DRAW:２００〝破壊と創造〟　作：人喰い

(200)



〜アトリエ・イチセ 地下室〜



火群【LP 5300】
伏せ:0
手札:2
墓地:炎王神獣ガルドニクスx1 アニマ・フェニックスx1(効果無効) 幼炎王獣x1(効果無効) 九尾の狐x1(効果無効)


不死鳥【LP 7000】
(モンスター)
『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』[ATK 3200]◉X素材:1
『炎王獣 ガネーシャ』[ATK 1800]
(魔法)
『破戒空間(デストラクト・ゾーン)』(フィールド)
伏せ:2
手札:2
墓地:ガネーシャx1 炎王神獣ガルドニクスx1



◉TURN:０３◉



“破滅の焔”『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』によってフィールドを更地にされた火群だったが、その瞳は死んでいない。紫紺の眼には希望の炎がしっかりと灯っていた。

火群は引いたカードを、スタンバイフェイズに移行するより前に発動させる。

火群「ーーーー俺は手札から…、速攻魔法『炎王輪廻』を発動ッッ！！」


《炎王輪廻》＊Ph.X Original Cards
速攻魔法
このカード名のカードは、１ターンに１度しか発動できない。
①自分の墓地の「炎王」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの元々のレベル・ランクの数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中の炎属性モンスターを任意の枚数選んで破壊し、残りのカードとこのカードの発動時に選択したモンスターをデッキに戻しシャッフルする。
「炎王神獣」モンスターを対象としてこのカードを発動した場合、このカードの発動に対して相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
この効果を使用するターン、自分は炎属性モンスターしか特殊召喚できない。
②墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の場の炎属性モンスター１体を選んで破壊し、デッキから「炎王」モンスター１体を手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。


火群「……対象は俺の墓地の『炎王神獣 アニマ・フェニックス』！！
よってデッキの上から、そのレベル分ーーーー９枚のカードをめくる…！！」


『炎王の急襲』
『炎王獣 バロン』
『炎王獣 ガネーシャ』
『炎王炎環』
『死者蘇生』
『真竜皇 アグニマズドV』
『炎王獣 キリン』
『九尾の狐』
『テラ・フォーミング』



火群「…めくった中から炎属性モンスターを任意の数破壊し、対象としたアニマ・フェニックスをEXデッキに戻す！！」


破壊→
『炎王獣 バロン』
『炎王獣 キリン』
『炎王獣 ガネーシャ』
『九尾の狐』


墓地→EXデッキ
『炎王神獣 アニマ・フェニックス』


破壊と同時に火の玉が現れ、火群を中心に火炎と渦巻く。
これこそ、破壊され墓地へ送られる事で真価を発揮するーーーー火群のデッキの真骨頂。


火群「破壊されたガネーシャの効果…！ そしてそれにチェーンしてキリン、九尾の狐の効果発動！」


チェーン③『九尾の狐』(狐トークン２体特殊召喚)

チェーン②『炎王獣 キリン』(デッキの炎属性１体を墓地へ)

チェーン①『炎王獣 ガネーシャ』(対象:炎王神獣 ガルドニクス)


不死鳥「……ッ……（私の場のガネーシャで無効にできるのはチェーン③で発動された九尾の狐のみ……ここを止める意義は薄いなーーーー)」

不死鳥の化身にチェーンの意思がない事を確認し、効果処理へ。

火群「九尾の狐、続いてキリンの効果処理…！！」

『狐トークン』[DEF 500]☆2
『狐トークン』[DEF 500]☆2

デッキ→墓地
『ヴォルカニック・カウンター』


火群「ーーーーそしてガネーシャの効果でガルドニクスは墓地より蘇る！！」


『炎王神獣 ガルドニクス』[ATK 2700]


ガルドニクスの復活を経て、ドローフェイズからスタンバイフェイズへ。

火群「このスタンバイフェイズ時、効果で破壊されたバロンの効果発動！！ デッキから『炎王』カードを手札に加える…！」

しかし火群のデッキにバロンの炎が灯ったその瞬間、

不死鳥「ーーーーガネーシャの効果…ッ！！ バロンの効果を無効にする！」

矢の如く放たれた紅蓮の炎はデッキに灯る炎を正確に射抜き、火群のサーチを封じると同時に自らの手札にあったモンスターを破壊した。

(不死鳥の化身)
手札→破壊
『炎王獣 バロン』


火群「…ッ…！」

だがそれは火群にも当然読めていた行動。火群はメインフェイズへと移行し、


火群「墓地の九尾の狐の効果！！ 狐トークン２体をリリースし……墓地から特殊召喚！」[ATK 2200]

