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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第1話:1-2

第1話:1-2 作:光芒





 謎の少女・風花 遊舞。そう名乗った彼女は愛らしい笑みを遊大に向けてくる。制服を見る限り、彼女もまた受験生の一人と思われる。しかし、受験生でありながらも実力者の一人ともいえる留奈を倒したということは、少なくとも普通の受験生はまた一線を画す存在であることは明らかだった。

「えっと、風花 遊舞さんだね。君はどうしてここに?」
「アタシは試験が終わっちゃって暇だったんで、セントラル校の校内を見学してたんだよ? 試験が終わった後は校内を見学していい、って生徒会長さん言ってたし☆」

 彼女の試験を担当したのはどうやらベアトリスのようである。遊大や美鈴が試験監督をしたタイミングとは別のタイミングで試験を受けたのだろう。

「それでデュエルがしたい、って言ってたそこのちっちゃい先輩とデュエルをしたんだ!」
「ちっちゃいいうな! わたしには舞原 留奈というなまえがあるんだぞ!」
「じゃあ留奈ちゃんセンパイで!」
「おまえわたしをしたにみていないか!? だいいち、おまえまだしけんにうかるるときまったわけじゃないだろう。ここのせいとでもないやつにせんぱいよばわりされるいわれはない!」

 それは確かに留奈の言う通りで、合格確実と言えるのは少なくとも結衣くらいのもので、筆記と実技の両方で優秀な成績を修める、もしくはどちらか一方で極端に秀でた成績を残すなどしなければセントラル校への道は開けない。遊希たちが入学した年以降、一気にこの学校の門は狭められていた。

「大丈夫だよ、アタシは絶対に受かるから」

 しかし、遊舞はまるで見てきたかのように自信たっぷりといった様子の顔をする。遊大は無意識にその顔に既視感を覚えた。

(あれ、どこかで会ったような……気のせいかな)
「それより、アタシはずっと遊大センパイに会いたくて頑張ってきたんだよ! だから、アタシとデュエル……してほしいなっ☆」

 漫画だったら星がキラリと零れ落ちるようなウインクをしてみせる遊舞。思えば自分もまだ合格かどうかも分かっていない時に遊希にデュエルを挑んでいた。ここで多忙を理由に断ることもできたが、ここで断ってしまえば少なくともあの時の遊希のような人間にはなれない―――その思いが遊大を動かした。

「うん、いいよ。デュエルしようか」
「やったーっ! じゃあ、アタシはあっち側に立つね!」

 そう言って子どものようにトテトテ、と駆けていく遊舞。容姿こと美しく大人びているものの、その中身は何処か幼いのも中学生だからなのか。デュエルを受けてデュエルディスクを展開する遊大の下には留奈たちが歩み寄ってきた。

「遊大、おまえあいつとデュエルをするんだな」
「えっ、まあ……」
「きをつけろ。あいつのデッキは、おまえのデッキとあいしょうさいあくだ」
「……それは」
「舞原の言う通りだ。少なくともあのモンスターを出されたら、お前のデッキが機能停止する可能性が高い。気を付けろよ」

 留奈と仁が言うには、遊舞のデッキには遊大のデッキに対するキラーカードが存在しているようだ。実際にデュエルをした留奈が言うのであれば、遊舞がデッキを変えていない限りまず間違いない情報と言っていいだろう。

「ありがとう。でも、それで負けていたら俺はいつまで経っても遊希さんには追い付けない。だから、俺は勝ちに行くよ」
「……そうか、負けるなよ」

 仁に背中を軽く叩かれ、デュエルフィールドへと向かう遊大。対峙する遊舞はどっしりと仁王立ちをして彼を待っていた。

(……やっぱり、どこかで見た感じがする子だなぁ。会ったことは無いはずなのに)
「さあ、遊大センパイ! アタシ相手にどこまでのデュエルができるか見せて!」
「うん。悔いのないデュエルにしよう」



―――デュエル!!―――



先攻:遊舞
後攻:遊大

遊舞 LP8000 手札5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札5枚
デッキ:45 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)


TURN01(遊舞)

