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遊戯王Messiah-白き救世者/13話:新たな力と世界樹の子供 作:ヒラーズ


1章 開幕





電車事故とアイドル体罰事件から1ヶ月後、アカデミアの授業を終えた夜。
人集りのない夜道の中、海理はフラフラと歩きながら家へ帰宅する。
授業でデュエルを8連戦も行い、運気と実力、タクティクスを使い果たし、体力は限界へと迫っていたのだった。
「はぁー…疲れました…デュエルで8連戦もすれば疲れるも当然ですよ…」
夕食を済ませ自室の扉を開けたとたん、驚くべき事が起きる。
「何ですかこれは…!!」

海理の視界に入ったのは白い毛玉のみたいな物体が部屋一面に湧いていた。
触ってみるともふもふしていて柔らかいが、よく見ると部屋は汚れていない。
埃の類では無い事を知ったのは良いが、かなり怪しいため、スマートフォンでネットを開き、白い毛玉の物体がなんなのかを写真を撮って確認する。ポチポチとボタンを押して検索するとヒットした。
「けっ…ケサランパサラン!?何で私の部屋に!?」

※ケサランパサラン
江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされている物体。見た目はタンポポの綿毛や兎の尻尾のようなフワフワした白い毛玉とされる。一応、UMA。

調べたデータと今あるケサランパサランを見比べてみるとデータのものより大きいことに気づく。
「それにしてはでかい…!」
筆箱から定規を取り出し、大きさを測り、数える。
「10…15…20…25㎝!?」
その大きさは予想を超え、かなり大きかった。
「どうしましょう…明日から寮生活なのに…」
そう…海理にとっては明日から寮で生活する事を放課後に聞き、帰宅後、荷物を準備するスケジュールを立てていたが、現に部屋がケサランパサランまみれになったのは予想外である。

――――これはすごいな…
――――沢山集めると幸福を得ると聞いていたが、いつの間に…

「ならばまず!」
海理は窓を開け、あちこちに広がっている全てのケサランパサランをかき集め、外に出して窓を閉める。
「これでよし…誰かが興味を持って拾ってくれるでしょう」
しばらくして、大きなトランクを押し入れから取り出し荷物をまとめてからベッドに飛び込む。
「はぁ…何かもがおかしすぎて気が狂いそうです」
そう言って布団に包まり、眠る。









「う…ん?」
気がつくと海理はまた転生する前の空間で目を覚ます。
見覚えがある感覚…賊精霊界であった。
そして目の前に見慣れない14歳くらいの少女が青い扉の前に立っている。
目の色が銀髪ショートの黄色の猫目で服装は青と黒が混じった学生服を着ており、左手には本のような物を持っていた。海理は「今日はあの蝶蝶は居ないんですね」と言うと、その少女は海理を見つめ、眉をひそめる。
「…私がその蝶蝶なのですが…」
「……え?」
いきなりの爆弾発言に表情を崩す。なんと蝶蝶の正体は謎の少女だった。
「申し遅れました…私は「フリィクス・マキナ・プロトコル」、ある罪人世界の神格を産んだ母なる存在であり、賊精霊界の神格です」
「か…神様!?」
「ええ…どうやら、人々の娯楽を貶す「色欲たる愚者」を退いたようですね。あのまま野放しにしていればあなたは仲間を失っていたでしょう」
「…」
「ですが、あなたの救世者としての行動が多くのものを救いました。これは喜ばしい事です」
(喜ぶべきなのでしょうか…活動休止は黙っておきましょう)

フリィクスはクスッと笑い、本を開く。
「では、その2枚のブランクカードをこちらに」
海理は流れるままにブランクカードをフリィクスに渡し、様子を見る。
ブランクカードが宙に浮き、フリィクスの頭上で円を描くように回り、次第には早く回ったり遅く回っていたりした。
「これより、精霊合体を行います。今回は海理、あなたのメサイア・ドラゴンを使います」

――――ほう、我を使うか…これで我も海理のエースとして役立てる日が来るか…

「なっ…何を…!?」
3枚のカードが高く飛び、それと同時に魔方陣のようなものが宙に描かれ、フリィクスの開いた本の中に入り本が閉じる。
「合体完了、あなたのエースにふさわしい賊精霊です」
そう言ったとたんに本を開くと1枚のカードが現れ、喋る。

――――我の名は【魔王真竜ホワイトアイズ】、汝の契約に基づき降臨した。
(これも…アクセルモンスター!?)

