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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第六十八話「視える未来(ビジョン)」

第六十八話「視える未来(ビジョン)」 作:イクス

第六十八話「視える未来(ビジョン)」


ダークネスカードの影響がプラクサスシティで様々出てきた中、ミナコ社による注意喚起が出るようにもなった。
ダークネスカードが流行っている。それを苦々しく思っているのは、当然ミナコ社。ロベルトは自分の部屋で思いにふける。
「デッキというのは、自分の力で作ってこそ意味がある……。だから、あんな風に簡単に手に入る力に頼っては、いつまで経ってもデッキは成長しないし、実力も成長しない……だからこそ、あんなものを早く駆除しなければ!」
「だけど、この町にあるアポカリプトの支部が見つからない以上、このまま黙って探すしかできないわよねえ」
「雛姫……確かにそうだよなあ……一応探させてはいるんだけど……」
だが、注意を受けようと受けるまいと、変わらない日常のところもあった。
ここ金持ちの子供が集う花園学園は、その筆頭であった。
「急げ急げ!」
「早く早く!」
何かにせき立てられるように広い廊下を走る生徒たち。それを横目で見るアキラとカリン。
「なんだなんだ、ここ最近昼休みや放課後になったら生徒たちがどっかに急いでいるが……」
「あら知らないのですか? 5年C組の彼の話」
「誰だよ?」
「鹿野ルイ君。なんかすごく占いが上手いらしいそうですわよ?」
「占い?」
「ええ、なんでもよく当たるって話だそうで……」
「へえ、そんななのかよ。ま……ちょっと見に行くか……」
「あら、珍しいですわね。いつもだったら『興味ねえな』って言うかと思ってましたのに」
「なーんかな、少し気になっただけだ。別に占ってもらおうなんて思ってねえ」
「ふーん、そうですの」
そうして、ウワサのルイのところにやってきた二人。そこには、ガヤガヤと人が群がっているところがあり、その中心には、机の上にカードを並べて思案をする少年がいた。そうしてカードをめくると、そこには『占い魔女』と書かれたカードがあった。
「うーん……明日の運勢はイマイチみたいだね。おとなしくしておいた方がいいね」
「そ、そうなのかよ~。ちぇっ、イマイチかあ……」
「ふーん、あんな感じか」
「あんな感じです」
(えーとそれじゃあもうおしまいにして……あっ、あれは……?)
アキラとカリンの二人が遠巻きに見ていた中、ルイはその二人の存在に気づく。すると、ルイはカードを裏返しにして机から離れ、アキラに近づく。
(やっぱり、そうだったか)
「君、アキラ君だよね? ほら、この間のデュエル大会で準優勝したっていう」
「んあ? 確かにそうだが……なんでそんなこと」
アキラの近くに詰め寄るルイ。その穏やかな顔立ちになびく茶髪がよく見える。
「まさかこんな有名人に出会えるなんて、僕としてもすごく喜ばしいことだよ」
「ふーん……お前、デュエルすんの? その割には、あの時出てなかったみてーだが……」
「用事があったからね。だから会えたことはすごく嬉しいことなんだ。そうだ、ちょっと待っててね」
するとルイは自分の机に戻り、カードを持ってアキラのもとへと戻ってきた。
「今日はもうおしまいにしようかと思っていたんだけど、占ってあげるよ。きっといいのが見えるはずだよ!」
「いらねえ。そういうの興味ねえし、俺には必要ない」
「そ、そんなー……」
「んじゃ、俺もう行くから」
「あ、それならせめて……コレを受け取って!」
すると、ルイは懐から折りたたまれた紙切れを出す。それを受け取り、アキラは懐に入れる。
「あのー……一人でそれを見てほしいな……」
「ま、見るくらいオッケーだ。んじゃ、またな」
「うん……」
「あ、これにて……」
そうしてカリンと一緒にその場を離れたアキラ。そうしてカリンとも別れた後、誰もいない場所でルイから渡された紙切れを開いた。
その紙には、綺麗な字で「明日の放課後、学園の裏庭で話があるんだ」とだけ書かれていた。
(何の話なんだか)
とだけ考え、その紙切れを机の上に置いて眠った。


