【完結】虹彩竜と歩むもの【お知らせあり】/エピローグ:雪夜 作:光芒








「覇王星竜……!? どうして、高海くんのデッキにそのモンスターが……」

 覇王星竜は世界にただ一つ、遊希が精霊と化した覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン1体のみである。遊希はそう信じて疑わなかった。遊希の中に眠る星龍皇の力とかつて遊希に宿っていた銀河眼の光子竜の力が遊大の持つ覇王龍ズァークの力の下に一つになって生まれた。それが覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンである。
 しかし、遊大から遊希に覇王の力が生命力として譲渡された時。遊希と遊大は一つになっていた。一つになった遊大から遊希へ力が送られる時、力が“一方的に”遊大から遊希に送られていただけだったのだろうか。

(……遊希さんの星龍皇の力があの時俺の中に渡っていた?)

 遊大から遊希に力が送られていた時、遊希の中に眠る星龍皇の力が遊大に逆流していたとしたら。遊希の覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンと対峙したことで彼の中に眠っていた星龍皇の力が目覚め、遊大の中にあった覇王龍ズァークやオッドアイズの力と混じり合っていたとしたら。

「Pゾーンの覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンのP効果、Pゾーンのこのカードを破壊して発動します」



《覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン》
特殊召喚・ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守3000
【Pスケール:青0/赤0】
(1):1ターンに1度、このカードを破壊して発動できる。自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター2体を選んでデッキに戻し、デッキ・墓地・EXデッキに表側表示で存在するカードの中からドラゴン族のPモンスター2体を選んで手札に加える。
【モンスター効果】
このカードはルール上「オッドアイズ」モンスターとしても扱う。このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」1体と元々の攻撃力が2500以上のドラゴン族モンスター1体を破壊した場合にのみ手札・EXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
(2):???
(3):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。自分のPゾーンまたはEXデッキに表側表示で存在する「オッドアイズ」モンスター1体を選んで特殊召喚し、このカードをPゾーンに置く。
「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン」は自分フィールドに1体までしか存在できず、「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン」の(2)の効果は1ターンに1度までしか発動できない。



「自分の墓地のドラゴン族モンスター2体をデッキに戻すことで、デッキ・墓地・EXデッキに表側表示で存在するカードの中からドラゴン族のPモンスター2体を手札に加えます!」
(Pモンスター限定とはいえ、2体サーチ……止めない理由はないわ)
「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンのP効果にチェーンして覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果を発動!」

チェーン2(遊希):覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン
チェーン1(遊大):覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン

「チェーン2のドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果! 墓地の銀河眼の光子竜をゲームから除外し、チェーン1のドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンのP効果の発動を無効にする! そして高海くんはこのターンの間Pゾーンのカード……つまり魔法カードの効果を発動することができない!」

 覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンはルール上「オッドアイズ」モンスターとしても扱う。そのため自身の効果で破壊されることで、アークペンデュラムのP効果の発動条件を満たす。最もドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果で魔法カードの効果を発動できない遊大は、アークペンデュラムのP効果の発動を封じられているのだが。

「どうしてあなたのデッキに覇王星竜のカードが存在するかはわからないけど……ペンデュラム効果は封じさせてもらったわ」
「ですが、遊希さんは魔法カードの効果を封じただけです。モンスター効果は問題なく発動することができます。俺はフィールドのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン1体と攻撃力2800のドラゴン族モンスター、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンを破壊し、EXデッキの覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンを特殊召喚します!」

 2体のオッドアイズは宙に浮かび上がると、そのまま何者かに導かれるが如く消えていった。そして消滅した2体のオッドアイズの魂は一つとなって、一体の竜へと変わる。
 星の如く美しい輝きを持った真紅の竜が遊大のフィールドに舞い降りた。ルビーとエメラルド、紅と翠の二色の宝石をはめ込んだような瞳をした神秘的なドラゴンはオッドアイズの名を持つ竜だけあってか、ドラグリステル・フォトン・ドラゴンと同じような雄々しくも美しいオーラを放っていた。

「やっぱりEXデッキからも特殊召喚できるのね……しかもオッドアイズを破壊するからアークペンデュラムのP効果の発動条件を満たす」
「ですがPゾーンのカードは魔法カードとしても扱うため、アークペンデュラムのP効果は発動できません。そしてドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果で一度フィールドを離れているアブソリュート・ドラゴンの効果も発動できなくなります。俺としてはアブソリュート・ドラゴンの効果でシンクロモンスターの《覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン》を出したかったんですが……」

