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遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス)/第六十四話「闇に落ちる小鳥」 作:イクス

第六十四話「闇に落ちる小鳥」


とあるスタジオ。ここでは、とある番組の収録が行われていた。その番組の司会は。
「はぁーい、みんな! リトルバードだよ~! 今日も見てくれて、ありがと~!」
「あんがと~」
この番組の司会は、リトルバードと呼ばれる二人組のアイドルユニットであった。その二人が、ゲストと駄弁ったりお便りを読み上げていくだけの番組なのだが、それでも大人気であった。
ここにも、そのアイドルの番組を楽しんでいる人がいた。
「ふふ~ん……リトルバードの二人って、可愛いよなぁ~……」
自分の部屋で、ちっちゃいテレビを机に置きながら知多は番組を見ていた。その顔は、ニヤニヤに近い笑いを浮かべていた。
そうして、番組も終わりに近い時。
「みんな~! ここで私たちリトルバードの二人から、お知らせがあるよー! 実は私たち、映画に出演しちゃいまーす!」
「するよ~」
「題名は、『小鳥と夜の烏』! 小さな小鳥みたいな少女と、烏みたいな怪盗が、親交を深めていく物語だよー! 撮影はプラクサスシティで行われるから、プラクサスに住んでいるみんなも住んでないみんなも、是非見に来てねー!」
「来てね~」
これを聞いていた知多は……。
「へぇ~、すごっ! いいなぁ~……ええっ!? 俺が住んでる町じゃん! うっそぉ~! やったじゃ~ん!」
グッドニュースを聞いた知多は、机から立ち上がって喜ぶが……。
「痛っ!」
突然首筋を押さえる。
「アイタタタ……なんか、首筋が痛いじゃん……」


翌日。学校にて知多はそのことを友人たちに話していた。
「なーなー、明日の日曜日に俺と一緒に映画の撮影見に行かないかじゃん?」
「別に予定が無いから良いけど、なんでまた急に?」
「ヘヘヘ……実は、リトルバードっていうアイドルが、このプラクサスに来るんじゃん!」
「へー、そんなに有名な人が来るんですか」
「リトルバードっていえば、今をときめくトップアイドルだろ? なんでまたこの町で映画の撮影なんかに?」
「まあ良いじゃん、有名なアイドルが来るんなら。というか菊姫……今をときめくって、ずいぶんかわいらしい言葉を使うじゃん?」
「っ、っせーな! 良いだろ、その通りなんだから!」
焦る菊姫の言葉に、さらに追い打ちをかける取り巻きの二人。
「というか、昨日のテレビで大はしゃぎしてたの誰だったッスかねえ」
「んだな、キャーとか言ってたし」
その言葉が放たれると、菊姫は岩ノ井と鏡山にゲンコツをぶちかまして黙らせた。
「……何か言いたいことは?」
「「すんません、無いです」」
「まあ、そういうのなんか面白そうだね。今度行ってみようよ」
「んじゃ、10時に撮影場所に集合するじゃん!」
「うん、わかったよ」


そうして、そのことを家族に伝える遊太。
「ということがあったんだけど、行ってもいい?」
「ああ、良いぞ! ……だが、怪しいスカウトマンにはついて行っちゃダメだぞ!」
「……そんなことないから安心して、お父さん」
「それはとても……ステキデス! アノ……ワタシも行っても良いデスか?」
「えっ、ユイも?」
「ハイ! とてもステキデス!」
「うーむ……まあいいだろ、遊太と一緒に行ってきなさい!」
「あらあら、遊太はよくて一番危ないスカウトがありそうなユイちゃんはスルーって、むしろユイちゃんは一番危ない方よ? 器量良し、顔良し……どう見たって怪しいスカウトがかかりそうな女の子よ?」
「えっ、ワタシ危ない人にスカウトされちゃうんデスか!?」
「大丈夫、しっかりしていれば……ね?」
「は、ハイ?」
「大丈夫かな……?」


