21話：神と白眼　作：ヒラーズ

「さらに『冥界の宝札』の効果で2枚ドローするよ」
ハル
手札0→2

「ラーの…翼神竜！？」
「少年！それは本物ですか！？」

海理と教祖は驚き、カードについて聞くが、ハルの一言で教祖達の顔色が変わったのだった。

「何って…本物だよ？ラーの効果で球体から真の姿に戻してモンスター効果発動、1000ライフポイント払って相手モンスターを全て焼き払う！ゴッドフェニックス！！」
ハル　LP8000→7000

ラーの翼神竜の効果で相手モンスターが全て焼き払われ、教祖達が燃やされる。
先攻は攻撃できないが、精神に支障を起こす神のカードは教祖以外の者達には威力が十分過ぎた。幹部の二人は精神を焼かれただけではない。体を焼かれ、死まで陥ってないもののデュエル続行が不能となった。

幹部A　強制サレンダー（ラーの効果で精神が焼かれたためデュエル続行不能）
幹部B　強制サレンダー（ラーの効果で精神が焼かれたためデュエル続行不能）

「な…！？こんな事が…」
「その程度でやられたら…デュエリストらしくないよ？」
（本物の三幻神が何故ここに…！？これが陸也の送り込んだ味方だと言うんですか！？）

だがこれで相手は教祖のみとなった。モンスターは焼き払われ場はガラ空き、モンスターを伏せてエンドするしか救いようがない。
しかし方界デッキの弱点は知っているだろうか？
それほどの魔法・罠は伏せられておらず、伏せてあるのは恐らく『方界合神』だろう。

「カードを2枚伏せてターンエンド、エンドフェイズ時にラーは墓地に送られるよ」
「何という力でしょう…ドロー！」
教祖
手札3→4

「…ターンエンド」
「私のターン！」
海理
手札4→5

（ハルさんに助けられましたね…ここから逆転せねばいけません…！！）
「私は魔法カード『手札抹殺』を発動！互いのプレイヤーは手札を全て墓地に捨て、捨てた枚数分デッキからカードを引きます！」
互いに手札を入れ替え、海理は新しく手札に加わったカードを確認する。
「…これで勝ちましたね！」
「何！？」
「白眼の子竜を召喚、効果でリリースし白眼の聖龍を特殊召喚！」

手札抹殺を発動した時、丁度手札に加わった2体のモンスターだが召喚するのはそれだけではなかった。
「さらに自分の場に【ホワイトアイズ】と名がつくモンスターが特殊召喚された時、手札から白眼の古竜を特殊召喚します！」

白眼の古竜（ホワイトアイズ・エルダー・ドラゴン）/Original
☆8/水属性/ドラゴン族／効果　ATK2500／DEF3000
このカードの属性は光属性としても扱う。
①：自分フィールド上に「ホワイトアイズ」モンスターが特殊召喚された時、手札、墓地からこのカードを特殊召喚できる。
②：このカードが「ホワイトアイズ」モンスターの効果で墓地に送られた時、エンドフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。その後自分はカードを2枚ドローする。
③：１ターンに１度、500LP払って発動できる。自分が発動する罠カードの効果を条件が満たされた扱いで発動できる。

「いきます！LPを500払い、罠発動『ナイトメア・デーモンズ』！効果によりリリースが必要ですが、なしで発動できます！さらに魔法カード『白眼龍の施し』を発動！」

ナイトメア・デーモンズ
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター１体をリリースして発動する。相手フィールド上に「ナイトメア・デーモン・トークン」（悪魔族・闇・星６・攻／守２０００）３体を攻撃表示で特殊召喚する。「ナイトメア・デーモン・トークン」が破壊された時、このトークンのコントローラーは１体につき８００ポイントダメージを受ける。

白眼龍の施し/Original
通常魔法
①：自分フィールドに「ホワイトアイズ」モンスターが２体以上存在する時、自分はカードを６枚ドローし、その内の2枚をデッキの上に置く。
②：墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからカードを３枚ドローし、その内の２枚を墓地に送る。この効果はメインフェイズ２時のみ発動できる。

「6枚ドローし、2枚をデッキの上へ置き、『死者蘇生』を発動！効果で子竜を特殊召喚し、効果でリリース！もう1体の聖龍を特殊召喚！効果で相手モンスターを全て押し流します！浄化のスプレット・バースト！」
2体目の白眼が水圧ブレスでトークンを全て破壊し、トークンの効果でダメージが直撃する。
教祖　LP8000→5600

「最後です！魔法カード『白眼龍の破壊衝動』を発動！1体目の聖龍を選択し、破壊したモンスターのレベルは合計して18、よって18回のダイレクトアタッカーになりました！攻撃！リヴァイアサン・ショット18連射！！」
水と光が混じった超水圧ブレスが教祖のライフを削り取り決着がついた。
教祖　LP5600→0（－48400）

「！！？！？？！」


You WIN！
海理
ハル

You Lose…
教祖
幹部A
幹部B





「馬鹿な…馬鹿な…！こんな事があって良いのでしょうか？」
「さて、歪んだ欲望の核を破壊しましょう」
そう言って海理は教祖の体に手を入れる…賊霊使いは賊霊に取り除き方を教えて貰えば、わざわざやって貰わなくとも、自分で取り出せるようになるらしい。手を入れて数秒、黒い大きな球体のようなものが取り出され、砕かれる。
すると教祖はやや廃人化し、倒れ込む。
そしてあることを言い残し、立ち去った。
「警察に出頭しなさい、正直に言えば罪は軽くなります」
「分かりました…」









少しして地上に戻ると魔奈が怒って帰りを待っていた。
訳を説明し、先に教祖とその幹部達を始末したと言う報告をしたものの、水樹は「呆気なさ過ぎじゃねーか？」と言う言葉が漏れた。
「それにしてもひどいではないか！俺様達を差し置いて先に片づけるなど！俺様達は見張り要員ではない！仲間だろ！！」
「まあいいじゃねーか、それじゃあ後は結果だな…」






翌日、テスト期間を迎えた海理達は朝早く起き、テレビやネットニュースを調べる。

ニュース
『プレシャ魔法科学宗教団体の教祖及び幹部二人を逮捕、詐欺で資金を稼いだか
昨日夜7時半過ぎ、プレシャ魔法科学宗教団体の教祖とその幹部含め3名が現行犯逮捕されました。犯人である教祖は「人を騙して資金を集め、それを研究材料に回していました」と供述しており、警察の調査したところ、怪しげな装置や培養槽などが見つかり、まだ余罪があると想定し、さらに調査を進めている』

「…もう報道されてますよ……」
――――本当にどうなっておるのだ…この都市の情報網は！？

「けど、テレビのニュースには放送されていない…何かあったのでしょうか？」
――――だがこれで良いのではないか？正体もすぐに明らかになるだろう。
（だと良いんですが…）

その矛先だった。
「白い救世者チャンネル、％が上がってる！07％が一気に10.98％に上昇したぜ！」
水樹と魔奈は大喜びだが、何故か風花だけが落ちぶれた顔になっている。その表情をみた海理は訪ねる。
「どうしたんですか？」
「いや…今日から地獄が始まるから自信がないと思っただけッス…」

全員は「あー…」と言って水樹と魔奈も思い出したかのようにノートを取り出す。
「あっ！俺様も予習受けてない！」
「アタシもだ！！」

海理は溜息を吐き、鞄を持って登校する。
「あっ！待ってくれッス！」
「お…置いていて行くなよ！」

一つの事件を解決したのは良いが、学校の方でも問題がありそうと感じ、今日も1日騒がしくなったのだった。