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遊戯王 ーDuelーDualーAriseー/14話 協奏のデュエル 作:コングの施し

ついに始まった光妖vs東雲の練習試合
1試合目と2試合目はお互いに点を取り合う結果となった。
勝負を分ける第3試合、タッグデュエルが幕を開けた。

ツァン「先攻はボクたちが貰うよ。」

薄いピンク髪、暗い紫色のブレザーに凛として身を包む少女、ツァンディレがそう叫ぶ。

律歌「気をつけるんだよ2人とも!彼女はまだ手の内を出てない!」

ツァン「外野は静かにッ!ボクは《六武衆の影武者》を通常召喚!」

六武衆の影武者
☆2
地属性/チューナー/戦士族

大地を砕き、橙の甲冑に身を包んだ武者が現れた。

遊大「これが、あんた…えっと…ツァンディレのモンスター…。」

ツァン「キミ、初対面なのに呼び捨て?
フン、まあどうせ潰すからいいけど。」

遊大「えっ?」

ツァン「文句はデュエルで言うってことよ !ボクは《六武衆の師範》を特殊召喚!」

白髪の老剣士が刀を構える。

六武衆の師範
☆5
地属性/戦士族
2100/200

チューナーモンスターと非チューナーという文字を見て、遊大は眉をひそめた。

遊大「チューナーに非チューナー…ってことはあんたもか…。」

ツァン「何?ボクがシンクロしちゃダメ?聞けるわけないじゃん、そんな頼み。」

遊大「で、ですよね〜」

苦笑いをする遊大の肩を、阿原が肘でどつく。

阿原「余計なこと言うな」

キャンデ「仲がいいこった。ツァン、やっちまえ〜」

ツァン「…ボクは、レベル5の六武衆の師範に、レベル2の六武衆の影武者をチューニング!
2つの刀交わりし時、ここに忠義の刀が現れる!ボクに仕えて!シンクロ召喚!現れて、《不退の荒武者》!」

日本の刀を両手に持つ長髪の侍が空を裂いた。

不退の荒武者
☆7
地属性/シンクロ/戦士族
2400/2100

ツァン「まあ、こんなもんかな。カードを2枚セットして、ターンエンド。」

ツァンディレがカードをセットすると、ターンカウントが回り、次のプレイヤーが遊大に移った。

遊大「1ターン目からシンクロモンスターを立てるか…
いいぜ、あんたの戦術、乗ってやるよ!
俺のターン!ドロー!」

阿原「遊大!作戦通りに行け!」

遊大「モチのロンだぜ!
俺は《デュアル・スコーピオン》を通常召喚! さらにデュアルスコーピオンは、手札からデュアルの相方を特殊召喚する!来い!《エヴォルテクター・シュバリエ》!」

