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4.「Asymmetry」 作:tres
(か…勝った…!)
「くっそー…!まさか負けちまうとはな!悔しいぜ…!」
「…」
「でもオマエとのデュエル、すげえ面白かった!またオレとデュエルしてくれよな!」
「うん…またきっと」
「じゃあな!この先も負けんじゃねえぞ!」
「!?」
(眩しい…!この光は…!?)
「…う」
(収まったかな…?何だったんだろう…)
「…えっ?」
(あれ?いない…?)
===彼なら光に包まれて消えちゃったよ。
「!…」
===心配しないで、魔法が解けただけ。
===それよりおめでとう。素晴らしいデュエルだったよ。
「…ねえ、案内人さん」
===何かな?
「負けたら元の世界に戻れないって、本当…?」
===本当だよ。
「どうして言ってくれなかったの…?」
===言ったはずだよ。脱出する方法はひとつって。
「でも負けたらどうなるかなんて聞いてない…!」
===聞かれなかったからね。負けたらどうなるかなんて。
「…どうせわたしが聞いたところで自分の力で答えを探せ、って返したでしょ…」
===フフフ、どうだろうね。でも考えてごらんよ、あの時ボクがそれを言ってたらキミはどうなってたと思う?
===未知の世界で未知の相手に未知のカードを使ってのデュエル、しかも負ければ永遠にこのサーカス世界の住人。その状況下でキミは本来の実力を発揮できたと思うかい?
「…夢であって欲しいって思い続けてたかも」
(今でもそう思ってるけどね…)
===余計なプレッシャーをキミに与えなかった。これはボクなりの優しさだよ。
===それにキミ自身、夢だと思うことで平常心のままデュエルできたんじゃないかな。
「…やっぱりこれは、夢じゃないんだよね…?」
===そう思うならそうなんじゃないかな。
(初めの時と同じような答え…)
「ところで気になったんだけど…」
===何かな?
「…疑問に思わないんだね。わたしが何でこんなこと聞いてるのかって…」
===目の色が変わったからね。
(そのセリフ…デュエル中にも言ってた…)
「それってーーー」
~~~ねえ、アナタ!
「うん…?」
~~~あ、返事しなくていいわ!そのまま聞いて!
「…」
~~~アナタとアタシが繋がったことでね、声に出さなくても話ができるようになったわよ!
「!…」
~~~試しに何か話してみて。
(話してみてって言われても…あ)
(でもなんとなく、わかるかも…)
『こうかな…どう?』
~~~うん!伝わってるわよ!
『すごいね…!これもアイリスの力?』
~~~そうよ!すごいでしょ?これで誰にも聞かれずに話ができるわ!まあ元々アタシの声はアナタにしか聞こえないんだけどね。
『案内人さんとの話は聞こえてたの?』
~~~いいえ、アタシには聞こえなかったわ。でもアナタの声から何を話してたのかは、だいたいわかってたわよ!
『そうなんだ…』
(ということは、やっぱり案内人さんもわかってるよね…わたし自身、声に出してたし…)
~~~何か聞きたいこととかある?
『うん…あ、ちょっと待って』
「ねえ、今も制限時間ってあるの?」
===あるよ。ちなみにあと20秒くらい。
「!?…過ぎたらどうなるの!?」
(何でそんな大事なこと…!)
===そんな切迫した声出さないで。自動的に次のデュエルが始まるだけだよ、ランダムにカードがめくれてね。
「あ…始まるだけ?」
(案内人さん的には言う必要が無かった、ってだけか…)
===めくりたいなら今のうちだよ。
「うん…」
(じゃあ反対側のカードで…!)
~~~質問はいいの?
『うん。聞きたいことは色々あるけど、今は何よりもデュエルに絶対勝たなくちゃいけないから…!』
(!…やっぱりこのマークはどこかで…)
===真ん中に茶色の菱形が描かれてるね。背景もさっきと同じく真っ白だ。
「…あっ」
(そっか、トランプだ…!トランプのダイヤ…!)
