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遊戯王WW(ワンダーワールド)/SideAmuse:火花舞う戦場 作:名無しのゴーレム










『おおっとぉ、この土壇場でライフは逆転!! このまま押しきるかぁ!!?』






……白熱するデュエルに会場が沸き上がる。その様子はサーカスでのデュエルショーを彷彿とさせるが、その実態はやや異なる。






「行け、そのままぶっ潰せぇ!!」
「絶対勝てよ!! お前にいくら賭けたと思ってるんだ!!」






声援……というより、もはや野次か。それもそのはず、なんたってあいつらはこのデュエルにそれなりの金額を賭けているんだから。






「……なぁ、団長」
「ここで団長って言うな、エン」
「じゃあゼロ。俺たちは傭兵ギルドだよな?」
「そうだな。それがどうした?」
「傭兵ってのは戦うのが仕事だろ。それが……なんで、地下デュエルの警備なんてしなきゃいけねぇんだよ!!」
「……今さらそれを聞くか?」
「盛り上がるデュエルを見せたいなら俺らがやりゃいいじゃねえか!」
「……はぁ」
「…………エン」
「あ?」



ため息をついたゼロに代わり、アスタが口を開いた。



「そもそも、傭兵とは与えられた仕事をこなすための存在だ。それが戦いだろうとそうでなかろうと、求められることを実行する……それだけだ」
「だからって、サーカスで玉乗りするのは傭兵の仕事かよ!?」
「傭兵の仕事はデュエルだけじゃない……ってのはアスタが言ったが、それでもやっぱり戦いが本領だ。この『戦い』ってのはデュエルに限ったことじゃない。つまりデュエルの腕だけじゃなく、身体能力や咄嗟の判断能力も大事になる。練習がそのまま訓練になるサーカスってのは、結構いい副業だと思うが?」
「そ、それは……」



……確かに、一理あるかもしれない。さすがはゼロ、色々考えてるってことか。



「アミューズでは、賭けデュエルとそれに金品を賭けることが禁止されている。こういう警備はグレーゾーンだが、明確にアウトってわけじゃない。せっかく築き上げたコネを潰さないためにも、ほどほどに潔白である必要があるんだよ。……まあ、アミューズには取り締まる人間もいないんだが」
「……じゃあよ、せめてデュエルショーに出させてくれよ。なんでゼロとアスタしかやらないんだよ?」
「ああ、それは……適材適所ってやつだ」
「どういう……まさか、俺が弱いって言ってんのか!?」
「いやいや、そうじゃないって。アスタ、説明してやれ」
「……デュエルショーはただのデュエルじゃない。大前提として観衆を楽しませるデュエルをすることが必要だ。したがって、必ず接戦を演じなければいけない」
「接戦、か……」
「お前のデッキはやるかやられるかだろ? クライマックスのショーが瞬殺だったら全然盛り上がらないってことは分かるよな」



……確かに、その通りだ。強い相手ならともかく、弱い相手といい戦いをするってのは骨が折れる。単に手を抜けば客にバレるし、どんな状況からでも盛り返せる力が必要ってことだからな。



「そういえばアスタ、昨日のデュエルショーはどうだった? えっと、相手は……」
「ミネルバ教会のナターレだ。前の『大戦争』の時に、傭兵ギルドと正面きってやり合った連中の1人。かなり厄介な相手だったろ?」
「……まあ。向こうも手を抜いていたから、こちらもそれに合わせました」
「えっ、あれで手を抜いてたのかよ!? しかも相手も!?」
「それに対応できるのがお前の凄さだよ、アスタ。俺だったらそうはいかねぇ」
「ま、ゼロのデュエルはどんな状況からでも相手を叩き潰すって感じだからな。アスタとは真逆だ」
「人のことを怪物みたいに言うんじゃねえ。……だが、上に立つ人間としてはアスタみたいな奴の方が向いてるとは思うがな。どうだ、今からでも支部長になってみる気はないか?」
「……支部長の仕事が嫌になっただけでしょう。俺に押し付けて前線に復帰しようとしないでください」
「ちぇっ、バレてるかぁ」



支部長か……傭兵ギルドが世界中に支部を持ってるってのは知ってるが、フォーチュンシティにある本部へ行けるのは支部長クラスだけだもんなぁ。成り上がること自体には興味もあるが、あちこち走り回って細かい仕事をするのは嫌だな……



