第11話　時神純華の初めてのデート　作：風鼠

平日、放課後…

柘榴魔「じゃあね、純華ちゃん、トキガミ君」

純華「また明日です～」

時神「あ、そうだ。純華ちゃん」

純華「はい、なんでしょう？」

時神「つ、次の土曜日に、映画…行かない？」

純華「え…あ、は、はい。い、いいですよ」

時神「じゃ、じゃあ、映画館通りの一本桜の前で集合で…いいですよね」

純華「は、はい。大丈夫です」

土曜日…
純華「（じ、人生初めてのデ、デート…き、緊張します）」
純華は普段よりオシャレをし、一本桜の前で緊張しながら時神を待つ。

時神「や、おはよう。純華ちゃん」

純華「あ、と、トキガミ君、お、おはようございます」

シンプルな恰好の時神が集合場所へと訪れる

時神「純華ちゃん、似合ってるよ。」

純華「はう…と、トキガミ君もかっこいいですよ」

時神「そ、そうかな。純華さんに言われると恥ずかしいや」

純華「えへへ…じゃ、じゃあ…映画…見ますか？」

時神「だね。じゃあ行こうか。」

純華「は、はい。で、でもどうして映画に？」

時神「たまたま映画のチケットが手に入ってね。」

時神は鞄から2枚の映画のチケットを取り出し１枚を純華に渡す

純華「これ…今話題の恋愛映画のチケットです。私、これ見たかったです」

時神「それはよかった。あ、ここみたいだね。」

純華「楽しみです♪」

時神と純華は映画館に到着し、映画館の中へと入る

時神「はい、純華ちゃん、飲み物」

純華「あ、ありがとうございます」

時神は先に席についていた純華に飲み物を渡す

時神「あ…もうすぐ始まるみたいだね」

純華「ですね」

暗くなりスクリーンに映像が現れた為時神は純華の隣に座る

純華「（ぁ…トキガミ君、私の手握ってる？）」

映画本編が中盤に差し掛かる中、不意に時神が純華の手を優しく握る

純華「いい映画でしたね～」

時神「うん。予想より良かったよ。」

純華「この後はどうします？」

時神「そうだね。じゃあ純華ちゃん僕の部屋来る？」

純華「はい、トキガミ君の部屋、気になります」

時神「じゃあ…行こうか」

－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－
時神部屋
時神「入っていいよ」

純華「お、オジャマします」

時神の家につき、トキガミの部屋に純華は緊張しながら入る。

時神「この椅子に座ってて。今飲み物とお菓子持ってくるよ」

純華「は、はい」

時神は時神の部屋を見渡す
純華「（意外と…本…多い）」

純華が部屋を見渡すと外国語で書かれた本が本棚に並べられていた

純華「一体…なんの本なんでしょうか？」

純華は興味本位に一冊の本を本棚から取り出り、開いてみる。

純華「はう…よ、よめないです」

時神「あ、純華ちゃん、僕の本読んでたの？」

純華「は、はい。でも読めないです」

時神「ははは、あとで教えてあげるよ。はい、飲み物」

純華「ありがとうございます」

時神は純華に飲み物を渡し、お菓子をテーブルに置く

時神「なんだか2人きりって緊張するね」

純華「そ、そうですね。普段はみんながいますけど…」

時神「だね。…純華ちゃん、少し緊張してる？」

純華「は、はい。トキガミ君の家に初めて来ましたので…」

純華は少し恥ずかしがりながらもうなずく

時神「じゃあ、緊張を解いてあげるよ。」

純華「は、はい…で、でも何するんです？」

時神「純華ちゃん、ポッキーゲームしよ」

純華「え、えぇ？！」

時神はお菓子から棒状のお菓子1本取り出し、先端を咥え反対側の先端を純華に向ける

純華「はうぅ…はむ」

時神「ん…」

純華は顔を赤くしながらも先端を咥え少しずつ食べ始め、時神も笑顔で食べ始め徐々にお互いの顔の距離が近づいていく

純華「んん！？」

時神「ん」

