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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第2話:1-2

第2話:1-2 作:光芒






「先攻後攻の決定権は私に与えられました。私は先攻を取ります」

 このセントラル校のデュエルでは、先攻後攻の決定権はデュエルディスク内蔵のコンピューターによって自動的に決められる。少なくともじゃんけんやコイントス、先に宣言した方が先攻というものと比べればまあ腑に落ちる決定方法であろう。

「いーよ、じゃあアタシは後攻ね☆ プロデュエリストのゆいゆいがどんなデュエルをするのか、アタシ楽しみだよー!」
「……」

 プロになってからの自分にとって、デュエルとは常に緊張感に包まれたもの。結衣はそう思っていた。デュエルの内容も大事であるが、結果的に勝てなければ意味はない。そうなれば誰もが真剣にデュエルに取り組む。しかし、今自分が対峙している遊舞にはそれがない。それがない故に掴みどころがない相手にもなっていた。

(調子が狂いますね……首席入学するような人とはいえ、容赦する必要はありません。すぐに倒します)
「デュエル!」
「デュエル☆」


先攻:結衣
後攻:遊舞

結衣 LP8000 手札5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊舞 LP8000 手札5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0
EXデッキ:15(0)


☆TURN01(結衣)

「私の先攻です。私は《ジェネクス・ウンディーネ》を召喚します」

《ジェネクス・ウンディーネ》
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1200/守600
(1):このカードが召喚に成功した時、デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから「ジェネクス・コントローラー」1体を手札に加える。

「召喚に成功したジェネクス・ウンディーネの効果を発動します。デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送り、デッキから《ジェネクス・コントローラー》1体を手札に加えます。この効果に対してチェーンはありますか?」
「ないよー」
「……わかりました。効果を処理します。ウンディーネの効果でデッキから海皇の竜騎隊を墓地へ送り、ジェネクス・コントローラー1体を手札に加えます。水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた海皇の竜騎隊の効果で私はデッキから海竜族モンスターの水精鱗-メガロアビスを手札に加えます。そして魔法カード、雪花の光を発動。デッキからカードを2枚ドローします。そして私はこの効果を発動した後、同名カードの魔法・罠カードを使用できなくなります」
「へー、ゆいゆいのデッキは【海皇水精鱗】なんだね☆ 確かにそのデッキなら雪花の光の効果が活きるもんね! 魔法・罠カードに頼らなくてもモンスターの効果だけで戦えるし!」

 口調や態度こそ軽いが、海皇水精鱗のデッキの特徴をすらすらと述べることができるあたりはやはり首席入学者なのだろう。もしまぐれで入学したのであれば、軽く遊んでやることもできたが、デュエルについての知識を持ち併せているのであれば話は別。

(デュエルがわかっているなら、手を抜く必要はありませんね)
「墓地の雪花の光をゲームから除外し、もう一つの効果を発動します。手札のモンスター1体を相手に見せ、そのモンスターをデッキに戻して1枚ドローします。ジェネクス・コントローラーをデッキに戻してもう1枚ドローです」
「なるほど……手札で腐っていてシナジーも少ないジェネコンを有効活用したってことね☆ さっすがー!」
「デッキから手札に加わった《彩宝龍》の効果を発動します。このカードを相手に見せることで、手札から特殊召喚できます」

《彩宝龍》
チューナー・効果モンスター
星5/水属性/海竜族/攻0/守2600
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがデッキから手札に加わった場合、このカードを相手に見せて発動できる。このカードを特殊召喚する。
(2):このカードが効果で自分の墓地から手札に加わった場合、このカードを相手に見せて発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

「そして私はレベル3のジェネクス・ウンディーネに、レベル5のチューナーモンスター、彩宝龍をチューニング! “電光石火の戦士よ。超越の鎧を身に纏い、時空を統べる覇者となれ!” シンクロ召喚! レベル8《PSYフレームロード・Ω》!」

《PSYフレームロード・Ω》
シンクロ・効果モンスター(制限カード)
星8/光属性/サイキック族/攻2800/守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。相手の手札をランダムに1枚選び、そのカードと表側表示のこのカードを次の自分スタンバイフェイズまで表側表示で除外する。
(2):相手スタンバイフェイズに、除外されている自分または相手のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地に戻す。
(3):このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードと墓地のこのカードをデッキに戻す。

