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HOME > 遊戯王SS一覧 > 閃光

閃光 作:ほーがん

遊戯王ロストゲート:L 第2話「閃光」




 今再び、綻びが天の扉を叩く。

 天とは即ち、無限の宇宙。

 生命の始原を産み落とし、無残にも繰り返される宇宙の輪廻。遡行する魂は十一の次元へと溶け、藻掻き彷徨い永き時空を漂流する。やがて魂は惨憺たる祝福を受け、新たな箱舟の乗員となる。

 散り急げ生命よ、何度でも産まれ、何度でも壊れ、何度でも甦れ。箱舟を降り産声を上げたその日から、三千世界という檻の中で与えられた歓喜と悲哀を貪り、生きて屍ね。

 
 その箱舟の上、二つの龍が舞う。生命の根源を乗せ、心の果てに希望と絶望をそれぞれ宿しながら。

 その狭間で月狂の巫女はただ、微笑む。

 

 宇宙を“繋げる”力は永劫回路の扉を叩く。それは箱舟を裏切り、超越するための扉。果てしなき漆黒の先に待つ力の為に…。



 ――月へと狂う眼よ、覚醒の時は近い。





     ◇





 「鳴り交わす無窮の嘆きを具象し、原罪の鎖を解きて産まれよ!!月へと狂い、無限煌を放つ傀儡の蟲!リンク召喚!!リンク3、《月狂拷蟲-アラクネラ》!!」


 《月狂拷蟲-アラクネラ》
 リンクモンスター
 リンクマーカー 左上/上/右上
 リンク3 光 昆虫族 攻3000
  

 光臨する天よりの使徒。大地を穿ち迸る光は、月より産まれし霹靂。狂鳴する魂が蟲を象り、万物の尊厳すらも喰らう。

「なんだ…この、モンスターは…」

 言葉を失う遊牙。それもそのはず、今眼前に聳える巨蟲は全く未知の存在。その姿、そしてその理さえも。

「レベルもランクも持たず、守備力もない。どういうことだ…!!」

 既存の法則に囚われない存在に、遊牙の中で焦燥が音を立て始める。
 対して木島は、その瞳を深紅に染めたまま泰然と言い放った。

「リンクモンスターはレベル・ランク、守備表示を持たない。よって、それらを参照する一切の効果を受けない」
「…くっ、だがその攻撃力は3000。《屍命騎士団デッドジャック》の攻撃力は3300!このままでは越えられない!」

 義勇滾る黒き騎士は、盟友の残した盾と剣を手に月狂の蟲と対峙する。
 だが、木島の場で開いたカードが、その闘志を無に還す。

「リバースカード発動。罠カード《ライヤー・ワイヤー》。墓地の昆虫族モンスター1体を除外し、相手のモンスター1体を破壊する。俺は《ネオバグ・シェル》を除外し、《屍命騎士団デッドジャック》を破壊する」
 
 突如として、騎士の足元に大穴が出現した。その内部には何層にも重なった蜘蛛の糸が張り巡らされており、その一つ一つが鋭利な刃の如く月光を反照している。 
 引きずり込まれるように、姿勢を崩す騎士。だが遊牙は声を張り上げ、それに抗う。

「俺は装備している《屍命騎士団デイビット》の効果を発動!装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる!」

 騎士は大盾を振り上げると、斬糸の張り巡らされた陥穽に狙いを定め投擲した。切り裂かれながらも突き進む盟友の盾が罠を破り、やがて爆発と共にその穴が閉じていく。
 破壊こそ免れるも、遊牙の顔は苦い。

「《屍命騎士団デイビット》を失ったことで、《屍命騎士団デッドジャック》の攻撃力は元に戻る…。(攻3300→2500)」
(《屍命騎士団デッドジャック》のシンクロ召喚前にその素材となる『フラーケン』達を破壊していれば、《ネオバグ・スマッシャー》を失うことはなかったはず。まさか奴はリンク召喚の足掛かりとするため、わざと俺のシンクロ召喚を許したのか…!?)