「先攻はアタシ! アタシは手札から魔法カード《闇の誘惑》を発動するよ!」

《闇の誘惑》
通常魔法
(1):自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。

「アタシはデッキから2枚ドロー。そして手札の闇属性モンスター1体をゲームから除外するよ」
(闇属性主体のデッキか。色々なデッキがあるけどどんなデッキを……)
「アタシが除外するのは《雷電龍-サンダー・ドラゴン》! そして除外された雷電竜の効果を発動!」

《雷電龍-サンダー・ドラゴン》
効果モンスター
星5/闇属性/雷族/攻1600/守1500
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「雷電龍-サンダー・ドラゴン」1体を手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「雷電龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」カード1枚を手札に加える。

「【サンダー・ドラゴン】……なるほど、留奈さんの言っていることの意味がよく分かった」

 【サンダー・ドラゴン】はつい最近テーマ化されたカードだ。《サンダー・ドラゴン》というカード自体は昔から存在していたカードであるが、関連カードが一気に登場し、単体でデッキを組めるようになった珍しいタイプのカード群だ。光属性と闇属性のサンダー・ドラゴンを上手く使いこなすことで強力な融合モンスターのサンダー・ドラゴンを融合召喚しては、相手を制圧するタイプのデッキである。

「雷電龍の効果で、アタシはデッキから《雷鳥龍サンダー・ドラゴン》を手札に加える。そして手札の雷鳥龍の効果も発動!」

《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》
効果モンスター
星6/光属性/雷族/攻1800/守2200
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「雷鳥龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札を任意の数だけデッキに戻してシャッフルする。その後、自分はデッキに戻した数だけデッキからドローする。

「このカードを手札から捨てて、アタシの墓地または除外されている同名カード以外のサンダー・ドラゴンモンスターを特殊召喚☆ 帰ってきて、雷電龍!」

 遊舞のフィールドには黒い身体をしたサンダー・ドラゴンが戻ってくる。単体では大したステータスを持たないサンダー・ドラゴンモンスターだが、その真価はまた別にある。

「そして手札の雷族モンスターの効果を発動したターン、融合モンスター以外のあたしのフィールドの雷族モンスター1体をリリースすることで、このカードはEXデッキから特殊召喚できちゃうんだ☆ ということで、雷電龍をリリースしてこのカードを特殊召喚! お願い!《超雷龍-サンダー・ドラゴン》!!」

《超雷龍-サンダー・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/雷族/攻2600/守2400
「サンダー・ドラゴン」+雷族モンスター
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。

「……やっぱりそう来るか」
「超雷龍がアタシのフィールドに存在する限り、遊大センパイはドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えることができなくなる。遊大センパイ、サーチカードいっぱい使うでしょ?」

 遊舞の指摘した通り、遊大の【オッドアイズ】には多種多様なサーチ効果を持つカードが入っている。
 デッキの要であるオッドアイズをサーチするドクロバット・ジョーカーに《螺旋のストライクバースト》《天空の虹彩》、その天空の虹彩をサーチするための《テラ・フォーミング》、そして覇王門をサーチできる覇王眷竜ダークヴルム、そのダークヴルムをはじめとしたドラゴン族のPモンスターをサーチできる《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》など多種多様なサーチカードを駆使するのが遊大のデュエルの特徴だ。
 そのためサーチ効果の天敵となる《灰流うらら》に対抗できるカードとして《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》といったカードも採用している。ただ、それでも対処の難しいカードは存在する。この超雷龍-サンダー・ドラゴンもその1枚であった。

「超雷龍-サンダー・ドラゴンは墓地の雷族モンスター1体を除外することで戦闘・効果での破壊を無効にできる。そしてその効果にターン内での制限はなし」
「《ライオウ》を更に強化したカード。それで留奈さんにも勝ったんだね」
「まーね! でも……超雷龍1体を棒立ちさせておくのも不安だから、手は打っておくね☆ 手札から永続魔法《ブリリアント・フュージョン》を発動!」

《ブリリアント・フュージョン》
永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時に、自分のデッキから「ジェムナイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にしてEXデッキから融合召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
(2):1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を捨てて発動できる。このカードの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は相手ターン終了時まで元々の数値分アップする。

「アタシは雷族の《ジェムナイト・ルマリン》とジェムナイトモンスター《ジェムナイト・ラズリー》を墓地へ送り、EXデッキから雷族の《ジェムナイト・プリズムオーラ》を攻守を0にして融合召喚!」

