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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第19話 冥の初デート 後編

第19話 冥の初デート 後編 作:風鼠

第20話 冥の初デート 後編

鳴神「つ、着いた」

冥「うん」

私達は民間企業が運営するお化け屋敷を訪れる。

鳴神「行列…長いね」

冥「こ、こんなに混むんだね」

お化け屋敷にはカップルであろう若い男女の列ができており、最後尾には30分待ちの看板が置かれていた。

鳴神「どうする?」

冥「な、並びましょうか。」

鳴神「うん。」

私と鳴神君は手を繋ぎ、緊張しながらも列へと並ぶ。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
璃々奈「…あのお化け屋敷ね」

一葉「…結構雰囲気…ある」

冥たちを追い、たどり着いた先には大きい和風の家へとたどり着く。

その家は管理する企業によってお化け屋敷へと改修された。


一葉「ぁ…冥たち…もう並んでる」

柘榴魔「どうしようか。出てくるまで待ってる?」

璃々奈「そうね…。前にカフェもあることだし、そこで待ちましょ」

悠人「いや、ここはあえて後を追ってお化け屋敷に入ろう!」

柘榴魔「悠人、それだと冥先輩たちが先に出て、後を追えなくなるけど…」

一葉「…私と柘榴魔君が見てるから…璃々奈と悠人君が入ってくれば…」

悠人「一葉さんそれいい案♪行きましょ、璃々奈さん♪」

璃々奈「もう…この子は…まぁ、いいわ。行きましょ。」

悠人「やった♪」

璃々奈先輩は悠人と手を繋ぎ、お化け屋敷へと向かう。

一葉「…カフェで…何…頼む?」

柘榴魔「あ、僕はコーヒーで」

一葉「分かった…」

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
璃々奈「はぁ…」

悠人「~♪」

私と悠人君はカップルと装い、お化け屋敷への列へと並ぶ。

悠人君は当初の目的を忘れ、私とお化け屋敷に入るという状況を楽しんでいるようだ。

列は順調に進んでいく。

璃々奈「(ぁ、冥たちも入っていく。)」

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鳴神「く、暗い」

冥「そうだね。お化け屋敷だから…雰囲気も…良い感じ」

鳴神「こういう雰囲気、すき?」

冥「うん…怖いのも…オカルトも好きだから…」

お化け屋敷に入ると薄暗く雰囲気をより怖くするための音楽が流れていた。

僕はこの時点でそこそこ怖かったが、冥さんは怖がるどころか目を少し輝かせていた。

鳴神「す、進もうか」

冥「うん…足元気を付けてね」

鳴神「え、おっと」

僕は足元に落ちていた木の破片で躓きそうになる。

鳴神「ありがと、冥さん。」

冥「ううん…これくらい…」

鳴神「じゃあ進もうか。」

僕は冥さんと手を繋ぎ、お化け屋敷内をすすむ。

お化け役「ぁ…ぁぁ…」

鳴神「ひぃ!」

冥「ふふ♪…このお化け屋敷…中々レベル高い」

鳴神「だ、だね。お化け役の方の演技もすごいし…」

冥「(怖がってる鳴神君…か、かわいい)」

僕はお化けの演技やお化け屋敷の演出によって思わず声を上げてしまい、冥さんはそのたびに可愛く笑う。

冥「あ…もうそろそろ出口…だね」

鳴神「そ、そうみたいだね」

お化け役「にがざないぃ!」

鳴神「ひゃああぁ!」

数分後…

鳴神「あ~怖かった」

冥「ふふ♪怖がる鳴神君、可愛かった」

鳴神「すごいなぁ冥さん、一つも悲鳴あげないなんて…」

冥「だって…慣れてるから…」

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悠人「ひぃいい!怖いですぅ!」

璃々奈「大丈夫だ。全員人間だから、な」

私は怖がり悲鳴を上げ続ける悠人君を介護しつつお化け屋敷内を進む。

璃々奈「(こうしてみるとかなり可愛いな…)」

悠人「こ、こんなに怖いなんて聞いてないです…」

璃々奈「まぁ…かなり有名なお化け屋敷らしいからな」

悠人「し、心臓に悪い…」

璃々奈「ん、もう…変な所触ってないか?」

悠人「あ…ご、ごめんなさい」

怖がる悠人君は無意識にか私の胸を触る形になり、悠人君はぱっと手をどける。

璃々奈「事故から、まぁ、しかたないな。」

悠人「ご、ごめんなさい…つい…」

璃々奈「さ、進もうか。(素直に謝るのも可愛いな)」

今にも怖さと罪悪感で泣きそうな悠人君の手を優しく握り、お化け屋敷を進む

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一葉「…」

柘榴魔「…(気まずい…)」

冥先輩たちが出てくるまで、僕と一葉さんはお化け屋敷前で経営しているカフェで休憩する。

一葉「…柘榴魔君…彼女と…仲良く…してる?」

柘榴魔「え!あ、は、はい…仲良くしてます。時々デートもしてますし…」

一葉「…いいな…僕も…柘榴魔君みたいな…良い彼氏…ほしいな」

柘榴魔「一葉先輩もかなり素敵ですから、すぐ良い彼氏できますよ」

一葉「そ、そうかな…僕…人見知りだし…男っぽいってよく言われて…女の子の魅力そんなにないから…」

柘榴魔「そ、そんなことないですよ。一葉先輩、すごく綺麗で魅力的ですよ。」

一葉「…そう言われると…恥ずかしい」

無表情ながらも顔を赤くする一葉先輩は普段とのギャップから思わず僕の頬が緩む

