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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第七話 カイザーからの挑戦 VS丸藤亮

第七話 カイザーからの挑戦 VS丸藤亮 作:鈴木颯手

「済まないな。態々時間をもうけさせてしまって」
「構いません。いずれはデュエルをしてみたいと思っていたので」
「そういってくれると助かる」

 龍吾がオベリスクブルーに昇格して早二週間。この期間の間に絡んできたブルーの生徒を相手に10人連続で勝利したことで確かな実力者として恐れられるようになっていた。
 それゆえか、現在デュエルアカデミアで最強と言われている丸藤亮の目に留まり、デュエルを申し込まれることとなった。龍吾としても最強と言われる人物とはいずれ戦わないといけないと考えていたために都合がよく、快く受け入れていた。
 そして、ある意味ではアカデミア内で最も注目されている二人のデュエルという事もありあっという間にデュエルの話は広がり、二人が借りたデュエルコートの観客席はほぼ満席になっていた。

「では早速始めようか」
「よろしくお願いします」
「では……、デュエル!」
「……デュエル」

 二人は観客の事など気にせずにデュエルを開始する。そして、当然ながら遊城十代を始め、その弟分にして亮の実弟である丸藤翔、三沢大地、天上院明日香も観戦しており、どちらが勝利するかを観戦しながら話し合っていた。ちなみに勝敗の予測は龍吾の勝利を三沢が、亮の勝利を明日香と翔となっており、十代はどっちも頑張れとしか言っていない。

「先行は譲ろう」
「わかりました。ドロー」

黒木龍吾
手札5枚→6枚

「……俺は手札から“悪王アフリマ”の効果を発動する。手札からアフリマを墓地に送り、デッキから“闇黒世界-シャドウディストピア-”を手札に加える」
「ほう、面白い効果だ」
「そしてそのまま“闇黒世界-シャドウディストピア-”を発動する」

 フィールド魔法の発動により周囲はその名の通り終末の世界へと変貌する。幽霊の如き人魂が闊歩するこの世界にホラーが苦手な者は悲鳴を上げる。

「そして俺は“邪龍の卵”を召喚、効果を発動する。“邪龍の卵”をリリースしてデッキから“闇黒竜ヴリトラ”を特殊召喚する」

闇黒竜ヴリトラ(闇/ドラゴン族 星5)
ATK2600 DEF900

「“闇黒竜ヴリトラ”の効果によりデッキから“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”を手札に加える」
「確か君の切り札だったな。確実に1ターン目で持ってくるとはなかなかのプレイングだ」
「ありがとうございます。俺はカードを1枚伏せてターンエンド。そしてエンドフェイズに“闇黒世界-シャドウディストピア-”の効果が発動する。ターンプレイヤーのフィールドにターン中にリリースされたモンスターの数だけ“シャドウトークン”を守備表示で特殊召喚する」

シャドウトークン(闇/悪魔族 星3)
ATK1000 DEF1000

「ふむ、生贄を続けていく事でモンスターを途切れさせないのが狙いか。だが、そう簡単に思い通りになるつもりはない。俺のターン、ドロー!」

丸藤亮
手札5枚→6枚

「……俺は手札から融合を発動する! これにより手札の“サイバー・ドラゴン”2体を融合! “サイバー・ツイン・ドラゴン”を融合召喚する!」

サイバー・ツイン・ドラゴン(光/機械族 星8)
ATK2800 DEF2100

 亮が召喚したのは二つの首を持った機械の龍であり、白銀のフォルムが輝いていたがフィールドに出ると同時にその体は黒く染まっていく。

「なんだ?」
「“闇黒世界-シャドウディストピア”の効果によりフィールドのモンスターは闇属性モンスターとして扱われます」
「成程……。だが今の俺には影響はないな。バトル! “サイバー・ツイン・ドラゴン”で“闇黒竜ヴリトラ”を攻撃! エヴォリューション・ツイン・バースト!」

