虹彩竜と歩むもの 第二部~翠風の少女~/第4話:1-3 作:光芒






「融合召喚! 頼むよ。《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》」

《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
「オッドアイズ」モンスター+Pモンスター
「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
(2):このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
自分のエクストラデッキから表側表示のPモンスター1体をデッキに戻し、その発動を無効にし破壊する。

「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン……チェーン2のゲイルアイズ・ハリケーン・ドラゴンの効果でアークペンデュラムを手札に戻して! そしてチェーン1のブリーズ・ドラゴンの効果でアタシはデッキから2体目のダウンバースト・ドラゴンを手札に加えず直接特殊召喚するよ!」

 オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンには特殊召喚に成功した“時”に相手フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を手札に戻すことができる。しかし、この効果はタイミングを逃して発動することができなかった。それでもこのモンスターを特殊召喚できたことは遊舞さんに対して大きなプレッシャーをかけることができる。

「ダウンバースト・ドラゴンにはゲイルアイズカードによって特殊召喚に成功した時に効果を発動できるけど……効果を発動するかい?」
(オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンにはEXデッキに存在する表側表示のPモンスターをデッキに戻すことで魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にすることができるんだよね……)
「んー、迷うけど発動しないでそのままだよ☆ バトルフェイズはしないで、メインフェイズ2に移行。アタシはカードを2枚セットして、ターンエンドだよ!」
(攻めてこないか。言動はだいぶおちゃらけてるけど、思いの外慎重に物事を見ることができている。だけど……)


遊舞 LP8000 手札4枚
デッキ:28 モンスター:2(ゲイルアイズ・ダウンバースト・ドラゴン×2)魔法・罠:4 墓地:2 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札4枚
デッキ:39 モンスター:2(オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン)魔法・罠:0 墓地:2 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:14(3)


☆TURN04(遊大)

「俺のターン、ドロー。俺は魔法カード《強欲で貪欲な壺》を発動!」

《強欲で貪欲な壺》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。

「うげげっ」
「デッキトップ10枚を除外して発動。チェーンはある?」
「あ、ありませーん……」

 あれだけドローしたのだから手札誘発があるかな、と思って発動した強欲で貪欲な壺だけど、無事通すことができた。もちろんこれが止められた場合の手段も考えていたけれど。

「じゃあ2枚ドロー。俺はフィールドのレベル5以上のモンスター、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをリリースし、オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンをアドバンス召喚!」

《オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカードはレベル5以上のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊した時に発動できる。自分の手札・墓地から「オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン」以外のレベル5以上のモンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

「オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンはレベル5以上のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。そしてアドバンス召喚に成功したオッドアイズ・アドバンス・ドラゴンの効果を発動。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。破壊するのはもちろんゲイルアイズ・ダウンバースト・ドラゴン!」
「させないし! リバースカードオープン! カウンター罠《ゲイルアイズ・ヘッドウインド》を発動!」

《ゲイルアイズ・ヘッドウインド》
カウンター罠
「ゲイルアイズ・ヘッドウインド」は1ターンに1度までしか発動できず、このカードの(2)の効果はこのカードが墓地に送られたターンに発動できない。
(1):自分フィールドに表側表示で存在する「ゲイルアイズ」モンスター1体を手札に戻して発動できる。効果モンスターの効果の発動を無効にし、そのモンスターを持ち主のデッキに戻す。
(2):墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。相手フィールドに存在する特殊召喚されたモンスターの数だけ、手札の「ゲイルアイズ」モンスターを選んで表側守備表示で特殊召喚できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

「アタシはダウンバースト・ドラゴン1体を手札に戻してこのカードを発動! オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンの効果の発動を無効にしてそのモンスターを持ち主のデッキに戻す! このカードはカウンター罠! ボルテックスでも防げないよ!」
「そうだね、カウンター罠を防げるのはカウンター罠だけ……じゃあ俺はライフを半分支払い、手札からカウンター罠《レッド・リブート》を発動!」

《レッド・リブート》
カウンター罠
このカードはLPを半分払って手札から発動する事もできる。
(1):相手が罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。その後、相手はデッキから罠カード1枚を選んで自身の魔法&罠ゾーンにセットできる。このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できない。

