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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第20話 お迎え

第20話 お迎え 作:風鼠

スイレン「…じゃあ…行こ…」

カンナ「はい♪」

私は兎原カンナといいます。
本日はスイレン先輩と一緒に空港まで人を迎えに行く最中です。

カンナ「でも…今日誰を迎えにいくんですか?」

スイレン「…私の…家族…」

カンナ「あ、ご両親…ですか?」

スイレン「私の…弟…」

カンナ「え!スイレン先輩、弟さんいたんですか?」

スイレン「うん…今まで…海外の学校に…留学してたけど…留学期間…昨日で終わったから…」

カンナ「はぁ…留学できるなんてすごいです…」

新事実だった。スイレン先輩の家族は両親のことしか知られていなかったから…

柘榴魔「ん…あ、スイレン。と…その子は…」

スイレン「あ…練二…この子は後輩の…カンナちゃん」

カンナ「あ、え、兎原カンナといいます。よ、よろしくお願いします」

小柄で可愛らしい顔立ちで温和そうな雰囲気の美少年。片目には眼帯はしているものの、優しさが感じられる柔らかい表情。

カンナ「(この人がスイレン先輩の彼氏の練二さん…良い人そうだなぁ)」

柘榴魔「よろしくね。2人でどこか行くの?」

スイレン「うん…今から空港に…弟を迎えにいくの」

柘榴魔「へぇ。僕も一緒に行ってもいい?挨拶はしておきたいな」

スイレン「いいよ…カンナちゃんも…良い?」

カンナ「はい、私も良いですよ~」

柘榴魔「ありがと。でもスイレンに弟さんがいるなんて知らなかったなぁ」

スイレン「…聞かれ…なかったから…」

カンナ「た、確かに…」

スイレン先輩の家庭にはあまり触れないというのが暗黙の了解でしたから…

スイレン「ん…そろそろ行こ…」

柘榴魔「ん、そ、そうだね。」

カンナ「は、はい」

私達は空港へと向かう。

柘榴魔「あ…良いデートスポット見つけたんだ。今度行こうね」

スイレン「ん…そうだね…」

カンナ「…(き、気まずい…)」

向かうまでの道中、柘榴魔さんとスイレン先輩はデート等の話をしていく。

柘榴魔「あ、ごめんね。こっちの話ばかりして…」

カンナ「いえ…私のことは気にせずにお話してください…ひゃ」

スイレン「…カンナちゃんも…会話に混ざろ」

カンナ「は、はい…」

スイレン先輩は私の手を握り、優しく微笑む

柘榴魔「スイレンは、カンナちゃんにとっていい先輩?」

カンナ「もちろんです。優しくて綺麗で…すごく良い先輩ですよ~。…まぁ、すごくマイペースな方ですけど」

柘榴魔「はは…確かにスイレン、マイペースだからなぁ」

スイレン「そう…かな」

カンナ「それがスイレン先輩の可愛い所ですよ。」

柘榴魔「うん。それが魅力的だよ。スイレン」

スイレン「ん…2人に言われると…恥ずかしい…」

カンナ「(恥ずかしがるスイレン先輩可愛い…)」

スイレン先輩は頬を赤く染め、握っている手からのぬくもりが少し熱くなることがわかる。

柘榴魔「ここからは…バスだね。」

カンナ「空港行きのバスは…あ、次のバスですね」

スイレン「ん…それまで…座ってよ」

私は時刻表を確認した後、柘榴魔さんを挟んで備えつけられたベンチに座る。

柘榴魔「な、なんだか恥ずかしいな…」

カンナ「は、はい…」

スイレン「2人とも…顔赤い」

柘榴魔「だってカンナちゃんも可愛いし…」

カンナ「私も…異性とこうして座るのお父さん以外では初めてですぅ」

スイレン「…2人とも…初心で可愛い♪」

柘榴魔「もう…スイレン、からかわないでよ…」

スイレン「ふふ…」

カンナ「(スイレン先輩、柘榴魔さんが女性と遊んでもあまり気にしなさそうだなぁ。まぁ、柘榴魔さんがそういう人には見えませんけど…)」



-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