(じゃあ最初に引いたあの三つ葉のクローバーはトランプのクラブだったんだ、ってカード違いじゃん…裏面は一緒なのに)
===さあ、また光るよ。
「おー、なんやウチの出番か?」
「…」
(今回は女の人…さっきの人よりは、やりやすそうかも)
「ん?アンタが相手?こらまたちっこいなー、まあええけど」
(…でもちょっと失礼)
「無駄話もなんやし、ほな、やろか」
「そうね…」
===落ち着いてるね。
「まあね…」
(緊張感はさっきと段違いだけど…)
(とにかく負けられない…絶対に…!)
“DUELSTART”
===どうしたの?キミの先攻だよ。
「うん…」
(最初の手札、デュエルの展開を大きく左右する5枚…)
(どうしよう…すごいドキドキしてる)
~~~緊張してるみたいね。手札を見るのが怖い?
『…正直、かなり…』
~~~でも安心して。そのデッキはさっきのと比べ物にならないくらい強くなってるわ。
『えっ…?』
~~~アタシの力がアーク召喚だけにとどまるワケないでしょ?
『…そう、だよね』
~~~そうそう!さ、頑張って戦いましょ!
(うん…大丈夫、わたしにはアイリスがついてる…!)
===フフフ、2回戦の始まりだね。
(…ちょっと偏ってる)
「スタンバイ、メイン」
(でも、悪くない組み合わせ)
「《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》を召喚」
《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600
【モンスター効果】
(1):
「カードを3枚セット」
「ターンエンド」
(動くのは、次のターン…!)
EX0 墓地0 除外0
相手 LP8000 手札5
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
TURN1→2 譜理子→相手
あ=《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃表示
◇ ◇ あ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ 裏 裏 裏 ◇
譜理子 LP8000 手札1
EX0 墓地0 除外0
「表情硬いなあアンタ。もっとリラックスしてデュエル楽しもうや」
「それは…難しいかな」
(こんな状況じゃなければ…わたしだって楽しくデュエルしたい)
「ほーん、ならしゃーないな。ウチのターン、ドロー」
「3枚の伏せカードかあ、怖いなあ。しかもそのH(ハンマー)・スインガー、破壊したらウチのカード巻き込む効果持っとるやん」
「ってなわけでちょっと封じさせてもらおか、《アモルファージ・プレスト》をPゾーンに発動や」
《アモルファージ・プレスト》
【Pスケール:青3/赤3】
このカードのコントローラーは、
自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。
またはリリースせずにこのカードを破壊する。
(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、
お互いに「アモルファージ」カード以外の罠カードの効果を発動できない。
(アモルファージ…!確か色々封じてくる系の…)
「そんで《アモルファージ・ガストル》をPゾーンに発動、チェーンも何も無いか?」
《アモルファージ・ガストル》
【Pスケール:青5/赤5】
このカードのコントローラーは、
自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。
またはリリースせずにこのカードを破壊する。
(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスター以外のモンスターの効果を発動できない。
「うん…」
「そんじゃあ行くで」
「ペンデュラム召喚!」
「《アモルファージ・ヒュペル》!《アモルファージ・キャヴム》!」
《アモルファージ・ヒュペル》攻撃表示
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1750/守 0
【モンスター効果】
(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
《アモルファージ・キャヴム》表側守備
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻 0/守2050
【モンスター効果】
(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
「ペンデュラム召喚時、何も無いか?」
「ない…」
「よっしゃ。これでお互いアモルファージ以外のモンスターと罠の効果の発動ができず、アモルファージモンスターしかEXデッキから特殊召喚できんようになった」
「…」
「バトルや、ヒュペルでH(ハンマー)・スインガーに攻撃」
(大丈夫…魔法は封じられてない)
「速攻魔法、《シンメトリアル・スイッチ》発動。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する」
「ちっ、速攻魔法があったんか」
「その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する」
《シンメトリアル・スイッチ》
速攻魔法
(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。
「わたしはH(ハンマー)・スインガーをリリースしてプレストを破壊」
「そしてデッキから…」
(この4枚の中だと…このカード)
「H(ハンマー)・スインガーよりレベルが2つ低い《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を手札に加える」
「まあええわ、再戦闘や。ヒュペルでダイレクトアタック」
(これで罠も発動できるようになった)
「罠発動、《ペンデュラム・スイープ》。ヒュペルを除外する」
《ペンデュラム・スイープ》
通常罠
(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。
「ひえっ!除外はきついわあ…」
(まずまずの流れかな…?モンスターの効果とEXは封じられたままだけど…)
「んー微妙な感じやなあ、カードを1枚セットしてターンエンドや」
EX1 墓地0 除外1
相手 LP8000 手札1
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
ア 空 ◇
◇ イ ◇ ◇ ◇
ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5
イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備
TURN2→3 相手→譜理子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札2
EX1 墓地2 除外0
「ドロー」
(!…これは…前のデュエルの時には入ってなかったよね?ってことは、これもアイリスの力…?)