遊大は一気に2体の戦士を展開した。
デュアルスコーピオンとシュバリエは、背を任せあって不退の荒武者とザンジに対峙した。

ツァン「へ〜。これがキミのデッキ?」

キャンデ「まさかのデュアルとはな。クマった(困った)ことにならなきゃいいが。」

キャンデは熊ながら、自分のヒゲを引っ張る仕草をした。

阿原「…キャンデおめえ、あんまつまんねえこと抜かすなよ?」

ツァン「そこに限っちゃ、ボクも賛成かな。」

2人の総バッシングを受け、キャンデは体操座りで俯いた。

キャンデ「…そんなに言わなくてもさ…。」

遊大「お、おい、ターン続けるぜ。
俺はレベル4のデュアルスコーピオンとエヴォルテクターシュバリエでオーバーレイ!」

ツァン「オーバーレイ…キミはエクシーズ召喚を使うんだね。」

遊大「戦士達の魂よ、世界の道理を覆し、新たなる炎を生み出せ!エクシーズ召喚!《No.59 背反の料理人》!」

紅の炎を巻き上げ、ガチャガチャとした機械音を鳴らしながら、背反の料理人が姿を現す。その身には、2つの光る球体、オーバーレイユニットを纏っている。


No.59 背反の料理人
★4
炎属性/エクシーズ/戦士族
2300/200

遊大「さらに俺は、《エクシーズ・スライドルフィン》を特殊召喚!このモンスターは、俺がエクシーズ召喚をしたとき、手札から特殊召喚できる!」

エクシーズ・スライドルフィン
☆4
水属性/海竜族
1200/1800

ツァン「背反の料理人の攻撃力は2300…キャンデ?」

キャンデ「ん?どうしたよ?肩を揉めとかだったら嫌だぞ?」

ツァン「あのエクシーズスライドルフィン、ただの壁かな?」

キャンデ「まあ守備力は低いわけじゃねえし、ただの壁モンスターなんじゃねえのk…」

2人の会話に一石を投じるかのように、遊大が大声をあげた。

遊大「コソコソしてねえで、バトルだ!
俺は背反の料理人で、不退の荒武者に攻撃!」

ツァン「不退の荒武者のほうが攻撃力は上!迎えうって!」

刀とフライパンが激しく衝突し、ヒバナが飛び散っていく。

遊大「俺は、背反の料理人の効果を発動!」

キャンデ「んん!?あのモンスター、戦闘中に使える効果とかある感じか!」

遊大「オーバーレイユニットを1つ使い、背反の料理人以外の自分フィールドのカードを全て破壊!」

ツァン「自分のカードを全て破壊!?」

オーバーレイユニットが火炎放射器のガスタンクに吸い込まれ、けたたましい炎が遊大と阿原のフィールドをつつみこむ。

やがてその炎は背反の料理人のフライパンに収束し、フライパン文字通りは赤く熱く輝き出した。

遊大「背反の料理人は、この効果で破壊したモンスター1体につき、攻撃力を300ポイントアップする!俺はエクシーズ・スライドルフィンを破壊してるからなあ!」

阿原「っし!これで背反の料理人の打点が、不退の荒武者を上回る!」

No.59 背反の料理人 (2300→)2600/200

背反の料理人のフライパンが、不退の荒武者の刀を押しのけようとしたその時、ツァンの一括で、形勢が変わった。

ツァン「甘いッ!ボクは不退の荒武者の効果を発動!自身より攻撃力の高いモンスターと戦闘を行ったとき、その戦闘での破壊を無効にし、戦闘を行ったモンスターを破壊する!食らってもらうわ!不退の覚悟!」

フライパンと刀は1度弾け、2体のモンスターは同時に攻撃を繰り出した。

遊大「背反の料理人の効果!フィールドのカードが自身のみの場合、カードの効果を受けない!」

フライパンと刀は、間合いギリギリのところで、お互いに空を掠めた。

しかし不退の荒武者の刀をかろうじて避けた火の粉が、ツァンとキャンデに飛びかかった。

ツァン「破壊することで耐性までっ!」

不退の荒武者は戦闘での破壊を免れたが、切れ味のダメージを受けているようだ。

ツァン&キャンデ
LP6000→5800

キャンデ「まあモンスターは守れたし、いいんじゃねえか?」
(あのエクシーズスライドルフィン、背反の料理人の燃料だったってワケか…!おもしれえじゃねえの!)


ましろ「なかなかお互いに引かねえデュエルだな。やっぱりツァンディレも結構やり手だ。」

嬢「…さっきから迫力と熱が…すごいんですけど…。」

嬢の頬には汗がつーっと垂れていた。


遊大「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド!阿原さん!背反の料理人を残しゃいいんだよな!?」

阿原「だから!お前は!余計なこと!言ってんじゃねえ!」

阿原は遊大に蹴りを入れる。遊大も「痛てぇ!」と叫んだ。


そんな中、キャンデは体操座りからムックリと立ち上がり、熊ゆえのその巨体で遊大たちに立ちはだかった。

同時にツァン&キャンデタッグのプレイヤーがツァンからキャンデに切り替わる。

キャンデ「ふふ…いいこと聞いちゃったモンね〜。
オレちゃんのターン!」

その剛腕のドローは、ぶおんと風を巻き上げた。

しかし次の瞬間、その威勢はたじろぎに変わった。

キャンデ「…え、どうしよ…。」

ツァン「は?」

阿原「あ?」

遊大「え?」

キャンデの毛皮は汗でぐちゃぐちゃに濡れており、決闘場の床が軽く水溜まりになっている。

キャンデ「いや…あの…。モンスターを裏守備でセットして、カードを2枚伏せてターンエンドなんだけど…。」

その行為を見て、すかさずタッグパートナーのツァンディレが噛み付いた。

ツァン「ちょっと!不退の荒武者で攻撃しなさいよ!」

キャンデは猛獣の牙を剥き、ツァンディレに反抗する。

キャンデ「グアォッ!嫌だぞ!不退の荒武者は、攻撃される分には安全が保証されてるんだから、安全にすがるの!オレちゃんはこの手札で荒武者突破されたら太刀打ちできないの!勘弁!」