「ここまで強い力の持つ賊霊を合体出来るとは思いませんでした」
海理はこれを【賊霊合体】と勝手に名付け、覚えた。
手元に戻って来たアクセルモンスターのテキストを確認するも、文字がぼやけて見えないのだった。
(ピンぼけでしょうか?テキストが見えない…)

「時間です、時刻は刻限、また会いましょう」
「待って!まだ聞きたいことが…!」
しかし聞き出す前に意識が薄れ、暗転した。



















翌日、目覚めた海理は朝食を済ませ、いち早く自宅を出てアカデミアの女子寮に向かって転移した。
荷物を部屋に置き、ベッドに布団を置き、部屋を整理しつつ掃除する。
そして制服に着替え登校した。


時刻は1時限目に入るが、担任の教師が重要な話があると言って、静かにさせる。
「えー…今日からこのアカデミアに留学しに来た留学生を紹介する」
辺りはざわつき、色んな話をし始めた。
あるものは「どうせアメリカの学生だろ」と言い、ある女子生徒は「割とイケメンかもよ?」
そう言い始める。
「静かに!」
シーン…

「コホン!では留学生君、入ってきなさい」
教室の扉が開く、テクテクと歩いて現れたのは見た目10歳くらいの少年で緑髪のショートの緑目が特徴となっている。
生徒全員は「え…?」と呟き、驚く。
「えー…外国からここに留学しにきたハルバード君だ」
ハルバードと呼ばれた少年は自身の紹介に移った。
「ハルバード・リンクスです!世界樹の子供です!『ハル』と呼んで下さい。よろしくお願いします」
ハルは一礼し、にっこりと笑顔を見せる。
「おいおい、かなり小せぇぞ…!?」「飛び級なのか!?」
「けど可愛い!」「今度話しかけて見ようかしら?」「世界樹の子供なんて聞いたことないぞ…!?」

「…」
あまりの若すぎる少年を見て海理は言葉を失う。
どう言えば良い…このことだけを考えるも言葉が見つからない。
何せ自分たちよりも若い姿をした留学生が目の前にいるからだ。
「ではハル…海理の前の机が空いているから、そこに座りなさい」
「はい!」
ハルは海理の前の席に座り、筆記用具などを取り出す。
「よーし…頑張るぞ!」
「…もう何が何だか…」
















しばらくして放課後、女子寮へ戻る途中、海理は魔奈と一緒に雑談をしていた。
「それにしてもあの留学生、えらく強いな。俺様と海理以外ほとんどの奴らをワンキルしてるが…何者だ?」
「分かりません…相当なプロに近いデュエリストなのは確かですけど、「世界樹の子供」なんて聞いたことないですし…確かめる必要はあります」
そう言って雑談していると後ろからハルの声が聞こえる。
「待ってよ!海理さん!魔奈さん!」
振り向くとハルが駈け寄り、海理たちの横に並ぶ。
「何か?」
「い…いや、何か綺麗だなって…途中まで一緒に帰ろう?」
ハルの頬が赤くなり、目を背ける。
「…?別に構いませんが?」
ボソッ「どうしよう…陸也さんのお姉さん…すごく美人だ…」

「?何か?」
「ううん!何でもないよ!」

その後、途中で別れ、海理の1日が終了する。
だがそんな中、ハルは男子寮内の人目がつかない場所で、誰かと連絡を取っていた。




――――こちらハルバード・リンクス…レクス様。任務を開始するよ――――




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夏将軍
世界樹…ハルバード…レクス様…うっ頭が (2019-01-03 10:50)
ヒラーズ
夏将軍さん、コメントありがとうございます。 (2019-01-03 11:05)

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