決闘女 秋月巴 〜雅ヶ峰女学園の風光明媚な決闘〜/第1話「春の嵐」DU-1 作:フラッシュロック

~前回までのあらすじ~
この春、雅ヶ峰女学園に入学した秋月巴は廊下で日向ぼっこをしていた所、上級生から声を掛けられた。
上級生の名は桜庭春香。三年生である彼女は入学したばかりの巴を「連れていきたい場所がある」と言って強引にどこかへ引っ張っていく。
いやいやながら付いていった先で巴が目にした物は校内にある決闘場だった。
突然の大舞台に立たされ困惑する巴であったが、春香の誘いを断ることができず、その腕にデュエルディスクを装着するのであった。


『デュエルッ!!』


二人の掛け声と共に、戦いの火蓋が切って落とされる。


ハルカ:LP4000
手札:5

トモエ:LP4000
手札:5


「先行は貰うわね。私のターン!
‥‥‥うん、まずはこの子に任せるわ。〈春風の使い〉召喚!」


《あはっ♪》

〈春風の使い〉
星2/風属性/天使族
攻400


春香が手札からモンスターを召喚した。
すると、ソリッドビジョンシステムによりモンスターが決闘者の前に実体を現す。
光の中から現れたのは、桜の枝を指揮棒のように持った桜色の妖精だ。


「攻撃力の低い低級モンスターを召喚した‥‥‥?」

「モチロン、考えなしに召喚したわけじゃないわよ?
〈春風の使い〉の効果発動!召喚に成功した時、このモンスターを守備表示にする!」


《んー!》

〈春風の使い〉
攻400 → 守1800


〈春風の使い〉が体を縮こませ、防御姿勢を取る。
その健気な姿に巴は頬が緩みそうになるが、決闘中なので気を引き締めてモンスターを分析する。


「なるほど。召喚すると守りを固めるディフェンスモンスター、ですか」


巴はそう口にしながらも、まだ疑問が残っていた。


(あのモンスター、確かにレベルに対して防御力はある方だけど‥‥‥
ある程度の攻撃力を持ったモンスターなら、突破は難しくないような?)


デュエルが始まった以上、巴は巴なりにデュエリストらしく相手の戦略を読もうと考え込む。
その神妙そうな顔をみた春香が声を掛ける。


「あまり気を張らなくてもいいのよ?
まだまだデュエルは始まったばかりなんだから。
私は、リバースカードを2枚伏せてターンエンド!」

(誰のせいだ!)
「ハ、ハイ‥‥‥善処します‥‥‥」



ハルカ:手札5→2
場:〈春風の使い〉
伏せカード2枚



あの先輩はかなりマイペースな人なんだ、と断定した巴は決闘に集中し、これ以上心をかき乱されないよう決心をしてドローする。


「私のターン!ドロー!」

トモエ:手札5→6


巴は手札と相手の場を確認し、どう動くか考え始める。

(よし、この手札なら相手の壁モンスターは問題なく戦闘破壊できる‥‥‥でも、あんなモンスターに“任せ”られるほどのステータスは無い‥‥‥
なら、1枚はおそらく〈聖なるバリア -ミラーフォース-〉のような攻撃反応の罠‥‥‥でも、もう1枚は‥‥‥)


巴は伏せてあるカードの正体を掴もうと熟考を重ねる。
どうやら今の手札では伏せカード全てを処理するのは不可能なようだ。


(でも、1枚だけなら)
「私は手札から、速攻魔法〈サイクロン〉を発動!ハルカ先輩の右に伏せているカードを破壊します」


〈サイクロン〉は、場に存在する魔法か罠を1枚破壊するカード。巴が発動した〈サイクロン〉から竜巻が放たれ、その旋風により、春香のフィールドに伏せてあったカードのビジョンを粉砕した。


「‥‥‥なかなか鋭いわね。伏せてあったのは〈リビングデッドの呼び声〉よ」

「いえいえ、恐縮です」
(攻撃反応じゃなかった!)