 “サイバー・ツイン・ドラゴン”は一度のバトルフェイズで2回攻撃できる能力を持っている。それらがすべて決まれば龍吾のフィールドは一掃される事になる。だが、そんなことを龍吾が許すはずもなかった。

「リバースカードオープン。“闇霊術-「欲」”」
「……そのカードは自分フィールドのモンスター1体を生贄にすることで発動できるカードだが今使用するタイミングではないだろう?」

 このタイミングで発動するにはおかしすぎる罠の発動に亮は訝しむがその疑問を解消するように龍吾は説明する。

「“闇黒世界-シャドウディストピア-”の効果発動。1ターンに1度自分がカードの効果を発動するためのリリースコストを相手フィールドの闇属性モンスターで代用できる」
「なんだと!? “サイバー・ツイン・ドラゴン”はもともと光属性だが今は闇属性……」
「よって“サイバー・ツイン・ドラゴン”をリリースして効果を発動する。……無効にしますか?」

 ここで亮が手札の魔法カードを見せれば“闇霊術-「欲」”の効果は無効化される。ただし、手札にどんな魔法カードを持っているのかを知らせる事にもなり、場合によっては戦略を崩される可能性もあるだろう。

「……俺は手札の“融合回収(フュージョン・リカバリー)”を見せてその効果を無効化する」

 しかし、亮は効果の無効化を優先した。というのも無効化しない場合発動されるのはデッキから2枚ドローするという強力な効果だ。相手の手札を増やして強力なコンボにつながるよりはマシだと判断したのだ。

「……効果は無効化されたが“サイバー・ツイン・ドラゴン”はコストとしてリリースされたために復活する事はない」
「それも理解している。俺はメインフェイズ2に入り今見せた“融合回収”を発動する。このカードの効果により墓地から“融合”と“サイバードラゴン”を手札に加える。そして“サイバー・ドラゴン”は相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合特殊召喚出来る。よって俺は“サイバー・ドラゴン”を特殊召喚する!」

サイバー・ドラゴン(光/機械族 星5)
ATK2100 DEF1600

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
「“闇黒世界-シャドウディストピア-”の効果により丸藤先輩、貴方のフィールドに“シャドウトークン”が1体特殊召喚されます」

黒木龍吾 LP4000
手札4枚
モンスター
闇黒竜ヴリトラ
シャドウトークン
魔法・罠
なし

丸藤亮 LP4000
手札2枚
モンスター
サイバー・ドラゴン
シャドウトークン
魔法・罠
セット

 “サイバー・ツイン・ドラゴン”の登場時は亮に流れが向いたと思われたが即座に除去されて龍吾が有利かと思われたが即座にその代用としてモンスター2体の召喚に成功しているあたりアカデミア最強の名にふさわしい実力を持っていると言えた。
 だが、それは龍吾にも言える事だった。いまだ手札は4枚あり、そのうちの一枚は凶悪な効果を持っている龍吾のエースモンスターである“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”である。そして、今のフィールドにはそれを出す条件がそろっていた。

「俺のターン、ドロー」

黒木龍吾
手札4枚→5枚

「……俺は“闇黒竜ヴリトラ”、“サイバー・ドラゴン”、“シャドウトークン”2体をリリースする事で“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”を特殊召喚する」

永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン(闇/ドラゴン族 星9)
ATK? DEF?

 そして、誰もが予測した通り龍吾はフィールドの4体のモンスターを使って自らのエースモンスターを召喚して見せた。これにより盤面には強大な力を持った龍が猛威を振るう事となった。

「“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”の効果によりリリースしたモンスターの攻撃力の合計値を攻撃力・守備力として換算する。よって攻撃力は6700となる」

永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン
ATK?→6700
DEF?→6700

「ふ、こうしてみるとおかしいとすら思えるモンスターだ。これならかの“ラーの翼神竜”がかわいく思える」

 同じようにリリースしたモンスターの攻撃力が自身のステータスとなる神のカード、“ラーの翼神竜”。それに似た効果を持ちながら盤上の制圧力、凶悪さははるか上を行っていると言ってよかった。