日曜日。撮影場所にやってきた遊太とユイ。そこには、菊姫、知多、真薄の3人と、菊姫の取り巻き2人がいた。だが、それ以上に多くの人々が来ていた。
「皆サン、おはようございマス!」
「みんな、おはよう!」
「おー、お前らが一番最後か」
「もー、遅いじゃん遊太たち~」
「二人が早すぎるのでは……? 僕は15分前にここに来ましたけど、それ以上前にお二人は来てましたよね……?」
「アタシはいうても2番目だがな。一番早く来ていたのは知多だぜ。アタシは20分前に来てはいたが、それ以上かよ……」
「だだ、だって! 俺は1時間前に来たっていうのに、それ以上前に多くの人が来ているんじゃん! 人気があるっていうのは知っていたけど、こんなに多く来るなんて思ってなかったじゃ~ん!」
「道理で、こんなに人が来ている訳だ……」
「まーでも、早く行こうじゃん! 早速……アイタタタ……」
「どーした?」
「なんかさあ、昨日から首が痛いんじゃん……なんか以前首筋に傷ができちゃってから、治らないんだよなあ……」
「掻かない方がいいよ」
「まあそんなことより、行くじゃん!」
「おー!」
そうして、見学者を受け付けるカウンターで受付を済ませた後、スタジオに入る遊太たち。そこでは、見学の人たちでごった返していたが、遠目に演技をする役者たちが見えて、その中でもひときわ異彩を放つ女の子がいた。
「ああ、ドロボウさん……あなたはどこで何をしていますか? また悪い人から、宝石を盗んでいたりしていますか?」
「うっひゃあ! アオイちゃんが……」
「静かに、今は撮影中ですよ?」
「ご、ごめんじゃ~ん……」
真薄にたしなめられ、静かにする知多。そうして撮影は進んでいく。途中、歌やダンスなどが取り入れられ、映画の内容が映像に撮影されていくのだが……。
「カーット! アオイちゃん、まだまだ歌のクセが残っているよ! 今立っているのは、ステージじゃなくて映画なんだから、歌にもっと感情込めて! あの人が好きな、ヒロインになりきって!」
「はいっ!」
「ヒカリちゃん、少々演技がくどいよ。感情を込めるのはいいけど、わざとらしすぎると意図が見えすぎてしらけちゃうからね」
「は、はいっ……」
それを見て、遊太たちは考える。
「キビシ~。アイドルでも、映画に出る以上役者さんたちと同じってことか……」
「半端な演技じゃ、人は惹きつけられないんだろうな」
「アニメの声優さんたちも、同じなのですかね?」
みんなが映画の撮影の感想を述べている中、知多はというと。
「アオイちゃん、ヒカリちゃん、かわいいじゃん……アイタタタ……」
首筋をさすりながら、二人を眺めていた……。
ユイは、ただじっと演技する人たちを眺めていた。
そうして、撮影が終わる。
「は~い、お疲れ~。撮影再開は午後1時からですよ~」
「あー、終わったー! ヒカリちゃん、お弁当一緒に食べよー!」
「お~、でもその前に……」
「んう?」
「この大量のファンをどうにかしないとね~」
「あっ……」
撮影が終わると同時に、遠くのファンたちが二人の元に押しかけてきた。サインを求める人や、握手を求める人、あげくにはチューを求める人まで。その中には、知多もいた。
「しつっこいな~」
「あーハイハイ! 順番、順番ー!」
それを遠巻きから眺めている遊太たち。
「アイドルって、大変だねえ~」
「これがアイドル……デスか」
「お? ユイってそーいうの興味あんの?」
「い、いえ、なんか……」
「興味あるのかい? 君ィ」
「えっ、あ、ハイッ!?」
「ええっ!? 誰ですかあなた!?」
「あっ、私、こういう者でして……」
サングラスをかけた、黒服の人がいきなりユイの目の前に現れたことに、驚く遊太たち。その人は、懐から名刺を出した。
「573プロダクション、アイドル部署プロデューサー、金田一郎サン……デスか?」
「プロデューサーさん!? やべえ、スカウトされるんじゃねえのか!?」
「いきなりですかぁっ!?」
「君、そのスタイルとルックス……! う~ん、素晴らしい! きっと有名なアイドルになれる才能があると思う! どうだい? うちのプロダクションに来ない?」
「えーっ!? マジかよぉっ!? すげぇじゃねえか!」
「ホントにスカウトではないですか!」
「あ、そんな、いきなり……ユイ、これは……」
「お断りしマス」
「えええっ!?」
「断るんですか!?」
「ええっ、そんなどうして……オイシイ話だと思うんだけどねえ……」
「ワタシ……確かにアイドルというのは良いな、とは思いマシた。けれど、それとコレとは別なんデス。ワタシは、アイドルというのはなれないと思いマス」
「断るのも、すげぇ……!」
「あー、そうなの……? そんな、もったいないと思うんだけど……。イヤならしょうがないな……。それじゃあね!」
そうして、プロデューサーは去って行った。菊姫たちは、ユイのその行動に驚く。
「オイオイ、なんで断っちまったんだよ? ユイ、記憶が無いんだろ? アイドルとして有名になれば、手がかりを知っている人間に会えるかもしれねえのに……」
「だって、ワタシああいうのは向いてないと思うのデス。それにワタシは、もっと違う方向でワタシの記憶を取り戻せるような気がするのデス」
「あー……そうかよ」
「そうなんですか? まあ、それも一つの道だとは思いますけどねえ。なんか、もったいない気がしますけどねえ」
「いいんデス。ワタシ、遊太サンたちと一緒にいるのが好きデスから」
「あ……そ……」
「それに……」
「それに?」
ユイは、チラリとヒカリとアオイがいる方向を見る。ヒカリがしていた表情は、なんか少しムッとしたような表情であった。
「サ! 私たちもお昼に行きマショウ!」
「あ、うん……」