翌日。学園が終わり、放課後になる。アキラはルイとの約束を遂行するため、学園の裏庭に来た。
そこには、当然のごとくルイがいた。
「やあ。来てくれたね、アキラ君」
「んで? 話って何だ?」
「あのさあ、未来が見えるとしたら、どんな風に思う?」
ルイのその言葉を聞いた途端、アキラはルイに背を向けてその場を立ち去ろうとした。
「ああっ、ちょっと待ってよお! なにもいきなり帰ることなんてないじゃないか」
「ヨタ話がしたいなら、その辺のヤツにでもしてるんだな。あいにく俺はそんな話をする気はない」
「ちょ、ちょっとくらい聞いてってもいいじゃないか」
「……占いのことか?」
「へ?」
「お前の父親の会社、帝国物産は確かに年商50億以上の会社だが……お前の父親は熱狂的な占い狂で、会社の行方を決めることは、全て占いで決めるって話だ。お前もそんな感じだっていうのなら、帰る」
「確かにねえ。僕のパパは、大枚をはたいて凄腕の占い師を雇って、占いさせているけど……占いなんていうのは、過去のデータや情報を元に、未来のデータを推測するものだよ。統計学に類似したものといわれている。だけど、うちのパパはそれで成功しているんだから、それはそれさ。問題は、未来が見えることなんだよ」
「占いのことだろ?」
「占いは、計算と確率の世界さ……直接知るわけじゃない。あくまで間接的にそうなることがあるってだけで……あくまで確率でしかない」
「さっきから何が言いたいんだよ」
「実はね……僕は時々未来のビジョンを見ることがあるんだ」
「……はあ?」
「はっきりとは見えない、けっこうおぼろげ。だけど、見えた景色は近いうちに必ず起こる出来事なんだ」
「??????」
「そして、僕がこのカードを見せたら、君は僕にデュエルを挑む」
そうして、懐から1枚のカードを取り出した。そのカードに、アキラは見覚えがあった。
「そ、それは……! ダークネスカード!」
「ほうら、その表情、見たことあるよ」
「テメエ……そのカードが何なのかわかって持ってているのか!?」
「さあ、どうだろうね?」
「……この間、遊太のヤツらが会ったダークネスカードの使い手は、全て異形の力を持っていた。お前もその類いなのか……? だったら、見過ごす訳にはいかねえな!」
背中のリュックからデュエルディスクを取り出し、左腕にセットする。
「やっぱり見た通りだ、ビジョンの通りになった。じゃあ僕もその通りにやらないとね」
ルイも左腕にデュエルディスクをつける。
「テメエ、やろうって言うのか!?」
「うん、その通りさ」
「ダークネスカードなんてくだらねえモンに頼って得た力なんて、そんなもの必要ねえ! それを思い知らせてやる!」

「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」


「先攻は君に譲ってあげるよ。アキラ君」
「どうなっても知らねえぞ……そんなやり方でやろうなんざ」
その勢いに、アキラの隣にいたキサラは語りかける。
(大丈夫? アキラ君)
(心配ない! ちょうど新しい形のデッキも作れたしな!)

1・アキラのターン

「俺のターン、俺は手札から魔法カード『トレード・イン』を発動! 手札のレベル8モンスター『青眼の白龍』を捨てることで、2枚ドロー!」(アキラ墓地0→2)
「そして俺は、手札から『聖刻龍-アセトドラゴン』を召喚! アセトドラゴンのレベルは5だが、リリース無しで召喚できる。その場合攻撃力は1000になるがな」(アキラ手札5→4)
「そして俺は、アセトドラゴンをリリースし、手札から『聖刻龍-シユウドラゴン』を特殊召喚する! このモンスターは自分フィールドの『聖刻』モンスターをリリースすることで、手札から特殊召喚することができる。そして、リリースされたアセトドラゴンは、手札・デッキ・墓地よりドラゴン族の通常モンスター1体を特殊召喚することができる! 俺はデッキから、レベル6の『エレキテルドラゴン』を特殊召喚する! ただしこの効果で特殊召喚したモンスターは、攻守共に0になるがな」(アキラ手札4→3)(アキラ墓地2→3)
「レベル6のモンスターが2体……ということは」
「俺はレベル6のドラゴン族モンスター2体で、エクシーズ召喚! 現れろランク6『聖刻龍王-アトゥムス』!」
黄金に輝くボディーを持った、紫の翼を持つ竜の王が現れる。攻撃力は2400。
「アトゥムスのモンスター効果、発動! コイツはエクシーズ素材を1つ取り除くことによって、デッキより攻守を0にしてドラゴン族モンスター1体を特殊召喚することができる! 俺はデッキより、レベル8『深淵の青眼龍』を守備表示で特殊召喚する! 来い!」
今回現れたのは、いつものブルーアイズには無い、しなやかな体と翼を持つ純白のブルーアイズ。
「特殊召喚に成功した『深淵の青眼龍』は、デッキから儀式魔法または『融合』を手札に加えられる。俺はデッキから『融合』を手札に加える」(アキラ手札3→4)(アキラ墓地3→4)
「カードを2枚伏せて、ターンエンド。この瞬間『深淵の青眼龍』の効果と、速攻魔法『超再生能力』を発動させる! エンドフェイズに『超再生能力』の効果でこのターンリリース、捨てられたドラゴン族の数だけドローする。このターンはそれが2回。よって2枚ドローし、『深淵の青眼龍』の効果で、デッキからレベル8以上のドラゴン族モンスター『青眼の白龍』を手札に加える」(アキラ手札4→2→1→3→4)(アキラ墓地4→5)

アキラ

ライフポイント8000
手札枚数4枚
モンスター2体
『聖刻龍王-アトゥムス』(攻撃表示・攻撃力2400・光属性・ランク6・X素材1つ)
『深淵の青眼龍』(守備表示・守備力0・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚


2・ルイのターン

「1ターンでそこまでやるとはね。しかもアフターケアは万全……これが準優勝の力とはね」
「僕のターン、ドロー!」(ルイ手札5→6)
「僕は手札から、フィールド魔法『フューチャー・ヴィジョン』を発動!」(ルイ手札6→5)
「『フューチャー・ヴィジョン』!?」
フィールドが突如、宇宙とも星空ともとれる景色になる。そして、その途中途中に、カードのような四角形に描かれた風景が流れていく。
「コイツは……」
「僕がたまに見る景色さ。こんなにはっきりとは見えないけど……まあ、コレの効果はは後の機会に取っておこうかな」
「で、お前はそんなくだらない占いみたいなこのフィールドでどうしようって言うんだ?」
「永続魔法『フォーチュン・ヴィジョン』を発動。この効果の発動処理として、デッキから『フォーチュンレディ』カードを1枚手札に加えることができる。僕はデッキより『フォーチュンレディ・コーリング』を手札に加える」
「そして僕は手札からレベル1『フォーチュンレディ・ライティー』を召喚する!」(ルイ手札5→4)
現れたのは、まるで悪魔を彷彿とさせる黄色の魔法使いモンスター。攻撃力は「?」と定まっていない。
「フォーチュンレディの攻守は、自身のレベルをかけた倍数となる。ライティーのレベルは1。ライティーはレベル×200の倍数だから、攻撃力は200になる」
「だが、それを召喚しただけでは……」
「その通り。ここで僕のフィールド魔法『フューチャー・ヴィジョン』の効果が発動する!」
すると、召喚されたライティーが消えてしまった。
「何……?」
「『フューチャー・ヴィジョン』は、召喚に成功したモンスターを除外する。もちろん、僕だってただ除外したわけじゃない。フィールドを離れたライティーの効果発動! カード効果によってこのカードがフィールドを離れた時、デッキから『フォーチュン・レディ』を特殊召喚できる! 僕が特殊召喚するのは、レベル2『フォーチュンレディ・ファイリー』!」(ルイ除外0→1)
ライティーの導きによって現れたのは、ライティーと似たような姿をした赤色の魔法使い。攻撃力は「?」だが、ライティーと同じくレベル×200の400となる。
「フィールドを離れることで、モンスターをリクルートできるだと……?」
「それだけじゃない。ファイリーは『フォーチュンレディ』によって攻撃表示で特殊召喚に成功したとき、相手モンスター1体を破壊して、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与えることができる!」
「何!? 厄介な効果だぜ……!」
「僕は当然アトゥムスを破壊してその効果を……」
「厄介だが、通すとは言っていない。罠カード『ブレイクスルー・スキル』を発動! 相手モンスター1体を対象とし、その効果を無効化する!」(アキラ墓地5→6)
「へぇ~。その手で、来たと」
「残念ながらそんな効果を易々と通してやるほど、俺は甘くはない」
「じゃあこっちで行くか……魔法カード『フォーチュンレディ・コーリング』を発動。このカードは自分フィールドに『フォーチュンレディ』がいる時、同名カードが存在しない『フォーチュンレディ』を特殊召喚できる! 僕はレベル4の『フォーチュンレディ・ウォーテリー』を特殊召喚する!」(ルイ手札4→3)(ルイ墓地0→1)
「ウォーテリーの攻守はレベル×300になる。よってウォーテリーは攻守共に1200になるんだけど……ま、これはどうでもいっか。ウォーテリーは、他の『フォーチュンレディ』がいる時に特殊召喚された時、2枚ドローできる」(ルイ手札3→5)
「おっ、これは良いカードを引いたなあ。ドローによって手札に加わった『占い魔女 ヒカリちゃん』『占い魔女 フウちゃん』は、手札から特殊召喚できる!」(ルイ手札5→3)
ルイの手札から現れたのは、ちっちゃい妖精みたいな姿をした色の魔法使い。ヒカリちゃんは黄色で、フウちゃんは緑。だがいずれも攻撃力0。
「ソイツはさっき占いで使ってた……」
「アレは占い用、こっちはデュエル用。『占い魔女』は手札から特殊召喚された時効果が発動する。ヒカリちゃんはフィールドのモンスター1体を墓地へ送り、デッキから魔法使い族・レベル1モンスターを特殊召喚でき、フウちゃんは除外されている魔法使い族モンスターを1体手札に加えられる。僕はヒカリちゃん自身を墓地へ送ってデッキからレベル1チューナー『フォーチュンレディ・パスティー』を特殊召喚して、フウちゃんの効果で除外されているライティーを手札に!」(ルイ手札3→4)(ルイ墓地1→2)(ルイ除外1→0)
はたまた現れたのは、黒の『フォーチュンレディ』。攻守は「?」だが、自身の効果で200となっている。
「チューナーモンスター……!」
「僕はレベル2ファイリーと、レベル4ウォーテリーに、レベル1のパスティーをチューニング! 運命を司りし魔女よ、千歳の先の未来を見通せ! シンクロ召喚! レベル7『フォーチュンレディ・エヴァリー』!」(ルイ墓地2→5)
現れたのは、今までと同じような『フォーチュンレディ』と違い、白の聖なる力を持つようなモンスター。攻守は他の『フォーチュンレディ』と同じ『?』だが、自身の効果により、レベル×400の2800となる。
「これが、お前のエースか……」
「さて、行こうかな。バトルフェイズ! エヴァリーでアトゥムスを攻撃! フォーチュン・パッセージ!」
「罠カード『聖なるバリア -ミラーフォース-』! 相手の攻撃宣言時、相手攻撃表示モンスターを全て破壊する! これでお前のモンスターは――」(アキラ墓地6→7)
「だけど、それじゃあ破壊されないよ」
「何!?」
聖なるバリアが攻撃を跳ね返すが、その攻撃を受け手もなお破壊されなかった。
「なぜだ、なぜ破壊されない……?」
「ああ、それは永続魔法『フォーチュン・ヴィジョン』の効果だね。僕のフィールドのモンスターが除外されたターン、僕のモンスターは破壊されない」
「ヤロウ、そんな効果を持っていたとはな」
「当然エヴァリーの攻撃は続行され、アトゥムスは破壊される!」
「くっ」(アキラライフ8000→7600)(アキラ墓地7→9)
「攻撃は通ったみたいだね。じゃあ僕は、メインフェイズ2で1枚カードを伏せて、ターンエンド。あ、一応『フューチャー・ヴィジョン』の効果は君にも適用されるから、召喚するモンスターは気をつけたほうが良いよ」(ルイ手札3→2)