 思考を巡らせる遊牙だが、敵の表情は依然、虚無に満ちた笑みを示しており、その意思を推し量ることはできない。
 答えを見つけるより先に、見えない糸に吊るされた腕が騎士を指さす。

「バトル、《月狂拷蟲-アラクネラ》で《屍命騎士団デッドジャック》を攻撃…!」

 傀儡の蟲は八つの多脚で大地を蹴り上げ、騎士目掛け猛進する。
 天より注ぐ赤き月光に囚われた騎士は、一寸たりとも回避を許されず。

「ぐっ!(LP4000→3500)」

 その月光を反照し赫奕と迸る拷蟲の牙が、一撃の下に騎士の甲冑を砕く。
 衝撃に踏みとどまる遊牙だが、その身を護る騎士はもう居ない。

「…俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 あくまでも態度を崩さぬ木島。月光はより一層、その頭上で紅く煌めく。
 面妖なる深紅の光に照らされながら、遊牙は厭忌と焦燥の入り混じった顔でデッキに手を伸ばす。

「俺の、ターン!」

 引いたカードを一瞥し、遊牙は間髪入れずにそのカードをディスクにセットする。

「俺は《屍命騎士団エリ―》を召喚!」


 《屍命騎士団エリ―》
 効果・チューナー
 星3 闇 アンデット族 攻1000・守0 


 小柄な容貌ながらも、確かな闘志を宿す女騎士が遊牙の前に降り立つ。

「《屍命騎士団エリ―》の効果発動!召喚に成功した時、墓地に存在するレベル4以下の「屍命騎士団」1体を特殊召喚できる!蘇れ、《屍命騎士団デイビット》!」

 戦友の剣に共振した魂は、再び大盾を携え冥府の門より姿を表す。
 しかし、その瞬間。月へと狂う拷蟲が牙を震わせ咆哮を轟かせた。
 その衝撃に騎士は力を失い、蟲の眼前へと膝をつく。
 
「《屍命騎士団デイビット》の効果が無効に…どういうことだ!?」
「自分の場に他のモンスターが存在せず《月狂拷蟲-アラクネラ》が存在する限り、相手はこのカードのリンク先にしかモンスターを特殊召喚できない」

 淡々と語る木島の言葉に、遊牙は自らのディスクを確認する。
 いつの間にか、傀儡の蟲が存在している場からこちらに向かって、三方向の印が伸びていた。これが奴の言う「リンク先」というものか。

「…リンク先にはEXデッキからモンスターを特殊召喚することができる。ただし《月狂拷蟲-アラクネラ》の効果によって、リンク先に特殊召喚されたモンスターの効果は無効となり、
守備表示となる」

 つまり、仲間を呼んだ所で蟲の餌食にされてしまうということか。遊牙の表情が段々と焦燥に支配されていく。

「くっ、諦めるものか…!俺は墓地の魔法カード《砕けぬ信念》の効果を発動!このカードを除外し、手札を1枚墓地に送ることで、デッキから《砕けぬ信念》以外の「屍命騎士団」と記された魔法・罠カード1枚を手札に加える!」

 魔法の効力によって、遊牙の手札に新たなカードが加わる。

「永続魔法《絆の証左》を手札に加え、これを発動!」

 遊牙の前に立つ二人の騎士が、それぞれに手を伸ばし固く繋いだ。剛毅なる心がエネルギーとなって甲冑を包み込んでゆく。

「自分の場に2体以上の《屍命騎士団》が存在する時、相手はそのモンスターを効果の対象にできない!そして、そのモンスターはそれぞれ1ターンに1度まで戦闘で破壊されない!」