「まだです。私は手札の海皇の竜騎隊を墓地へ捨てて、手札の《水精鱗-ディニクアビス》の効果を発動します」

《水精鱗-ディニクアビス》
効果モンスター
星7/水属性/水族/攻1700/守2400
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札からこのカード以外の水属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードの(1)の効果で特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキからレベル4以下の「水精鱗」モンスター1体を手札に加える。

「ディニクアビスを特殊召喚します。そして特殊召喚に成功したディニクアビスと墓地へ送られた竜騎隊の効果を発動します」

チェーン2(結衣):水精鱗-ディニクアビス
チェーン1(結衣):海皇の竜騎隊

「チェーン2のディニクアビスの効果で私はレベル3の《水精鱗-アビスグンデ》を、チェーン1の竜騎隊の効果で私は海竜族の氷霊神ムーラングレイスを手札に加えます。更に、私は手札の《水精鱗-リードアビス》とアビスグンデの2体を墓地へ捨てて、水精鱗-メガロアビスの効果を発動します! メガロアビスを特殊召喚! そして水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ捨てられたアビスグンデの効果を発動します」

《水精鱗-アビスグンデ》
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1400/守800
このカードが手札から墓地へ捨てられた場合、自分の墓地から「水精鱗-アビスグンデ」以外の「水精鱗」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。「水精鱗-アビスグンデ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

「墓地からリードアビスを特殊召喚します」

《水精鱗-リードアビス》
効果モンスター
星7/水属性/海竜族/攻2700/守1000
自分のメインフェイズ時、手札からこのカード以外の水属性モンスター3体を墓地へ捨てて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した時、自分の墓地から「アビス」と名のついた魔法・罠カード1枚を選択して手札に加える事ができる。
また、このカード以外の自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する「水精鱗」と名のついたモンスター1体をリリースする事で、相手の手札をランダムに1枚墓地へ送る。「水精鱗-リードアビス」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

「これで私の墓地に存在する水属性モンスターは竜騎隊2体、ウンディーネ、彩宝龍、アビスグンデの5体ちょうど。よって手札から氷霊神ムーラングレイスを特殊召喚! 特殊召喚に成功したムーラングレイスの効果。相手の手札2枚をランダムに選んで捨てます」
「うわー……初手ハンデスはきっついよー」

 ムーラングレイスの放った冷気によって、遊舞の手札2枚が墓地へ送られる。しかし、これで終わるほど結衣は甘くない。

「そしてリードアビスの効果を発動。フィールドに表側攻撃表示で存在する水精鱗モンスター1体をリリースすることで、相手の手札1枚をランダムに墓地へ送ります。ディニクアビスをリリースし、更にもう1枚……墓地へ送ってください」
「先攻3ハンデスはまずいってー……」
「そうですね……私はレベル7のリードアビスとメガロアビスでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! “鋼の鎧を纏いし黒竜よ。真紅の瞳を怒りに染め、全てを焼き尽くしなさい!” ランク7!《真紅眼の鋼炎竜》!」

《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタルドラゴン)》
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
レベル7モンスター×2
(1):X素材を持ったこのカードは効果では破壊されない。
(2):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に相手に500ダメージを与える。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

「私はこれでターンエンドです」


結衣 LP8000 手札1枚
デッキ:28 モンスター:3(PSYフレームロード・Ω、真紅眼の鋼炎竜 ORU:2、氷霊神ムーラングレイス)魔法・罠:0 墓地:6 Pゾーン:青/赤 除外:1 EXデッキ:12(0)
遊舞 LP8000 手札2枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:3 Pゾーン:青/赤 除外:0
EXデッキ:15(0)


「うん……流石だ」

 裏からデュエルを見ていた遊大は思わず感嘆の声を漏らす。初期手札の巡り合わせがよかったとはいえ、結衣はジェネクス・ウンディーネ1枚から攻撃力2800の大型モンスター3体をフィールドに並べ、ムーラングレイスとリードアビスの効果で先攻ながら3枚のハンデスを決めてみせた。更にこのターンでは発動しなかったが、PSYフレームロード・Ωの効果も合わせれば、もう1枚のハンデスが見込める。となれば、先攻の布陣としてはこれ以上にないほどに理想的であると言えた。