そうして、フリースペースでお昼を食べている遊太たち。
「しっかしまー、お前も相当なお熱みたいだな、知多」
「あったりまえじゃん! 菊姫が言ったとおり、今をときめくむっちゃかわいいアイドルなんじゃん! それに、あの子は……アイタタタ……」
「なんで首筋痛めてんの? というかなんで、お前がアイドルの話をするときに限ってお前の首筋が痛くなるんだ?」
「わっかんないなあ……そもそもなんでこういうことを話すと首が痛くなるのか……」
「誰かに見られているんじゃ?」
「アハハ、そんなことないじゃん!」
「そもそも、その首の傷なんでまだ治ってないのですか? もうとっくに治っていても良いはずなのに、まだ跡が痛々しく残ってるのが気味悪いですよ」
「なんでだろうな~。わっかんねえじゃん」
「大丈夫かよ。アイドルのこといろいろ考えるより、その傷治したほうが良いんじゃねえ?」
「一応お医者さん診てもらったけど、塗り薬もらってそれっきりじゃん。その塗り薬も、あんまり効き目ないじゃん」
「まるで、何かの印みたいに残っているよね……」
「やめてくれよ、気味悪くなるじゃん。そんなこと話してたら、なんかトイレ行きたくなったじゃん……」
「おー、行ってこい行ってこい」
そうして、知多はトイレへと向かっていった。
だが……。
「あれ、あれれ? トイレどこじゃん……?」
スタジオがいろいろありすぎて、迷ってしまった。肝心のトイレがどこにあるかわからず、さまよっていた。
「あー、ションベンがしてえ……早くしないと、漏れちゃうじゃん……」
そうして、さまよっている間に、とあるドアの前を通り過ぎようとしたとき。
「これってどういうことですか、金田さん!」
ダンッ! と、机をたたく音が、扉から聞こえてきた。その音に驚いた知多は、ドアの方を見てみる。見てみると、ドアが少し開いていたため、チラリと見てみる。見えたドアの向こうには、知多が好きなリトルバードのヒカリと、大人の男がいた。どうやら、何か話をしているようだが……? 
「金田さん! この前のアカシックレコードといい、さっきの女の人のスカウトといい、また新しいアイドルをたぶらかして……これで何人目ですか!」
「何を言っているんだヒカリちゃん。プロデューサーというのは、多数のアイドルを育てていくものさ。それに、たぶらかすっていうのは違うな。可能性というのは、どこに埋まっているかわからないからこそ、引き上げて磨かないといけないんだ」
「引き上げるって……ただいたずらに、人をアイドルにして、儲けを出しているだけじゃないですか! この間のアカシックレコードは、CD2~3枚出したぐらいで終わってその後彼女たちは音信不通、それにこの間のメガロックスはこの間アパートに行った時はもぬけの殻! 一体、何人の女の子を不幸にすれば……」
「あ~、それは彼女たちがそれまでの人間だったというだけだ。彼女たちはアイドルとなるには才能が足りなかったみたいだね」
「ちょっと……! そんな言い方……!」
「それよりも、君たちのこの間のCD……ちょっと売れ行き悪いよね~。それまではCD大ヒットしてたけど、この間のアレは売れ行き悪いよね~」
「アレは今までの私たちとは違った楽曲だから……理解されるまで時間がかかってるだけだと思います」
「それは言い訳だよね? 全ては数字が物語っているんだよ? 数字がとれなきゃ意味ないよ」
「……それで幾人もの人を――」
「さて、この話はおしまいだ。午後からの仕事も頑張ってくれたまえよ? それと……いくら売れているからといって、私への口の聞き方と君たちの売れ行き次第じゃ、それ相応の待遇にしないと」
そう言い残すと、金田は部屋を出て行った。残されたヒカリはというと。
「なによ……アンタは人を使い潰して、自分はどれだけ懐に入れてやがるっていうのよ……」
その話を、もう一人聞いていた人物がいる。知多である。先ほど扉から出てきた金田のことは、上手く隠れてやりすごしていた。そして、聞いていた内容を頭の中で考える……。
「ええっ……ヒカリちゃん……? ヒカリちゃんがぁ……!?」
その思いを抱きながら、逃げるようにトイレへと直行するのであった。