ルイ

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター2体
『フォーチュンレディ・エヴァリー』(攻撃表示・攻撃力2800・光属性・レベル7)
『占い魔女フウちゃん』(守備表示・守備力0・風属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚
『フォーチュン・ヴィジョン』(永続魔法)
『フューチャー・ヴィジョン』(フィールド魔法)
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚


3・アキラのターン

「俺のターン、ドロー」(アキラ手札4→5)
「通常召喚しなきゃいいんだろ、しなきゃ。俺は手札より永続魔法『一点着地』を発動させる!」(アキラ手札5→4)
「墓地から光属性モンスター『エレキテルドラゴン』を除外し、手札から『暗黒竜 コラプサーペント』を特殊召喚する!」(アキラ手札4→3)(アキラ墓地9→8)(アキラ除外0→1)
「この時永続魔法『一点着地』の効果が発動される。手札からモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚した時、デッキから1枚ドローできる」(アキラ手札3→4)
「そして俺は手札から魔法カード『ドラゴニック・タクティクス』を発動! 自分フィールドのドラゴン族モンスター2体をリリースして、デッキからレベル8のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する! 俺はコラプサーペントと『深淵の青眼龍』をリリースして、デッキからレベル8『白き霊龍』を特殊召喚する!」(アキラ手札4→3)(アキラ墓地8→11)
現れたのは、ブルーアイズが更に白くなったようなドラゴン。攻撃力は2500とブルーアイズより劣るが、それでも。
「フィールドから墓地へ送られたコラプサーペントの効果、デッキから『輝白竜 ワイバスター』を手札に加える」(アキラ手札3→4)
「更に、召喚・特殊召喚された『白き霊龍』は、相手フィールドの魔法・罠を1枚対象として除外できる。俺は……フィールド魔法『フューチャー・ヴィジョン』を除外する!」
「そっちを除外かあ……てっきり永続魔法の『フォーチュン・ヴィジョン』を除外されるかと思ったんだけどなあ……だけど、『フォーチュン・ヴィジョン』の効果で、僕のモンスターは効果破壊されない」(ルイ除外0→1)
「知るかよ、これで通常召喚ができるようになったから、俺は手札から『アサルト・ワイバーン』を召喚!」(アキラ手札4→3)
「バトルフェイズ! 『アサルト・ワイバーン』で、『占い魔女 フウちゃん』を攻撃!」
刃を持つドラゴンが、ちっちゃな魔法使いを八つ裂きにする。ダメージは無いが、それでもモンスターが光り輝く。(ルイ墓地5→6)
「『アサルト・ワイバーン』は、戦闘でモンスターを破壊した時、このモンスターをリリースして手札・墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる! 俺は、墓地から『青眼の白龍』を特殊召喚する! 来い、ブルーアイズ!」
『アサルト・ワイバーン』の導きによって、墓地から蘇るブルーアイズ。攻撃力は3000と、非常に高い。
「これはバトルフェイズ中の特殊召喚なため、ブルーアイズは攻撃可能! 行け、エヴァリーに攻撃! 滅びの爆裂疾風弾!」
「罠カード発動。『次元幽閉』! 相手モンスターが攻撃してきた時、攻撃モンスターを除外する」
「チッ……ヤロォ。だが、このままじゃ終わらねえ。フィールドの『白き霊龍』の効果発動! 相手フィールドにモンスターがいる時、このモンスターをリリースして手札から『青眼の白龍』を特殊召喚できる!」(アキラ手札3→2)(アキラ墓地11→12)(アキラ除外1→2)
「このブルーアイズも攻撃可能だ。エヴァリーを攻撃!」
ブルーアイズのバーストストリームがエヴァリーを攻撃するが、なぜかルイにダメージは入らなかった。
「なに……?」
「永続魔法『フォーチュン・ヴィジョン』の効果。相手フィールドのカードが除外されたターンに、1度だけ戦闘ダメージを0にできる」(ルイ墓地6→7)
「そこまで用意周到とはな……メインフェイズ2に入り、速攻魔法『超再生能力』を再び発動して、ターンエンド。このターンにリリースされたドラゴン族は4体。よって俺は4枚ドローする!」(アキラ手札2→1→5)(アキラ墓地12→13)
「あ、君のエンドフェイズ、僕の墓地に存在するエヴァリーの効果が発動するよ。墓地の魔法使い族モンスター1体を除外することで、このモンスターは特殊召喚できる。ファイリーを除外して、このモンスターを特殊召喚する」(ルイ墓地7→6)(ルイ除外1→2)

