第４５話　おばあちゃんからのメッセージ　作：にしん

【ターン１：遊二のターン】
恵那「先攻はお兄さんどうぞ」
要「俺のターン・・・は？」

手札を眺める。このデッキは＜ウィジャ盤＞だったよな・・・？俺の手札には何故かエクゾディアのパーツが既に５種類揃っていた。

要「・・・手札にエクゾディア５種類揃ってるから俺の勝ち」
恵那「えっ！？」
結花「うわ遊二、ドローの本気出しすぎ」

常に逆転の一手、デスティニードローとは思っていたがいきなりこれは麻雀で例えると天和国士１３面待ちレベル。そもそもドローしてない。

ということでエクゾディア系を抜いて適当なカードを入れて再戦。

【ターン１：遊二のターン】
要「よかった普通の手札だ」
結花「確かに遊二にしては普通の手札だねー」
恵那「い、いきなり手札にＤＥＡＴＨ全部そろってなくてよかったです」
要「いやウィジャ盤全部そろってもフィールドに出さないといけないから逆に手札事故じゃ・・・とりあえずカードを１枚セット」

おばあちゃんのデッキだからかさっき抜いたエクゾディアはもちろん、他も昔のカードしかない。その前に入れたのもウィジャ盤のサポートカード、そしてエクゾディアの代わりに入れたカードも昔の防御札。古き良き運ゲーとはこういうことなんだろう。どのカードも懐かしくてニヤニヤしてくる。

要「んでフィールド魔法の＜ダーク・サンクチュアリ＞発動、モンスター１体セットしてターンエンドだな」

モンスター：セット１体
魔法・罠：ウィジャ盤（セット）
フィールド：ダーク・サンクチュアリ（ウィジャ盤の効果で死のメッセージを出す時にモンスター扱いでも出せた上で攻撃・効果も受けなくする＆相手モンスターの攻撃時にコイントスで無効化＆攻撃力の半分反射）

恵那「こうしてみると新しく出たサポートカードってかなりサポートしてますよね・・・昔、私もおばあちゃんみたいにエクゾディア使って運で勝とうとしたことありますけど全然でした」
結花「ワンキルツーキルが当たり前の今じゃ何かする前に終わるからねー。そう考えると遊二の影忍って何故か持つよねー」
要「守備表示を多用するデッキだからかもな。仕込み次第で後続も出るし」

ターン１終了

遊二
ＬＰ：８０００
手札：２枚
モンスター：セット１体
魔法・罠：ウィジャ盤（セット）
フィールド：ダーク・サンクチュアリ
墓地：ダーク・オカルティズム

【ターン２：恵那のターン】
恵那「ドローです」

そういえば恵那さん、何のデッキで来るか言ってなかったな。まぁ今あるカードじゃ何が来ても対処できないだろう。

恵那「わ、私もお兄さんみたいなデスティニードローでハーピィ引けたらなぁ・・・」
要「ということは魔法・罠除去系はなし・・・と」
恵那「で、でもウィジャ盤も特殊勝利まで時間かかるので、いつもの私とは違う、あぐれっしぶなデッキにしました。＜ゴブリン・ドバーグ＞召喚して効果で手札から＜トリオンの蟲惑魔＞を特殊召喚です。特殊召喚時効果でセットしたウィジャ盤破壊します」
要「魔法・罠除去系あったのか・・・」

召喚：ゴブリン・ドバーグ＞効果：特殊召喚＞トリオンの蟲惑魔
守備表示＞ゴブリン・ドバーグ
トリオンの蟲惑魔の効果＞破壊＞セットされたウィジャ盤

結花「あっ、そのデッキもしかして”遊戯王ＥＭ”の？」
恵那「は、はい。私も一時期エンタメっぽくデュエルしたくて・・・結局できませんでした」
要「まぁカードだけじゃ盛り上がらないよな」
恵那「えっと・・・続けますね。ゴブリンとトリオンで＜Ｎｏ．３９　希望皇ホープ＞をＸ召喚、更に重ねて＜ＳＮｏ３９．希望皇ホープ・ザ・ライトニング＞をＸ召喚です」

