FILE：012　焔断つ光刃　作：ハコネの達人

○現在の状況

ユウラ
●フィールド：モンスター
『アスタロト・バイオレット』
●フィールド：魔法・罠
『モード・シフト』
●墓地：モンスター
『Crate　コレイトス』
●墓地：魔法・罠
『Crateドロー』
『Crateアライブ』
●除外
『Crate　メーニャ』
『Crate　アステロイド』
『Crate　シンリア』
『Crate　アリア』
『Crate　ペイル』
●手札5枚
●ライフ7000

レッド
●フィールド：モンスター
『七星宿の闘気士　鬼宿』
『七星宿　南方朱雀神　朱南』
●フィールド：魔法・罠
なし
●墓地：モンスター
『七星宿の煌帝　星宿』
『七星宿の山賊　翼宿』
『七星宿の南方神　朱雀』
『七星宿の祈祷師　觜宿』
『七星宿の軍師　張宿』
『七星宿の人狼　尾宿』
●墓地：魔法・罠カード
『七星宿　黄竜の導き』
『七星宿　二十八宿の集い』
『七星宿　朱雀の神座宝』
『七星宿　南方朱雀の神座宝』
『螺旋の焔』
●除外
『七星宿　朱雀君主の巫女　朱南』
『七星宿の僧侶　井宿』
●手札0枚
●ライフ8000

ーーーー

レッド「久々の『デュエリスト』との闘いと聞いてワクワクしていたんですが…まさかこの程度とは」

ユウラ「…」

　レッドの直球な煽りをスルーし、彼は手札を確認した。

ユウラ（…今手札にはそこまで展開札がない…なら）

ユウラ「俺はカードを3枚セットし、ターンエンド」

レッド「おや…もう展開をやめてしまうのですか？」

ユウラ「…ああ」

[レッドのターン]

レッド「フフフ…では私のターン、ドロー」

レッド（…あの3枚の伏せカード、確実に何かあるな…。警戒に越したことはないだろう）

レッド「私は墓地の『南方朱雀の神座宝』の効果発動。除外されている『七星宿』モンスター1体をデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加えます。私は『井宿』をデッキに戻し、効果を適用します。
そして手札に加えた『南方朱雀の神座宝』を発動！私はフィールドの『鬼宿』と墓地の『朱雀』を除外し、融合！
融合召喚！現れよ『七星宿の覚醒朱雀　鬼宿』！」

七星宿の覚醒朱雀　鬼宿
炎・星10・攻3000

レッド「『覚醒朱雀　鬼宿』は融合召喚成功時、相手に手札・デッキからモンスター1体を表側攻撃表示で相手のフィールドに効果を無効にして特殊召喚させます。
そしてこの効果で特殊召喚されたモンスターは『七星宿』カード以外の効果を受けません。さぁ、モンスターを特殊召喚してください」

ユウラ「…俺はデッキから、『Crate　ルバーヴ』を特殊召喚する」

Crate　ルバーヴ
闇・星1・攻500
機械族／効果

レッド「更に墓地の『聖療士　軫宿』の効果により、自身を除外し、墓地の『朱雀』と『鬼宿』をEXデッキに戻し、2枚ドローする。
更に私は魔法カード『ツインツイスター』を発動。手札のカード1枚を捨て君の1番左と真ん中の伏せカード2枚を破壊する」

ツインツイスター
速攻魔法

ユウラ「クッ」

レッド「なるほど、『聖なるバリア-ミラーフォース』と『屑鉄のカカシ』ですか…まぁ、お生憎様とでも言っておきましょうか。
…『覚醒朱雀　鬼宿』の効果により、相手モンスターの攻撃力は互いの除外されているカードの枚数×200Pダウンし、それぞれのモンスターがダウンした数値分このカードの攻撃力をアップします。
今現在除外されているカードは合計8枚…よって1600ポイントダウンします」

アスタロト・バイオレット：ATK 2500→900
Crate　ルバーヴ：ATK 500→0

七星宿の覚醒朱雀　鬼宿：ATK 3000→5100

レッド「そして『南方朱雀神　朱南』の効果発動！1ターンに1度、手札・デッキから『七星宿』モンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力をアップします。私はデッキから『軫宿』を墓地に送って、その攻撃力1600だけアップします」

七星宿　南方朱雀神　朱南：ATK 3800→5400

レッド「バトルです、『覚醒朱雀　鬼宿』で『アスタロト・バイオレット』を攻撃！」

ユウラ「罠発動！『流星の加護』！」

流星の加護
通常罠

ユウラ「相手モンスターの攻撃宣言時、EXデッキのレベル8のSモンスター1体を除外することで、その攻撃を無効にし、破壊する！俺はEXデッキの『アスタロト・S・ライザー』を除外し、『覚醒朱雀　鬼宿』を破壊！」

レッド「ならば『南方朱雀神　朱南』で、『アスタロト・バイオレット』に攻撃！」

ユウラ「グッ…！」

ユウラ：LP 7000→2500

ユウラ「俺はここで、永続魔法『モード・シフト』の第三の効果発動！自分フィールド上の『アスタロト』モンスターが破壊された場合、墓地または除外されている『アスタロト・S・ライザー』を特殊召喚できる！
廃墟を駆ける孤独な機士よ、時空を超える風を受け、新たな未来を斬り開け！
困難と壁を超越せよ、『アスタロト・S（サーガ）・ライザー』！」

