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HOME > 遊戯王SS一覧 > 凌斗VS『黒騎士』を操る女!③

凌斗VS『黒騎士』を操る女!③ 作:はにわ改

 
「ーー俺のターン、ドロー!」

巡る2回目の凌斗のターン。
凌斗は自分の完全なる有利を信じて疑わない。
前の『女』のターン、『女』は策に溺れてモンスターが自滅。
結果ライフは残り400まで減り、凌斗の場には攻撃力3500の『グリード・デバウアー』が健在。
『女』のフィールドには『黒騎士 アリアス』が攻撃表示だから、攻撃を通しさえすればそれで終わりだ、と。

凌斗はドローカードを確認すると、スタンバイフェイズを飛ばしてメインフェイズに入ろうとする。

「あ、ちょっと待って?
あなたのスタンバイフェイズに、私のカードの処理が発生するの」

「あん?
その伏せカードの事か?」

「いいえ。
あなたが『サイクロン』で『破壊してくれた』、『黒の聖剣 ロゼェリム』の効果よ」

「何だって?」

『女』が墓地に送った『ロゼェリム』のカードを拾い上げる。

「私の墓地に『黒騎士』が3種類以上存在する状態で、このカードが相手のカード効果で破壊された時に、次のスタンバイフェイズに効果が発動するの」

「さ、3種類以上、って、あの時点ではまだあんたの墓地には『メルセディア』と『リューゼリッド』の2種類しかないはずだろ!」

「おお、中々記憶力があるね?

でも、それは違うわ。
あの時には既に私の墓地には3種類の『黒騎士』が揃ってたの」

百聞は一見にしかず、と『女』が墓地から3枚のカードを取って凌斗に見せる。
それは『メルセディア』、『リューゼリッド』、そしてーー『ベアトリーチェ』ーー。

「そ、そんな、いつの間にーー」

「ほらほら、もう一枚墓地に送るチャンスがあったじゃない」

言われて凌斗が前の『女』のターンを振り返る。
するとそれはすぐに思い当たった。

「あ、『アリアス』の手札コスト、か……!」

「御名答♪
気付くのが早かったね。

んー?
この場合はむしろ遅かった?」

「く……っ!
ていうか、あれも先輩がよく使うカードだ……!」

さりげなく『アリアス』の召喚時効果の手札コストとして捨てられていた『ベアトリーチェ』。
そのカードも透矢が何度となく使用しているカードであり、凌斗の記憶に強く刻まれていた。

「じゃ、納得してくれたところで、効果処理に入るね?
自分フィールド上の『黒騎士』を墓地に送ってこのカードを手札に戻すことが出来て、更に相手フィールド上のモンスター1体を破壊できるの」

「な、何っ!?」

「私は場の『アリアス』を墓地に送って、『ロゼェリム』を手札に戻して、
君の『グリード・デバウアー』を破壊、ね?」

『女』のフィールドの唯一のモンスター『アリアス』が墓地へ送られ、代わりに『ロゼェリム』を手札に戻す。
すると同時に凌斗の『グリード・デバウアー』の周りを黒い光が覆う。
『ロゼェリム』が発する破壊しようとする力の顕れか。

「ぐ、『グリード・デバウアー』のモンスター効果!
このモンスターがカード効果で破壊される場合、攻撃力を800ポイント下げて破壊を無効に出来る!」

だが凌斗はその力に抗った。
『グリード・デバウアー』の攻撃力を800ポイント下げて、2700にする事でその破壊を耐え抜く。

「ふふ、便利なモンスターだね。
自身の能力で攻撃力を上げて、
時にはその貯金を吐き出せば破壊を無効に出来るなんて」

下がったとはいえ、未だ2700という攻撃を有する『グリード・デバウアー』。
片や壁モンスターを失った『女』。
ライフも残り僅かだというのに、その余裕は何なのか。

「(あのリバースカードか……)」

『女』の場にある伏せカード。
あの1枚でこのターンを凌ぐ自信があるのか、と凌斗は読む。

ならば、と凌斗は手札のカードの1枚を掴む。

「手札から魔法カード、『上級召喚法術式』を発動!
手札のレベルが5か6のモンスター1体を公開して発動!
同名のモンスターをデッキから1枚墓地に送り、そのモンスターをリリース無しで通常召喚する!」

「なるほど。
上級モンスターが召喚しやすいようなカード構成、か」

「俺は同名カードを墓地へ送り、この『グリード・バルサー』を召喚!」

『上級召喚法術式』なる魔法カード効果で、リリース無しでレベル6のモンスターが凌斗の場に召喚される。
現れたのは、後ろに向かって鬣のように鱗が伸びる顔を持ったドラゴン。
赤黒い鱗に覆われ、巨大な身体を四つ足で鎮座させるその姿は、その種族ならではの威圧感を与える。

攻撃力は2000ちょうど。
高レベルモンスターにしてはやや控えめな攻撃力、といえる。

「『グリード・バルサー』の効果!
このモンスターも相手の手札1枚につき、攻撃力が200ポイントアップする!」

「え?
まさかダメージまで飛んで来るの?」

「いや……その効果はついていない」

「そっか。
危ない、危ない……」

「あんたの手札は4枚だから、800ポイントアップ!」

『グリード・デバウアー』同様に、相手の手札の枚数に乗じて攻撃力を上げる効果を持つ『グリード・バルサー』。
これにより攻撃力は2800。
『デバウアー』同様、最上級モンスター並みの攻撃力を有した。