ましろ「なにやってんだ?あいつら。」

嬢「まるで駄々こねてるみたい…」


会場がわりと浮いた雰囲気に包まれる中、レイン恵と律歌だけは、黙ってこそいるものの、冷静に分析を進めていた。

律歌(不退の荒武者での攻撃のキャンセル…確かに間違った判断ではない気がする。
でもキャンデのデッキは3枚投入のカードが多い…それで手札事故ってあるの…?)


阿原「ったく、さっさと決着つけんぞ!
遊大、替われ!」

遊大「ウッス!やっちゃってくれよ!阿原さん!」

阿原「オレのターン!
事故ってるなら楽にしてやるよォ!オレは《スクラップ…」

そこまで言った時、キャンデが目をぎらりと光らせ、阿原のほうを睨みつけた。
その口は、わかりにくいながらも笑っているように見える。

キャンデ「ふふ…スタンバイフェイズに、罠カード《バトルマニア》を発動しちゃうぜ〜?このターン、お前のモンスターは全て攻撃表示になり、バトルを行わなければならない!」

阿原「ああ!?事故ってたんじゃねェのか!?だが、バトルするってンなら、高打点を揃えりゃいい話だろうが!」

遊大「いやっ!相手の場には不退の荒武者がいる!迂闊に攻撃は…」

阿原「セットモンスターを攻撃するか、不退の荒武者をここで突破するかの2択だ!いくぜ! オレは《スクラップ・ブレイカー》を特殊召喚!このカードは、相手モンスターが存在する時、特殊召喚できる!さらに特殊召喚に成功したときに、速攻魔法発動!《スクラップ・スコール》!今特殊召喚したブレイカーを破壊し、デッキから《スクラップ・ビースト》を墓地に送って、カードを1枚ドロー!」

ブレイカーはその名のように見事に弾け、次のモンスターの礎となる。

キャンデ「相変わらずぶっこわすの大好きだな、阿原。」

阿原「なんとでも言いやがれ!オレは《スクラップ・キマイラ》を通常召喚!」

スクラップ・キマイラ
☆4
地属性/獣族
1700/1300

「さらに、スクラップキマイラの効果を発動!墓地のスクラップモンスター一体を蘇生させる!来いッ!《スクラップ・ビースト》!」

遊大「よしッ!これでシンクロの条件が整った!」

阿原「レベル4のスクラップキマイラに、レベル4のスクラップビーストをチューニングッ!
くず鉄どもの執念をその牙に変え、目に映る全てぶち壊せ!シンクロ召喚!スクラップドラゴン!」

軋むような轟音と共に、スクラップドラゴンがその身を翻した。


スクラップ・ドラゴン
☆8
地属性/シンクロ/ドラゴン族
2800/2000


キャンデ「おっと、そいつは厄介だな。たしかお互いのカードを1枚ずつ破壊だったか?」

阿原「よく覚えてるじゃねェか。オレはカードを1枚セットし、スクラップドラゴンの効果を発動!」

キャンデ「させないぜっ!罠発動!《ブレイクスルー・スキル》!」

金色の鎖が放たれ、スクラップドラゴンを縛りつけた。

阿原「モンスターの効果を止める罠カード…だが!バトルだ!」
(バトルマニアの効果でバトル自体は免れない…。スクラップドラゴンで守備モンスターを破壊し、背反の料理人は《ナンバーズウォール》で守る!)