空港…
スイレン「ん…空港…久しぶり」

カンナ「あ、スイレン先輩達は最近旅行で来られたんですよね~」

柘榴魔「うん、あの旅行はたのしかったね」

スイレン「忘れ…られない」

柘榴魔「だね。」

カンナ「(いいなぁ…)弟さんの飛行機っていつ到着するんですか?」

スイレン「…ん…あと…20分くらい…」

柘榴魔「じゃあそれまでのんびり座ってようか」

カンナ「はい~。スイレン先輩の弟さんって外国の学校に行ってたんですか?」

スイレン「うん…小学校から…留学してたの」

柘榴魔「へぇ…弟さんてどういう子なの?」

スイレン「…マイペースで…のんびりしてる…」

カンナ「スイレン先輩に似てるんですね~」

スイレン「私…に?」

スイレン先輩は不思議そうに私を見つめる。

柘榴魔「…仲良くできるかなぁ」

スイレン「私と…できるから…柘榴魔君なら…できると…おもうの…」

柘榴魔「だと、いいなぁ」

カンナ「柘榴魔さんならできますよ」

柘榴魔「…ありがと。カンナちゃんに言ってもらえるとやる気が出てきたよ」

柘榴魔さんは優しい微笑みを私に向ける。

スイレン「(カンナちゃんとザクロ君…仲良く…なれたかな)」

カンナ「(あ…スイレン先輩、少しうれしそう)」

柘榴魔「(嬉しそうなスイレン…可愛いなぁ)」

スイレン「ん…2人して…見つめちゃだめ」

カンナ「はう、ご、ごめんなさい」

柘榴魔「ご、ごめんね、スイレン(照れるスイレンもまた…)」
私と柘榴魔さんに見つめられたスイレン先輩は頬を赤く染める。

スイレン「もう…。ん…もうそろそろ…かな」

カンナ「え、あ、もうそんなに経つんですか?」

柘榴魔「時間経つの案外早いものだね」

カンナ「そういえば…弟さんの顔知らないんですけど…」

スイレン「そう…だったね。これ…顔写真…」

柘榴魔「…ち、小さい…」

カンナ「(か、かわいい…)」

スイレン先輩から見せられた写真は少し古く、写っている少年もかなり幼い。

カンナ「こ、これじゃ流石に分からないですよぉ」

スイレン「でも…写真…これしか残ってない…」

柘榴魔「そ、そう…なんだ。」

カンナ「(スイレン先輩の家…少し特殊ですから…)」

スイレン「…ん…来た…」

カンナ「ぁ…」

スイレン先輩の視線の先、少し前に到着した飛行機から降りてきた人々の列の中に雰囲気の違う美少年の姿があり、私はその美貌に思わず心を奪われる

その少年は周辺を見渡した後、スイレン先輩の姿に気付いたように視線をこちらに向け、こちらに近寄ってくる。

???「…姉さん…」

綺麗で澄み渡る心地よい声が美少年から響き渡る。

スイレン「久し…ぶり…」

???「うん…だね…ん…こちら…誰?」

カンナ「わ、私兎原カンナといいます」

柘榴魔「僕は柘榴魔練二といいます。」

???「そう…僕…蓮一郎です…」

蓮一郎君は軽くお辞儀をした後優しい微笑みを私達に向ける。

スイレン「ザクロ君は…私の彼氏…だから」

柘榴魔「す、少し前から付き合ってます」

???→蓮一郎「…そう…よろしく…お願い…します」

蓮一郎君は柘榴魔さんを興味深く観察した後、小さく軽くお辞儀をする

カンナ「(蓮一郎君…綺麗だなぁ)」

蓮一郎「…そんなに…見られると…恥ずかしい…」

カンナ「あ、ご、ごめんなさい」

私は蓮一郎君の容姿に見とれていると蓮一郎君は頬を赤く染める。

柘榴魔「ふふ…でどうするのこの後。そのまま家に行くの?」

スイレン「どうする…蓮…」

蓮一郎「…ん…少し…街…歩きたい…」

カンナ「いいですね~街でどこ行きます?喫茶店ですか?」

スイレン・蓮一郎「猫カフェ」

柘榴魔「あはは…」

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
猫カフェ
スイレン・蓮一郎「にゃ~…」

カンナ「(あぁ、猫とかわいがるスイレン先輩も蓮一郎君も素敵ですぅ♪)」