「……おっと。決着がついたみたいだな」



ゼロの言葉に視線を戻すと、ちょうどデュエルの勝敗が決したようだ。



「さて、あとは観客が会場から出るのを見届ければ終わりだ」
「……じゃあ、俺は誘導に行ってきます」
「おう。任せたぜ、アスタ」
「なあゼロ、俺はどうしたらいい?」
「んー……エンは西側の出入口で待機だ」
「待機って、アスタみたいに観客の誘導をすればいいのか?」
「いや。いいから早く行ってこい。くれぐれも気を抜かないようにな」
「……? ま、分かったよ」



多少引っかかったが、命令に従い指定された場所へ駆け足で向かう。見たところ、観客は誘導を受けて出口へ歩いているだが……



「…………?」



いや、待て。今回この会場を警備しているのは俺たち傭兵ギルドの人間だけだ。なのに、西側出入口に立っている奴は見知らぬ人間……つまり、俺たちの仲間ではない。これは……









「……アミューズ自警団よ!! 規則違反の賭けデュエル、現行犯で逮捕するわ!!」









「なっ……!!」



女性が叫びを上げると、観客を逃がさないよう出入口に立ち塞がる。自警団だと……!?



「……へっ、そういうことかぁ!!」



あの指示……ゼロはこうなることに気付いていたということだろう。なら俺がすることは1つ。あいつをぶっ倒して、観客を逃がせばいい……!!



「自警団、テメェの相手は……この俺だぁ!!」
「!?」



客席を一直線に駆け抜け、観客を塞き止めている自警団の女性へ襲いかかる。



「あんた……傭兵ギルドの人間ね!!」
「へぇ、よく調べてるじゃねえか。そういうテメェは何者だ?」
「……私はバイラ、このアミューズであなたたちみたいな荒くれ者がのさばることは許さないわ!!」
「酷い言い様だな……だが、ちょうど退屈してたんだ。俺たちを止めたいってんなら、命を賭ける覚悟はあるんだろうなぁ!?」
「当然よ。さぁ、相手してあげる!!」



根性はあるみたいだな。それに見合うだけの実力があるか、きっちり確かめさせてもらおうか。












「「デュエル!!」」










エン LP8000 手札5
バイラ LP8000 手札5



「先攻は貰うぜ! 俺のターン!」



俺にはアスタみたいな器用さも、ゼロほどの圧倒的な力もない。だからデュエルを長引かせるつもりはない……速攻でケリをつけてやる。



「俺は『燃え盛る炎の勇士 ネップ』を召喚! カードを2枚セットして、ターンエンドだ!!」



エン LP8000 手札2 モンスターゾーン 燃え盛る炎の勇士 ネップ 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚
バイラ LP8000 手札5



「攻撃力2100のモンスター……そんなもので、私を倒せるとでも?」
「はっ、御託はいいからかかってきやがれ!」
「……私のターン、ドロー! 『舞踏翼アレグリア』を召喚! アレグリアの効果発動、デッキから舞踏翼と名のつく儀式魔法を手札に加えるわ。儀式魔法『舞踏翼の公演』発動!」



1ターン目から、儀式召喚だと……!?



「私は手札からレベル4の『舞踏翼ロティン』をリリース! 鮮やかに舞い踊れ、魂揺さぶる紅き薔薇! 儀式召喚、『舞踏翼アルマ・ロッサ』!! さらに墓地の公演の効果発動、手札の舞踏翼モンスターを捨て、このカードをデッキの一番下に戻して1枚ドロー。アレグリアの効果発動、儀式魔法の効果が発動したときに自身を手札に戻す!」
「わざわざ自分のモンスターを手札に……?」



しかもアルマ・ロッサの攻撃力は2000、ネップの方が上だ。一体何を狙って……



「アルマ・ロッサの効果発動! 舞踏翼モンスターが私の手札に戻ったとき、相手フィールドのカードを破壊する! 私はネップを破壊するわ!」
「なっ!?」
「これであなたのフィールドにモンスターは居なくなった……バトル! アルマ・ロッサでダイレクトアタック!」


エン LP8000→6000


「チッ……!!」
「バトル終了。カードを1枚セットして、ターンエンドよ」
「まだだ、リバースカードオープン! 通常罠『戦線復帰』! 墓地のネップを表側守備表示で特殊召喚する!」



