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プロローグ:1-2 作:光芒





(2枚目の海皇の竜騎隊を手札に加えたか。ということは手札にはその竜騎隊をコストにできる水属性がある)

 海皇の竜騎隊の効果にターン1の制限はない。よって1ターンに複数回サーチ効果を使用することができる。召喚権を既に使ってしまっている以上、召喚権が必要な《水精鱗-アビスパイク》や《ジェネクス・ウンディーネ》が手札にある確率は低く、そしてその反面召喚権を使わずに竜騎隊を墓地へ送れるカードが存在する確率は高い。

(増殖するGの効果を警戒して止めてくるか。それともドローされるのを覚悟で展開するか。どうしてくるのかな?)
(……増殖するGでドローは許したくない。許したくないですが……)

 一方の結衣は決断を迫られていた。遊大の増殖するGの効果が適用されているターンであるため【海皇水精鱗】の展開力で可能な限り展開してしまえばいったい何枚のドローを許してしまうものか。このゲームにおいてハンドアドバンテージが為すものは大きく、こちらが場を固めても相手は大量ドローでその防御を崩す楔を引き当ててくるかもしれない。それを避けるためにもダメージ覚悟で展開を止める、ということもおかしくはない。
 しかし、遊大のデッキは【オッドアイズ】であり、その中核を為すモンスターであるオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにはモンスターとの戦闘で発生する相手へのダメージを倍にする効果を持っている。
 現在結衣のフィールドには深海のディーヴァと海皇子 ネプトアビスが存在し、ディーヴァは攻撃力200ながら攻撃表示だ。もし、遊大が次のターンでペンデュラム・ドラゴンをフィールドに出してくれば、それだけで4800ものダメージが結衣を襲う。ライフが0にならなければ負けではない、といってもそれだけのダメージを受けてしまえば巻き返すのは厳しいだろう。以前の遊大ならともかく、今の遊大相手であれば猶更だ。

(ある程度のドローは許してしまうかもしれない。ですが、このままディーヴァを棒立ちにさせておくのは悪手でしかありません!)
「私は海皇の竜騎隊と《水精鱗-ネレイアビス》を墓地へ捨てて、《水精鱗-メガロアビス》の効果を発動します! このカードを手札から特殊召喚!」

《水精鱗-メガロアビス》
効果モンスター
星7/水属性/海竜族/攻2400/守1900
(1):手札からこのカード以外の水属性モンスター2体を墓地へ捨てて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードの(1)の効果で特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「アビス」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(3):このカード以外の自分フィールドの表側攻撃表示の水属性モンスター1体をリリースして発動できる。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

「増殖するGの効果。1枚ドローする」
「メガロアビスの効果を発動するために墓地へ行った竜騎隊の効果を発動します。デッキから海竜族モンスター《氷霊神ムーラングレイス》を手札に加えます」
(白幡さんの墓地には竜騎隊2体とネレイアビスの計3体の水属性。あと2体でムーラングレイスの条件を満たせる……)
「そして私はレベル1のネプトアビスに、レベル2のチューナーモンスター、深海のディーヴァをチューニング。“青き海に漂う小さき竜よ、珊瑚の如く美しき命の源となれ!” シンクロ召喚! レベル3、Sチューナー!《たつのこ》」

《たつのこ》
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星3/水属性/幻竜族/攻1700/守500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
S召喚したこのカードを素材としてS召喚をする場合、手札のモンスター1体もS素材にできる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはこのカード以外のモンスターの効果を受けない。

「増殖するGの効果で1枚ドロー。でも、これで白幡さんの墓地には水属性モンスターが5体」
「……前と同じ戦法で申し訳ありません。ですが、王道は王道が故に強いんです。私の墓地には水属性モンスターがちょうど5体。よって氷霊神ムーラングレイスを手札から特殊召喚します」

《氷霊神ムーラングレイス》
特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の水属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。相手の手札をランダムに2枚選んで捨てる。
(2):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

「増殖するGの効果でドロー。でも……」
「特殊召喚に成功したムーラングレイスの効果。遊大さんの手札をランダムに2枚選んで捨てて貰います。そうですね、では左端と右端の2枚をお願いします」