柘榴魔「ホント猫好きだね~スイレン」

スイレン「好き…」

蓮一郎「僕も…好き」

カンナ「(スイレン先輩も蓮一郎君も楽しそうでよかったです)」

蓮一郎「カンナちゃんも…猫ちゃん…可愛がろう」

カンナ「はわわ…」

蓮一郎は猫を抱き寄せた後、カンナの隣に座る。

スイレン「ん…ザクロ君…も一緒に…」

柘榴魔「うん。(スイレン、いい匂いだなぁ)」

カンナ「(ぁ、柘榴魔さん…少し顔赤い…)」

蓮一郎君に対抗するように柘榴魔さんにスイレン先輩はすり寄る。

スイレン「ザクロ君も…猫ちゃんも可愛い…」

柘榴魔「ぼ、僕まで可愛がらないでよ…(嬉しいけど…)」

蓮一郎「にゃ~…」

カンナ「はわわ…(れ、蓮一郎君近いですぅ…)」

蓮一郎はカンナの膝の上で寝始めた猫をかわいがるためにすり寄る

カンナ「ん…ここの紅茶おいしいです~」

柘榴魔「だよね。ここのパンケーキも絶品だよ」

スイレン「ん…ザクロ君…私も…食べたい…」

柘榴魔「はい、スイレン、あ~ん」

スイレン「ん…おいしい」

柘榴魔「よかった。」

スイレン先輩は柘榴魔さんにパンケーキを食べさせてもらうと少し目を輝かせる。

カンナ「(いいなぁ…)」

蓮一郎「…カンナちゃん…僕に…してほしいな」

カンナ「えぇ!?…は、はい。いいですよ」

蓮一郎君は微笑ましくパンケーキを食べ合うスイレン先輩たちの姿に嫉妬したのか私に小動物のようなまなざしで見つめてくる。

蓮一郎「ん…おいしい…」

カンナ「(やっぱり血がつながってるんだなぁ)」

パンケーキを食べた蓮一郎君は目を輝かせる。

蓮一郎「ん…ふあぁ…食べたら…眠くなってきちゃった」

スイレン「…蓮は…飛行機で…移動で疲れ…たよね。そろそろ…帰る?」

蓮一郎「そう…しようかな」

カンナ「でも蓮一郎君ってどこに住むんですか?」

柘榴魔「あ、こっちにご両親いないし、スイレンは一座の施設に住んでるから家に帰っても1人か…」

スイレン「私とカンナちゃんと…同じ…施設にすむから…」

蓮一郎「…よろしくね…」

カンナ「え…えぇえ!?」

私はあまりの驚きに思わず声を上げてしまう

柘榴魔「でも蓮一郎君のこと座長の桔梗さんや茜さんに話した?」

スイレン「うん…一座の…手伝いをするなら…住んでもいいって」

カンナ「へ、部屋は…違いますよね?」

スイレン「さすがに…ね」

蓮一郎「うん…女子と一緒だと…気を使っちゃうから…」

柘榴魔「はは…そうだよね」

蓮一郎君が違う部屋であることに私は少し安堵し心をなでおろす

蓮一郎「ふあぁ…ん…そろそろ…行こ…姉さん」

スイレン「…そうだね…先輩たちも…待ってるから…」

カンナ「はい~簡単なものですけど歓迎会はありますので」

柘榴魔「じゃあ行こうか」

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
一座

柘榴魔「ん…着いたね」

談笑しながら蓮一郎君を連れ、一座の施設へと辿りつく。

蓮一郎「…」

スイレン「…蓮…そういれば…初めて…入る…よね」

カンナ「そうなんですか?」

蓮一郎「うん…門の前まで来たけど…その後すぐ僕は母さんと一緒に…海外に行ったから…」

柘榴魔「そうなんだ。」

カンナ「(スイレン先輩の家庭事情複雑そうだなぁ…)」

葵「あ、着いたんですね~♪あ、その人がお迎えした人なんですね♪」

葵ちゃんが外を様子見に出てくると、いつもの笑顔で私達に近寄ってくる。

スイレン「うん…私の…弟…」

蓮一郎「はじめまして…」

葵「わ!スイレン先輩の弟さん♪私、葵といいます♪」

葵ちゃんは天真爛漫な笑顔で手を差し出し握手を求める。

蓮一郎「ん…よろしく…僕…蓮一郎…」

葵「蓮一郎君だね♪よろしくお願いします♪」

スイレン「練二も…参加…してく?」

柘榴魔「う~んでも一座の施設に部外者の僕が入るのは…どうかなって」

彩愛「あら。貴方がスイレンの弟さんと彼氏さんね。ささ、入って」