Ｘ召喚＞Ｎｏ．３９　希望皇ホープ＞重ねてＸ召喚＞ＳＮｏ．３９　希望皇ホープ・ザ・ライトニング：ランク５：攻２５００/守２０００：Ｘ素材３枚

遊戯王一時的引退後に猛威を振るったと言われるホープ・ザ・ライトニング。効果も耳に入っていて、対抗できるのは＜オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン＞や攻撃力５０００組ぐらいというのは知っていた。が、“遊戯王ＥＭ”の主人公の覇王烈竜デッキを少し変えたんだろうか。

要「ダリベじゃないのか」
恵那「盛り上げようとビートダウン主体に変えてみましたので・・・」
結花「一掃する覇王烈竜か、一撃封殺のホープ・ザ・ライトニングか、相手モンスターもろともねじ伏せるダリベか・・・どれがエンタメ的に盛り上がるのかなって思ったけど、あたしはどばばーんと吹き飛ばしたいから覇王烈竜かなー」
恵那「私もそう思いますけど手札次第って考えてる時点でエンタメ向けじゃないですね・・・」
要「俺は一撃かな。カオスＭＡＸとかインペリオン・マグナム、ＦＧＤみたいなパワーカードにはロマンがある」
結花「そういえば遊二、影忍にＳｉｎサイバーエンド入れてた」
要「影忍の秘術と称してロマンあるドラゴンというイメージな」

フィールド魔法依存ならどのデッキにも出張できると思う、Ｓｉｎは。

恵那「バトルフェイズでホープ・ザ・ライトニングでそのセットされたモンスターに攻撃・・・ですけど＜ダーク・サンクチュアリ＞の効果でコイントスですよね？」
要「いや、通す。というかホープ・ザ・ライトニングの効果で使えない」
恵那「あっ、確かに・・・忘れてたです。じゃあ攻撃です」

攻撃されたモンスターを反転させるとそれは本当に罠。＜処刑人ーマキュラ＞。こないだエラッタされて禁止から戻ってきたが古いカードなので記述は前のままだがこのデュエルではちゃんとエラッタ後で処理する。

恵那「で、でもホープ・ザ・ライトニングの効果でマキュラの効果は・・・」
要「場合の効果だから条件さえ満たせばダメージステップ終了後に使えば問題ない。手札から２枚目の＜ウィジャ盤＞発動だな」
結花「遊二、意外なところでルールの穴をついてくるからなー」
恵那「逆に私がルール・・・特に時と場合の処理知らなさすぎ・・・？」

とりあえずダメージは受けずに済んだ。だけど恵那さんの手札に残った３枚が気になるな。次のターン分のモンスターを用意しているかもしれない。

恵那「こんなこともあろうかと、私は＜ライバル・アライバル＞発動で手札から＜ＥＭドクロバット・ジョーカー＞召喚して効果で＜オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン＞を手札に加えます」
結花「おー、いつか遊二がやったやつ」
要「あの時は確か攻撃阻止の為にしたなぁ」
恵那「まだバトルフェイズなのでドクロバット・ジョーカーで直接攻撃・・・ですがダーク・サンクチュアリの効果ですよね？」
要「うむ」

＜ライバル・アライバル＞の効果で召喚＞ＥＭドクロバット・ジョーカー：星４：攻１８００/守１００

恵那さんはポケットから１００円玉を取り出し、綺麗な音を鳴らしてコインを弾き飛ばす。結構な回転をしながらそのコインはテーブルの上に落ち、すぐに静止した。表だ。ちなみに１００円玉の表は数字の方じゃないぞ。

要「＜ダーク・サンクチュアリ＞の効果で攻撃力の半分ダメージ反射」
恵那「うぅ・・・」
恵那：ＬＰ８０００→７１００

ターン終了と共に俺は＜ウィジャ盤＞と＜ダーク・サンクチュアリ＞の効果でモンスターゾーンに＜死のメッセージ「Ｅ」＞を置いた。

ターン２終了

遊二
ＬＰ：８０００
手札：１枚
モンスター：死のメッセージ「Ｅ」
魔法・罠：ウィジャ盤
フィールド：ダーク・サンクチュアリ

ＶＳ

恵那
ＬＰ：７１００
手札：１枚
モンスター：ＳＮｏ．３９　希望皇ホープ・ザ・ライトニング、ＥＭドクロバット・ジョーカー


【ターン３：遊二のターン】
要「ドロー・・・する前にウィジャ盤が揃うまで逆転チャンスタイムって思いこんで・・・むむむ、ドロー！」
結花「あはは、遊二無駄に気合入ってて笑うー」
恵那「で、でも本当に今必要なカードを引いたとしたら・・・」
要「ふむ」