「レッド・リブート!? まさか、今の強欲で貪欲な壺で……」

遊大 LP8000→LP4000

チェーン3(遊大):レッド・リブート
チェーン2(遊舞):ゲイルアイズ・ヘッドウインド
チェーン1(遊大):オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン

「チェーン3のレッド・リブートの効果でチェーン2のカウンター罠、ゲイルアイズ・ヘッドウインドの発動は無効になり、そのままセットされる。そしてチェーン1のオッドアイズ・アドバンス・ドラゴンの効果は対象を取らない効果。よって残ったもう1体のゲイルアイズ・ダウンバースト・ドラゴンを破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」

 アドバンス・ドラゴンの放った二色の炎が乱気流の竜を焼き払う。ある目的のために入れ始めたレッド・リブートだけど、発動コストに見合っただけの働きはしてくれるカードだ。それにアドバンス・ドラゴンの効果でライフアドバンテージもある程度は軽減できる。

遊舞 LP8000→LP5500

「いたた……」
「ゲイルアイズ・ダウンバースト・ドラゴンはゲイルアイズカードを発動するために手札に戻った場合、俺のフィールドのモンスター2体を手札に戻すことができる。発動は?」
「どうせボルテックスに無効にされるオチっしょ? 使わないよーだ☆」
「うん……まあそうなんだけどね。ああ、レッド・リブートの効果で遊舞さんはデッキから罠カード1枚をセットできる」
「……アタシは2枚目のヘッドウインドをセットするよ。まあ、発動できないんじゃ意味ないけどさ」

 遊舞さんのフィールドからはモンスターが居なくなった代わりにセットカードが5枚。しかし、レッド・リブートの効果でこのターン彼女は罠カードを発動できない。遊舞さんのデッキは発動したカードを見る限り、罠カードが多いデッキだと推測できる。そのためあのセットカード5枚のうち1枚(ゲイルアイズ・ヘッドウインド)は確実に発動できない。残り4枚のカードがどんなカードかはわからないけれど《聖なるバリア-ミラー・フォース》のような攻撃反応の罠カードであればそれも意味は為さない。

「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンを攻撃表示に変更。そして俺は手札のスケール0、ゴッドアイズ・ファントム・ドラゴンをPゾーンに再度セッティング。そしてEXデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン2体をペンデュラム召喚!」

 自身のP効果およびアドバンス・ドラゴンのアドバンス召喚のためにリリースされた2体のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンがEXデッキより舞い戻る。レッド・リブートの効果で罠カードの発動を封じている以上、ずらりと並んでいるセットカードを気にする必要はないだろう。

(でも、あの手札の中に《速攻のかかし》や《バトルフェーダー》のようなカードが潜んでいる可能性は捨てきれない。1枚だけならボルテックスの効果で封じることができるけど……)

 レッド・リブートの罠封じ効果は次のターンには切れる。あのセットカードの中に遊舞さんのターンで発動してもアドバンテージになるカードが含まれていたとしたならば、できるだけこのターンで決着をつけてしまいたい。それが俺の素直な気持ちだった。

(まあいいか、その時は……その時で)
「バトル。よく頑張ったけど、今回ばかりは俺に運が向いていたね。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでダイレクトアタック! “螺旋のストライクバースト”!」

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500

遊舞 LP5500→LP3000

「きゃあっ!」
(通ったか、ここで発動しないということは……)
「オッドアイズ・アドバンス・ドラゴンでダイレクトアタック!”虹彩のアドバンスバースト”!」

オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン ATK3000

遊舞 LP3000→LP0











 最終的にこのデュエルは俺の勝利で終わった。俺が失ったライフはレッド・リブートの発動コストとなった4000だけであり、遊舞さんからは1のダメージも受けずに勝つことができた。去年のこの時期、俺は遊希さんやエヴァ先輩に同じように打ち負かされたけど、上級生になった俺はその時の二人と同じことを後輩にしていることになる。そうなるとちょっとだけ変な気持ちになる。

「デュエルありがとう、いいデュエルだったよ」
「……それはどーも」

 負けた遊舞さんは前のようにあっけらかんとしているかと思いきや、悔しさを前面に押し出していた。以前デュエルした時は【サンダー・ドラゴン】デッキを使っていたけれど、その時はここまで悔しそうにはしていない。少なくとも彼女が【ゲイルアイズ】というデッキにそれなりの愛着を持っていることなのかな。