「スクラップ・ドラゴンでセットモンスターを攻撃!厄災の激昂!」

スクラップドラゴンがセットモンスターを噛み砕いた瞬間、そこから3体のモンスターが飛び出した。

キャンデ「《素早いマンボウ》が破壊されたとき、デッキから同名モンスターを1体特殊召喚し、さらに《素早いマンタ》を墓地に送る。そしてマンタも墓地に送られると、デッキから同名モンスターを2体まで
特殊召喚できる。甘いんじゃねえか?阿原〜。」

遊大「相手ターンにモンスターを3体だと!?」

阿原「うるせえぞ遊大!攻撃対象が増えたこたぁこっちからすりゃ好都合だ!オレは背反の料理人で、素早いマンタを攻撃!」

背反の料理人がマンタへと炎を放った瞬間、特殊召喚された3体のモンスターが、宙へ吸い込まれていった。

キャンデ「だから言ったじゃねえか、甘いぜお前。俺ちゃんは罠カード《ワンダーエクシーズ》を発動!フィールドのモンスターを素材として、エクシーズ召喚を行う!」

阿原「なっ…!相手ターンにエクシーズ召喚までやんのかよ…!」

キャンデ「2体の素早いマンボウと素早いマンタでオーバーレイ!3体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!俺ちゃんの僕!漆黒の闇からの使者!《No.96 ブラック・ミスト》!」

黒い影がドロドロと染み出し、やがてそれは人にも似た異形のモンスターとなった。
目は赤い炎のように燃え、禍々しいオーラを纏っている。

No.96 ブラック・ミスト
★2
闇属性/エクシーズ/悪魔族
100/1000

阿原「へっ!相手ターンにエクシーズ召喚、しかも素材を3体という割には、攻撃表示で打点は100とは、随分ご親切なモンスターじゃねえか。潰せ!背反の料理人!」

阿原が指をビシっと指すと、背反の料理人がブラックミストに飛びかかった。

瞬間、遊大の脳裏に嫌な情景が走った。既視感だった。自分が経験したことか、いや違う。数年前にテレビでみたような光景だった。

遊大「阿原さんッ!そいつに攻撃しちゃあダメだッ!」

阿原「俺ちゃんはこの瞬間に、ブラックミストの効果を発動!戦闘を行う攻撃宣言時、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手モンスターの打点を半分にし、その数値分、ブラックミストの攻撃力をアップさせる!シャドーゲイン!」

No.59 背反の料理人
(2300→)1150/200

No.96 ブラック・ミスト
(100→)1250/1000

阿原「ンだと!?オレは罠発動!《ナンバーズ・ウォール》!これでナンバーズはナンバーズでしか破壊されなくな…」

そこまで言った時、腕組をしていたツァンが口を開いた。

ツァン「しっかり見てないのね。ブラックミストもナンバーズよ?」

キャンデ「おっありがとさ〜ん!」

発動したナンバーズウォールも虚しく、背反の料理人は破壊されてしまった。

阿原「ぐぁっ!!」

阿原&遊大
LP:6000→5900

阿原「ちくしょう…!オレはカードを2枚伏せてターンエンド!おい遊大!まだいけるか!?」

遊大「ははっ…!謝罪の1つくらい期待してたんすけどね!だがまだまだいけるぜ!」

キャンデ「言うじゃねえか。ツァン、一気にやっちゃっていいぞ〜。」

1つため息を吐いてから、ツァンはデッキのカードに指をかける。

ツァン「ボクのターン!
…キミたち、ピンチぶってるわりに、伏せカードが4枚もあるのが気に入らないんだよね〜 。ってワケで、対策させてもらうよ。ボクは《諸刃の活人剣術》を発動!墓地の六武衆モンスターを、2体特殊召喚する!」

六武の門が開き、影武者と六武衆の師範が特殊召喚された。

ツァン「さらにボクは《六武ノ書》を発動!」

キャンデ「ひぇ〜!怖えカードが来たぞ〜?」

2体の武者の周囲を大量の巻物が取り囲む。同時に肌を刺す殺気が漏れだしている。

遊大「なんだこの…ざわざわした感覚は…。」

ツァン「ビックリするよ。六武ノ書の効果で、影武者と師範をリリースすることで、特殊召喚!《大将軍 紫炎》!」

肌を刺す殺気は、やがて焼けるような熱に変わった。燃え上がる紫の炎の内より、蜃気楼と共にそのモンスターは姿を現す。


大将軍 紫炎
☆7
炎属性/戦士族
2500/2400


阿原「これがお前の真のエース…!」

ツァン「ま、どこがどのように君たちの対策かっていうと、紫炎がフィールドに存在する限り、キミたちは1ターンに1度しか魔法罠カードを発動できない。つまり1回しか防げないってワケ。」