エン LP6000 手札2 モンスターゾーン 燃え盛る炎の勇士 ネップ(表側守備表示) 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚
バイラ LP8000 手札3 モンスターゾーン 舞踏翼アルマ・ロッサ 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚



「俺のターン、ドロー!」



儀式召喚には面食らったが、何とかモンスターは残せた。これなら……



「俺は『燃え盛る炎の勇士ヒクラ』を召喚! そしてネップを表側攻撃表示に変更!」



このままバトルに入ればネップでアルマ・ロッサを破壊できる……だが、まだこれじゃ終わらせない。



「ネップの効果発動! ヒクラの攻撃力を0にして、その元々の攻撃力を自身の攻撃力に加える!」


燃え盛る炎の勇士ネップ 攻撃力2100→3400


「バトルだ!! ネップでアルマ・ロッサを攻撃!」
「……残念だったわね。アルマ・ロッサは自分フィールドに他のモンスターが存在しないとき、戦闘・効果で破壊されない!」
「戦闘で破壊できない、か……そんなの関係ねぇ! リバースカードオープン! 速攻魔法『燃え盛る炎の闘志』! ネップの攻撃力を倍にする!」
「なんですって!?」


燃え盛る炎の勇士ネップ 攻撃力3400→6800


バイラ LP8000→3200


ライフを半分以上抉り取る一撃。その衝撃は、対戦相手を数メートル離れた壁に叩きつけるほどのものだった。


「ぐっ、うぅ……」
「まだまだぁ!! 手札から速攻魔法『燃え盛る炎の噴出』発動!! フィールドのヒクラ・ネップの2体で融合する!!」
「バトルフェイズ中の融合……まさか!?」



こっちの狙いに気付いたか……だが、もう遅い。



「荒れ狂う炎を重ね、邪魔する敵を焼き尽くせ! 融合召喚、『魂まで燃え盛る炎の昼勇士ネップ』!! このまま昼勇士ネップでアルマ・ロッサを攻撃!」
「っ、リバースカードオープン! 通常罠『誘いのドゥエンデ』! アルマ・ロッサを手札に戻して、手札から『舞踏翼アレグリア』を表側守備表示で特殊召喚! そして攻撃対象をアレグリアに移す!」



相手モンスターを破壊したが、ダメージは0……凌がれたか。



「さらに特殊召喚したアレグリアの効果発動、デッキから舞踏翼と名のつく儀式魔法を手札に加えるわ」
「チッ、バトル終了。そのままターンエンドだ」



エン LP6000 手札1 モンスターゾーン 燃え盛る炎の昼勇士 ネップ
バイラ LP3200 手札4



「私のターン、ドロー! 『舞踏翼ファルーカ』を召喚。ファルーカの効果発動、デッキから儀式モンスター以外の舞踏翼モンスターを手札に加える。儀式魔法『舞踏翼の宴』発動! 」



また、儀式魔法……!!



「さっき手札に加えたレベル8の『舞踏翼ティエントス』をリリース! 鮮やかに舞い踊れ、天駆ける希望の大星! 儀式召喚、『舞踏翼シエロ・エスペランサ』!!」
「攻撃力、2800……だが昼勇士ネップの攻撃力は3100、戦闘なら負けねぇぞ!」
「勝ち誇るにはまだ早いわよ。儀式魔法が発動したことで、フィールドのファルーカを手札に戻す。シエロ・エスペランサの効果発動! 相手フィールドのカード全ての効果を無効化して、その枚数×500アップする!」
「なんだよ、その無茶苦茶効果は!!?」


舞踏翼シエロ・エスペランサ 攻撃力2800→3300


「バトル、シエロ・エスペランサで昼勇士ネップを攻撃!」


エン LP6000→5800


「クソッ……」
「バトル終了、そのままターンエンドよ。このタイミングで、シエロ・エスペランサの攻撃力は元に戻る」


舞踏翼シエロ・エスペランサ 攻撃力3300→2800



エン LP5800 手札1
バイラ LP3200 手札3 モンスターゾーン 舞踏翼シエロ・エスペランサ



「俺のターン、ドロー!」



相手フィールドには儀式モンスターが1体のみ。だがあのモンスターも、この状況を条件とした追加効果を持っていると見ていいはずだ。……何にせよ、この手札じゃ出来ることは1つだけだ。



「通常魔法『強欲で貪欲な壺』発動! デッキの上から10枚を裏側表示で除外して、カードを2枚ドローする!」
「デッキを犠牲にドローするなんて、随分リスキーな戦術ね」
「どうせデッキの底まで引ききることなんてねぇんだ、10枚くらい惜しくねぇよ」



ドローしたカードを確認する……これなら!!