 遊大としてはアブソリュート・ドラゴンの効果でEXデッキから覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴンの特殊召喚を狙いたかった。遊厳から遊心に贈られる手はずだったこのカードを遊大はこのデュエルに先駆けて遊心から受け取っていた。

《覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン》
シンクロ・ペンデュラム・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
【Pスケール:青10/赤10】
(1):1ターンに1度、自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。その自分のモンスターの攻撃力はそのダメージステップ終了時まで、その相手モンスターの攻撃力分アップする。
【モンスター効果】
闇属性チューナー+チューナー以外の「クリアウィング」モンスター1体
このカード名の(1)(2)のモンスター効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):S召喚したこのカードが存在する場合、お互いのバトルフェイズに発動できる。相手フィールドのレベル5以上のモンスターを全て破壊する。
(3):モンスターゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

「覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴンは相手フィールドの効果モンスターの効果をターン終了時に無効にできるモンスターです。これで除外効果を封じれば覇王星竜と相討ちにして破壊することができました」
「遊心さんの覇王紫竜と同じように、クリアウィングにもオッドアイズと組み合わせた進化形が存在していたのね……でもフィールドに出せなければ意味はないわ」
「はい、確かにどんな強いカードでもフィールドに出せなければただのカードです。ですが、俺の覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンにはまだ隠された効果があります! 覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの効果を発動!!」

 全身を紅く輝かせながらドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンが雄叫びをあげる。それに共鳴するかのように対峙するドラグリステル・フォトン・ドラゴンも咆哮した。

(2体のドラゴンが共鳴し合っている。やっぱりあのカードは……精霊!)
「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの効果! 自分のフィールド、Pゾーン、EXデッキに存在するドラゴン族の融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムモンスター1体を破壊して発動します! 俺が破壊するのは……EXデッキの覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンです!」

 EXデッキから霊魂のようにゆらゆらと現れた覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの魂がドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの身体に宿る。その様は覇王星竜が覇王烈竜の魂を、志を受け継いでいるかのように見えた。

「覇王烈竜を自分で破壊……?」
「そしてこの効果で破壊したモンスターの種類によってこのカードは遊希さんのターン終了時まで特定の効果を得ます!」
「じゃあ融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムのうちから1体を選んで破壊することで違う4つの効果を適用できる……?」
「はい。ちなみに破壊した覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンはエクシーズ・ペンデュラムモンスターのため、俺はエクシーズとペンデュラムのうちどちらか1つを選びます。俺が選ぶのはエクシーズモンスターを破壊した時の効果です!」

 ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの剣の如く鋭利な6枚の翼からはドラグリステル・フォトン・ドラゴン目掛けて紅色の電撃が放たれる。ドラグリステル・フォトン・ドラゴンはそれを振り払おうとするが、やがて電撃に捉われたことで身体の自由を奪われる。その様はまるでダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンが相手モンスターの攻撃力を奪う“トリーズン・ディスチャージ”に酷似していた。

「っ!?」
「エクシーズモンスターを破壊した時の効果。相手モンスター1体を選んでその効果を無効にします。そしてそのモンスターの攻撃力を0にし、このカードの攻撃力・守備力をその元々の攻撃力分アップさせます! “覇王星牙・黒竜陣”!」



《覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン》
特殊召喚・ペンデュラム・効果モンスター(オリジナルカード)
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守3000
【Pスケール:青0/赤0】
(1):1ターンに1度、このカードを破壊して発動できる。自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター2体を選んでデッキに戻し、デッキ・墓地・EXデッキに表側表示で存在するカードの中からドラゴン族のPモンスター2体を選んで手札に加える。
【モンスター効果】
このカードはルール上「オッドアイズ」モンスターとしても扱う。このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」1体と元々の攻撃力が2500以上のドラゴン族モンスター1体を破壊した場合にのみ手札・EXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
(2):自分フィールド・Pゾーン・EXデッキに存在するドラゴン族の融合・S・X・Pモンスター1体を破壊して発動できる。このカードは次の相手ターン終了時まで破壊したモンスターの種類によって以下の効果を得る。
●融合:1ターンに1度、自分または相手フィールド・墓地のモンスター1体を選んで発動できる。ターン終了時までこのカードはそのカードと同じ元々のカード名・効果を得る。このカードの攻撃力・守備力はこの効果で選んだモンスターの攻撃力・守備力分アップする。
●S:1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した場合に発動できる。その発動を無効にし、相手フィールドに存在するカードを全て破壊する。その後、ターン終了時までこのカードの攻撃力・守備力は倍になる。
●X:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んで発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。その後、ターン終了時までそのモンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分このカードの攻撃力・守備力をアップする。この効果は相手ターンでも発動できる。
●P:1ターンに1度、自分は通常のP召喚に加えて1度だけ、自分・相手のメインフェイズに「オッドアイズ」モンスターを自分のメインモンスターゾーンにP召喚できる。ターン終了時までこのカードの攻撃力・守備力はこの効果でP召喚された「オッドアイズ」モンスターの数×500ポイントアップする。
(3):このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。自分のPゾーンまたはEXデッキに表側表示で存在する「オッドアイズ」モンスター1体を選んで特殊召喚し、このカードをPゾーンに置く。
「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン」は自分フィールドに1体までしか存在できず、「覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン」の(2)の効果は1ターンに1度までしか発動できない。



覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン ATK3000→ATK0

「ドラグリステル・フォトン・ドラゴンの攻撃力が0に……」
「そしてドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力・守備力は3000アップします!」

覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン ATK3000/DEF3000→ATK6000/DEF6000

「……6000のダイレクトアタック? いや、違う……」
「遊希さんのドラグリステル・フォトン・ドラゴンが銀河眼の光子竜の力を引き継いでいるように、このカードはオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果を引き継いでいます。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの……モンスターの戦闘ダメージを倍にする効果を」

 ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力は6000。対するドラグリステル・フォトン・ドラゴンの攻撃力はドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンに吸収されたことで0にまで下がっている。そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの持っていたモンスターの戦闘で発生するダメージを倍にする効果が適用されれば。

「……私の受ける戦闘ダメージは……12000」
「遊希さん、これが俺の決意です。多少痛むかもしれませんが、耐えてください。バトルです!」

 ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン、いや高海 遊大その人の決意が溢れ出る力の奔流と化す。紅く激しく輝いたドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンは全てを貫く一筋の矢となって閃光を描きながら天空へと舞い上がる。

「……覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンで覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンを攻撃!!」
「ただではやらせないわ! 迎え撃って、覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン!!」

 覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンは攻撃力0。立ち向かったところで何もできずに撃破されるだけである。しかし、だからと言って座して死を待つことはしない。どうせ敗れるのであれば、最後まで抵抗してみせる。それが遊希の意志であった。ならば、それに全力で応えるのが遊大なりの礼儀。





―――全てを貫け! 覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン!!―――










―――“覇王星断・虹彩竜閃”!!―――









(……まさか、本当に高海くんに負けちゃうなんて)

 2体の竜は一筋の閃光となって真正面から激突する。だが、やがて紅き闇の星竜の一撃が蒼き光の星竜を貫いた。硝子のように砕け散っては、光となって消えていくドラグリステル・フォトン・ドラゴン。迸る2体の精霊の力によって大きく吹き飛ばされた遊希は、自分の敗北を改めて実感する。

(悔しい……悔しいよ……だけど……)

 しかし、不思議とその顔には笑顔が満ち溢れていた。

(……それよりも、嬉しい)




遊希 LP8000→LP0



「遊希さん!!」

 高く吹き飛ばされた遊希はこのままではデュエルフィールドに背中から打ち付けられてしまう。遊大は自分の身体に覇王烈竜から進化した覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの力を宿すと、遊希が飛ばされるよりも早く彼女の後ろに回り込んだ。
 精霊の身体能力をもってすれば、一瞬で回り込むことなど造作のことでもない。だが、回り込んで遊希を受け止めてからのことは考えていなかった。遊希を受け止めた遊大は仰向けに倒れ込み、その上に遊希が覆いかぶさる形となっていた。デュエルが終わったばかりで心拍数が上がっていた二人の顔が真っ赤に紅潮する。

「……よ、良かった。怪我がないようで……」
「え…ええ……」

 見つめ合った二人は同時に視線を逸らす。そして数十秒の沈黙が続く中、遊大が恥ずかしそうに口を開いた。

「あ、あの……遊希さん。すごく言いづらいんですけど……」
「……な、何かしら」
「……その、当たっているんですが」

 遊大の締まった胴体には遊希の柔らかな二つの膨らみが重力によって押し付けられるようになっていた。向きがこうである以上仕方のないことであるのだが、あまりそのようなことに耐性のない遊大からしてみれば、当然その柔らかさに正気でいられなくなっていた。一方で押し付けている側の遊希も恥ずかしさのあまり顔から火が出そうであった。