キャンデ「4枚も伏せてたとこで、3枚は持ち腐れってことだ。」

阿原「くっ…!」

キャンデ「さ〜てお前らは、この猛攻に耐えれるかな〜?」

キャンデが腕を広げると、《No.96 ブラックミスト》、《不退の荒武者》、《大将軍 紫炎》の3体がいっせいに構えた。

ツァン「さあ、バトルよ!ブラックミストで、スクラップドラゴンを攻撃!ブラックミラージュウィップ!」

黒い影がスクラップドラゴンを飲み込まんと這い寄る。

ツァン「ブラックミストの効果発動!シャドーゲイン!」

スクラップ・ドラゴン
(2800→)1400/2000

No.96 ブラックミスト
(1250→)2650/1000

ブラックミストは増大を続け、ついにスクラップドラゴンを完全にのみこんだ。

阿原&遊大
LP:5800→4550

阿原「がはッ!だがまだまだ!スクラップドラゴンの効果を発動!破壊されたとき、墓地よりレベル4以下のスクラップモンスターを1体を特殊召喚する!来いッ!スクラップキマイラ!」

ツァン「苦し紛れの守備モンスターだね。行って!不退の荒武者!不退の覚悟!」

抵抗も虚しく、スクラップキマイラは二刀両断された。

ツァン「さあっ!大将軍 紫炎の直接攻撃!」

紫炎は、その太刀を大きく振り上げ、大地さえ両断せんとする勢いで阿原と遊大のライフを削りとった。

遊大「ぐぁあああっ!!」

阿原&遊大
LP:4550→2050

ツァン「スクラップドラゴンの蘇生効果が少し予想外だったけど、逆転の目はほぼ潰えているわ。来てみなさい。来れるんならね。」

ツァンは得意げに腕を組み、ターンエンドを宣言した。

阿原「おい…遊大。悔しいがこれはオレの責任だ。だからオレは、お前を勝利まで導く!エンドフェイズに罠発動!《奇跡の残照》!」

遊大「阿原さん…」

阿原はがっくりと片膝をついているが、その目にはまだ闘志が残っていた。

阿原「このカードは、ターン中に戦闘で破壊されたモンスターを1体だけ特殊召喚する!舞い戻れ!スクラップドラゴン!」

頭上が白く光輝き、砕け散った廃材の竜は再び大地へと舞い降りた。

ツァン「ターン中1回の魔法罠カードをここで!」

阿原「舞台は整えた…!あとは好きにやれ!遊大!」

そう言って阿原は拳を差し出す。
遊大も微笑み、拳を合わせた。
そしてまた前を向き、力強く立ち上がる。

遊大「…好きにやっていいってよ。
いくぜ、俺のターンッ!」

ツァン「託されたカードなんて熱い展開だけど、この布陣を突破するのはかなり難しいよ!」

遊大「だったらどうした!難しくたってやるんだよ!ここにはスクラップドラゴンと、阿原さんが残したカードがある!負けるワケいかないだろうが!
行くぞ!スクラップドラゴン!」

そう叫ぶと、呼応するようにスクラップドラゴンも金属が軋むような咆哮をした。

遊大「俺は、スクラップドラゴンの効果を発動!俺のセットカードと、大将軍 紫炎を破壊する!そしてそれにチェーンし、対象に取られた罠カード《アームズホール》を発動する!」

アームズホールのカードをスクラップドラゴンが飲み込み、そのエネルギーを紫炎へと放った。

爆音と共に、大将軍紫炎は炎の中に消えた 。

ツァン(大将軍 紫炎には破壊を回避する能力があった!でも六武衆モンスターがいなければ発動できない!ミスったかも!)