(シンメトリアルってカード名からその発想はあったけど…こっちもちゃんとあったんだ)
(面白いくらい何もかも違うんだね。まさかPスケールまで…)
「スタンバイ、メイン」
(シンメトリーじゃないなんてね…!)
「《アシンメトリアル・P(プレート)》をPゾーンに発動」
《アシンメトリアル・P(プレート)》
【Pスケール:青5/赤2】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):
「P(プレート)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」
「デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」
(候補は、6枚…あ、同じレベルのアシンメトリアルは効果も同じなんだ…)
(P効果2種類とモンスター効果2種類の4パターン…覚えやすい)
(…それにしてもこのモンスター効果、これは何か専用サポートあるよね…?)
(って、早く選ばないと…後のことを考えるとここは…)
「わたしは水属性の《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をEXデッキに加える」
「続いて《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》をPゾーンに発動」
《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》
【Pスケール:青5/赤5】
(1):
「ほお?スケール張んのもええけどアンタのEXデッキのモンスター、ペンデュラム召喚で呼ばれへんで?」
「うん、だから呼べるようにする。M(ミラー)・ダイヴァーのP効果発動」
「1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」
(アシンメトリアルは名前にシンメトリアルを含んでいるから、発動条件を満たしてる…!)
「フィールドの表側表示のカード1枚を選択し、選択したカードの効果をターン終了時まで無効にする」
「うえっ!?」
「無効にするのはキャヴム。これでEXデッキの封印は解除…!」
「ペンデュラム召喚…!」
「…あ?なんや、モンスター出てへんで?」
「呼べない…」
「は?…ってよく見たらスケール同じやんけ!身構えて損したわ」
===どっちもスケールが5になってるね。これじゃペンデュラム召喚は不可能だ。
「…」
(左の青のPゾーンに発動したP(プレート)のスケールは赤の2じゃなくて、青の5になる…)
(さすがにスケールは選べなかったか…)
~~~あー…もしかして左右のスケールが違うPモンスター初めてだった?言っとけば良かったわね。
「アホやなあ、効果無効にした意味なくなってもうたやん」
「ううん…意味は、ある」
(わたしには、見える…!)
===フフフ、でもそれを想定していないキミじゃないでしょ。
~~~ペンデュラム召喚はできなくても、今のアナタならそれができるわよね!
「わたしはスケール5のP(プレート)とスケール5のM(ミラー)・ダイヴァーを」
「コネクト!」
「なんやて!?」
「アーク召喚!」
「その鋭利なる双剣で敵を追い詰めろ!《シャープハント・デーモン》!」
《シャープハント・デーモン》攻撃表示
アーク・効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250
スケール5×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):
(2):
~~~うん!ちゃんと呼び出せたわね!
『…ねえ、アイリス』
~~~何かしら?