 仮初の守りを固めたが、未知なる力に対してどれほど耐えることができるのか。
 遊牙を追い詰めるかのように晦冥の宵闇の中、月は天にて紅蓮に滾っていた。

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンド…」

 ターンが渡る。紅き月光に照らされ、徐々に震え始めた木島が何かを呟きながら、カードを引く。

「月へと狂いしものたちよ…扉の鍵を具象せよ…俺のターン…!」

 不意に木島が嗚咽のような声を漏らした。何事かと目を細める遊牙だが、次の瞬間起こった出来事に絶句する。

「!?」

 その口から漆く滴る何かが漏れていた。それはおおよそ人の体液とは思えぬ、謎の物質。大地に滴ったそれは一瞬のうちに蒸発し消滅していく。
 例えるならば、それは“闇そのもの”とでも言おうか。
 またしても操り人形の腕でそれを拭い、木島は笑みを浮かべながら続行する。

「俺はリバースカードを発動!罠カード《ディプライブ・プレデトリー》!自分の場の昆虫族モンスター1体を対象とし、このターンそのモンスター以外の攻撃権を破棄することで、そのモンスターは相手モンスター全てに1度ずつ攻撃できる!」
「なんだと!?」

 拷蟲の牙が輝きを増し、大地を震撼させる。
 再び迫りくる牙が、女騎士の甲冑に狙いを定めた。

「《月狂拷蟲-アラクネラ》で《屍命騎士団エリ―》を攻撃…!」

 絆の力により留まる騎士だが、その衝撃波は確実に遊牙の下へと届く。

「ぐあああっ!!(LP3500→1500)」
「さらに《屍命騎士団デイビット》を攻撃…!そして、《月狂拷蟲-アラクネラ》は守備表示のモンスターを攻撃しても戦闘ダメージを与えることができる!」

 決して緩まない追撃の手。すぐさま標的を変えた傀儡の蟲は、その多脚を大盾の騎士の頭上に掲げると、自由落下の加速と共に踏みにじった。

「ぐぅぅっ!!(LP1500→500)」

 悶え膝をつく遊牙。額から頬を伝う汗が零れ、地を染める。
 切り札は既に失い、仲間を呼ぼうにも蟲の前に跪き、力を奪われてしまう。果たしてこの戦いに希望はあるのか。
 この“人形”に追われていた彼女も、“人形”になってしまった目の前の人間も救えないと言うのか。
 そんなことはあり得ない、あり得てはいけない。

 そう。自分は誓ったのだ。助けたいという思いと、誰かの手を取ることを諦めない心。それを“自分の全てにする”のだと。

「まだだ、まだ俺は…!」

 言葉と共に遊牙は立ち上がる。その姿を嘲るように、漆黒の闇を吐瀉しながら震える目の前の“人形”が言い放つ。

「月狂の巫女は俺…お、わ…我のものダ…!我は、ターんエンど…!」

 事態は益々深刻になっていく。それを指し示すが如く、夜空はより一層紅く輝きを増していた。
 デッキへと指を添える遊牙。退くことは許されない。それは自身が与えた枷でもあるのだから。

 心よ、滾れ。描く道は常に一つだ。不撓不屈の思いを込めて、今、闇を切り裂く剣を抜け。

「俺のターン…!」

 その刹那。


 

 閃光が、駆け抜けた。
 
 



     ◇




 街の外れに位置する、すす汚れた白い壁を持つ小さな教会。廃墟の中でひっそりと佇むそれは、遊牙たちの生活の場であった。
「とりあえず、応急処置はしたけど…一体なにがあったのよカケルくん」
 遊牙の姉、霧野メイコに訊ねられたカケルは頭を抱える。
「“人形”だ、あれは噂なんかじゃなかったんだ…!」
「どういうことだ、カケル」
 カケルの肩に手を置く少女、牧瀬リンカが怪訝そうに顔を覗き込む。
「遊牙が今、“人形”とデュエルしてんだ。しかも、相手はあの木島で…」
「なんだと!?」 
 驚愕するリンカ。所詮は噂、そのように考えていた一同に緊張が走る。
 胸が締め付けられるような感覚に襲われるメイコ。その脳裏にかつての記憶が過る。