レッド「何！？」

『グオオオオオォォォォォ！！！！！』

アスタロト・S・ライザー
地・星8・攻2500
機械族／シンクロ／効果

レッド「フ…耐えましたか。では私はこれでターンエンド」

[ユウラのターン]

ユウラ「俺のターン…ドロー！
俺は手札から『Crate　アウラ』を通常召喚！」

Crate　アウラ
光・星1・攻0
機械族／チューナー／効果

レッド「フ…そんな低レベルのモンスターを召喚したところで、展開札である『メーニャ』はもう…」

ユウラ「誰がシンクロチューナーは1体しかないと思ったんだ？」

レッド「ッ！」

ユウラ「行くぞレッド！
俺はレベル1の『ルバーヴ』をレベル1の『アウラ』でチューニング！
シンクロ召喚！いでよ『Crate　クラエカ』！」

Crate　クラエカ
地／星2・攻0
機械族／シンクロ／チューナー／効果

レッド「…そうか、『ルバーヴ』に対して効果を使えないなら素材にしてしまえばいい、と言うことですね…！」

ユウラ「ああ、これなら効果を気にせず展開を進められる！」

　この技術は「リリースできない」モンスターに対しても有効であり、EXデッキからモンスターを特殊召喚する時に素材とする場合はそれぞれの召喚の「素材とした」と言う裁定のため、「リリースした」ことにはならないからだ。

レッド「そして2枚目のシンクロチューナー…と言うことはッ！」

ユウラ「行くぞレッド！これが俺の、新たな切り札だ！
レベル8の『アスタロト』をレベル2の『クラエカ』をチューニング！
孤独に生まれし哀しき機械よ、その剣を持って、新たな世界を切り拓け！
シンクロ召喚！新たに生まれ出でよ『アスタロト・バラッド』！！！」

　人型兵器の外装がオミットされ、新たな鎧が姿を現す。その剣はより輝きを増しており、とてつもない威圧感を漂わせている。

アスタロト・バラッド
地・星10・攻2500
機械族／シンクロ／効果

レッド「っ…これは、王符の進化！」

ユウラ「『アスタロト・バラッド』の効果により、自身の攻撃力は、互いの墓地・除外されているカードの数×500ポイントアップする。よって攻撃力は…」

アスタロト・バラッド：ATK 2500→15500

レッド「攻撃力…15500！？」

　圧倒的攻撃力。これはいかに攻撃力5400の『南方朱雀神　朱南』といえどもライフ8000を守りきれない。

ユウラ「バトルだ！『アスタロト・バラッド』で『南方朱雀神　朱南』に攻撃！」

レッド：LP 8000→0

YURA IS VICTORY！



レッド「あそこから逆転するとは…さすがは『デュエリスト』といったところですか」

ユウラ「…」

レッド「まぁ、いいでしょう。ご褒美に一つ、いいことを教えて差し上げましょう。
我々の名前は『Ruin World』。世界を救済する組織です」

ユウラ「『Ruin World』…」

レッド「あなたほどのデュエルプレイヤーなら組織の幹部になることも可能ですが…いかがでしょうか？」

ユウラ「断る」

　ユウラは間髪入れずに答えた。

レッド「おやおや…無粋な申し出でしたね。では、いずれまた」

　そう言うとレッドは再び現れた火柱の中に消えていった。

ユウラ「…『Ruin World』…『廃墟の世界』か…」



ーーーー

1日目終了
○獲得ポイント
ユウラ：59ポイント
エナ：53ポイント
レン：44ポイント
ミナ：49ポイント

ーーーー

エナ「今日で2日目。私の現在の順位は…13位か」

　エナがカードパスに表示された数字を見て言った。

　予選で選ばれた16人のみが決勝トーナメントに出場できるこの大会。16位に入っている者はいかにその順位を維持できるか、入っていない者はいかに順位を上げられるかが勝負どころとなってくる。

ユウラ「まだあと6日間ある。油断せずに行くぞ」

エナ・レン・ミナ「「「はーい」」」

　♦︎

　今日ユウラは街の路地裏に来ていた。ここはいつもデュエルプレイヤーがたむろする場所。チェイス・シティにきたばかりの頃はここで技術を磨いていた。

　どうやら今日は先約がいるようで、ドラゴンの吹くブレスの音がこだましていた。

「うわぁーーーっ」

？？？「…目標を駆逐しました。次の戦闘に移行します」

　そこにいたのは仰向けに倒れ込む青年と、小麦色の髪を持つ14、5歳程の少女だった。そうやら少女が勝ったようで、青年の周りには使っていたであろうデッキのカードが、ユウラはこちらを見つめる少女の目に違和感を覚えた。

　明らかに人間の眼ではない無機質な球体が、感情を持たずこちらに向いていた。

？？？「新たなターゲットを補足。戦闘を開始します」

ユウラ「問答無用か…いいだろう」

？？？「申し遅れました。私の名は『YU-7』。コードネームは『ユウナ』です」

ユウラ「俺はユウラ・レイセン。デュエルプレイヤーだ」

ユウラ・ユウナ「「デュエル！！！」」