『アーク召喚の時、わたしの意思とは無関係に勝手に召喚口上唱えてるんだけど…』
~~~自然とそういう状態になるみたいなのよ。アタシもその辺はよくわかんないのよね。
『そうなんだ…』
「ハハ、おもろいもん見せてくれるやんけ…!でもわかっとるやろな?アンタのモンスターは効果発動できんようなっとるで?」
「うん…でも、モンスターは破壊できる」
「バトル、《シャープハント・デーモン》でキャヴムに攻撃。シャープ・スラッシュ!」
(あ、攻撃名も自然と…)
「そうは行かへんで!罠発動や、《アモルファージ・ライシス》!」
《アモルファージ・ライシス》
永続罠
「アモルファージ・ライシス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):「アモルファージ」モンスター以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、
フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする。
(2):自分のPゾーンのカードが破壊された場合に発動できる。
デッキから「アモルファージ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。
「アモルファージ以外のフィールドのモンスターの攻守は、フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする」
「フィールドにアモルファージは3枚、よって300ダウンや!」
《シャープハント・デーモン》攻撃力2250→1950 守備力1250→950
「う…でも《シャープハント・デーモン》の効果で1ターンに1度、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける」
相手LP8000-100=7900
「ええ効果持っとんなあ。発動する効果とちゃうからガストルでも止められへんわ」
(破壊できなかったのは、痛いかも…)
「ターンエンド」
EX1 墓地0 除外1
相手 LP7900 手札1
◇ ◇ ウ ◇ ◇
ア 空 ◇
◇ ◇ ◇ イ ◇
ウ=《アモルファージ・ライシス》
ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5
イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備
TURN3→4 譜理子→相手
あ=《シャープハント・デーモン》攻撃表示
◇ ◇ あ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札1
EX4 墓地2 除外0
「くっそー…!まさか負けちまうとはな!悔しいぜ…!」
「…」
「でもオマエとのデュエル、すげえ面白かった!またオレとデュエルしてくれよな!」
「うん…またきっと」
「じゃあな!この先も負けんじゃねえぞ!」
「!?」
(眩しい…!この光は…!?)
「…う」
(収まったかな…?何だったんだろう…)
「…えっ?」
(あれ?いない…?)
===彼なら光に包まれて消えちゃったよ。
「!…」
===心配しないで、魔法が解けただけ。
===それよりおめでとう。素晴らしいデュエルだったよ。
「…ねえ、案内人さん」
===何かな?
「負けたら元の世界に戻れないって、本当…?」
===本当だよ。
「どうして言ってくれなかったの…?」
===言ったはずだよ。脱出する方法はひとつって。
「でも負けたらどうなるかなんて聞いてない…!」
===聞かれなかったからね。負けたらどうなるかなんて。
「…どうせわたしが聞いたところで自分の力で答えを探せ、って返したでしょ…」
===フフフ、どうだろうね。でも考えてごらんよ、あの時ボクがそれを言ってたらキミはどうなってたと思う?
===未知の世界で未知の相手に未知のカードを使ってのデュエル、しかも負ければ永遠にこのサーカス世界の住人。その状況下でキミは本来の実力を発揮できたと思うかい?
「…夢であって欲しいって思い続けてたかも」
(今でもそう思ってるけどね…)
===余計なプレッシャーをキミに与えなかった。これはボクなりの優しさだよ。
===それにキミ自身、夢だと思うことで平常心のままデュエルできたんじゃないかな。
「…やっぱりこれは、夢じゃないんだよね…?」
===そう思うならそうなんじゃないかな。
(初めの時と同じような答え…)
「ところで気になったんだけど…」
===何かな?
「…疑問に思わないんだね。わたしが何でこんなこと聞いてるのかって…」
===目の色が変わったからね。
(そのセリフ…デュエル中にも言ってた…)
「それってーーー」
~~~ねえ、アナタ!
「うん…?」
~~~あ、返事しなくていいわ!そのまま聞いて!
「…」
~~~アナタとアタシが繋がったことでね、声に出さなくても話ができるようになったわよ!
「!…」
~~~試しに何か話してみて。
(話してみてって言われても…あ)
(でもなんとなく、わかるかも…)
『こうかな…どう?』
~~~うん!伝わってるわよ!
『すごいね…!これもアイリスの力?』
~~~そうよ!すごいでしょ?これで誰にも聞かれずに話ができるわ!まあ元々アタシの声はアナタにしか聞こえないんだけどね。
『案内人さんとの話は聞こえてたの?』
~~~いいえ、アタシには聞こえなかったわ。でもアナタの声から何を話してたのかは、だいたいわかってたわよ!