遊大「まず1枚ィ!
アームズホールの効果でデッキから装備魔法《アサルト・アーマー》を手札に加える!」

ツァン「くっ!魔法罠カードの縛りが!」

遊大「さらに阿原さんの罠カード《泥仕合》を発動!このカードは、お互いのフィールドのカードが同時に破壊された時のみ使用出来るカード!」

キャンデ「同時に破壊…スクラップドラゴンと良相性ってことか…で?効果は?」

遊大「お互いのカードが同時に破壊されたとき、お互いのプレイヤーは、デッキからカードを2枚ドローする!」

ツァン「なるほど、これがキミたちの『運命のドロー』ってね。」



遊大は目を閉じ、デッキの2枚のカードを力強く握った。

遊大「ドロぉぉぉーーーッ!!」




カードを見つめた遊大の瞳はキラキラと輝き出した。

遊大「よかった…ここでお前が来てくれなかったら、どうしようかと思ったぜ…!」

阿原「引いたか…!あのカードを!」

遊大「ああ!いくぜ!
俺が発動するのは、阿原さんが伏せた最後のカード!《埋葬されし生贄》!モンスター2体のリリースを要求するアドバンス召喚をするとき、自分と相手の墓地のモンスターを除外することでリリースを肩代わりさせる!
俺は、あんたの墓地の六武衆の影武者と、俺の墓地のデュアルスコーピオンを除外し、このモンスターをアドバンス召喚するッ!」

遊大がカードを掲げた瞬間、周囲が紅の炎に包まれた。

炎は渦となり、遊大の手元へ収束していく。

遊大「不死鳥の翼宿し戦士よ。その剣で闇を切り裂き、世界を紅く染め上げろ!
アドバンス召喚!《フェニックス・ギア・フリード》!」

遊大がデュエルディスクにフェニックスギアフリードのカードを打ち付けると、爆発するかのごとき勢いで炎の波がフィールドを包んだ。

コツ、コツ、と、白金の鎧を鳴らし、その戦士は姿を見せた。


フェニックス・ギア・フリード
☆8
炎属性/デュアル/戦士族
2800/2200


嬢「すごい…!2人のエースがならんだ!」

キャンデ「壮観だな。だがどうやって突破する気だ?」

遊大「いまに見てやがれ!俺はこのカードで決める!装備魔法《アサルト・アーマー》、そして《モルトシュラーク》」

フェニックスギアフリードは、その刃を鞘に収め、逆さに持った。

ツァン「…?刃じゃなくて、柄(つか)や鍔(つば)を…?」

遊大「1つ!アサルトアーマーは、装備状態の自身を墓地に送ることで、2度の攻撃を可能にする!そして…バトルだ!」

ツァン「2回攻撃だけではこの2体は突破できないハズよ!」

遊大「俺はフェニックスギアフリードで、ブラックミストを攻撃!ゴッドブレイズクローズ!」

刀の鍔は炎をまとい、ハンマーのような勢いで振り落とされた。

ツァン「ブラックミストの効果発動!シャドーゲイン!」

ブラックミストは黒く溶けだし、フェニックスギアフリードを飲み込まんとする。

しかし、炎をまとったハンマーは、構うことなくブラックミストを叩き潰した。

ツァン「なっ!どうして!?」

遊大「もう1枚の装備魔法、モルトシュラークの効果!このカードは通常召喚されたモンスターにしか装備できないが、装備モンスターは特殊召喚されたモンスターの効果を受けず、特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うとき、その攻撃力を装備モンスターの攻撃力分ダウンさせる!」

阿原「シャドーゲインで攻撃力が下がらなければブラックミストの打点もこれ以上アップしねえ…!」

No.96 ブラックミスト
(2650→)0/1000

ツァン&キャンデ
LP:5800→3000

遊大「さらに、ナンバーズウォールの効果で、ブラックミストはナンバーズ以外のモンスターとの戦闘では破壊されない!」

キャンデ「さっきのナンバーズウォールの効果を逆手にとった!?」

遊大「アサルトアーマーの効果で、2度目の攻撃!行け!フェニックスギアフリード!ゴッドブレイズクローズ!」

炎の追撃は、破壊されることがないブラックミストを再び叩きつけた。

ツァン&キャンデ
LP:3000→200

遊大「これで最後だ!スクラップドラゴンで、ブラックミストを攻撃!厄災の激昂!」

ツァン「オーバーレイユニットがないッ…!」

スクラップドラゴンは、軋む金属音と共にその身を翻し、一気にブラックミストを噛み砕いた。

ツァン「きゃぁぁぁぁッ!」

ツァン&キャンデ
LP:200→0

衝撃で、ツァンが膝をついた。
キャンデもクマながら尻を向けてぶっ倒れている。

WINNER
阿原&遊大


ブザー音と共に、タッグデュエルは幕をおろした。

遊大「やったな、阿原さん。」

遊大はそう言って、膝をついていた阿原に手を差し伸べた。

阿原は舌打ちをしながらも微笑み、その手を強く掴んだ。



続く
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