「そして『グリード・バルサー』の効果!
攻撃力を300ポイント下げることで、このターンのバトルフェイズでドラゴン族モンスターが攻撃するとき!
相手はダメステ終了時まで魔法・罠カードを発動できない!」

「ふむ……リバースカード封じ、か」

『グリード・バルサー』の上がった攻撃力が2500へ下がる。
だがこれで凌斗のバトルフェイズ中、ドラゴン族である『デバウアー』と『バトルー』の攻撃に対して、『女』はリバース・カードを発動できない。

「どうだ!
俺を嘗めた事を後悔しろ!」

「嘗めるなんて、そんな事ないのに……」

「へっ!
バトルだ!
『デバウアー』でダイレクトアタック!」

『グリード・デバウアー』が口から酸が混じった体液を『女』に向かって吐き出す。

ーー終わった。
凌斗は確信する。
『女』を護るモンスターはいない。
リバース・カードも無力化。
この攻撃、通らないはずがない。

ーーだがそれは凌斗が知る常識に過ぎない。

「ーー来て、『メルセディア』」

『女』が頷きながら呟く。

すると正面の地面を突き破って出てきたのは、巨大な黒い盾を前面に構えた全身鎧の戦士。
その黒い盾が『グリード・デバウアー』の体液を完全に遮断する。

「な、何だ何だ!
何が起きたんだっ!?」

「『黒騎士 メルセディア』はね?
墓地にいる状態で、相手が直接攻撃を宣言した時に特殊召喚が出来るの」

「ぼ、墓地で発動する効果……。

だ、だが、そいつの守備力は1900!
『グリード・デバウアー』の攻撃で破壊されたはずだ!」

「墓地から甦った『メルセディア』は、そのターン中、戦闘と効果で破壊されないの」

「く、くそ……ってことは、『バルサー』で攻撃しても意味がねぇのか……」

「惜しかったね?
ちょっと決着を焦りすぎたかな」

「(場をがら空きにしたのも、『メルセディア』の能力を活かすための作戦だったのか……!)」

黒い盾で『女』の危機を救っただけでなく、凌斗の攻撃を完全に防ぎ切った『メルセディア』。
このカードを事前に墓地へ送っておいたのも、この事態を見越しての『女』の作戦だったのである。

「た、ターン、エンド……」

それ以上特にする事もなく、凌斗はターンを終わらせるしかなかった。
流れを掴んでいたはずなのに、実は掴みきれていなかったのか。
今のターンで決着出来なかった事に、
そして『女』にターンを返してしまった事に不安を覚えずにはいられない。

「私のターン……ドロー!」

『女』の2ターン目。
着々と『布石』を進めていた『女』のデッキが遂に牙を剥く。
そしてそれこそが『女』と透矢と繋がりを証明することとなるのだ。

『黒騎士』の真なる力ーー。
それは透矢の『三騎士』と同じく、T・F召喚によって発揮される。
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はにわ改
オリカ詳細

・黒の聖剣 ロゼェリム
装備魔法カード
※②の効果のみ
②自分の墓地に『黒騎士』モンスターが3種類以上存在する時に、このカードが相手によって破壊され墓地に送られた場合、次のスタンバイフェイズ開始時にこのカードが墓地に存在する場合に、自分フィールド上に存在する『黒騎士』モンスター1体を墓地へ送って発動出来る。墓地に存在するこのカードを手札に戻し、その後相手フィールド上に存在するモンスター1体を選んで破壊する。このカード名のこの効果は1ターンに1度しか発動出来ない。

・グリード・デバウアー
効果モンスター
※③の効果のみ
③このモンスターが効果で破壊される場合、代わりにこのモンスターの攻撃力を800ポイントダウンさせる事が出来る。

・上級召喚法術式
通常魔法カード
効果
手札のレベルが5または6のモンスターカードを相手に見せて発動出来る。そのモンスターと同名のモンスターをデッキから1枚選んで墓地に送る。このターン、この効果で相手に見せたモンスターはリリース無しで表側攻撃表示で通常召喚出来る。

・グリード・バルサー
炎属性 ドラゴン族
レベル 6 攻撃力 2000 守備力 2000
効果
①このモンスターの召喚に成功した時、このモンスターの攻撃力は相手の手札1枚につき200ポイントアップする。
②相手がカードをドローした時、その時ドローした枚数×200ポイントこのモンスターの攻撃力がアップする。
③自分のメインフェイズ時に、このモンスターの攻撃力を300ポイントダウンして発動出来る。このターンのバトルフェイズ中、自分のドラゴン族モンスターが攻撃宣言した時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動する事が出来ない。

黒騎士 メルセディア
効果モンスター
※②の効果のみ
②このカードが墓地に存在し、相手モンスターが直接攻撃を宣言した時に発動出来る。墓地のこのモンスターを自分フィールド上に守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのモンスターはターン終了時まで戦闘・効果で破壊されない。このカード名のこの効果は1ターンに1度しか使用できず、またこのモンスターが墓地へ送られたターンには発動する事が出来ない。 (2020-06-18 11:53)

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