「あ、当てて……るのよ……ってそんな恥ずかしいことは言えるわけないじゃない」
「じ、じゃあ離れて下さい……」
「い、嫌……だって、まだ聞いていないから。あなたから私に伝えたいことを……」

 できればもっと風情のある状況で伝えたかったのだが、それができないのが高海 遊大という人間なのだろう。遊大は思い切って両腕を遊希の背中に回す。仰向けになりながら遊希の身体が遊大の胸のあたりに来るようになる。早くなる心臓の鼓動を聞かれてしまうかもしれない。それでも遊大は遊希に伝えたかった。ずっと心のうちに秘めていたことを。

「あの……では、俺の正直な気持ちを遊希さんに伝えます」
「……うん」










―――天都 遊希さん。俺は……あなたのことが好きです。あなたを愛してします。どうか、俺と恋人になってくれませんか?―――










 本当にできる男であれば、ここでもっと恰好いい告白ができるのだろう。それでも変に着飾るのは自分らしくない。どんなに不格好であったとしても、自分らしく真っすぐに想いを伝えたかった。

「……自分で言っておいてなんだけど、この状態だとムードもへったくれもないわね」
「だから言ったじゃないですか……」
「でも……あなたの想いは伝わったよ。高海くん、いや遊大……」









―――私も……高海 遊大くん。あなたのことが好き。あなたのことを愛しています。私と……恋人になってください―――










 照れと涙で声を震わせながら遊希は自分の唇を遊大の唇に重ねる。先輩と後輩、師匠と弟子でもあった二人はこの瞬間から恋人となった。新たな道を歩み始める二人を祝福するかの如く、空からは白い雪が降り始めた。

「ホワイト・クリスマス……ですね。今日はイブですけど」
「色々できすぎている気がするけど……神様も私たちのことを喜んでくれているのかしら?」
「なんかメルヘンチックな答えですね。でも、そんなところが可愛いです」
「……っ!!」
「いたた、叩かないでください。ところで……さっきのデュエルで遊希さんが勝った時はどうするつもりだったんですか? 遊希さんも俺に聞いてほしいことがあるって」
「……内緒。もう言う必要がなくなったから」






(だって、私と結婚してほしいなんて……言えるわけないじゃない)









 聖なる夜に実った恋。恋が愛に変わる夜。二人の少年少女はまた一つ歩みを進める。刺すような寒さの雪降る夜であるが、遊大と遊希の二人だけは、この時仄かに暖かった。













―――『虹彩竜と歩むもの』―――














―――「第一部:虹彩煌めく者」完―――














―――「第二部:異なる己との決別」鋭意考察中―――














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光芒
新年あけましておめでとうございます。「虹彩竜と歩むもの」著者の光芒と申します。本年も宜しくお願い致します。

今回の話を以て「虹彩竜と歩むもの」は無事完結……となる予定でしたが、学園を舞台にしているのにも関わらず、一年生の時しか書かないのはなんかおかしくないだろうか、そもそも次回作の設定がまとまっていないからどうしよう、と思った挙句。この作品をそのまま続けることにしました。
遊大の一年生編を第一部、二年生編を第二部として書きます。とはいえ、第二部は番外編も含むのでそれほど長い部にはならないと思います。ただ短めな分、一部以上に辛くてショッキングなエピソードは増える予定です。ただ第二部の開始はまだまだ先になりますので、気長にお待ち頂ければと思います。

今後の予定

「遊戯王 Devil Driver」コラボ(別にスレッドを立てる予定です)

「虹彩竜と歩むもの 1.5章~夏休み編」

「虹彩竜と歩むもの 第二部:異なる己との決別」開始

(2019-01-01 17:12)
ヒラーズ
終わったああ…って第二部あるの!?
これは見逃せませんな!
恋もちゃんと実り良いエンドでした。
陸也「いかん…涙が…!」
海理「?」
今年もよろしくお願いします。 (2019-01-01 17:15)
ター坊
明けましておめでとうございます。
まるでジョジョのような続編に続くという衝撃告知。こんな壮大にやっといてまだ第一部だったのか!?(歓喜)
実質効果が5~6種類という恐ろしいスペックの覇王星竜。四天の竜全部継承は圧巻の一言。せめてもの救いはEXデッキをバクバク食うからEX内の配分に難が出ることくらいか?
そして見事にゴールイン。当ててんのよからのお互いの告白→ホワイトクリスマスという最強コンボ。
遊月「おめでとうございます。いつ挙式しますか?」
美羽「おめでとう!やっぱりウェディングドレス?それとも和風で着物?」
遊路「おめでとうな。子供は何人いっちゃう?」