「えっと、遊舞さんのデッキは風属性らしくバウンスを駆使したデッキなんだね。モンスター効果や罠カードの効果が上手くかみ合っていて、相手としてはとても厄介だったよ」

 そんな彼女をフォローすべく、素直に思ったことを口に出してみる。すると、遊舞さんはぷくーっと頬を膨らませてはこちらを上目遣いで睨みつけてくる。何か悪いことを言ってしまったかな、などと思っていると遊舞さんは呆れた様子で微笑んだ。

「センパイ、フォロー下手だね」
「えっ、そうかな……」
「でも、アタシのことを褒めてくれようとしてるのはわかるよ? だけどアタシ負けちゃったし。今思い返すとこのデュエル……後悔ばっかだよ」
「確かに構築やプレイングにミスはあったかもしれない。でも、遊舞さんのデッキコンセプトはバウンス。対して俺のP召喚は条件が揃えば手札からいくらでもモンスターを出すことができる。デッキ自体の相性が悪かったというのもあるよね」

 いくら手札に戻されたとしても、P召喚でまた出してしまえばいい、ということがあったためその点俺は楽にデュエルを進められたといえる。しかし、俺のデッキが【オッドアイズ】でない別のデッキであったならばこのデュエルの結果はもちろん変わっていた。それは結果論かもしれないけれど、そこを無視してはいけない箇所であると俺は思っていた。

「それもあるけどさ。さて、アタシ負けちゃったし……今日はこれで帰るね」
「いや、待って」

 そう言って踵を返す遊舞さん。そんな彼女の手を俺は思わずぎゅっと握りしめていた。

「えっ……」
「言ったはずだよ。俺はこのデュエルの勝敗は気にしない。遊舞さん、あなたのデュエルに対する姿勢やプレイングを見たかったんだ。とはいえ、プレイング自体にはまだまだ粗があるし、言葉遣いも……うん、まあそこはしょうがないとして」

 もちろん、そこはしょうがなくはないんだけど。

「あなたはみんなの代表として、この学校を背負っていけるだけの力はあると思っている。結衣さんと一緒に、俺の力になってくれないかな?」
「……アタシ、いいの?」
「うん。男に二言はないよ」
「……へへっ、なんだかくすぐったいセリフだけど、いざ実際に言われると嬉しいな☆ じゃ、お世話になりますっ!」

 あの時の遊希さんは、俺に対してこんな気持ちを抱いていたのかな。一年前を振り返りつつ、俺は風花 遊舞さんと白幡 結衣さんという二人の頼もしい後輩デュエリストと改めて絆を深めることができた。でも、ここはあくまでスタート地点に過ぎない。俺たちは更なる高みを目指すため、精進していく必要があった。





―――去年に続いて行われる、セントラル校と分校四校。その交流戦という大きな大会に。




 






〇後書き
 今更な話ですが、第一部における陸や留奈といった主人公たちの親友・仲間ポジのキャラを全く考えていませんでした(さすがに遊舞と結衣だけで話を繋ぐのはきついです)。
ということで、キャラ募集という形で遊舞・結衣の親友ポジションのアイデアを皆様から拝借できれば、と思っています。折を見て掲示板の方にスレッドを立てますので、応募ご希望の方はそちらの方に投稿の方宜しくお願い致します。






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ター坊
やっぱり万能カウンターの睨みは強い。
遊大はまだ先輩というより近所のお兄ちゃんという感じなので威厳というよりまだ優しさが強いですね。悪く言えば頼りないですが、あまり萎縮しないで済むのであれば良い上下関係になるかも?

親友ポジションの新キャラ募集ですか。これは是非参加せねば。スレ立ち待ってます。 (2019-10-07 07:52)
光芒
ター坊さん
いるだけで強いボルテックス。そしてそんなボルテックスで対処できないカウンター罠をレッド・リブートでメタるところは地味に噛み合っているような気がします。

>遊大はまだ先輩というより近所のお兄ちゃんという感じなので威厳というよりまだ優しさが強いですね。悪く言えば頼りないですが、あまり萎縮しないで済むのであれば良い上下関係になるかも?
厳しい遊大ってのもそれはそれでありだとは思いましたが、やっぱり違和感が凄かったので彼はこの路線で行こうと思います。

スレは今日中には立てられればいいな、と思っていますので宜しくお願い致します。 (2019-10-08 09:13)

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