俺が引いたカードはまさに今必要なカード、＜死の宣告＞。早速それをセットし、もう１枚もセットする。

要「完璧」
恵那「嫌な予感しかしないです」
結花「これは恵那ちゃんもハーピィをデスティニードローするしかないね」
恵那「が、頑張りますっ」

ターン３終了

遊二
ＬＰ：８０００
手札：０枚
モンスター：死のメッセージ「Ｅ」
魔法・罠：ウィジャ盤、セットカード２枚
フィールド：ダーク・サンクチュアリ

ＶＳ

恵那
ＬＰ：７１００
手札：１枚
モンスター：ＳＮｏ．３９　希望皇ホープ・ザ・ライトニング、ＥＭドクロバット・ジョーカー

【ターン４：恵那のターン】
恵那「わ、私のターン。お、お兄さんの真似してむむむ・・・ドローっ」
要＆結花「かわいい」

引いたカードを見て恵那さんの表情が明るくなる。もしや恵那さんもデスティニードローしたか。

恵那「＜ハーピィの羽根帚＞・・・じゃなかったですけど、手札を１枚捨てて＜ツイン・ツイスター＞発動しますっ！」
要「おおー引いてるなー」

本当にデスティニードローしたようだ。が、嬉しさのあまり無警戒なのもかわいい。俺はセットされたカードを発動させた。

要「＜身代わりの闇＞発動で無効。更に効果でデッキから＜バトルフェーダー＞を墓地に送り、もう１枚のセットカード＜死の宣告＞発動で１の効果でバトルフェーダーを手札に加える」
恵那「そんなぁ」
結花「まぁ遊二の事だし今必要なカードも最初から手札に入ってるよねー」
恵那「で、でもバトルでホープ・ザ・ライトニングのＸ素材を使って攻撃力５０００の直接攻撃です」
要：ＬＰ８０００→３０００

恵那「ドクロバッド・ジョーカーも攻撃・・・」
要「それは＜バトルフェーダー＞を捨てて強制終了」
恵那「ですよねー・・・」

そしてウィジャ盤の効果で死のメッセージが増えていく。

ターン４終了

遊二
ＬＰ：３０００
手札：０枚
モンスター：死のメッセージ「Ｅ」、死のメッセージ「Ａ」
魔法・罠：ウィジャ盤、死の宣告
フィールド：ダーク・サンクチュアリ

ＶＳ

恵那
ＬＰ：７１００
手札：０枚
モンスター：ＳＮｏ．３９　希望皇ホープ・ザ・ライトニング、ＥＭドクロバット・ジョーカー

【ターン５：遊二のターン】
要「むむむむむ・・・ドロー！よしきた！」
結花「流石デスティニードロー遊二」
恵那「このターン中に止めないとウィジャ盤ががが・・・」
要「＜死の宣告＞墓地に送って４文字目、んで１枚セットしてターンエンド」

ターン５終了

遊二
ＬＰ：３０００
手札：０枚
モンスター：死のメッセージ「Ｅ」、死のメッセージ「Ａ」、死のメッセージ「Ｔ」
魔法・罠：ウィジャ盤、セットカード１枚
フィールド：ダーク・サンクチュアリ

ＶＳ

恵那
ＬＰ：７１００
手札：０枚
モンスター：ＳＮｏ．３９　希望皇ホープ・ザ・ライトニング、ＥＭドクロバット・ジョーカー

【ターン６：恵那のターン】
恵那「私はおばあちゃんの本気には勝てないというメッセージですか・・・相手はお兄さんですけど」
要「サレンダーはまだ早いぞー」
結花「とかいいつつそのセットカード発動する気まんまんじゃん。恵那ちゃんドローした瞬間負け確定だよきっと」
要「ふふふ」

ということで途中から始まった謎のデスティニードロー対決は俺の勝ちとなった。さっきドローしてセットしたカードも＜死の宣告＞。しかし、最近のサポートカード入れるだけでこうも簡単に特殊勝利が狙えるとは。今の環境が高速化している影響だろうな。


デュエル終了

ＷＩＮ！！
要　遊二　ＬＰ：３０００
ＶＳ
桃井　恵那　ＬＰ：７１００

勝利理由：ウィジャ盤および死のメッセージがフィールドに揃ったためＤＥＡＴＨ。