『そうなんだ…』
(ということは、やっぱり案内人さんもわかってるよね…わたし自身、声に出してたし…)
~~~何か聞きたいこととかある?
『うん…あ、ちょっと待って』
「ねえ、今も制限時間ってあるの?」
===あるよ。ちなみにあと20秒くらい。
「!?…過ぎたらどうなるの!?」
(何でそんな大事なこと…!)
===そんな切迫した声出さないで。自動的に次のデュエルが始まるだけだよ、ランダムにカードがめくれてね。
「あ…始まるだけ?」
(案内人さん的には言う必要が無かった、ってだけか…)
===めくりたいなら今のうちだよ。
「うん…」
(じゃあ反対側のカードで…!)
~~~質問はいいの?
『うん。聞きたいことは色々あるけど、今は何よりもデュエルに絶対勝たなくちゃいけないから…!』
(!…やっぱりこのマークはどこかで…)
===真ん中に茶色の菱形が描かれてるね。背景もさっきと同じく真っ白だ。
「…あっ」
(そっか、トランプだ…!トランプのダイヤ…!)
(じゃあ最初に引いたあの三つ葉のクローバーはトランプのクラブだったんだ、ってカード違いじゃん…裏面は一緒なのに)
===さあ、また光るよ。
「おー、なんやウチの出番か?」
「…」
(今回は女の人…さっきの人よりは、やりやすそうかも)
「ん?アンタが相手?こらまたちっこいなー、まあええけど」
(…でもちょっと失礼)
「無駄話もなんやし、ほな、やろか」
「そうね…」
===落ち着いてるね。
「まあね…」
(緊張感はさっきと段違いだけど…)
(とにかく負けられない…絶対に…!)
“DUELSTART”
===どうしたの?キミの先攻だよ。
「うん…」
(最初の手札、デュエルの展開を大きく左右する5枚…)
(どうしよう…すごいドキドキしてる)
~~~緊張してるみたいね。手札を見るのが怖い?
『…正直、かなり…』
~~~でも安心して。そのデッキはさっきのと比べ物にならないくらい強くなってるわ。
『えっ…?』
~~~アタシの力がアーク召喚だけにとどまるワケないでしょ?
『…そう、だよね』
~~~そうそう!さ、頑張って戦いましょ!
(うん…大丈夫、わたしにはアイリスがついてる…!)
===フフフ、2回戦の始まりだね。
(…ちょっと偏ってる)
「スタンバイ、メイン」
(でも、悪くない組み合わせ)
「《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》を召喚」
《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/獣戦士族/攻1600/守1600
【モンスター効果】
(1):
「カードを3枚セット」
「ターンエンド」
(動くのは、次のターン…!)
EX0 墓地0 除外0
相手 LP8000 手札5
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
TURN1→2 譜理子→相手
あ=《シンメトリアル=H(ハンマー)・スインガー》攻撃表示
◇ ◇ あ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ 裏 裏 裏 ◇
譜理子 LP8000 手札1
EX0 墓地0 除外0
「表情硬いなあアンタ。もっとリラックスしてデュエル楽しもうや」
「それは…難しいかな」
(こんな状況じゃなければ…わたしだって楽しくデュエルしたい)
「ほーん、ならしゃーないな。ウチのターン、ドロー」
「3枚の伏せカードかあ、怖いなあ。しかもそのH(ハンマー)・スインガー、破壊したらウチのカード巻き込む効果持っとるやん」
「ってなわけでちょっと封じさせてもらおか、《アモルファージ・プレスト》をPゾーンに発動や」
《アモルファージ・プレスト》
【Pスケール:青3/赤3】
このカードのコントローラーは、
自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。
またはリリースせずにこのカードを破壊する。
(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、
お互いに「アモルファージ」カード以外の罠カードの効果を発動できない。
(アモルファージ…!確か色々封じてくる系の…)
「そんで《アモルファージ・ガストル》をPゾーンに発動、チェーンも何も無いか?」
《アモルファージ・ガストル》
【Pスケール:青5/赤5】
このカードのコントローラーは、
自分スタンバイフェイズ毎に自分フィールドのモンスター1体をリリースする。
またはリリースせずにこのカードを破壊する。
(1):自分フィールドに「アモルファージ」モンスターが存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスター以外のモンスターの効果を発動できない。
「うん…」
「そんじゃあ行くで」
「ペンデュラム召喚!」
「《アモルファージ・ヒュペル》!《アモルファージ・キャヴム》!」
《アモルファージ・ヒュペル》攻撃表示
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1750/守 0
【モンスター効果】
(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
《アモルファージ・キャヴム》表側守備