アキラ

ライフポイント7600
手札枚数5枚
モンスター1体
『青眼の白龍』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚
『一点着地』(永続魔法)
墓地の枚数13枚
除外されているカード2枚


4・ルイのターン

「僕のターン、ドロー」(ルイ手札2→3)
「このスタンバイフェイズ『フォーチュンレディ』は時を加速させ、レベルが1つ上がる。これによりエヴァリーの攻守は400アップする。そして、エヴァリーは自身の効果でレベルが上がった時、相手モンスターを1体選んで除外できる。ああ、当然君のブルーアイズを除外させてもらうけど」(エヴァリーレベル7→8)(エヴァリー攻撃力2800→3200)
「チッ」(アキラ除外2→3)
「エヴァリーを攻撃表示に変更して、魔法カード『死者蘇生』を発動。墓地からモンスター1体を特殊召喚する。僕が特殊召喚するのは、ウォーテリー! 特殊召喚に成功したウォーテリーの効果で、2枚ドローする」(ルイ手札3→2→4)
「なら俺は、相手が特殊召喚に成功した時、手札1枚をコストに『ドラゴン・アイス』を特殊召喚する! 『ドラゴン・アイス』を手札から守備表示で特殊召喚し、永続魔法『一点着地』の効果で1枚ドローする」(アキラ手札5→3→4)(アキラ墓地13→14)
氷で包まれた……いや、氷がドラゴンの形をしたモンスターの守備力は、2200とそこそこ。
「そして僕は、ウォーテリーをリリースして、レベル5の『フォーチュンレディ・ダルキー』をアドバンス召喚するよ」(ルイ手札4→3)(ルイ墓地6→7)
現れたのは紫色の『フォーチュンレディ』。攻撃力は相変わらず「?」だが、レベル×400となり、レベル5の2000となる。
「行くよ、バトルフェイズ。エヴァリーで『ドラゴン・アイス』に攻撃! フォーチュン・パッセージ!」
「ぐうっ……」(アキラ墓地13→14)
「更に、自分の『フォーチュンレディ』が戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、ダルキーの効果が発動する。自分墓地の『フォーチュンレディ』1体を特殊召喚できる! 僕が選ぶのは、当然ウォーテリー。そしてウォーテリーの効果で、もう一回2枚ドローする」(ルイ手札3→5)(ルイ墓地7→6)
「なら俺は、もう一回手札を1枚捨てて、『ドラゴン・アイス』を墓地から特殊召喚する!」(アキラ手札4→3)
「ふーむ……『ドラゴン・アイス』の守備力は2200。ダルキーの攻撃力では突破できない……仕方ないか。メインフェイズ2に入り、カードを2枚伏せてターンエンド」(ルイ手札5→3)

ルイ

ライフポイント8000
手札枚数3枚
モンスター3体
『フォーチュンレディ・エヴァリー』(攻撃表示・攻撃力3200・光属性・レベル8)
『フォーチュンレディ・ダルキー』(攻撃表示・攻撃力2000・闇属性・レベル5)
『フォーチュンレディ・ウォーテリー』(守備表示・守備力1200・水属性・レベル4)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『フォーチュン・ヴィジョン』(永続魔法)
墓地の枚数6枚
除外されているカード2枚


5・アキラのターン

「俺のターン、ドロー!」(アキラ手札3→4)
(なんだ……? この見透かされているように次々といいようにされているのは……)
「俺は手札から、魔法カード『召集の聖刻印』を発動。この効果により、俺はデッキから『聖刻』モンスター1体を手札に加える。俺が手札に加えるのは『聖刻龍-トフェニドラゴン』」(アキラ墓地14→15)
「そして相手フィールドにのみモンスターがいる時、手札から『聖刻龍-トフェニドラゴン』は特殊召喚できる! そして永続魔法『一点着地』によって、カードを1枚ドロー!」
「そして俺は、トフェニドラゴン1体をリリースして、手札から『聖刻龍-シユウドラゴン』を特殊召喚する! これにより、リリースされたトフェニドラゴンの効果が発動し、デッキからドラゴン族・通常モンスター1体を特殊召喚する。俺はデッキから『青眼の白龍』を特殊召喚する」(アキラ手札4→3)(アキラ墓地15→16)
「そして俺は手札から、魔法カード『救援光』を発動。800ポイントライフを支払い、除外されている光属性モンスター1体を手札に加える。俺は当然『青眼の白龍』を手札に加える」(アキラライフ7600→6800)(アキラ墓地16→17)(アキラ除外3→2)
「魔法カード『融合』を発動! 手札とフィールドの『青眼の白龍』2体を融合させ、融合召喚! 現れろ『青眼双爆裂龍』!」(アキラ手札3→1)(アキラ墓地16→19)
「そのモンスターは確か、モンスターへの2回攻撃を可能としたモンスターだったね……」
「行くぜ! バトルフェイズ! ツインバーストでダルキーを攻撃! 滅びのツインバーストストリーム!」
「ぐうっ、やるねえ!」(ルイライフ8000→7000)(ルイ墓地6→7)
「そして俺は、ツインバーストでエヴァリーへと攻撃!」
「普通なら、自爆する攻撃だけど……そのツインバーストは戦闘で破壊されなかったモンスター1体を除外する効果をもっていたんだよね。ならそれは防がせてもらう。罠カード『フォーチュン・スリップ』! 相手モンスター1体の攻撃を無効化して、攻撃対象となったモンスターを次のスタンバイフェイズまで除外する。これで君の攻撃はなかったことになる!」(ルイ墓地6→7)(ルイ除外2→3)
「なら俺は、シユウドラゴンでウォーテリーを攻撃!」
「……」(ルイ墓地7→8)
「俺はこれで……ターンエンド」