葵「彩愛さんもそういってますし参加しましょうよ~♪」

カンナ「もう葵ちゃんは…」

柘榴魔「ん…じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」



-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
茜「へぇ~この子がスイレンの彼氏 ね~」

彩愛「可愛い顔してるわね~女の子みたい」

柘榴魔「よ、よく言われます」

柘榴魔さんは幼少の頃からスイレン先輩を育ててきた先輩たちに品定めをされ始める。

カンナ「…あ、蓮一郎君、何か飲みます?」

蓮一郎「ん…お茶…お願い」

カンナ「はい~」

私は空になった蓮一郎君のコップにお茶を注ぐ

葵「いや~スイレン先輩の弟さんが私達と同じ中2だと思わなかったよ」

詩音「はい~背も高いですし、なにより雰囲気が落ち着いてて大人っぽいというか…」

瑞樹「スイレン先輩と同じ血筋だけあって綺麗ね。」

蓮一郎「そう…かな?」

カンナ「綺麗ですよ~線も細いですし、なんだか王子様って感じで…」

葵「ね~♪豪華は庭園で紅茶のんでる姿似合いそ~♪」

瑞樹「蓮一郎君はどこの中学校に通うの?」

蓮一郎「…この近くの…桜木中学校に…」

葵「わ♪私達と同じ中学校だね♪一緒に登校しようね~♪」

満面な笑みで蓮一郎君にすり寄る葵ちゃんを瑞樹ちゃんが阻止する。

スイレン「…練二…」

柘榴魔「…ん?スイレンどうしたの?」

スイレン「この歓迎会…長くなりそう…だから…泊ってく?」

柘榴魔「う~ん…」

彩愛「泊ってもいいわよ。部屋は蓮一郎君と同じになるけど」

柘榴魔「じゃあ…泊っていこうかな。」

カンナ「(柘榴魔さんって意外と流されやすい…のかな)」

柘榴魔さんは少し考えた後、恥ずかしそうに承諾する。

茜「それにしてもスイレン。せっかく弟が帰ってきたのに喋らないの?」

スイレン「ここまで来るのに…いっぱい話したから…」

カンナ「(そ、そんなに話した…かな)」

茜「そっか。まぁ、これから一杯話せるし、ね」


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


カンナ「はわわ…」

スイレン「ん…カンナちゃん…もっと近くに…来て」

カンナ「はう…」

夜、スイレン先輩に誘われ部屋に訪れると、背後から抱き着かれ、一緒に布団へと潜り込む

カンナ「もう…スイレン先輩、なんで急に私と添い寝したいんですか?」

スイレン「…カンナちゃんと…蓮…雰囲気…よかったから…」

カンナ「そ、それでなんで添い寝を…」

スイレン「カンナちゃんの…品定め?」

カンナ「はう…品定めしないでくださいぃ」

スイレン「カンナちゃん…かわいい♪」

カンナ「もう…先輩は…」

スイレン「…カンナちゃんは…蓮のこと…どんな感じだった?」

カンナ「マイペースですけど綺麗で物静かなので…かなり好印象…です」

スイレン「カンナちゃん…顔…赤い」

カンナ「はう!」

スイレン「…もしかして…一目惚れ?」

カンナ「うぅ…そうです…」

スイレン先輩に心の中を読まれたかのような発言に小さくつぶやく

スイレン「…やっぱり…ね…カンナちゃんずっと蓮のことみてたから…」

カンナ「はう…そ、そんなに見てましたか?」

スイレン「うん…恋する瞳で…だから一目惚れなんだろうなって。…私…応援するから…ね」

カンナ「あ、ありがとうございます!…ん?も、もしかして…蓮一郎君に見合うかどうかの品定めだったんですか?」

スイレン「うん…」

カンナ「もう…それで品定めの結果は…」

スイレン「合格…」

カンナ「良かった…」

スイレン「このまま…寝よ」

カンナ「は、はいぃ」


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
柘榴魔・蓮一郎側


蓮一郎「…」