お菓子がなくなり、2人は唇を交わらせ、時神は純華の体を抱き寄せる

純華「ぷは…も、もう、トキガミ君、だ、抱き寄せちゃ、だめですよ」

時神「ふふ♪ごめんごめん♪つい」

純華「トキガミ君たら…」

時神「でもキスしたのは怒らないんだ」

純華「そ、それは…わ、私達付き合ってますし…き、キスくらいは…」

時神「じゃあ、いっぱいポッキーゲームしようか」

純華「はうう…もう、トキガミ君は…ほ、他にゲームはないんですか？」

時神「他に？そうだなぁ、パーティーゲームとかあるよ」

純華「そ、それで、勝った方が負けたほうに命令できるというのはどうです？」

時神「いいよ。純華ちゃんにいっぱい命令してあげる」

純華「わ、私だって」

純華は先程の仕返しの為、普段より張り切りコントローラーを持つ

１時間後…

純華「はうぅ…」

時神「僕の勝ちだね、純華ちゃん」

純華「手加減してくださいよぉ」

時神「ふふ、ごめんね。でも、僕いっぱい純華ちゃんに命令したいからね」

純華「はう…そ、それでなんの命令をするんですか？」

時神「じゃあ、今日泊ってね」

純華「う…で、でも着替えとかもって来てないですよ」

時神「それは大丈夫。楓さんと写道君制作の純華ちゃんの服があるから」

時神はクローゼットから大きめの体操着やメイド服などを出す

純華「はうぅな、なんでこんなものが…」

時神「ここまで僕のシナリオ通りだからね。事前に作ってもらったんだ」

純華「掌のうえだったわけですね…もうトキガミ君たら…仕方ないですね」

時神「ごめんね、嵌めるような形になって…」

純華「じゃあ…泊る代わりに一つわがまま聞いてもらっていいですか？」

時神「いいよ。」

純華「…そ、添い寝してもいいですか？」

時神「もちろん。むしろ僕がお願いしたいくらいだよ」

純華「ふふ、じゃあ決まりですね」

純華は少しうれしそうな口調で話す

時神「でも…なんで添い寝？」

純華「…つ、付き合ってるから…いいかなって思って」

時神「純華ちゃんはやっぱり可愛いなぁ」

純華「そ、そんなに可愛いっていっちゃダメです」

時神「はは、じゃあ次のゲーム始めようか」

純華「は、はい。今度こそ負けませんよ」

再び二人はコントローラを持ちゲームを再開し、何度も試合を重ねていく
その後の結果
時神　4勝　純華3勝

時神「あ～たのしかった」

純華「ですね～」

その後ものんびりと一日を過ごす。

－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－
おまけ1
純華「花石ちゃん、最近面白い漫画か小説知りませんか？」

花石「知ってるよ～。最近私が読んでるのはこれかな～」

純華「何ですか、この本」

花石「家で読むことをお勧めするよ～」

純華家

純華「はう！こ、これ、お、男の子同士がだ、抱き合って…あわわ…でも、ちょっと…いいかも」

花石（布教成功♪）

－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－
おまけ２

楓「とっきがみく～ん、シャドウ君に花石ちゃん♪」

時神「どうしたの、楓さん」

写道「僕たちに何か用かい？」

楓「また悪用させて♪」

花石「面白いことするの？」

数分後…

純華、陽華、一葉、璃々奈の４名を写道の力で作成した壁で足がつかない程度の所で腰と腕を固定する

楓「ぐへへ…絶景じゃのぉ」

時神「まったく…こんなことして…」

写道「なんだかこういうシチュエーションの漫画読んだことあるなぁ」

花石「楓ちゃんらしい悪用だとは思うけど…な、なんで私までよばれたの？」

楓「ここにザクロ君バージョンがあるよ」

目隠しをされ、壁に鎖によって大の字で固定された柘榴魔の姿があった

花石「わぁあ～♪」

楓「さ、ハルちゃん、堪能して♪」

花石「うん♪」

時神「まったく…」