「ですが特殊召喚されたこのカードはこのターン攻撃は出来ません。俺は手札から“死者転生”を発動。手札の“邪龍の魂”を墓地に送り“悪王アフリマ”を手札に加え、召喚する」

悪王アフリマ(闇/悪魔族 星4)
ATK1700 DEF0

「バトル。“悪王アフリマ”で直接攻撃」
「リバースカードオープン! “リビングデッドの呼び声”! このカードの効果により“サイバー・ドラゴン”を特殊召喚する!」

 中々ダメージを与えさせてはくれない亮。アフリマは自身より高い攻撃力を持つサイバー・ドラゴンの登場に攻撃の手を止めざるを得ず、龍吾のフィールドに戻っていく。

「……メインフェイズ2に入り“悪王アフリマ”のもう一つの効果を発動する。自分フィールドのモンスター1体をリリースする事でデッキから1枚ドローできる」
「……当然生贄とするカードは」
「丸藤先輩の“サイバー・ドラゴン”です。この時、“悪王アフリマ”以外のモンスターをリリースしている場合、デッキから守備力2000以上の闇属性モンスター1体を手札に加えられます。俺は“闇黒の魔王ディアボロス”を手札に加える」

 盤面すら龍吾の優勢で進む中、容赦することなく強力なモンスターを手札に加えて準備を着々と整えていく。

「俺はこれでターンエンドだ。“闇黒世界-シャドウディストピア-”の効果により“シャドウトークン”3体を特殊召喚する」

 これで龍吾のフィールドにはモンスターで溢れかえる事となり、誰が見ても亮が敗北すると思える状況になっていた。

「……俺のターン! ドロー!」

 しかし、亮はあきらめる事はなく、むしろ久々とも言える格上の存在とのデュエルに自然と笑みを浮かべていた

丸藤亮
手札2枚→3枚

「……ここまで追い込まれたのは久しぶりだ。黒木龍吾、改めて礼を言う。俺は手札から“サイバー・ドラゴン・ドライ”を召喚する! このカードはフィールド・墓地に存在する限り“サイバー・ドラゴン”として扱われる」

サイバー・ドラゴン・ドライ(光/機械族 星4)
ATK1800 DEF800

「そして俺は“オーバーロード・フュージョン”を発動する! これにより“サイバー・ドラゴン”2体をゲームから除外する事で“キメラテック・ランページ・ドラゴン”を融合召喚する!」

 2体の機械の龍が一つに吸収されていき、一体のモンスターへと変貌した。それはまさにキメラの名にふさわしい異形の姿をしていた。

キメラテック・ランページ・ドラゴン(闇/機械族 星5)
ATK2100 DEF1600

「このカードの融合召喚時の効果により魔法・罠カード1枚を破壊する。悪いがお前のフィールドはここまでだ。俺は“闇黒世界-シャドウディストピア-”を破壊する!」

 “キメラテック・ランページ・ドラゴン”が咆哮するとくらい世界に罅が入っていき、“シャドウトークン”達の悲鳴が上がりながら終末の世界は消えていった。

「更に“キメラテック・ランページ・ドラゴン”の効果を発動する! デッキから光属性機械族モンスターを2体まで墓地に送る事で送ったモンスターの数だけ追加で攻撃を行う事が出来る。俺は“サイバー・ドラゴン”と“サイバー・ドラゴン・コア”を墓地に送る」

 これで“キメラテック・ランページ・ドラゴン”は3回の攻撃が可能となった。“サイバー・ドラゴン・ドライ”と合わせれば“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”以外のモンスターを一掃する事が出来るだろう。

「バトル! “キメラテック・ランページ・ドラゴン”で“悪王アフリマ”と“シャドウトークン”2体に攻撃! エヴォリューション・コニプション・バースト! 3連打!!」
「……くっ」