そうして、金田との話を終えたヒカリはというと。
「アイツ……アタシたちをなんだと思っているのよ……! まるで使い終わったら捨てれば良い何かと勘違いしているんじゃないの……?」
金田のことを愚痴っていた。だが、それ以上に気にしていたことがあった。
「アオイちゃんを、それ相応の対応になんて、絶対できないよ……」
ヒカリは過去のことを回想する。地方の歌自慢で大賞を取り、かねてからアイドルになりたいと思っていた心が爆発して、二人で都会までやってきた。アイドル事務所のオーディションを受けて、合格までした。そうして、双子ユニットとしてアイドルとして活動し始めた。
けれど、その後は鳴かず飛ばず。まるで地に落ちた小鳥のよう。コンビ解散も視野に入れなければいけないほどに。プロデューサーも、どうすれば良いのか悩み、自分たちのCDがワゴンセールで売られているのを見て、思い悩んだりもした。
「このまま本当にやっていけるのかなあ……?」
そう考えながら、活動を続けていた。
転機が訪れたのは、アイドル活動を始めて3年目。敏腕プロデューサーである金田が、自分たちをプロデュースしたいと言い出したのだ。
業界では、かなり有名な敏腕プロデューサーが、自分たちをプロデュースしたいと言ったのだ。
これならきっと、自分たちも羽ばたける。そう思い、その人についていった。
結果は大成功。小さな小鳥が大空へと羽ばたいていくように、CDも飛ぶように売れていった。
だけど、それと同時に金田の嫌な噂も聞くようになっていった。ヒカリはアオイを思って、そうした話をアオイに聞かせないようにしていたが、嫌なほど聞こえてきた。

「金田はたくさんのアイドルを使い捨てている」
「売れなかったアイドル、自分に反抗するアイドルは、枕営業をさせている」
「何万円もの借金を背負わせて飼い殺しにしている」

そうした噂が、何度も聞こえてきた。自分たちは売れているから良いが、もし売れなくなってしまったら? 反抗しまくっていたら? そう思うと、不安が募ってくる。
自分ならまだしも、アオイにそんなことをさせるわけにはいかない。なぜなら。