「永続魔法『補給部隊』発動! さらに通常魔法『融合派兵』発動! エクストラデッキの『魂まで燃え盛る炎の昼勇士シュレネ』を公開することで、デッキから『燃え盛る炎の勇士シュレネ』を特殊召喚だ! そして手札から『燃え盛る炎の勇士ガウ』を召喚!」
「また、モンスターが2体……!!」
「シュレネの効果発動! ガウの攻撃力を0にして自身と戦闘を行った相手モンスターを破壊する効果を付与する! 攻撃力が0となったガウの効果発動、自身を破壊して1枚ドロー!」
「手札1枚のために、わざわざ召喚したモンスターを破壊……?」



いくらなんでもそんなもったいないことはしない。まあ、すぐに見せてやるさ。



「自分モンスターが破壊されたことで補給部隊の効果発動、1枚ドロー! さらに墓地の闘志と噴出の効果発動! この2枚を除外することで墓地の燃え盛る炎モンスター1体を手札に戻し、もう1体を蘇生する! 蘇れ、『燃え盛る炎の昼勇士ネップ』!!」
「モンスターの自壊をトリガーに、ここまで展開するなんて……思ったよりはやるみたいね」
「ゆっくり見定めてる時間はねぇぜ? バトル、シュレネでエスペランサを攻撃!」



シュレネの効果でエスペランサを破壊すれば、続く昼勇士ネップの攻撃でライフのほとんどを削りきれる。そこまで追い込めば……



「……この瞬間、エスペランサの効果発動! 相手フィールドのカード全ての効果を無効化して、その枚数×500アップする!」


攻撃力2800→4300


「その効果、俺のターンでも使えるのかよ!?」
「ええ、私のフィールドに他のモンスターが存在しないことが条件だけれどね」


エン LP5800→3900


「くっ……」


思わぬダメージを負ってしまった……だが、まだ策はある。


「続けて昼勇士ネップでエスペランサを攻撃!」
「っ、また攻撃力の低いモンスターの攻撃!?」
「当然、手札から速攻魔法『決闘融合-バトル・フュージョン』発動! 俺の融合モンスターが相手モンスターとバトルを行うとき、その攻撃力に相手のモンスターの攻撃力を加える!」


魂まで燃え盛る炎の昼勇士ネップ 攻撃力3100→7400


バイラ LP3200→100


「きゃあぁぁぁ!!」
「どうだオラぁっ!!」



ギリギリ削りきれなかったが、ここまで絶体絶命の状況になれば守りを固めざるを得なくなるはずだ。その隙を突いてトドメをさす……完璧な戦術だ。



「はぁっ、はぁっ……破壊されたエスペランサの効果発動、デッキからレベル4以下の舞踏翼モンスターを手札に加えるわ」
「バトル終了。カードを1枚セットして、ターンエンドだ」



エン LP3900 手札2 モンスターゾーン 魂まで燃え盛る炎の昼勇士ネップ 魔法・罠ゾーン 補給部隊、伏せカード1枚
バイラ LP100 手札4



「私のターン、ドロー。…………」



自身の手札を見て考え込む様子を見せる相手。さあ、どう来る……?



「通常魔法『儀式の準備』発動! デッキからレベル6の『舞踏翼グロリア・パシオン』と墓地の『舞踏翼の宴』を手札に加える。そして『舞踏翼ブレリア』を召喚! ブレリアの効果発動、デッキから舞踏翼と名のつく儀式モンスターを手札に加える。儀式魔法『舞踏翼の宴』発動! 手札のグロリア・パシオンとアルマ・ロッサをリリース!」



ここで、儀式召喚か……!!