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻 0/守2050
【モンスター効果】
(1):P召喚・リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いに「アモルファージ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
「ペンデュラム召喚時、何も無いか?」
「ない…」
「よっしゃ。これでお互いアモルファージ以外のモンスターと罠の効果の発動ができず、アモルファージモンスターしかEXデッキから特殊召喚できんようになった」
「…」
「バトルや、ヒュペルでH(ハンマー)・スインガーに攻撃」
(大丈夫…魔法は封じられてない)
「速攻魔法、《シンメトリアル・スイッチ》発動。自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する」
「ちっ、速攻魔法があったんか」
「その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する」
《シンメトリアル・スイッチ》
速攻魔法
(1):自分フィールドの「シンメトリアル」モンスター1体をリリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、デッキからリリースしたモンスターよりレベルが2つ低い「シンメトリアル」モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚する。
「わたしはH(ハンマー)・スインガーをリリースしてプレストを破壊」
「そしてデッキから…」
(この4枚の中だと…このカード)
「H(ハンマー)・スインガーよりレベルが2つ低い《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を手札に加える」
「まあええわ、再戦闘や。ヒュペルでダイレクトアタック」
(これで罠も発動できるようになった)
「罠発動、《ペンデュラム・スイープ》。ヒュペルを除外する」
《ペンデュラム・スイープ》
通常罠
(1):フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。
「ひえっ!除外はきついわあ…」
(まずまずの流れかな…?モンスターの効果とEXは封じられたままだけど…)
「んー微妙な感じやなあ、カードを1枚セットしてターンエンドや」
EX1 墓地0 除外1
相手 LP8000 手札1
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
ア 空 ◇
◇ イ ◇ ◇ ◇
ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5
イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備
TURN2→3 相手→譜理子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札2
EX1 墓地2 除外0
「ドロー」
(!…これは…前のデュエルの時には入ってなかったよね?ってことは、これもアイリスの力…?)
(シンメトリアルってカード名からその発想はあったけど…こっちもちゃんとあったんだ)
(面白いくらい何もかも違うんだね。まさかPスケールまで…)
「スタンバイ、メイン」
(シンメトリーじゃないなんてね…!)
「《アシンメトリアル・P(プレート)》をPゾーンに発動」
《アシンメトリアル・P(プレート)》
【Pスケール:青5/赤2】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):
「P(プレート)のP効果発動。このカードの発動時、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる」
「デッキから地属性以外の「アシンメトリアル」Pモンスター1体を選び、自分のEXデッキに表側表示で加える」
(候補は、6枚…あ、同じレベルのアシンメトリアルは効果も同じなんだ…)
(P効果2種類とモンスター効果2種類の4パターン…覚えやすい)
(…それにしてもこのモンスター効果、これは何か専用サポートあるよね…?)
(って、早く選ばないと…後のことを考えるとここは…)
「わたしは水属性の《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》をEXデッキに加える」
「続いて《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》をPゾーンに発動」
《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》
【Pスケール:青5/赤5】
(1):
「ほお?スケール張んのもええけどアンタのEXデッキのモンスター、ペンデュラム召喚で呼ばれへんで?」
「うん、だから呼べるようにする。M(ミラー)・ダイヴァーのP効果発動」
「1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「シンメトリアル」カードが存在する場合に発動できる」
(アシンメトリアルは名前にシンメトリアルを含んでいるから、発動条件を満たしてる…!)
