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HOME > 遊戯王SS一覧 > TURN3 真実を知るための旅の始まり

TURN3 真実を知るための旅の始まり 作:コンドル


現在のフィールド
男  LP4000
古代機械の巨人 古代機械の飛竜 歯車街
墓地 切り込み隊長×2 威嚇する咆哮 メタバース
手札 0
遊紅 LP1800
??? 共鳴騎士団の名の下に 共鳴騎士団の斧使い ヨック
墓地 騎士団の槍兵 スラス 共鳴騎士団の旗持ち ラッグ 共鳴騎士団の剣士 レイド
手札1




人間の遊紅が姿を変えた「白狼」は嵐のような激しい咆哮を天に向かって叫ぶ。
その声の威力は男の意識は一瞬遠のかせたが、すぐに取り戻し眼前の白い人狼を見つめる。

「これが…」

その男は驚愕の表情をあらわにし、まじまじと人狼を見つめるが、人狼はそんな男の視線なぞ気にもせず叫び、そして放心したように脱力した。

「・・・?」

男が何かあったのかと言うようないぶかしげな顔で見つめると、遊紅は男の方を向き、牙をむき出しにした。

刹那、沈黙が場を支配し、狼は息を大きく吸って。
「ヨォォォッッック!!!」
己の配下であるモンスターの名を叫んだ。

TURN3 「真実を知るための旅の始まり」



ヨックは主の叫び声を聞くと、目の前にいる機械仕掛けの巨人を見て目掛けて携帯している斧を捨て、アイアンクローを決めて粉々に砕く。


共鳴騎士団の斧使い ヨック LV4 魚族 ATK1800 DEF100
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。 ①:このカードが戦闘を行う場合、相手モンスターの攻撃力は700ダウンする。②:自分メインフェイズに、このカードの攻撃力を1000下げて発動できる。相手モンスター1体を破壊する。

男は自慢のモンスターが効果で破壊されたことに驚くが、遊紅は止まらない。「ヨック」と叫んだその瞬間に飛竜も同時に砂となり消滅したことに気づく。

「何、巨人はともかくとしても何故に飛竜までも…まさか、これが」

そう言い切った瞬間、男の目の前に白い体毛に覆われた手が迫る。

「うおおおぉぉお!!!」

突撃しながらの顔面への平手打ちに加え、その手の先端に生えた五つの鋭い爪が男を吹き飛ばす。
吹き飛ばされて地面を二転三転する。男は地面に突っ伏し、「うぅ」と苦しそうな声を上げ、なんとか立ち上がろうと四つん這いの姿勢になる。

「な、何という力…まるで鉄の塊にぶつけられたような…」
「はぁ、はぁ…」
「く…」

男は目を瞑り歯を食いしばり何とか立ち上がる。その時であった。
豪快な音を上げながら遊紅たちの元に何かが近づいてくる音がする。

「何だ…うわあああ!」

一台の中型車が遊紅に勢いよく突撃してきた。
「うおおお!!!」
遊紅は激突寸前のところで回避し、即座に体勢を立て直す。

「リーダー!戻るのが遅いから心配で来ましたよ!あと、スライムの捕獲とそいつの力の影響で倒れている隊員達の回収も完了しましたから、リーダーも早く乗ってください!」
「だが、我々はこの「異形兵」の捕獲を命じられたのだぞ!引くわけには…」
「なに言ってんですか!このままじゃくたばりますよ!」
「くっ、分かった」
「おい!待て!」

男は車に乗り込み、出発の支持を部下に出す。車が発射すると、後ろに先ほどの青白い「スライム」と謎の男たちが呼んでいる存在がトラックに付けられている巨大な檻に入れられていた。その車も「リーダー」と呼ばれている男の車に続いて走り去っていく。

「お前!デュエルはまだ続いてるんだぞ!おい!町の人に、俺に何をした!何でデュエル中にこんな姿になる!?異形兵って何なんだよ!答えろよ…答えろ!答えろぉぉぉ!!!」

その叫び声はむなしく、男たちはいなくなってしまった。
デュエルが中断されたからか、遊紅の体は人間の姿に戻っていた。
「俺はこれからどうしよう…」
そうむなしく空に向かってつぶやく。
「・・・あいつらを追いかけて色々と聞きにいかないとな」
しばらく考え、答えは決まった。部屋に戻り、食料と飲料、2、3日分の衣服を黒を基調としたリュックサックに詰め込み、町を出る。
遊紅の目に涙はなかった。ただ、真実を確かめる意思だけが、彼を突き動かしていた。




「ただいま帰還いたしました」
すこし震えた声で遊紅と戦っていた男は静かで薄暗い空間にそう言った。
今にも狂いそうな震えを、理性で頑張って押さえつけようとしている様は、まるで痛いしつけをされるのにおびえる子供のようであった。
「よく生きて帰ってきたな。報告は貴様の部下から聞いている。」
男の前方から声が聞こえる。距離はかなりあるはずだが、部屋が静かだからか、男の心がそうするのか、その声は魂まで恐怖で染め上げるように恐ろしく、それでいて淡々とした口調だった。
「捕獲に失敗したそうだな?理由を聞いておこうか」
「は、はい。デュエルは私が有利に進めていたのですが、向こうが異形兵化したとたんに私の顔に攻撃を行ってきまして…」
「そこじゃない。何故その後部下の言葉を聞いてから逃げた?優勢だったのならばそのまま続行すればよかったのに」
「それは…あまりに攻撃を食らった時のダメージが大きく…」
「・・・そうか」
「はい、ですので」
「もういい。つまりお前はその痛みでそいつに恐怖し、戦いから逃げたのだ。貴様のような腑抜けに興味はない。ましてや任務から逃げるようなものはな。」
「その痛みの100倍の痛みをこれから味合わせてから空に行かせてやる。これが任務に失敗したお前への罰だ」

そう言い、男の眼前に突如針のようなものが突進してくる。
「ひっ」
思わず男は悲鳴を上げ目をふさぐ。


「お待ちください」

その声を聴いた瞬間に「針」はぴたりと止まり、吸い込まれるように暗闇に消えていった。
声の主は20代前半の黒髪の青年で、目を瞑ったままの男をかばうように前に立った。

「この者の処罰、私に任せてはいただけませんか」
「何?」
「報告には相手はタイプBのウルフとありました。ならば、それと似た私の爪で痛みを与えた方がより苦しいかと思いまして」
青年は無表情のままそう述べる。それを聞いた「針」を使った者は口角を上げたのか愉快そうな口調になった。
「面白そうだな。よし、そいつもお前にくれてやる。私は外を見てこよう。せいぜい楽しく遊んでやるんだぞ?」
「ありがとうございます」

そして青年は男を立たせどこかに連れていく。
しばらくして、何かが切れる音と、男のうめき声がその空間に響き渡った。
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