「鮮やかに舞い踊れ、七色の神衣纏う乙女! 儀式召喚、『舞踏翼ディヴィーナ・アルコイリス』!!」
「ネップよりも攻撃力は下……もちろん、何かあるんだろうなぁ?」
「当たり前よ! 儀式魔法を発動したことで、フィールドのブレリアを手札に戻す。バトル、アルコイリスで昼勇士ネップを攻撃!」
「……ハッ、甘ぇな。リバースカードオープン! 永続罠『闇の呪縛』! アルコイリスの攻撃力を700ダウンさせて、攻撃できなくする!」
「残念だけど、自分ターンの間アルコイリスは相手カードの効果を受けない。よって闇の呪縛の効果は無効!」



こっちの妨害を見越した儀式モンスターってことか……!!



「この瞬間、アルコイリスの効果発動! 手札の舞踏翼モンスターを任意の枚数見せることで、自身の攻撃力をその枚数×1000アップする! 私は手札の舞踏翼モンスター2枚を公開し、攻撃力を2000アップ!」


舞踏翼ディヴィーナ・アルコイリス 攻撃力2500→4500


エン LP3900→2500


「……はっ、やるじゃねえか。てっきり守りに入ってくるかと思ったんだがな」
「その守りを崩すのがあなたのねらいでしょう。ここまでの戦いで大体分かったわ……あなたの戦術は攻撃力偏重。それなら対策も簡単、こちらも攻撃力で対抗すればいい」
「へぇ……いいねぇ、気合い入ってんじゃねえか」



肝が座った考え方が出来る奴はそう居ない。まさか、アミューズにこんな人間が居たとは。ここまでやられちゃあ、こっちももっと熱くならねぇとなぁ……!!



「昼勇士ネップが破壊されたことで、補給部隊の効果発動! 1枚ドローだ!」
「……バトル終了。カードを1枚セットして、ターンエンドよ」



エン LP2500 手札2 魔法・罠ゾーン 補給部隊
バイラ LP100 手札2 モンスターゾーン 舞踏翼ディヴィーナ・アルコイリス 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚



「俺のターン、ドロー!」



相手のライフは100だが、こっちも安心できるライフじゃない。アルコイリスの効果で攻撃力が4500まで上がるから、ターンを回してしまえばドローカードも含めて……出来るなら、ここで終わらせてしまいたいところだ。



「通常魔法『融合』発動! 手札の『燃え盛る炎の勇士センク』とヒクラで融合! 荒れ狂う炎を重ね、一切を灰に帰せ!融合召喚、『燃え盛る炎の勇士王』!!」
「ここで、融合モンスターを……」
「勇士王の効果発動! アルコイリスの攻撃力を0にして、このターン2回攻撃を可能にする!」


舞踏翼ディヴィーナ・アルコイリス 攻撃力2500→0


「そんな!?」
「バトル、勇士王でアルコイリスを攻撃!」



アルコイリスの効果で攻撃力を上げようが、勇士王の攻撃力を上回ることはない。この攻撃で、終わらせる!!



「リバースカードオープン! 通常罠『舞踏翼の羽休め』発動! アルコイリスを手札に戻して、墓地の宴を手札に戻す。さらにこのターン、私が受ける戦闘ダメージを0にする!」
「これも、凌ぐのかよ……!!」



だが、アルコイリスは手札に戻った。もう一度儀式召喚すれば手札消費は免れず、アルコイリスの効果を使うための手札がなくなる。逆転の芽はほぼ無いと言っていいはず……



「バトル終了、そのままターンエンドだ」



エン LP2500 手札1 モンスターゾーン 燃え盛る炎の勇士王 魔法・罠ゾーン 補給部隊
バイラ LP100 手札4



「……私のターン、ドロー!!」






窮地に追い込まれているはずなのに、決して勝負を諦めようとしない。今この瞬間にでも戦況がひっくり返ってしまいそうな、限界ギリギリの命のやり取り……それを実感してから、胸の高まりが収まらない。






「さあ来い! テメェと俺、どちらが最後まで立っているか……全力のぶつかり合いといこうじゃねえか!!」






「っ、私は……」









「エン!!」
「な……ゼロ!?」



デュエルを遮るように、俺たち2人の間にゼロが立つ。



「何チンタラやってんだ! もう客の避難は終わった、とっとと退散しろ!!」
「…………はぁっ!? ふざけんな、今いいところなんだよ!!」
「そんなこと知るかっ!! それに、外がヤバいことになってるって連絡が来たんだよ!」
「ヤバいこと、だと?」
「なんでもここの支配人が用意してた機械が暴走して、地上に出ちまったんだと! アスタにも追わせているが人手が足りねぇ、お前も力を……なんだと!?」