「フィールドの表側表示のカード1枚を選択し、選択したカードの効果をターン終了時まで無効にする」
「うえっ!?」
「無効にするのはキャヴム。これでEXデッキの封印は解除…!」
「ペンデュラム召喚…!」
「…あ?なんや、モンスター出てへんで?」
「呼べない…」
「は?…ってよく見たらスケール同じやんけ!身構えて損したわ」
===どっちもスケールが5になってるね。これじゃペンデュラム召喚は不可能だ。
「…」
(左の青のPゾーンに発動したP(プレート)のスケールは赤の2じゃなくて、青の5になる…)
(さすがにスケールは選べなかったか…)
~~~あー…もしかして左右のスケールが違うPモンスター初めてだった?言っとけば良かったわね。
「アホやなあ、効果無効にした意味なくなってもうたやん」
「ううん…意味は、ある」
(わたしには、見える…!)
===フフフ、でもそれを想定していないキミじゃないでしょ。
~~~ペンデュラム召喚はできなくても、今のアナタならそれができるわよね!
「わたしはスケール5のP(プレート)とスケール5のM(ミラー)・ダイヴァーを」
「コネクト!」
「なんやて!?」
「アーク召喚!」
「その鋭利なる双剣で敵を追い詰めろ!《シャープハント・デーモン》!」
《シャープハント・デーモン》攻撃表示
アーク・効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2250/守1250
スケール5×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):
(2):
~~~うん!ちゃんと呼び出せたわね!
『…ねえ、アイリス』
~~~何かしら?
『アーク召喚の時、わたしの意思とは無関係に勝手に召喚口上唱えてるんだけど…』
~~~自然とそういう状態になるみたいなのよ。アタシもその辺はよくわかんないのよね。
『そうなんだ…』
「ハハ、おもろいもん見せてくれるやんけ…!でもわかっとるやろな?アンタのモンスターは効果発動できんようなっとるで?」
「うん…でも、モンスターは破壊できる」
「バトル、《シャープハント・デーモン》でキャヴムに攻撃。シャープ・スラッシュ!」
(あ、攻撃名も自然と…)
「そうは行かへんで!罠発動や、《アモルファージ・ライシス》!」
《アモルファージ・ライシス》
永続罠
「アモルファージ・ライシス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):「アモルファージ」モンスター以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、
フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする。
(2):自分のPゾーンのカードが破壊された場合に発動できる。
デッキから「アモルファージ」Pモンスター1体を選んで自分のPゾーンに置く。
「アモルファージ以外のフィールドのモンスターの攻守は、フィールドの「アモルファージ」カードの数×100ダウンする」
「フィールドにアモルファージは3枚、よって300ダウンや!」
《シャープハント・デーモン》攻撃力2250→1950 守備力1250→950
「う…でも《シャープハント・デーモン》の効果で1ターンに1度、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける」
相手LP8000-100=7900
「ええ効果持っとんなあ。発動する効果とちゃうからガストルでも止められへんわ」
(破壊できなかったのは、痛いかも…)
「ターンエンド」
EX1 墓地0 除外1
相手 LP7900 手札1
◇ ◇ ウ ◇ ◇
ア 空 ◇
◇ ◇ ◇ イ ◇
ウ=《アモルファージ・ライシス》
ア=《アモルファージ・ガストル》スケール5
イ=《アモルファージ・キャヴム》表側守備
TURN3→4 譜理子→相手
あ=《シャープハント・デーモン》攻撃表示
◇ ◇ あ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ 裏 ◇ ◇
譜理子 LP8000 手札1
EX4 墓地2 除外0
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まさかの左右スケールの違うカード。まさにアシンメトリーですね。
そういえばOCGでも意味深に二つ書いてるけど実質片方で十分ですよねあれ。 (2019-09-22 13:26)
コメントありがとうございます。デュアルスパーク的なカードは使い道が多くて強いですよね。
名前の通りのアシンメトリーなカードの登場です。シンメトリアルとどのような違いがあるのかは後々明らかになっていきます。
そのうち左右のスケールが違うカードが登場するんじゃないか、って思いながら結局数年経ちました。強力なPモンスターが多い分、作る側も下手にいじれなくなってるんでしょうね…拡張性はあると思うのですが。 (2019-09-22 13:45)