柘榴魔「(今の姿…スイレンに見れたらまずいなぁ)」

一葉「…ぁ…冥たち出てきた」

僕が一葉先輩とお茶をしていることに対してスイレンにどこか罪悪感を感じていると、お化け屋敷から冥先輩たちが出てくる。

柘榴魔「あ、そうですね。璃々奈先輩たちのこと…待ちますか?」

一葉「ううん…冥たちを…尾行しよう…璃々奈たちには…逐次…連絡すればいいから…」

柘榴魔「そ、そうですね。じゃあ…お、お会計を…」

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そのころ
悠人「ひいぃ…」

璃々奈「…(年齢のわりにホント怖がりね。この子。)」

悠人「ぁ、あぁ、出口、出口見えた」

お化け役「ぁ…あぁ…」

悠人「ひぃいでたぁあ!」

璃々奈「はぁ…」

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冥「…ふぅ…雨降ってきちゃったね」

鳴神「で、ですね」

お化け屋敷を出た僕たちは、急に降ってきた雨から逃れるため、近くにあったラブホテルに入り、部屋に常設されたお風呂に入る

冥「流れでホテル…入っちゃったね。」

鳴神「う、うん…」

僕の背後で背中合わせでお風呂に浸かる冥さんがおり、お互い緊張によってうまく会話を続けることができない。

冥「…ぁ…か、体洗ってあげるね」

鳴神「え、あ、はい…あ、ありがとうございます」

冥「ん…鳴神君、綺麗…」

鳴神「は、恥ずかしいな」

冥さんは優しい手つきで僕の背中を洗い始める

冥「ん…前も洗いたい」

鳴神「ま、まえはじ、自分で洗えますから…」

冥「はう…で、ですよね」

鳴神「(ま、前洗われたら、が、我慢できないよ…)」

僕は冥さんからの優しい提案を断る。

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柘榴魔「ひ、ひどい雨でしたね」

一葉「うん…」

僕と一葉先輩は突如として振り始めた豪雨にぬれ、鳴神君たちが入ったホテル近くのカフェへと入る。

柘榴魔「璃々奈先輩と連絡…つきました?」

璃々奈「うん…璃々奈達も…カフェで…雨宿りしてるって…」

柘榴魔「良かった。通り雨みたいですからすぐに止むと思いますけど…」

璃々奈「うん…でも冥たち…大丈夫かな…」

柘榴魔「えぇ…入ったのホテルです…よね」

璃々奈「…ハプニングで…一気に進展…しずき…」

柘榴魔「ですよね…」

一葉先輩とともに冥先輩の進展を気にかけつつもカフェで冷えた体を温める。

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璃々奈「ふぅ…大丈夫?」

悠人「は、はいぃ、だ、大丈夫です…」

私と悠人君はお化け屋敷を出てすぐに雨が降ってきたため、すぐ目の前のカフェへと避難する。

璃々奈「なにか頼もうか」

悠人「僕はコーヒーで大丈夫です」

璃々奈「あぁ。わかった。…あ、すみません。コーヒー2つお願いします。」

私は悠人君に聞いた後通りかかった店員に自分たちの注文する。

悠人「雨降ってくるなんて不運ですね~」

璃々奈「あぁ。早く一葉たちと合流したいところだがな」

悠人「ですね~」

璃々奈「(この子も兄同様中々可愛いが…浮気性が懸念材料か…)」

正直私は悠人君のような可愛いショタが大好きだ。特に年下であればなおさら…

璃々奈「(この子の兄も可愛くて誠実だが…もうすでに彼女持ちだからな…)」

悠人「?璃々奈さん、どうかしましたか?」

璃々奈「いや、なんでもない。」

私が考え事をしていると、悠人君が可愛らしい表情で不思議そうに問いかけてくる。

璃々奈「ふぅ…ここのコーヒーは美味しいな」

悠人「ですね♪コーヒー飲んでる璃々奈さん、綺麗です」

璃々奈「ん、そ、そうか?褒められると嬉しいな(思わずドキッとしてしまった…)」

悠人「璃々奈さん、L●NEで友達になりましょ♪」

璃々奈「ん、あぁ。それくらいは良いぞ。(まぁ、浮気性もなんとかすれば…十二分に彼氏にできるからな)」

私と悠人君は手慣れた手つきでIDを交換する。

悠人「えへへ♪璃々奈さんと交換しちゃった♪」

璃々奈「あぁ…(これで…よしっと)」

悠人「璃々奈さん、次の休日、会えたりします?」

璃々奈「まぁ…少しだけなら(意外と積極的だな。この子)」

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鳴神「初めてデートしちゃった。」

冥「私も…最高のデートになりました…」

鳴神「だね。また…したいですね」

冥「はい♪次、いつデートしましょうか」

鳴神「そうですね~次は…」

私達は添い寝しながら楽しく次のデートの段取りを話し始める

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夜…冥の部屋…
冥「よかったな…一葉と璃々奈には…感謝しなきゃな」




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おまけ1
スイレン「…」(むすー)

柘榴魔「ス、スイレンなんで膨れてるの?」

スイレン「…最近出番…ない」

柘榴魔「あぁ…確かに」

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おまけ2
一葉「…冥たち…遅い」

柘榴魔「(意外と何ラウンドしてるんだろう…)」


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