「そして真紅眼の鋼炎竜はオーバーレイユニットを持っている限り、カードの効果が発動する度に500のダメージを与える。残り2枚の手札で挽回しようにも、ライフをどんどん削られてしまう。どう見ても結衣さん有利の状況だ。そのはずだけど……」

 しかし、遊大はデュエリストの本能から感じ取っていた。結衣と対峙するもう一人の少女―――遊舞の底知れなさを。


☆TURN02(遊舞)

「アタシのターン、ドロー! いきなり3ハンデスはきっついよゆいゆい~」
「……これはデュエルです。デュエルに情けは無用ですから」
「ま、そうなんだけどね。てことでまずは手札を補充するよ! アタシはメインフェイズ1の開始時にEXデッキのカード6枚を裏側表示でゲームから除外して《強欲で金満な壺》を発動するよ☆」

《強欲で金満な壺》
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。

「その効果にチェーンして、PSYフレームロード・Ωの効果を発動します!」

チェーン2(結衣):PSYフレームロード・Ω
チェーン1(遊舞):強欲で金満な壺

「チェーン2のPSYフレームロード・Ωの効果でこのカードとあなたの手札のカード1枚を次の私のスタンバイフェイズまでゲームから除外します!」
「いいよ、チェーンはない。でもってチェーン1の強欲で金満な壺の効果で2枚ドロー!」
「真紅眼の鋼炎竜の効果でダメージを受けてもらいます!」

遊舞 LP8000→7500

「いてて。でもゆいゆい、水属性デッキお得意のハンデスを狙ったようだけど、あまり図に乗っちゃまずいと思うな☆」
「えっ……」
「今除外された手札のカードは《嵐征竜-テンペスト》! よってテンペストの効果が発動するよ☆」

《嵐征竜-テンペスト》
効果モンスター(制限カード)
星7/風属性/ドラゴン族/攻2400/守2200
このカード名の(1)~(4)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からこのカードと風属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。デッキからドラゴン族モンスター1体を手札に加える。
(2):ドラゴン族か風属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。デッキからドラゴン族・風属性モンスター1体を手札に加える。

遊舞 LP7500→7000

「テンペストですか……」
(嵐征竜-テンペストが入る、ということは風属性のデッキでしょうか。種族を考えるとシナジーするのは恐らく【ドラグニティ】……)
「除外されたテンペストの効果でアタシはデッキから風属性・ドラゴン族の《ランリュウ》を手札に加えるよ! そしてアタシのフィールドにモンスターが存在しない時、手札の《WW-アイス・ベル》の効果を発動!」

《WW-アイス・ベル》
効果モンスター
星3/風属性/魔法使い族/攻1000/守1000
「WW‐アイス・ベル」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、デッキから「WW」モンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手に500ダメージを与える。

遊舞 LP7000→LP6500

「【WW】? まあ、出張もこなせますからね。風属性のデッキであれば入っていてもおかしくはありません」
「WWかぁ……美鈴さん怒ってるだろうなぁ」

 【WW(ウインド・ウィッチ)】は風属性・魔法使い族で統一されたカテゴリーであり、効果発動後はEXデッキから特殊召喚されるモンスターのレベルや属性に縛りが付くものの、1枚から強力なSモンスターであるクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンのS召喚に繋げられるなど、デッキを選ばず入れられるカテゴリーでもある。
 ちなみにこのカードを中心にしたデッキを美鈴が使用しており、遊大にとっても決して遠い存在ではないカードだ。そして先のキスも相まって遊舞を目の敵にしている美鈴からしてみれば、遊舞がこのカードを使うことに関して複雑な感情を抱いているであろうことは否めない。

「特殊召喚に成功したアイス・ベルの効果でアタシはデッキからチューナーモンスター《WW-グラス・ベル》を特殊召喚! そして特殊召喚に成功した2体のWWの効果を発動するよ☆」

《WW-グラス・ベル》
チューナー・効果モンスター
星4/風属性/魔法使い族/攻1500/守1500
「WW‐グラス・ベル」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「WW‐グラス・ベル」以外の「WW」モンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない。

遊舞 LP6500→5500

チェーン2(遊舞):WW-アイス・ベル
チェーン1(遊舞):WW-グラス・ベル

「チェーン2のアイス・ベルの効果でゆいゆいに500ダメージ!」

結衣 LP8000→7500

「そしてチェーン1のグラス・ベルの効果でデッキから《WW-スノウ・ベル》を手札に加える。更にアタシのフィールドに魔法使い族モンスターが存在する時、このカードは手札から特殊召喚できるよ☆ 来て、ランリュウ!」