第一部完走おめでとうございます。それとこの先のコラボと第二部も楽しみに待ってます。 (2019-01-01 18:16)
光芒
ヒラーズさん
一応第二部もあります。第一部に160話近くかけてしまったので、第二部は少なめになりますが。
そして二人の恋は実りましたが、恋とは実った後が大変なものでして……波乱もまだまだあります。

ター坊さん
ちょっと壮大にやりすぎた感もありますよね。夏休み編とかカットしたわけですしおすし。

>実質効果が5~6種類という恐ろしいスペックの覇王星竜。四天の竜全部継承は圧巻の一言。せめてもの救いはEXデッキをバクバク食うからEX内の配分に難が出ることくらいか?
確かにEXデッキの枠をドラゴン族で固めなければいけないこととリンク非対応という点は欠点ですね。P効果で墓地のドラゴンをデッキに戻せるので再利用もできなくはないということ、龍の鏡やミラシンの融合素材にできるというメリットもありますが。

>遊月「おめでとうございます。いつ挙式しますか?」
>美羽「おめでとう!やっぱりウェディングドレス?それとも和風で着物?」
>遊路「おめでとうな。子供は何人いっちゃう?」
先達の皆様お祝いの言葉ありがとうございます。ただ、色々と二人の間には障害もあるわけでして。例えば遊大の年齢とか、精霊が子供を産めるのか、とか。 (2019-01-02 15:17)
蓮木
いやー遂に終わってしまいましたよ。こっちの遊希さんは無事に結ばれて良かった良かった。女の子の提案の方が結構凄いことのが多いからねえ……

一年生じゃなく二年生編だってよやったね、新入生とか後輩とか考えるだけで楽しいからなあ……この後の1.5部や2部に期待しています。 (2019-01-02 15:58)
光芒
蓮木さん
確かに女の子の方がこういう時は積極的なことは多いですよね。土壇場においては女性の方が強かったりもしますし、そこに男女の違いが出ているのかもしれません。最も二人の願いは共通しているので多少遊希が無茶なことを言っても問題はなかったと思いますが。

>一年生じゃなく二年生編だってよやったね、新入生とか後輩とか考えるだけで楽しいからなあ……この後の1.5部や2部に期待しています。
1.5部は1部で描けなかったものを書くので実質1部です。ただ、2部では一学年上がることもあって当然後輩キャラも登場するのでそこはお楽しみにして頂ければ……
(2019-01-03 01:46)

