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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第0話その3「片鱗」

第0話その3「片鱗」 作:にしん

【ターン1:ザックのターン】
ザック「ふむ・・・」

ザックは手札をじっくりと眺める。被検体“YU”は相変わらずザックの髪をじーっと見ていた。

ザック「所長」
天王寺「どうしましたか、ザックさん」
ザック「<覇王眷竜ダークヴルム>が2枚入ってますが・・・KC社のレギュレーション的に反してないですか?」
天王寺「覇王の研究のためなら解除などは朝飯前です。ちなみに解除しているのは我々研究者側だけなので、“YU”はちゃんとレギュレーションを守ったデッキになっています」

天王寺の説明を聞いたザックは改めて手札を見る。ザックの手札は現在1枚制限されている<覇王眷竜ダークヴルム>が2枚、0枚制限「禁止」の<強奪>が1枚、あとは覇王門2種類。

ザック「なるほど。かの覇王も厳しいデュエルを経て覚醒したと聞きましたが、それを再現している、ということですね。では・・・両方のPゾーンに<覇王門零>と<覇王門無限>を置き、ダークヴルム2体をP召喚、ダークヴルムの効果でデッキから<覇王門零>を手札に加え、ダークヴルム2体で<覇王眷竜ダーク・リベリオン>をX召喚してターンエンドです」
YU「・・・」

P召喚>覇王眷竜ダークヴルム×2>X召喚>覇王眷竜ダーク・リベリオン:ランク4:攻2500/守2000:X素材2枚

ザックの初動に対して被検体“YU”の反応は全くない。相変わらずザックの頭をじーっと見ていた。

ザック「反応全くなしですか」
天王寺「<覇王>に近いデッキを用意したんですけどね。次のターンに期待しましょう」

ターン1終了

ザック
LP:8000
手札:2枚
Pゾーン:覇王門零> 0×13 <覇王門無限
メイン:覇王眷竜ダーク・リベリオン:ランク4:攻2500/守2000:X素材2枚

VS

YU
LP:8000
手札:5枚

【ターン2:YUのターン】
YU「・・・ドロー」

静かにドローした瞬間、YUの身体から緑色の光が揺らめく。それを見たザックは唾を飲んで険しい顔になる。

ザック「これは・・・」
天王寺「ここまではいつも通りの反応ですね」
YU「手札を1枚捨てて<ペンデュラム・コール>を発動、デッキから<黒牙の魔術師><白翼の魔術師>を手札に加えてPゾーンにセット、P召喚で<調弦の魔術師><虹彩の魔術師><灰流うらら>を展開、調弦の魔術師がP召喚された時の効果で更にデッキから<黒牙の魔術師>を特殊召喚・・・」

Pゾーン>白翼の魔術師> 1 × 8 <黒牙の魔術師
P召喚>調弦の魔術師:星4:攻0/守0
P召喚>虹彩の魔術師:星4:攻1500/守1000
P召喚>灰流うらら:星3:チューナー:攻0/守1800
特殊召喚>黒牙の魔術師:星4:攻1700/守800:守備表示&効果無効

ザック「やはり・・・魔術師もそうですがペンデュラムの力は世界を揺るがすほどに恐ろしい」
天王寺「制限や禁止カードだけでは抑えきれませんからね、あれは」

ペンデュラムらしい素早くかつ安定した大量展開はもちろん、“YU”の身体から揺らめく緑色の光に夢中になる研究者たち。その後の展開は誰にでも予想できるため、誰も驚かず、何も言わない。

YU「・・・続けていいか?」
天王寺「いいですよ。中断してすみませんね。研究なので」
YU「チューナーの<灰流うらら>と<虹彩の魔術師>で<オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン>をS召喚、S召喚時の効果でPゾーンの黒牙を特殊召喚、黒牙2体で<星刻の魔術師>をX召喚、X素材を消費してデッキから<紫毒の魔術師>を手札に加え、通常召喚・・・」

ザック「早速最近生成したメテオバースト・ドラゴン・・・確かバトルフェイズ中に効果を発動できない効果を持ってたはず・・・」
天王寺「ええ。これは研究者414とデュエルした時、バトルフェイズ中の効果に対して生成されたカードです」
ザック「・・・相手は<希望皇ホープ・ザ・ライトニング>あたりでしょうか」

天王寺の隣にいた、名札に“414”と番号が振られた研究者がドヤ顔をする。

“YU”本体はもちろん、デュエルフィールドに浮かぶそのドラゴンからは、<覇王>の力を微量ながら検出されているのを天王寺らが見ている画面に映っていたし、ザックも感じている様子だった。

YU「<調弦の魔術師>と<紫毒の魔術師>で<ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン>をX召喚・・・バトル」
ザック「見せてもらいましょうか、<覇王>の力の片鱗を」

S召喚>オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン:星7:攻2500/守2000
Pゾーンから特殊召喚>黒牙の魔術師>もう1枚の黒牙の魔術師と共にX素材>X召喚>星刻の魔術師:ランク4:攻2400/守1200:X素材2枚
召喚>紫毒の魔術師>調弦の魔術師と共にX素材>X召喚>ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン:ランク4:攻2500/守2000:X素材2枚


・・・

デュエルの結果は言うまでもなかったし、研究も真新しい反応はなかった。

ザック「いやぁ私の完敗です。流石は<覇王>に最も近い子です」
天王寺「ザックさんでも駄目でしたか。久しぶりに結果が出ると思ったのですが」
ザック「強すぎて<覇王の力>を引き出す前に終わってしまいましたね。力の片鱗は確かに感じましたが。次は手札事故でも起こらないかな」

期待外れの研究結果だったが研究者たちはただ普段通りの話をしていた。YUもデュエルが終わったと同時に静かに別の覇王の子とデュエルを始めていた。


次の日からザックは研究よりもデッキの構築を真剣に行うようになった。
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