巴が今破壊したカードは墓地からモンスターを蘇生する事ができる〈リビングデッドの呼び声〉。
強力なカードながら、巴の予想してなかったカードである以上、攻撃する危険性は変わらない。


「‥‥‥私は、〈月凛剣士シッカル〉を召喚します」


《ハァッ》

〈月凛剣士シッカル〉
星4/光/戦士族
攻1600


キラキラと輝きを放つ黄金色の鎧を身に纏い、まるで月そのものを構えているように見える真円の盾と、三ケ月のように鋭利な剣を備えた戦士がフィールドに現れる。

春香は朗らかな表情のままであったが、モンスターが召喚された時、巴は小さな違和感を感じた。


「‥‥‥ゲツリン、ね。ふふっ、強そうなモンスターね!」

(‥‥‥?今、一瞬だけ反応したような‥‥‥まぁ、いいか)
「‥‥‥行きますよ、春香先輩!
バトル!〈月凛剣士シッカル〉で先輩のモンスターに攻撃!」


刃を振り抜いた月の剣士が春の妖精へと斬りかかる。


「あら、見間違いかしら?後輩ちゃんのモンスターの攻撃力より私の〈春風の使い〉の方が守備力は上よ?」


〈月凛剣士シッカル〉
攻1600

〈春風の使い〉
守1800


「私だって考えなしに攻撃はしませんよ。
〈シッカル〉の効果発動!このモンスターが攻撃するバトルの間、相手モンスターの守備力の半分だけ〈シッカル〉の攻撃力を上昇させます!」


〈月凛剣士シッカル〉
攻1600 → 攻2500


「!!攻撃力2500‥‥‥!」


《フンッ!》

《きゃー!》


〈シッカル〉が一閃。〈春の使い〉は跡形もなく破壊された。その衝撃はバトルフィールドによりプレイヤーへ強風という形で伝わる。


「くぅっ‥‥‥!」

「〈春の使い〉撃破!」

「‥‥‥ん〜〜!!やるわね、後輩ちゃん!」


自分のモンスターが破壊されたというのに、春香は明るい表情のままだった。
巴は依然として相手のペースに乗せられている気がしてならない。


(この人、底が知れないな‥‥‥)

「でも私だって負けないわ!今破壊された〈春風の使い〉の効果発動!破壊された時にこのカードを除外して、手札から「春風」の名を持つモンスターを特殊召喚する!」

「えっ!」
(あのモンスター、守備表示になるだけじゃないのか!?)

「私は手札から、〈春風を駆ける駿馬〉を特殊召喚!攻撃表示!」

春香が宣言した瞬間、フィールドを風が吹き抜ける。
それと同時に、力強い蹄を鳴らす音を巴は耳にした。


バカラッバカラッバカラッ

《ヒヒーン!》

〈春風を駆ける駿馬〉
星6/風属性/獣族
攻2500


桜色のタテガミをなびかせた白馬が大きくいなないて現れる。その大きさは馬というには余りにも大きく、象に匹敵すると思えるほどだった。


「攻撃力2500の上級モンスター‥‥‥!」

「あら?後輩ちゃんのモンスターだってレベル4で2500だったでしょう?」

「‥‥‥“だった”って分かってるじゃないですか‥‥‥」

「ふふふ‥‥‥ごめんなさい、イジワルだったわね?」

(うぅ‥‥‥やりにくい)
「‥‥‥〈月凛剣士シッカル〉は〈春風の使い〉との戦闘を終えて、その攻撃力は元に戻っています」


〈月凛剣士シッカル〉
攻2500 → 攻1600


「そうね。そして、このまま私にターンを渡すなら〈シッカル〉を戦闘で破壊させて貰うわ」

(こっちが何か対策を立てる事も見越しているってことか‥‥‥)
「‥‥‥私はカードを3枚伏せて、ターンエンド、です」


トモエ手札:6→1
場:〈月凛剣士シッカル〉
伏せカード3枚


「対策は万全なようね?私のターン!」


〜「春の嵐」DU-2へつづく〜
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