 遊大の手札は初期手札の5枚のうち増殖するGと無限泡影を使用したことで3枚に、そして増殖するGの効果で4枚ドローしたことで7枚になっていた。それでも2枚のハンデスによって5枚まで減る。

(ムーラングレイスの効果でハンデスをしてやっと初期枚数ですか。たつのこはフィールドに存在する限り相手のモンスターの効果を受けませんが、メガロアビスを棒立ちさせるのも避けたい)
「私はレベル7のメガロアビスに、レベル3のSチューナー、たつのこをチューニング!“白き大海の支配者たる竜よ。幻影と共に不滅の命となりて浮上せよ!” シンクロ召喚! レベル10《白闘気双頭神龍》!」

《白闘気双頭神龍(ホワイト・オーラ・バイファムート)》
シンクロ・効果モンスター
星10/水属性/魚族/攻3300/守3000
Sモンスターのチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分ターンにこのカードがS召喚に成功した時に発動できる。自分フィールドに「神龍トークン」(魚族・水・星10・攻3300/守3000)1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):相手ターンに1度、自分フィールドにトークンがない場合に発動できる。自分フィールドに「神龍トークン」1体を特殊召喚する。
(3):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に、自分フィールドに「神龍トークン」が存在していれば発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。

「S召喚に成功した白闘気双頭神龍の効果を発動します。自分フィールドに神龍トークン1体を守備表示で特殊召喚します。このカードが相手の効果で破壊されて墓地に送られた場合、私のフィールドに神龍トークンが存在していればこのカードは墓地から特殊召喚できます」
「なるほど、攻撃力3300の自己蘇生効果持ち、か」
(遊大さんの手札は白闘気双頭神龍のS召喚によって7枚まで増えましたが……彼の主戦力である【オッドアイズ】では白闘気双頭神龍の攻撃力を上回れないはず)
「私はこれでターンエンドです!」

結衣 LP8000 手札2枚
デッキ:31 モンスター:3(白闘気双頭神龍、神龍トークン、氷霊神ムーラングレイス)魔法・罠:0 墓地:7 フィールド:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:13(0)
遊大 LP8000 手札7枚
デッキ:39 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:4 フィールド:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)


 結衣の先攻1ターン目が終わった。以前遊大相手にしてみせた先攻ムーラングレイスのハンデスという戦法を踏襲したものであるが、今回は白闘気双頭神龍という高ステータスのSモンスターで防御を固めてきた。しかし、前回はムーラングレイスのハンデスに対応できなかった遊大であるが、今回は増殖するGの効果でそのハンデスを補って有り余るほどのドローをしてみせる。結衣は自分では中々のフィールドを作れた、と思ってはいるものの、それでも今の遊大相手にこれで大丈夫なのだろうか、という一抹の不安を残していた。

「……あの子のデュエル、久々に見た感想はどうかしら?」

 そんなデュエルを観覧スペースから見守る二人の少女がいた。片方の美しい黒髪が目を引く美少女の名は天都 遊希。このセントラル校を代表する伝説のデュエリストで、この1月ほど後に卒業を控えている。その彼女の隣に座っているのは白い肌とブロンドの髪が煌めく西洋人の美少女であった。

「本音を言うと、びっくりしました。プロデュエリストになったとは聞いていましたが、それに恥じないデュエルだと思います」

 その少女は外国人でありながら流暢な日本語を話す。何を隠そう彼女はヨーロッパの大国、フランスから遥々日本のセントラル校までやってきた留学生なのだ。

「ですが、どうして私をこの場に? 確かに結衣さんとは面識はありますが……」
「あら? 私たちがいなくなった後のセントラル校を託すのだから、自分の後輩となるデュエリストたちのデュエルを見ておくのは悪いことじゃないはずよ―――ベアトリス?」

 ベアトリス、と呼ばれたその少女は遊希の言に従い、その青い双眸で二人の戦いをしっかりと見定めていた。


☆TURN02(遊大)

「俺のターン、ドロー。攻撃力3300の双頭神龍に守備力3000のトークンか……難しいね」
「簡単に突破されるようでは先攻を取れた意味がありませんから」
「うん、そうだね。じゃあ……あっちで見ている二人を待たせてもいけないから、このターンで終わらせるよ」