“……あなたは、遊牙。霧野遊牙よ……”

「助けにいかなきゃ…!」
 衝動的に走り出そうとしたメイコだったが、カケルに制止される。
「待てよメイコさん!デュエリストじゃないメイコさんが今行っても…」
「でも、遊牙に何かあったら…!」
 その時。老朽し色褪せたステンドグラスが、一瞬にして強烈な耀きに包まれた。
「今のって…」
 雷でもなく、人工的な照明でもない。その特異な閃光をメイコは知っていた。否、体験していたというべきか。
「やっぱり行かなきゃ!」
 カケルを振り切り、メイコは教会を飛び出した。仕方なしにカケルもその後を追う。
「ちょっとメイコさん!リンカ、その娘を頼む!」
「お、おいカケル!」
 扉の向こうに背中が消える。リンカは脚に包帯を巻かれ、長椅子に横たわる白い少女を横目にため息をついた。
「一体、何がどうなってる…」





     ◇
 



 それは、凄まじい光。自らの輪郭さえも曖昧になるほどの膨大な光量が駆け抜けていく。それは前方から後方に向かって、あるいは過去から未来に向かって、地より天に向かって…。
 魂が呼応する。強い共振と共鳴。何ゆえか、それはとても懐かしく温かい光に思えた。
 だが、それだけではない。繰り返される悲しみと戦いの流転。その全てが綯い交ぜとなり、透明の身体を通り抜ける。

 気づけば眼前には、最後のイメージがあった。
 閃光を放つ龍は、宙へと聳え、無窮の闇へ光を掲げる。
 それは、永久に続く天上天下を照らし、生命を称え踊る希望の光。遥か太古より久遠の鎖に縛られた法則を覆す、革命の光。
 
 導かれるようにその箱舟の守護者へと手を伸ばす。眩い閃耀にも退かず、その手が何かを掴んだ。
 その指先に馴染む1枚のカード、その形は新たなる剣となる。


 霧野遊牙は去ってゆく龍へ頷き、再び戦いの中へ身を投じる。その眼光は遥かなる信念を貫いて。

「俺は魔法カード《死者蘇生》を発動!墓地のモンスターを特殊召喚する!来い《屍命騎士団デッドジャック》!!」

 紅き闇を引き裂き、破邪の甲冑が騎士となりて降臨する。だが、傀儡の蟲は、決して抵抗を許さない。

「《月狂拷蟲-アラクネラ》が存在する限り、相手はリンク先にしかモンスターを特殊召喚できず、それらは全て守備表示となり効果を失う」

 膝をつく黒き騎士。しかし、その魂から闘志は絶えない。
 その鼓動を感じ取り、遊牙は掌を翳す。

「遊牙!」
 戦いの場へと赴いたメイコとカケルが、宙を見上げ驚愕する。
「月が赤い…!どうしてここだけ…」
「なんだあのモンスターは!あれが“人形”の使う未知のカード…!一体どうなって…」
 状況を飲み込むことができない二人は、遊牙に問いかけようとするも、その異質な雰囲気に押されてしまう。
「遊牙、お前…」

 静寂。そして、次の瞬間。遊牙は叫ぶ。

「現れよ!!我が魂の源、カテドラルより来たりし閃光回路!!」

 今一度、天を染める閃光に包まれ、永劫回路が姿を表す。

「アローヘッド確認!召喚条件は《屍命騎士団デッドジャック》を含むモンスター2体以上!俺は《屍命騎士団デッドジャック》《屍命騎士団エリ―》《屍命騎士団デイビット》の3体をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!!」

 盟友の魂は光と昇華し、次元間の永劫回路より新たなる生命と具現する。

「眩き光の甲冑よ!鋼の闘志をその身に宿し、天をも穿ち闇を切り裂け!!リンク召喚!!光来せよ、リンク3《聖命騎士王ジャックス・レイ》!!」

 
 《聖命騎士王ジャックス・レイ》
 リンクモンスター リンクマーカー 左下/左/右下
 リンク3 光 戦士族 攻撃力2500


 それは、始原の力。それは、箱舟を護りし大いなる光。揺ぎ無き剣は魂の現身。降誕せしむるは破邪の聖白。
 その身に鎧うは閃光を具象し、結晶した甲冑。そこに宿る穢れなき魂が、月へと狂うものへ引導を渡す。