「まだまだ売れてないけど、頑張ろーね!」
「私たちはまだ、生まれてないだけ! しっかりやっていけば、きっと大丈夫!」
「つらかったら、一緒に寝よ?」

つらかった時も、悲しかった時も、励ましてくれた。単なる双子というだけではなく、共に頑張る仲間として、友達として、よりどころとして、ヒカリを支えていた。それにより、ヒカリはアオイへの思いを募らせていっていた。
それと反比例するかのように、金田への恨みは積み重なっていった。まるで金の道具のようにアイドルを掃き捨てていくソイツに、嫌悪していた。
アオイちゃんは絶対にそんな目には遭わせない。そう思いながら、ここまで来た。
「……アオイちゃん」
どうにかしてでも、アオイを守らなければ。でも、ヤツに縛られている私たちは、どうしたら良いのだろうか? 
どうしたら……? 
「その願い、叶えてあげましょう」
「!?」
突如聞こえた声に、驚く。周りを見ても、誰もいない。だが。
「えっ、何これ……?」
目の前におかれていたのは、1枚のカード。それはどす黒く、ずっと見ているとその黒に吸い込まれそうな気さえしてしまうほど。
いきなり現れたそのカードに恐怖を覚えながらも、手に取ってみる。そのカードは、ヒカリにとって見覚えがあったから。
「デュエル、モンスターズ……?」
ヒカリ自身も嗜むデュエルモンスターズのカード。それに見えたのだ。
すると、そのカードが急に黒く光り出した……! 
「えっ、何!? きゃあああ!」
ヒカリの視界が真っ暗になる。まるで自分の目が光を感じなくなったように、あたりが真っ暗になる。
「何……? なんなの……!? ああああっ!」
頭が痛くなる。自分の頭の中に、何かが入ってくるような痛み。その痛みが、どんどんヒカリの頭を犯していく。そうして、心の中にどんどん闇が広がっていく。
「アタシは、アオイちゃんを守らなきゃダメ……あんな最低な奴から、守らないと、傷ついちゃう……! ダカラ……ナニモカモ、ナニモカモ……! メチャクチャニシチャエ! ドンナコトモ! アオイチャンイガイノダレモカレモ! メチャクチャニ!」
心が、闇に染まる……! 


映画撮影のスタジオ。現在このスタジオにて、映画の撮影が行われている……はずなのだが、現場は慌てふためいていた。ヒロインのヒカリがおらず、撮影が始まらないのであった。ディレクターやカメラマンたちが慌てふためいていた。
それを、遊太たちは眺めていた。
「なんかあわただしいね」
「そりゃあ、ヒロインがいないんだから仕方ないじゃん?」
「でも、ヒロインがいないってかなり緊急事態ですよね」
「大丈夫なのか?」
「心配デス」
それを受けて、相方のアオイも心配する。
「ヒカリちゃん……!」
そうして、プロデューサーの金田も。
「まったく、私の顔に泥を塗るような真似をして、何を考えているんだあの子は。そろそろほかの子に切り替えていく必要があるかな……?」
誰もがヒカリのことを考えた時、急に照明が落ちた。真っ暗になって誰もが視界をさえぎられた時、スポットライトがステージに点灯され、照らされた何者かが現れる。
その者は、黒いフードのついたマントを身にまとった人物であり、何者かわからない。
「誰だ!?」
バサッとマントを翻し姿を見せたのは、黒いメイクをしたヒカリであった。
「ひ、ヒカリちゃん!?」
「これはどういうことだ!?」
「ええっ!?」
わけもわからず困惑する一同。すると、左のほうからからデュエルディスクが出てきて、そこにヒカリがカードをセットする。
「黒キ翼ヨ、メチャクチャにシテヤレ!」
すると、どこからか現れたコウモリの大群が、全員を攻撃しはじめた! 
「わわっ! なんだこれは!」
「どうなってんだこりゃあ!」
「助けてー!」
会場は大騒ぎとなる。映画の撮影のはずなのにこんなことが起こるなんて、ほとんどのみんなが何がなんだかわからない。
彼らを除いて! 
「真薄君、グレイマターはなんて言ってる?」
「ダークネスカードの力を、感じています!」
「ということは、ヒカリちゃんがあんなことをしでかしているのは、ダークネスカードのせいだっていうのか!」
「マジかよ、遊太。これは一体……どうすりゃいいっていうんだ!?」
「この前は、ユイがなんとかしてくれたから大丈夫だったんだけど……とりあえずデュエルしてなんとかしないと!」
「そーなのかー!?」
「この間はそれで大丈夫だったんだから、今回もそれで大丈夫……なのかなあ?」
「よし、だったらアタシが……」
「いや、ここは俺が行くじゃん! ……イタタタタ……」
「ち、知多ぁ……首を抑えながら言っても『大丈夫か?』 ってしか言えねえぞ」
「ここは、イチファンの俺が行かなきゃ……ダメじゃん」
「あなたたち、ヒカリちゃんをなんとかしてくれるの!?」
「あ、アオイちゃん!?」
遊太たちのところに、アオイがいつの間にか来ていた。そうして。
「お願い……! ヒカリちゃんをなんとかして……!」
涙目ながらそう言うアオイに、どうしてもとは言えない遊太たち。
「よ、よーし! 知多君、イチファンとして行ってこーい!」
「おうっじゃん!」


第六十四話。終わり。
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