 遊大の口から飛び出たのはこのターンでデュエルを終わらせる、という言葉。《サンダー・ボルト》のような全体除去カードがあるならいざ知らず、そう言ったカードもなしに突破できる布陣ではないと誰もが理解していた。

「さっきのムーラングレイスのハンデスはランダム。でも俺はそのランダムに愛されていたようだね。俺のフィールドにモンスターが存在しない時、墓地の《覇王眷竜ダークヴルム》の効果を発動できる!」
「覇王眷竜ダークヴルム……?」

 結衣の耳に入る聞き慣れない名前のカード。高海 遊大のデッキには【オッドアイズ】以上に稀少価値の高いモンスターが入っている。それが今彼が効果を発動し、フィールドに特殊召喚された覇王眷竜ダークヴルムを含む【覇王】と名のついたカードだった。

《覇王眷竜ダークヴルム》
ペンデュラム・効果モンスター (制限カード)
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1200
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキから「覇王門」Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかP召喚できない。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「覇王門」Pモンスター1体を手札に加える。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。

「自分フィールドにモンスターが存在しない場合、ダークヴルムは墓地から特殊召喚できる。そして特殊召喚に成功したダークヴルムの効果。デッキから《覇王門零》を手札に加える」
「っ、ムーラングレイスのハンデスが裏目に……」
「そして手札から魔法カード《螺旋のストライクバースト》を発動!」

《螺旋のストライクバースト》
通常魔法
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドに「オッドアイズ」カードが存在する場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
●デッキのモンスター及び自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの中から、レベル7の「オッドアイズ」モンスター1体を選んで手札に加える。

「俺は2つ目のレベル7のオッドアイズモンスター1体を手札に加える効果を選択して発動。デッキから《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》を手札に加えます。さて……本当は別のカードで使いたかったけれど、手札に来ちゃった以上はこのカードを使わせてもらう。俺はフィールド魔法《闇黒世界-シャドウ・ディストピア-》を発動!」

《闇黒世界-シャドウ・ディストピア-》
フィールド魔法
(1):フィールドの表側表示モンスターは闇属性になる。
(2):1ターンに1度、自分がカードの効果を発動するために自分フィールドのモンスターをリリースする場合、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドの闇属性モンスター1体をリリースできる。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動する。このターンにこのカードが表側表示で存在する状態でリリースされたモンスターの数まで、ターンプレイヤーのフィールドに「シャドウトークン」(悪魔族・闇・星3・攻/守1000)を可能な限り守備表示で特殊召喚する。

「シャドウ・ディストピア!? オッドアイズとはシナジーがないはずなのに……!」
「ああ、だから別のカードで使いたかったって言ったんだよ。《盆回し》で相手に押し付けるカードとして、とかね。シャドウ・ディストピアが存在することでフィールドのモンスターの属性は闇に変わる。そして手札を1枚捨て、速攻魔法発動。《超融合》!」

《超融合》
速攻魔法(準制限カード)
このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。
(1):手札を1枚捨てて発動できる。自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

「超融合……シャドウ・ディストピアを入れている理由はこれですか……」
「その通り。俺は白幡さんのフィールドに存在する闇属性モンスター、白闘気双頭神龍と氷霊神ムーラングレイスの2体を融合!」

 水の力を奪われ、闇に落ちた2体のモンスターの姿が一つとなる。闇の力を持った2つの命が混じり合って生まれるのは、美しくも禍々しい毒の花であった。

「 “神秘の鱗持つ白龍よ。氷の精霊と一つとなり、美しくも畏怖抱かせし華となってて咲き誇れ!” 融合召喚!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!!」





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ター坊
戦いは数だよアニキ!ペンデュラム相手にドローさせまくったツケで超融合2体喰いとは豪快な一手を打たれましたね。
それにしても他にもコラボ企画出身の人が出るのですね。ベアトリスお嬢もどう絡んでくるのか。 (2019-05-28 07:55)
光芒
ター坊さん
相手のデッキタイプにはあまり関係ないですが、増G止められないとこうなるといういい例ですね。うららや墓穴は必要悪なんや……

>それにしても他にもコラボ企画出身の人が出るのですね。
ちなみに目一杯出るのはこの二人だけです。他の人はそれぞれの物語があったり年齢が合わなかったりするので…… (2019-05-29 18:23)

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