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賽は振られた 作:ゲトゥ

粗雑な男
「たくよぉ…面倒臭いガキだったぜ」

寂れた店の中で男は両足を机に載せ、椅子に座ってふんぞり返っていた。

そこは少し前まではカードショップを経営していた場所だったが、今では閉店していて、いるのは男一人だけだ。

「何があの店は見捨てねぇ、だ。あんの金髪のガキ、大人しく店に行かねぇと言っときゃ手荒な真似せずにすんだってのによ」

男は上着のポケットから1枚のカードを取り出した。

粗雑な男
「ま、あんだけやっときゃ。もう道楽園にいくこともねーだろう。それに、思わぬ収穫もあったしな、フッフッフッ…」

???
「そのカードから手を放しな。それはお前が持つべきカードじゃないぜ」

突然、声を掛けられた男は慌てて声のした方を振り向いた。

粗雑な男
「なんだァ?てめェ…」

そこはかつて男が店や、そこに通う客を脅して強引に閉店へと追いやった場所であり、今となっては誰一人来ることのないはずだった。

粗雑な男
「寂れたデュエルスペースにデュエリストが2人。となれば、勝負だよな…。こっちが勝てば、そのカードは返してもらうぜ…」

男はまるで揺らめく影が喋ったかのような錯覚をした。ハッとして慌てて舌打ちすると、

ケイト
「さっきのガキの仲間か?俺がプレデターのケイスと知っての挑戦だろうなぁ?俺が勝てば何を差し出すってんだぁ?」

影はスッと紙束を掲げた。


ケイト
「へぇ…札束か。結構あるな。よく見りゃ、道楽園のガキじゃねぇか。ママに内緒で店からかっぱらってきたってか?そんだけ取りゃ、あの店もすぐに閉店しちまうだろうなぁ」

テーブルから足を下ろし、挑戦者に対峙した。

ケイト
「当然、こいつは持ってんだよなぁ」

男は片腕にデュエルディスクを取り付け、それにデッキをセットした。

互いがデッキをセットし、手札を5枚引くと、それが開始の合図だった。
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