アキラ

ライフポイント6800
手札枚数1枚
モンスター2体
『青眼の双爆裂龍』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル10)
『聖刻龍-シユウドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2200・光属性・レベル6)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード1枚
『一点着地』(永続魔法)
墓地の枚数19枚
除外されているカード2枚


6・ルイのターン

「僕のターン、ドロー」(ルイ手札3→4)
(……まだこないな。ビジョンで見た景色は……でも、僕の見たビジョンは近いうちに絶対起こる。それだけは間違っていないんだ。確かソイツは白い髪が見えた……はずなんだけど、彼のデッキはドラゴン族だしなあ……?)
「このスタンバイフェイズ『フォーチュン・スリップ』で除外されているエヴァリーがフィールドに戻ってくる。そして効果によってレベルが1つ上がり、君のツインバーストを除外させてもらう」(エヴァリーレベル7→8)(エヴァリー攻撃力2800→3200)
「またしても……」
「そして魔法カード『フォーチュンフューチャー』を発動。除外されている『フォーチュンレディ』1体を墓地に戻して、2枚ドローする。除外されているファイリーを墓地へ戻し、2枚ドローする」(ルイ手札3→5)(ルイ墓地8→10)
「そして、ドローによって手札に加わった『占い魔女 チーちゃん』を手札から特殊召喚する。チーちゃんは、手札から特殊召喚された時互いにデッキから1枚ドローできる。さあ、カードをドローしなよ」
「……」(アキラ手札1→2)
「そして、魔法カード『救魔の標』を発動。墓地から魔法使い族の効果モンスター1体を手札に加える。僕は墓地より『フォーチュンレディ・ダルキー』を手札に加える」
「そしてチーちゃん1体をリリースして再びダルキーをアドバンス召喚する!」(ルイ手札5→4)(ルイ墓地10→11)
「覚悟は良い? バトルフェイズ! エヴァリーでシユウドラゴンを攻撃! フォーチュン・パッセージ!」
「ぐうっ!」(アキラライフ7000→6000)(アキラ墓地19→20)
「そして、ダルキーの効果がまた発動する。ウォーテリーを今度は攻撃表示で特殊召喚して、僕は2枚ドローする」(ルイ墓地11→10)(ルイ手札4→6)
「くっ、『ドラゴン・アイス』はダメージステップには特殊召喚できない……!」
「じゃあ、攻撃に対しては無防備ってことで良いよね。僕はダルキーで、ダイレクトアタック! と、ここで僕は速攻魔法『タイムパッセージ』を発動。自分フィールドの『フォーチュンレディ』のレベルを3上げる。これにより、レベル8になったダルキーの攻撃力は3200となり、このダメージが加わる!」(ルイ手札6→5)(ルイ墓地10→11)
「うおおおっ!」(アキラライフ6000→2800)
「そしてウォーテリーでも攻撃する!」
(……おかしい。僕の見たビジョンがこのまま起こらないなんて……!)
「罠カード『マジシャンズ・サークル』を発動! 魔法使い族の攻撃宣言によって発動し、攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。よって僕は攻撃力1600の『ソリテア・マジカル』を特殊召喚する」
(……これで総攻撃力はアキラ君、君のライフを0にすることができる……もしビジョンの通りにならなければ……この勝負。なんのために……)
「あ、一応言っておくけど、罠カード『マジシャンズ・サークル』の効果は君のフィールドにも影響する。君もデッキから、攻撃力2000以下の魔法使い族モンスターを特殊召喚してもいいんだよ。もっとも、そのカードがあればの話だけど……」
(攻撃力2000以下の魔法使い族……いた! 俺のデッキには、その効果で特殊召喚できるモンスターがいる!)
「この効果により、俺はデッキからモンスターを特殊召喚する!」
「なんだって!? ドラゴン族を主体とする君のデッキには、魔法使い族なんて……!」
「いるんだよ、1体だけな。そのカードを発動してもらわなかったら、俺は危うく次のドローで勝負しなけりゃいけなかったところだ……! 俺にもまだ、ツキがあったってことかね……俺はデッキから、攻撃力0の『青き眼の乙女』を攻撃表示で特殊召喚する!」
「なに……?」
現れたのは、白き肌と髪を持つ、青き眼の女性。『マジシャンズ・サークル』の効果で召喚されたとはいえ、攻撃力0を簡単に立たせることに、疑問を抱く……前に、ルイの視界がぼやける。
(こ、これは……僕が見たビジョン!? 僕が見るビジョン、未来に起こることは、起こる前にはぼやけてみえる。だけど、起こる時にはっきり見えるようになる。それがこれだっていうのか……!)
「バトル終了。メインフェイズ2に入って『ソリテア・マジカル』の効果発動。『フォーチュンレディ』のレベルを3つ下げて、相手モンスター1体を破壊する。レベル8となっているダルキーのレベルを3下げて5として、君の乙女を破壊させてもらうよ!」(ダルキーレベル8→5)(ダルキー攻撃力3200→2000)
「効果の対象となった乙女の効果発動! 墓地から『青眼の白龍』を特殊召喚できる!」
「なにっ!?」
「乙女の導きによって、現れろ『青眼の白龍』!」(アキラ墓地20→19)
乙女の祈りによって、墓地から復活するブルーアイズ。その攻撃力は3000と、圧倒的である。
「乙女は破壊されるが、それでも問題ない」(アキラ墓地19→20)
「やるねー、やっぱりそうでなくちゃ。ビジョン通りになるまえに終わっちゃ面白くないよ」
「ビジョンだと? まーだそんなこと言ってやがんのか。まあ、今は関係ないことだ」
「ビジョン? あー……その通りになったみたいだね」
「んだよ、もう関係ねえだろ。で、お前のターンは終わりなのか!?」
「ああ。僕は3枚カードを伏せてターンエンド」(ルイ手札4→1)
(伏せたカードは、相手の攻撃に反応してモンスターを全て破壊する『聖なるバリア -ミラーフォース-と、』相手のモンスター効果発動+特殊召喚召喚に対して、ライフポイント1500支払って発動する『神の通告』に、相手フィールドにモンスターを特殊召喚してレベルを大きく上げる『ギブ&テイク』……これでレベル6のチーちゃんを特殊召喚してエヴァリーの攻撃力を上げれば、返り討ちにできる……)
(でも、これで僕が負けるなんて。ビジョンは残酷だなあ……)