《ランリュウ》
効果モンスター
星4/風属性/ドラゴン族/攻1500/守200
(1):「ランリュウ」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):自分フィールドに魔法使い族モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、「ランリュウ」以外の自分の墓地の攻撃力1500/守備力200のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

「最後に手札のスノウ・ベルの効果を発動!」

《WW-スノウ・ベル》
チューナー・効果モンスター
星1/風属性/魔法使い族/攻100/守100
(1):自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードをS素材として風属性SモンスターをS召喚した場合、そのSモンスターは相手の効果では破壊されない。

遊舞 LP5500→5000

「アタシのフィールドに風属性モンスターが2体以上存在して、風属性以外のモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる!」
「召喚権を使わずに4体のモンスターを……ですが、行き着く先は大方スノウ・ベルの効果で効果破壊耐性を与えたクリスタルウィングでしょうけど」
「んー、まあそうするのがベストなのかもしれないけどね。どうやらさっきの強欲で金満な壺の効果でクリスタルウィングも《WW-ウィンター・ベル》も除外されちゃったぽいんだよね☆」

 強欲で金満な壺の効果で除外されるEXデッキのカードはランダムに選ばれる。そのため、どのカードが除外されたのかというのは基本的に確認することができない。しかし、残っているEXデッキのカードを見れば使用者であればある程度は判断することができる。

「……そうですか。まあ強欲で金満な壺を使う場合はよくあることなのでしょうがないですね。ではその小型モンスターたちをいたずらに並べたところでどうするんですか?」
「アイス・ベルを特殊召喚したターン、アタシはEXデッキからレベル5以上の風属性モンスターしか特殊召喚できなくなって、グラス・ベルのサーチ効果を使った後は更に風属性モンスターしか特殊召喚できない制約がつく。じゃあどうするか……そんなの簡単だよね☆ 手札から出せばいいんだよ☆」
「手札から?……この状況を覆るモンスターが存在するというのですか?」
「うん、いるよ。アタシのこの手札に、アタシの最高の相棒がね☆ アタシは―――」





―――特殊召喚された風属性モンスター2体! WW-アイス・ベルとグラス・ベルを手札に戻すことで、手札のこのモンスターの効果を発動する!!―――





 翡翠の光に変化して遊舞の手札に戻っていくアイス・ベルとグラス・ベル。プロデュエリストとしては駆け出しである結衣であるが、デュエルモンスターズについての勉強はプロ資格を得るにあたってしっかりと積んできたつもりだ。故に動揺を隠せなかった。

「特殊召喚された風属性モンスター2体を手札に戻すことで効果を発動するモンスター……!? そんなカード、聞いたことない……」
「まあ、知らなくても無理ないよね。だって……アタシしか持ってないカードなんだもん☆」
「風花さんしか持っていないカード!?」

 遊舞と対峙している結衣、そして彼女の言葉を聞いた遊大も動揺の色を隠せなかった。遊大自身も一年前に、彼だけが持つカード、覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの存在で周囲を驚かせたのだから。

「どういうことだ。風花さんしか持っていないカードが存在する? まるで……一年前の俺と同じ……」

 遊舞のフィールドを包み込んでいくエメラルド色の風。小さな風は勢いを増し、やがて烈風となって吹き荒れる。激しくも美しい、翠の嵐が止んだ時。遊舞のフィールドには宝石のように輝く四枚の巨大な翼を持った竜が舞い降りた。






―――さあ、出番だよ☆―――










―――《ゲイルアイズ・アトモスフィア・ドラゴン》!!―――













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ター坊
風属性デッキと思いきやなんとまさかのオリジナルドラゴンが降臨。首席VS次席対決は意外な方向に転がりそうです。 (2019-06-30 01:31)
光芒
ター坊さん
遊舞は1話時点では【サンダー・ドラゴン】を使っていましたが、本命はこちらのオリジナルテーマ【ゲイルアイズ】になります。ちなみに風属性・幻竜族で統一されたテーマになりますね。エースモンスターであるゲイルアイズ・アトモスフィア・ドラゴンがどのような効果を持っているかは……次回をお楽しみに。 (2019-06-30 21:38)

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