柘榴魔「(やっぱり…蓮一郎君って年下だけど僕より大人っぽいなぁ)」

蓮一郎「…ねぇ…柘榴魔…さん…姉さんと…デートしてるときってどんな気持ち…ですか?」

柘榴魔「え!」

蓮一郎君から予想外の質問が飛んできて、声を上げてしまう。

柘榴魔「…楽しくてスイレンの笑顔を見るとドキドキするけど安心できるよ」

蓮一郎「そう…ですか…」

柘榴魔「蓮一郎君に気になる人いるの?」

蓮一郎「うん…カンナちゃんが…気になる…甘えたくて…一緒にいると安心できる…」

柘榴魔「確かにカンナちゃんにパンケーキ食べさせてもらってたね~」

蓮一郎「それに…カンナちゃん…優しくて…僕の歩くペースに…合わせてくれてた」

柘榴魔「あ…そういえばそうだったね」

蓮一郎「カンナちゃん…彼女にしたいな…」

柘榴魔「応援するよ。」

蓮一郎「ありがと…ございます」

柘榴魔「さてと…僕はもう寝るけど蓮一郎君はどうする?」

蓮一郎「ぁ…僕も…もう少ししたら…寝ます…」

柘榴魔「じゃあ電気よろしくね、蓮一郎君」

蓮一郎「はい…おやすみなさい…」

柘榴魔「うん、おやすみ(蓮一郎君…良い子そうだね…)」



-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

カンナ「ふあぁ…いい天気ですね~」

翌朝、いつもより早く起きた私は中庭で朝日を浴び眠気を飛ばす

蓮一郎「ぁ…カンナちゃん…おはよう」

カンナ「え!ぁ、えと、お、おはようございます」

蓮一郎「いい…天気だね」

カンナ「は、はい…」

蓮一郎「カンナちゃん…早起き…だね」

カンナ「い、いえ…今日は早く目が覚めてしまって…れ、蓮一郎君こそ早いんですね」

蓮一郎「僕も…いつもは早くないんだけど…考え事してたら…早く起きちゃった」

カンナ「考え事ですか?私でよければ相談に乗りますけど…」

蓮一郎「ありがと…とりあえず…一緒に座ろうか」

カンナ「は、はい。そこに休憩用のベンチがありますので…」

蓮一郎「ん…考え事ってのは…カンナちゃん…君の事…だよ」

カンナ「え…えぇ?!」

ベンチに座り蓮一郎君の言葉に私は声を上げる。

蓮一郎「僕…カンナちゃんの事…好きになったみたい…だから…付き合いたい」

蓮一郎君に一目惚れした私にとっては渡りに船だった。

でも急展開すぎる。

カンナ「わ、私も…蓮一郎君の事…好きです…けど」

蓮一郎「…けど?」

カンナ「その出会った翌日にカップルになるのは早すぎます…ま、まずは良い友達から…じゃだめですか?蓮一郎君の事…よく知りたいです。」

蓮一郎「…うん。そう…だね。気持ちを伝えられてよかったよ」

蓮一郎君はどこか嬉しそうに微笑みを私に向ける。

カンナ「は、はい。」

葵「ふあぁ…あ、カンナちゃん、蓮一郎君いた~中庭で話してたの~?」

蓮一郎「ん…葵ちゃん…カンナちゃんに相談事…してた」

葵「そ~なの?私も乗るよ~♪」

カンナ「え、その…れ、蓮一郎君、施設内の案内、必要ですよね?」

蓮一郎「うん…必要」

カンナ「わ、私が案内しますので、いまから行きましょうか」

蓮一郎「だね…」

葵「え~相談事ってなに~?私も案内するから相談事乗らせて~♪」

私は蓮一郎君の手を握り、案内という名目で目を輝かせる葵ちゃんから逃げる

カンナ「ふふ♪」

蓮一郎「ん…」


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ヒラーズ
お久しぶりです。
相変わらず楓殿は……。
今後の展開が気になる所 (2020-07-05 18:58)
風鼠
ヒラーズさんコメントありがとうございます。
お久しぶりです!
楓殿は安定の通常運転です。
今後、カンナ、蓮一郎の展開はどうなるのか?(考えてない (2020-07-05 19:11)

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