《ジェムナイト・プリズムオーラ》
融合・効果モンスター
星7/地属性/雷族/攻2450/守1400
「ジェムナイト」モンスター+雷族モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、手札から「ジェムナイト」カード1枚を墓地へ送り、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。その表側表示のカードを破壊する。

「そして効果で墓地へ送られたラズリーの効果を発動!」

《ジェムナイト・ラズリー》
効果モンスター
星1/地属性/岩石族/攻600/守100
(1):このカードが効果で墓地へ送られた場合、自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

「墓地の通常モンスター1体を手札に加える。プリズムオーラの素材にしたルマリンは通常モンスターだから回収できるね! そしてフィールドの雷族の融合モンスター、プリズムオーラと手札の《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》をゲームから除外して、このモンスターをEXデッキから特殊召喚!《雷神龍-サンダー・ドラゴン》!」

《雷神龍-サンダー・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星10/光属性/雷族/攻3200/守3200
「サンダー・ドラゴン」モンスター×3
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●手札の雷族モンスター1体と、「雷神龍-サンダー・ドラゴン」以外の自分フィールドの雷族の融合モンスター1体を除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):雷族モンスターの効果が手札で発動した時に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地のカード2枚を除外できる。

「ゲームから除外された雷獣龍の効果を発動!」

《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》
効果モンスター
星6/闇属性/雷族/攻2400/守0
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、「雷獣龍-サンダー・ドラゴン」以外の「サンダー・ドラゴン」カード1枚を選んで手札に加える。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「サンダー・ドラゴン」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。

「デッキからサンダー・ドラゴンモンスター1体を守備表示で特殊召喚するよ! 《雷源龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚!」

《雷源龍-サンダー・ドラゴン》
効果モンスター
星1/光属性/雷族/攻0/守2000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、自分フィールドの雷族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力は500アップする。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが除外された場合またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「雷源龍-サンダー・ドラゴン」1体を手札に加える。

「そして雷源龍-サンダー・ドラゴンを墓地へ送り、2体目の超雷龍-サンダー・ドラゴンを特殊召喚☆ 墓地へ送られた雷源龍の2つ目の効果で2枚目の雷源龍を手札に加える! カードを1枚セット……んー、まあこんなもんかな? アタシはこれでターンエンドだよ☆」

遊舞 LP8000 手札4枚
デッキ:28 モンスター:3(雷神龍-サンダー・ドラゴン、超雷龍-サンダー・ドラゴン×2)魔法・罠:2(ブリリアント・フュージョン)墓地:5 Pゾーン:青/赤 除外:2 EXデッキ:11(0)
遊大 LP8000 手札5枚
デッキ:45 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)

(こんなもんかな……って。この盤面で?)

 遊舞の先攻1ターン目。彼女のフィールドには最上級の融合サンダー・ドラゴンが3体。雷族モンスターの効果が手札で発動した場合にフィールドのカード1枚を対象を取らずに破壊できる雷神龍、そして相手のサーチを封じる超雷龍が2体。現状の【サンダー・ドラゴン】デッキであれば特別難しくない展開とはいえ、遊舞は何事もなかったかのような表情をしていた。

(なるほど、留奈さんが勝てないわけだ。これだけの才能を持ったデュエリストが白幡さん以外にいたなんて……)

 遊大にとっては不利というレベルでは済まないほどの劣勢。しかし、劣勢の中に活路を見出すことがデュエリストに求められる才能の一つである。


(うん、面白くなってきた)








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ター坊
軽口を叩く遊舞にお灸を据えれるか?
以前の遊大は仲間を小馬鹿にされただけでキレ気味でしたが、今や面白くなってきたと余裕を見せれるまでになりましたね。 (2019-06-08 12:29)
光芒
ター坊さん
遊大も色々と経験を重ねていますからね。愛する人と世界を救うために戦ったり、異世界に行ったり。そのためちょっとやそっとのことで逆上するようなことは無くなっています。それでも仲間想いのところは残っているので、怒る時は怒りますが……

>今や面白くなってきたと余裕を見せれるまでになりましたね。
それはそれで人間味がないんですよね(まあ人間じゃないんですけど)。
なので今の遊大の率直な感情が次回わかるようになります。
(2019-06-09 23:48)

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