ルイ

ライフポイント7000
手札枚数1枚
モンスター3体
『フォーチュンレディ・エヴァリー』(攻撃表示・攻撃力3200・光属性・レベル8)
『フォーチュンレディ・ダルキー』(攻撃表示・攻撃力2000・闇属性・レベル5)
『フォーチュンレディ・ウォーテリー』(攻撃表示・攻撃力300・水属性・レベル1)
『ソリテア・マジカル』(攻撃表示・攻撃力1600・光属性・レベル4)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード1枚
『フォーチュン・ヴィジョン』
墓地の枚数11枚
除外されているカード1枚


7・アキラのターン

「俺のターン、ドロー」(アキラ手札2→3)
「魔法カード『貪欲な壺』を発動。墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドロー『アサルト・ワイバーン』『聖刻龍-シユウドラゴン』『聖刻龍-トフェニドラゴン』『聖刻龍-アセトドラゴン』『聖刻龍王-アトゥムス』『ドラゴン・アイス』をデッキに戻し、2枚ドロー!」(アキラ手札2→4)(アキラ墓地20→15→16)
「そして、墓地にある『ダークストーム・ドラゴン』を除外し、手札から『輝白竜 ワイバスター』を特殊召喚し、永続魔法『一点着地』の効果でデッキから1枚ドローする」(アキラ墓地16→15)(アキラ除外2→3)
「魔法カード『局所的ハリケーン』を発動! フィールドにセットされた魔法・罠を全て手札に戻す!」(アキラ手札4→3)(アキラ墓地15→16)
「それにチェーンして、罠カード『ギブ&テイク』を発動! 墓地のレベル6チーちゃんを君のフィールドに特殊召喚して、ウォーテリーのレベルを6上げて10にし、攻撃力を4000に!」
「何をやっても止まらねえぜ。俺は手札から、魔法カード『復活の福音』を発動! 墓地からレベル7か8のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる。俺は『青眼の白龍』を特殊召喚する!」(アキラ手札3→2)
「そして俺は、手札から装備魔法『D・D・R』を発動! 手札1枚をコストに、除外されているモンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備する。このカードが離れた時装備モンスターは破壊される。俺は、当然同じ『青眼の白龍』を特殊召喚する!」(アキラ手札3→1)(アキラ墓地15→16)(アキラ除外2→1)
アキラのフィールドに、3体のブルーアイズが召喚された。だが。
(エヴァリーの攻撃力はすでにブルーアイズの攻撃力を上回っている。墓地の『ブレイクスルー・スキルを使って『フォーチュンレディ』の効果を無効化して3000ダイレクトを決めても、残りのダルキーと『ソリテア・マジカル』を攻撃しても、僕のライフは7000。どっちにしても合計ダメージは5400……残る。ここからどうやって僕を負かす?)
「……なんか考えているだろうが、もう止まらねえって言っただろ。墓地の『深淵の青眼龍』を除外して効果発動! 俺のフィールドに存在するレベル8以上のドラゴン族モンスターの攻撃力を全て1000アップさせる!」(アキラ墓地16→15)(アキラ除外1→2)
『深淵の青眼龍』によって、アキラのフィールドに存在するブルーアイズの攻撃力が全て4000となる。
(これでは、防ぐ方法がなければ僕のライフが0になる!)
「さて、墓地の『ブレイクスルー・スキル』を除外して、お前のエヴァリーの効果を無効化し、攻撃力を0とする!」(アキラ墓地15→14)(アキラ除外2→3)
「バトルフェイズ! 俺はブルーアイズで、攻撃力が0となっているエヴァリーを攻撃!」
「罠カード発動! 『聖なるバリア -ミラーフォース-』! 相手モンスターの攻撃に反応し、相手攻撃表示モンスターを全て破壊する!」
「墓地の『復活の福音』を除外し、効果適用! 俺のドラゴン族モンスターの破壊を防ぐ!」(アキラ墓地14→13)(アキラ除外3→4)
「……! どうやら、僕はもうこの攻撃を防ぐ手立てはないみたいだね」
「そうだ。もうお前のライフは0になる! エヴァリーを攻撃!」
「ぐうっ」(ルイライフ7000→3000)
「そして、『ソリテア・マジカル』を攻撃!」
「ああっ」(ルイライフ3000→400)
「そしてダルキーを攻撃! 滅びの爆裂疾風弾!」
「あああっ!」(ルイライフ400→0)
「俺の勝ちだ!」