「…リンクモンスターは守備表示を持たない。よって、お前のモンスターの効果を受けない」
「なぜだ、なぜ貴様に…永劫回路を開くことができる…??否、これは閃光眼の因子…??」

 明らかな動揺を見せる木島。その瞳が狂ったように揺れ始める。
 敵の拷蟲を見据え、遊牙は厳然と言い放つ。

「俺は《聖命騎士王ジャックス・レイ》の効果発動!!このカードのリンク召喚に成功した時、墓地より《屍命騎士団デッドジャック》をこのカードのリンク先に特殊召喚する!!」
「森羅万象、その無幻回廊の理を貫き蘇れ!《屍命騎士団デッドジャック》!!」
 
 冥府の門を切り裂き、破邪の漆黒が並び立った。その姿は雄々しく剣を構え佇む。もはや傀儡の蟲に、騎士の征く道を遮ることはできない。
 
「この効果で特殊召喚された《屍命騎士団デッドジャック》は、このターン相手の効果を受けない!そして、《屍命騎士団デッドジャック》の効果発動!!」
「自分のLPが相手よりも2000以上低い場合、このカードの攻撃力を倍にする!!(攻2500→5000)」

 騎士の剣が輝く。その光は紅き宙をも切り裂き、一撃の下に月へと狂うものを断つ。

「バトルだ!!《屍命騎士団デッドジャック》で《月狂拷蟲-アラクネラ》を攻撃!!」
『殲滅のサイレントスラッシュ!』

 静寂の中、騎士の剣は一瞬にして傀儡の蟲より生命を刈り取った。崩壊してゆく体組織が断末魔の代わりに月へと嘆きの唄を奏でる。

「…んんぅぅ!!(LP2900→900)」

 続けざまに木島の下へ、散っていった魂が力となって追撃を加える。

「《屍命騎士団デッドジャック》が相手モンスターを戦闘破壊したことで、墓地のアンデット族モンスター1体につき200のダメージを受けてもらう!!」
「…うぅぅぅぅううう!!!(LP900→100)」

 もはや抵抗の余地はない。最後に剣を振るうは、聖白の騎士王。

「月へと狂い、覚醒の残滓に溺れし者よ!!永劫の闇へと消え去れ!!《聖命騎士王ジャックス・レイ》でダイレクトアタック!!」 
 
 白銀の聖剣を構え、裂帛の闘志と共に騎士は飛翔する。紅蓮の月光をも凌駕し、閃耀と共に騎士が駆ける…!


『閃爍のシャイニングスラッシュ!!』


 眩き閃光が刃と成って迸る。その一閃が全てを決した。人の心を巣食う月へと狂う思念は、放たれた騎士王の剣によって断ち切られたのだ。


「ううぅぅぅぅあああ!!(LP100→0)」


 遊牙は天上を見上る。月は本来の輝きを取り戻し、宵闇の大地を照らしていた。


「……カテドラル……」




つづく。  
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ギガプラント
リンクのエースもいらっしゃるということか。直ぐに素材となったデッドジャック蘇生できるのは嬉しいですね。
永劫回路って響きがもう格好良いですね。今回も凄く深い設定がありそうだ。 (2019-08-24 09:01)
ほーがん
ギガプラントさんコメントありがとうございます。
遊牙もまたリンク召喚の使い手となりました。この世界観ではリンク召喚は一般的な存在ではないので、物語にどう影響してくるのか注目して頂けると幸いです。
永劫回路(実は語感で決めました)についても色々設定を練っております。またよろしくお願い致します。 (2019-08-24 21:47)

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