルもどう反応していいのかわからない、微妙な雰囲気になった。

「う〜ん・・・。」

 ここまでは沼田の思い通り、そんな印象を受ける決闘の流れだっただけに、沼田の醸し出す微妙な雰囲気にミチルもののかも、どう反応して良いのか測りかねていた。

「・・・それで、2枚はどうなんですか?。」

 少し焦れた様に問うミチルの雰囲気にも、戸惑いが混じっていた。その問いに、沼田が薄い笑いを浮かべた。

「微妙・・かなぁ。まあ、まだ動けるから悪くはないけど。」

 答えながら、改めてカードをプレイする。裏目はあるが、動くしかない。という結論が彼の中で生まれていた。

「手札の《パイル・アームド・ドラゴン》の効果を、手札の《調和ノ天救竜》を捨てることで発動!特殊召喚する。」

 新たな武装竜が沼田の場に呼び出される。それは巨大なドリルの腕を持つ、一際大きなドラゴンであった。聳え立つ巨躯に、ののかは息を飲む。

「さらに、《パイル・アームド・ドラゴン》の効果を発動、デッキから《アームド・ドラゴン・サンダーLv3》を墓地に来ることで、自分の攻撃力を900ポイントアップ!。さらに《アームド・ドラゴン・サンダーLv3》をコストにした事で、1ドロー!。」

「もう1枚・・・。」

 ミチルが静かにうなづく中で、ののかが呟く。1枚1枚で目まぐるしく状況が変わるこの決闘を、ののかは見守っていた。その上、ミチルが1枚1枚の効果を吟味して動いている姿を見ていれば、この戦いで1枚のカードがどれほどの意味を持っているのか、少しだけわかる。

「ミチルちゃん・・・。」

「・・・どうぞ。」

 小さく呟くミチルに、沼田がもう1枚のカードを引く。

「・・・あっ。」

「あっ?。」

 引いたカードを見る。しかし次の瞬間、彼は唐突に声を上げた。その声に釣られてミチルも声をあげる。そして、沼田は眉をばつが悪そうに苦笑を浮かべた。先ほどまでの緊張感が、だんだん抜けていくのがわかった。小さく「やっちまった・・・。」と呟く声をミチルだけが聞き逃さなかった。

「バトルフェイズに入っていいかい?。」

「どうぞ。」

 先ほどまでの、飄々としながらもどこか緊張感を感じさせる沼田の圧力が抜けて、優しげな雰囲気だけが残っていた。諦めとも覚悟ともいえる、本気のプレイヤーが纏う雰囲気を、ミチルはどこかで感じていた。

「ありがとう。このターン、《パイル・アームド・ドラゴン》の効果で1体しか攻撃できないからね。《パイル・アームド・ドラゴン》で攻撃するよ。」

 巨大なドラゴンが、腕に取り付けられたドリルでミチルを貫く。しかし、追撃はなかった。

ミチル
LP 8000 → LP 4300

「そして、ターンエンドだ。」

「え・・それって・・・。」

 戦いを見続けていた ののかは、随分とあっさりとした沼田の攻撃に拍子抜けする。ふと、彼のドローが良くなかったのかもしれないと言う事に思い至った。安堵のため息が漏れ出る。しかし、ミチルは、まだ表情が晴れてはいなかった。


「・・・と、まあそんな感じで。最後は引きがおっつかなくて負けちゃったわけですよ〜。」

 明るい様子で沼田は話を締め括った。そして、森久保が入れた紅茶を飲み込む。しかし、沼田はそこで森久保が何やら考え込んでいる事に気がついた。

「ん、どうしました。そんな真面目な顔して。」

「う〜ん・・・。」

 沼田の問いに、また少し考え、そして口を開いた。

「なあ、沼田。もしかして最後のドロー、まだやれたんじゃないか?。」

「あ、それは無いですね。」

「そっか。なら、プレミに気づいた、とか。」

「・・・さあ、どうでしたかね。」

 なんとなく濁したような答えに、森久保は問いを続けなかった。

「ま、おまえさんが納得したならいいんだけど。ところで、最初の約束はどうなったんだ?。まだ誤解されたままか?。」

「いやぁ、それに関しては決闘の後にミチルって子が謝って来まして。宮崎さんの話を聞いて、勘違いしたかもって。宮崎さんもミチルさんにちゃんと説明してくれたので、なんとか大丈夫ですよ。」

「誤解が解けたなら、まあいいか。」

 ・・・とうんうんうなづいた所で、ふと森久保は気がついた。

「なら、なんで5限目にここに来てるんだ?。」

 その問いに、沼田に焦りの表情が浮かぶ。その変化を見逃しはしなかった。

「面倒になって、サボったな。」

「あ、あははは。」

 しかし、そこでタイミング良く5限終了のチャイムが流れ始めた。それを聞いて沼田はこれ幸いにと、席から立ち上がった。

「あ、じゃ、もう話してスッキリしたんで、クラス戻りますわ。どうもでした。」

 そして、森久保が答える間もなく、風のように去っていった。
 相談室控え室の扉が閉まる。一瞬、呆気に取られた森久保だったが、ため息をついて、窓の外を見る。

「ま、それなりにショックだったって事かな。」

 頭を掻きながら思いを巡らせる。怒涛の展開の昼休みとはいえ、それで授業をサボるというのは、彼の知る沼田という生徒のイメージとはかけ離れていた。彼の知る沼田は、もうちょっと真面目で、他の人間の評価を気にする生徒である。多少のことがあっても、授業をサボるなんてことはないように感じる。
 さらに言えば、彼の最後のターンのプレイングも、なんだか妙に引っかかる。彼のプレイングは、どちらかと言えば後半ほど集中力が増すタイプだと思う。

「・・まあ、体育館裏に呼び出されて期待しない高校生はいないよな。」

 そう呟きながら、この時間の報告書を作成する。流石にずっと決闘の様子を話していたとは書けないので、うまいことその部分は省略して書く事にした。それに彼の読みが正しければ、沼田も別に決闘の話を聞いて欲しくて来室したのではないかもしれない。
 
 彼は、体育館の裏に呼び出されて、嬉しかったのかもしれない。しかし、淡い期待は速攻で砕かれた。もちろん決闘を楽しんだのも事実ではあるかもしれないが、その裏で少しばかりショックがあった・・・のかもしれない。

 そんなことを考えていると、相談室の扉がノックされた。
 そういえば、1年生の面談予約を1年生担当の教員から打診されていたのだった。

「は〜い、どうぞ。」

「失礼します。」

 そう言って相談室に入ってきたのは、ウェーブのかかった髪をまとめた女子だった。なにやら、やな予感がする。
 そう思いながらも、相談室に通し、席に着く。

「1年の宮崎 ののかと言います。担任の先生に言われてきたんですが・・・。」

 その言葉に動揺したことを微塵も顔に出さずに、森久保は話を始める。一方で、頭の片隅で1年生担当教員の相談を思い出していた。

『実は、引き継ぎで気になる話がある子でして・・・その中学校の時に恋愛関係でトラブルが多発している子でして・・・。先生とも面識があった方が良いと思うんです。』



 某高校。
 ここに存在するボードゲーム部では、水曜日のみ、あるカードゲームだけを楽しむというルールが存在していた。去年に行われた過酷な部長争奪戦で勝利した、当時1年生の女子生徒によって制定されたそのルールは、年度を超えて、いつの間にかボードゲーム部以外の生徒にも広まって、一部では妙な勘違いが生まれていた。

 これは、そんなちょっと特殊な学校の水曜日のお話

 水曜日は『遊戯王』の日 その②『告白(裏)』END

 
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