そうして、デュエル終えたアキラとルイはというと。
「デュエルを終えたが……お前結局ダークネスカード使わなかったな……なんだったんだ? お前」
「ああコレ? なんか変なヤツからもらったけど……なんか危険な匂いがしたから使わなかっただけさ。ヤバイカードなんでしょ? コレ」
デッキからダークネスカードを出すがヒラヒラとするだけでなにもしない。それをアキラに手渡す。
「コレ、ミナコ社の担当に渡しといてよ。デッキに入れてもいないのに、いつの間にか勝手にデッキに入ってるんだから、もー恐ろしくて」
「確かダークネスカード1枚につき好きなカード10枚と交換だろ? なんで俺に渡すんだよ?」
「僕はあんまりこういうの興味ないし? まあ、君の役に立ててよ」
「なんだそりゃ?」
「あーそれと……北の廃工場あたりに僕にそのカードを渡したヤツがいる……というビジョンが見えたよ。どうやらそこにでもいるんじゃないかな? ま、頑張ってよ……」
そうして、ルイはそのまま帰って行った。
「なんだよアイツ……わからん、全くわからん。ま、これでも手土産にして話してやるか。ロベルトさんに」


そうして、ロベルトさんのところへ電話をしたアキラ。
「なんだって? その子はそんなことを言っていたのかい? 北の廃工場辺りか……そこは確かに、前々から調査しているんだけどね……」
「だけど、見たとか言うんだよ。未来予知だとかなんだとかで」
「未来予知かあ……でも、そんなのはおいといて……ともかく、そこでの目撃情報があるなら、いっそ調べてみるのもいいかもしれないな……ともかく、調査班に連絡を――」
「ロベルトさん! たった今、情報が入りました! プラクサスシティ北にある廃工場に、アポカリプトの人間が出入りしているという情報が入りました!」
「なんだって……!? ああ、アキラ君? どうやらその通り情報が入ったから、そろそろ電話切るね……それじゃあ」
ガチャンと電話を切り、次の連絡先に電話をかける。
「もしもし、雛姫か? 見つかったらしいんだ、ヤツらのアジトが……ああ、君の助けも借りたい。なんでもあの子の友達が未来予知で見たとかも言っていたんだが……それはどうでもいいだろう。ともかく、プラクサスにいるヤツらのアジトを潰すには絶好のチャンスだとは思うんだが……ああ、わかった。近々連絡する」


そうして、ルイの方も……。
「これでいいでしょ? これで。イモータルさん?」
「ええ、ばっちりよ。ルイ君」
ルイが会っていたのは、白いドレスとつばの広い帽子を被り、顔全体を覆う白の仮面を被った人物。
「しかしまあ、こういう人間がいるとはね……未来をおぼろげな形とはいえ、ビジョンとして見れるなんて。そういった、普通の人とは違ったモノを持っているなんて……どうして?」
「わかんないよ、生まれつきこうなんだからさあ。強いて言うなら、親が異常に占いが好きってぐらいしかわかんないし」
「で、あなたは私が君と会うことも予知してたの?」
「おぼろげだけど、前に君にそっくりな人を見たんだ。あ、もちろんビジョンで……だけど。で、君に頼まれてこう……やった訳さ。わざわざデュエルまでしてねえ」
「でも、楽しかったでしょ? そんなことより、私たちはあのふざけた名前の組織をぶっ潰したいだけ。後ろに何者かがついているか知らないけど、何かよからぬことを企んでいるみたいじゃない、あいつら。そんなことされたら私たちの平穏な生活は台無しだから、動いているだけ。それに……気に入った子もあの町にはいるし」
「へえ、恋……とかするの?」
「いいじゃない。ともかく、しばらくしたら大きなことがある。それまであなたも……ね?」
「わかった。君も……せいぜいあの組織にやられないようにね」
「殺せるものなら殺してみろって感じだけど……ね」
「んじゃね、吸血鬼」
「さようなら、アウトライアー(異能力者)」


第六十八話。終わり。
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