突然驚愕の声をあげるゼロ。どうやら、無線から連絡が入ったようだが……



「ど、どうしたんだよ?」
「……1台の機械が俺たちの包囲網を突破、周囲を破壊しながらとんでもない速度で会場から離れて行っている! もうすぐ、近くの劇団拠点に到達するって……」
「!?」



ゼロの言葉に、バイラは一瞬にして顔色を変え会場をあとにした。



「ちょっ、待てよ……!!」
「エン。……いいか、俺たちは傭兵だ。傭兵にとってデュエルは仕事を遂行するための手段に過ぎない。そこを履き違えるな」



この状況じゃデュエルは続けられないってことくらい分かってる。でも……!!






「っ……ああ、分かったよ!! 行けばいいんだろ!?」












キャラクター紹介


エン
モチーフ:【燃え盛る炎】 作者様:szmt様
傭兵ギルドアミューズ支部に所属する少年。
命懸けのデュエルがしたいためにギルドに入ったものの、デュエルのない仕事ばかりの現状に不満を覚えている。
デュエルスタイルは攻め一辺倒の単純なものだが、一度ペースに乗ってしまえば無類の強さを誇る。



バイラ
モチーフ:【舞踏翼】 作者様:ギガプラント様
アミューズの劇団に所属する踊り子の女性。荒削りだが情熱溢れる踊りが周囲からも評価されている。
同期の舞とは友人関係にあり、方向音痴の彼女を頻繁に目的地まで送り届けている。
正義感が強く、有志で結成されたアミューズ自警団に所属している。




【燃え盛る炎】、【舞踏翼】の使用許可をくださったszmt様、ギガプラント様、本当にありがとうございました!




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72 40話 張り巡らされた罠 365 2 2019-09-20 -
50 41話 一瞬の勝機 351 4 2019-09-29 -
27 42話 万物焼き尽くす業火 371 4 2019-10-05 -
26 43話 強者の孤独 378 2 2019-10-23 -
18 オリカまとめ14 268 0 2019-11-13 -
37 オリカまとめ15 337 0 2019-11-13 -
25 44話 幻獣の巫女 341 4 2020-01-09 -
24 45話 王を目指す者 246 2 2020-02-17 -
20 46話 君臨者と反逆者 305 4 2020-03-12 -
9 47話 ヒトガタの幻獣 258 4 2020-04-29 -
13 48話 架け橋 209 2 2020-05-11 -
7 オリカまとめ16 267 0 2020-05-19 -
12 幕間 『仲間』 223 4 2020-07-13 -
15 49話 機械の国インダスト 206 2 2020-07-20 -
10 50話 無双の姫君と反逆の機械 227 4 2020-08-05 -
7 51話 作戦会議 164 2 2020-08-30 -
7 52話 強襲 178 2 2020-09-10 -
6 53話 夢見る怪物 165 2 2020-09-17 -
11 54話 底知れぬ闇 202 4 2020-09-24 -
12 オリカまとめ17&告知 205 0 2020-09-30 -
27 SideFortune:何でも屋ハンディ 294 7 2020-10-03 -
15 Side Fortune:怪人ヴィラン 265 6 2020-10-08 -
16 Side Fortune:ゼロに還す者 248 6 2020-10-15 -
11 オリカまとめ18 158 0 2020-10-17 -
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11 オリカまとめ20&あとがき 209 2 2020-10-17 -
7 55話 最強の兵器 148 2 2020-10-22 -
12 56話 造られた理由 167 2 2020-10-28 -
8 57話 君臨する女帝 151 2 2020-11-03 -
1 オリカまとめ21 109 0 2020-11-09 -
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13 58話 孤独の女王 158 2 2020-11-10 -
9 59話 王女と女王、そして 176 4 2020-11-16 -
21 60話 時を紡ぐ剣 174 2 2020-11-21 -
16 61話 黒き意志 194 2 2020-11-26 -
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7 63話 傷の深さ 136 0 2020-12-07 -
18 オリカまとめ23 130 0 2020-12-14 -
2 オリカまとめ24 115 0 2020-12-14 -
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5 66話 契約 133 2 2020-12-27 -
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10 68話 影に潜む者たち 128 0 2021-01-08 -
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