黒木龍吾
LP4000→3600

 このデュエルにおいて初のダメージ。だが、それは亮の現状で出来るすべてをつぎ込んだにも関わらず微々たるものでしかなかった。

「更に“サイバー・ドラゴン・ドライ”で残りの“シャドウトークン”を攻撃!」

 “シャドウトークン”は全て守備表示であったためにダメージが入る事はなかったが龍吾のフィールドは一掃され、一匹の強大な龍が残されるのみとなった。
 しかし、これで亮は次のターンで大ダメージを受ける事が決まってしまったがそれをさせないために亮は最後の手段を用いる。

「俺は“キメラテック・ランページ・ドラゴン”と“サイバー・ドラゴン・ドライ”を墓地に送る事で“キメラテック・フォートレス・ドラゴン”を特殊召喚する!」
「融合モンスターにも関わらずに“融合”を使わないモンスター……」

キメラテック・フォートレス・ドラゴン(闇/機械族 星8)
ATK0 DEF0

「このカードは特殊召喚に用いたモンスターの数だけ攻撃力を1000アップしていくが今は守備表示だ。あまり関係はないな。俺はこれでターンエンドだ」

黒木龍吾 LP3600
手札3枚
モンスター
永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン
魔法・罠
なし

丸藤亮 LP4000
手札1枚
モンスター
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
魔法・罠
リビングデッドの呼び声(対象なし)

 状況ははっきり言って亮の劣勢だった。“闇黒世界-シャドウディストピア-”と4体のモンスターを倒せたとはいえそれ以上の攻撃を行うだけの力がなく結果的にダメージを防ぐためにそれらもすべて消え去っていた。

「……俺のターン、ドロー」

黒木龍吾
手札3枚→4枚

「……俺は手札から“悪夢再び”を発動する。これにより墓地の“悪王アフリマ”と“邪龍の魂”を手札に戻す。更に“悪王アフリマ”を墓地に送り“闇黒世界-シャドウディストピア-”をデッキから手札に加え発動する」

 せっかく除去したというのに再び世界は終末に包まれた。それはまさに亮の未来を予測しているようにも見えた。

「俺は手札から“アドバンスドロー”を発動する。これにより自分フィールドのレベル8以上のモンスター1体をリリースする事で2枚ドローできる。だが、“闇黒世界-シャドウディストピア-”の効果により“キメラテック・フォートレス・ドラゴン”を代わりにリリースする」
「“キメラテック・フォートレス・ドラゴン”のレベルは8……。条件は満たしているというわけか」

 亮がそうつぶやくと同時に“キメラテック・フォートレス・ドラゴン”は姿を消した。それは亮を守る最後のモンスターが消えたことを意味していた。

黒木龍吾
3枚→5枚

「……バトル。俺は“永遠邪龍-インフィニティ・カオスドラゴン”で直接攻撃! 終末の、カオス・ストリーム!」

 攻撃力6700のモンスターを止められる手段を亮は持っていない。手札も“融合”一枚のみでフィールドにはモンスターどころか魔法・罠カードさえなかった。完全な詰み。それが今の状況だった。

丸藤亮
LP4000→0

 亮のライフは満タンの状態から一撃で0にされた。それはデュエルの終了を意味し、亮の敗北が決定した瞬間でもあった。

「……デュエル、ありがとうございました」
「いや、こちらこそいい勝負だった。今後の改善点も理解できたしデュエルを申し込んでよかった」

 亮は敗北したがそこに負の感情はなく、本気でデュエルが出来たことに喜んでいるようだった。そんな亮を見て目を細めた龍吾だがすぐに一礼をするとその場を後にした。今後、観戦した者たちによって亮を破ったことはアカデミア中に広がるだろう。
 しかし、そんな事は興味ないと言わんばかりにブルー寮へと戻っていく龍吾は誰もいに場所でぼそりと呟いた。

「……くだらない」

 それが何を意味するのか、それは呟いた本人以外に知る者はいなかった。
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