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56 第61話:諜報 478 3 2017-09-11 -
106 遊大たちが10月制限について語るそうです 640 5 2017-09-14 -
60 第62話:暴露 451 2 2017-09-21 -
55 第63話:決意 514 4 2017-09-25 -
44 第64話:結束 532 4 2017-10-02 -
22 第65話:渇望 657 3 2017-10-07 -
46 第66話:証明 459 4 2017-10-13 -
47 第67話:空想 457 2 2017-10-16 -
49 第68話:魔鎖 452 2 2017-10-23 -
41 第69話:喝采 421 2 2017-10-27 -
45 第70話:胸愛 518 3 2017-11-01 -
51 第71話:点火 468 4 2017-11-07 -
23 第72話:誘惑 417 3 2017-11-15 -
47 第73話:憤怒 467 5 2017-11-18 -
27 第74話:反攻 354 2 2017-11-22 -
14 第75話:夢追 435 2 2017-11-27 -
23 第76話:剣閃 405 2 2017-12-02 -
14 第77話:膠着 336 2 2017-12-09 -
23 遊大たちが1月制限について語るようです 486 4 2017-12-11 -
17 第78話:豹変 358 2 2017-12-17 -
31 第79話:親心 386 4 2017-12-22 -
14 第80話:疾風 352 2 2017-12-30 -
16 番外編:隠想 448 3 2018-01-01 -
15 第81話:異能 340 2 2018-01-08 -
34 第82話:要塞 331 2 2018-01-13 -
18 第83話:相反 346 3 2018-01-17 -
19 第84話:特異 403 5 2018-01-22 -
13 第85話:忌避 456 4 2018-01-29 -
24 第86話:転生 523 4 2018-02-06 -
19 第87話:変貌 479 4 2018-02-14 -
28 第88話:祭典・1 395 4 2018-02-22 -
14 第89話:祭典・2 438 4 2018-02-28 -
13 第90話:祭典・3 393 4 2018-03-10 -
32 18年4月制限について語るようです 553 4 2018-03-14 -
19 第91話:閉幕 398 4 2018-03-22 -
31 第92話:令嬢 401 4 2018-03-31 -
26 第93話:共闘 360 4 2018-04-07 -
35 第94話:古豪 350 3 2018-04-15 -
11 第95話:護心 324 2 2018-04-19 -
13 番外編:裏話 457 4 2018-04-29 -
44 第96話:転機 381 4 2018-05-03 -
26 第97話:敬意 295 0 2018-05-13 -
12 第98話:遺托 380 4 2018-05-17 -
27 番外編:青春 352 2 2018-05-23 -
40 第99話:疾駆 352 6 2018-06-12 -
35 遊大たちが18年7月制限について語ります 340 0 2018-06-14 -
27 第100話:戦士 289 0 2018-06-19 -
13 第101話:懐古 282 2 2018-06-24 -
10 第102話:降竜 286 0 2018-06-30 -
8 第103話:乱入 270 3 2018-07-06 -
10 第104話:奮起 262 0 2018-07-15 -
13 第105話:白翼 284 0 2018-07-22 -
22 第106話:夢境 425 3 2018-07-30 -
20 第107話:紫苑 233 4 2018-09-12 -
10 遊大たちが10月制限について語ります 249 2 2018-09-14 -
14 第108話:猛毒 252 2 2018-09-17 -
6 第109話:変身 220 2 2018-09-21 -
9 第110話:共闘 236 4 2018-09-25 -
6 第111話:油断 207 2 2018-09-27 -
19 第112話:浸食 214 2 2018-09-30 -
7 第113話:神意(修正・再掲版) 183 2 2018-10-03 -
22 第114話:忍者 189 2 2018-10-06 -
6 第115話:継承(修正版) 209 3 2018-10-08 -
10 第116話:征圧 203 2 2018-10-10 -
17 第117話:両雄(修正版) 204 3 2018-10-15 -
13 第118話:負担 163 2 2018-10-17 -
12 第119話:確信 166 2 2018-10-20 -
8 第120話:無限 202 4 2018-10-22 -
5 第121話:必然 160 2 2018-10-25 -
9 第122話:悲劇 181 2 2018-10-28 -
5 第123話:鬼気 155 2 2018-10-31 -
10 第124話:捕食 162 3 2018-11-02 -
12 第125話:一輪 163 2 2018-11-05 -
4 第126話:後悔 184 3 2018-11-07 -
5 第127話:神話 145 2 2018-11-10 -
12 第128話:仮説 183 3 2018-11-12 -
7 第129話:伝心 182 3 2018-11-14 -
11 第130話:対立 176 2 2018-11-16 -
11 第131話:残酷 170 3 2018-11-18 -
6 第132話:涙雨 156 3 2018-11-20 -
9 最終章予告 181 3 2018-11-21 -
11 番外編:歓喜 219 5 2018-11-22 -
8 第134話:決戦・1 181 2 2018-11-23 -
8 第135話:決戦・2 143 2 2018-11-25 -
7 第136話:決戦・3 162 2 2018-11-27 -
8 第137話:決戦・4 162 3 2018-11-28 -
8 第138話:決戦・5 194 3 2018-11-30 -
10 第139話:覇王 181 3 2018-12-02 -
11 第140話:精霊 159 3 2018-12-04 -
11 第141話:落涙 211 4 2018-12-05 -
13 第142話:命脈 199 3 2018-12-07 -
9 第143話:終焉 178 3 2018-12-08 -
6 第144話:帰還 172 3 2018-12-10 -
3 遊大たちが19年1月制限について喋ります 205 3 2018-12-11 -
6 第145話:三様 227 2 2018-12-12 -
8 第146話:光明 130 2 2018-12-15 -
8 第147話:竜星 169 3 2018-12-16 -
10 第148話:斬撃 133 3 2018-12-18 -
9 第149話:神竜 139 3 2018-12-20 -
4 第150話:新竜 146 3 2018-12-21 -
5 第151話:共鳴 131 3 2018-12-24 -
8 第152話:前夜 141 3 2018-12-25 -
6 第153話:星竜・1 138 3 2018-12-28 -
9 第154話:星竜・2 122 3 2018-12-29 -
11 第155話:星竜・3 145 3 2018-12-31 -
15 エピローグ:雪夜 215 6 2019-01-01 -