人魂が場を旋回、九尾が墓地より再び姿を現す。そしてその直後、地面からひとすじの炎が伸びるーーーー


火群「墓地の『炎王輪廻』を除外して、効果発動ッ！」

②墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の場の炎属性モンスター１体を選んで破壊し、デッキから「炎王」モンスター１体を手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。

火群「場の九尾の狐を破壊…！ そしてーーーーデッキから『炎王獣 ダンディライオン』を手札に加える！」[手札 2]


ニクス「……！！ そのカードは…っ！」

引き抜いたカードは炎を纏う。
そして一瞬姿を見せた精霊に驚くニクスを横目に火群は僅かに頬を緩め、再び前を向く。

火群「九尾の効果でトークンを２体特殊召喚…！！」

『狐トークン』[DEF 500]
『狐トークン』[DEF 500]

火群「そしてーーーーー新たな力を得た…、お前の燃える闘志を見せてやれ…ッッ！！ 『炎王獣 ダンディライオン』を召喚っ！！」[ATK 1300]


《炎王獣 ダンディライオン》＊Ph.X Original Cards
効果モンスター
星４/炎属性/獣族/攻 1300/守 200
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できず、①の効果を使用するターン自分は炎属性モンスターしか特殊召喚できない。
このカードのカード名はルール上「ダンディライオン」としても扱う。
①このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、またはこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに「綿火トークン」（植物族・炎・星１・攻／守０）１体を守備表示で特殊召喚する。「綿火トークン」はフィールドに存在する限り「綿毛トークン」としても扱い、「綿火トークン」がカードの効果で破壊された場合自分はデッキから１枚ドローする。
②このカード以外の自分フィールドのモンスター１体と自分の墓地の「炎王獣」モンスター１体を対象として発動できる。対象の自分フィールドのモンスターを破壊し、対象の墓地のモンスターを守備表示で特殊召喚する。


逆巻く炎の中から、メラメラと鬣を燃やす非常に小柄なライオンが現れる。

ダンディ「がる……っ…！」

このモンスターは火群が夢の中で出会った人物から譲り受けたカードで、本来はタンポポを模した植物族のモンスターだったのだが、炎纏い大地に立つその姿には、紛れもない獣の風格ーーーー


火群「ーーーーダンディライオンは召喚成功時に綿火トークンを一体場に生み出す！」

『綿火トークン』[DEF 0]

火群「続けて、場の狐トークンと墓地の幼炎王獣を対象に、ダンディライオンの二つ目の効果発動！」

②このカード以外の自分フィールドのモンスター１体と自分の墓地の「炎王獣」モンスター１体を対象として発動できる。対象の自分フィールドのモンスターを破壊し、対象の墓地のモンスターを特殊召喚する。


不死鳥「…ならばここで、このカードを発動するーーーーー永続罠『破壊輪廻』！！」

《破壊輪廻
はかいりんね
/Loop of Destruction》 †
永続罠
(1)：このカードは魔法＆罠ゾーンに存在する限り、カード名を「破壊輪」として扱う。
(2)：１ターンに１度、フィールドのモンスターが効果で破壊された場合、
フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、お互いに５００ダメージを受ける。


火群「…！
……ダンディライオンの効果により、場の狐トークンを破壊し、墓地の『幼炎王獣 ガルドニクス』を特殊召喚！！」[DEF 200]


久義「…よし…！一度墓地を離れた事で、ガルド・デストロイヤーによって無効になった幼炎王獣の効果も元に戻った…！」

しかし直後、不死鳥の化身の場に不気味に浮かぶ、数字の8を横にしたーーーーいわゆる“無限”の形を模す物体に火が灯る。

不死鳥「ーーーーこの瞬間！ 場のモンスターが破壊された事で『破壊輪廻』の効果が発動！ フィールドのモンスター１体を破壊し、互いに５００のダメージを与える！
まずは目障りな小動物に消えてもらう…ッ！！」

指差された先の獅子は決して臆さず、喉を鳴らし威嚇する。

ダンディ「ぐるる……ッ！」

火群「バカにすんなよ…ッ…！
この瞬間…！！ 手札から速攻魔法ーーーーー『昇火する綿毛』を発動ッッ！！！」


『昇火する綿毛』＊Ph.X Original Cards
速攻魔法
①自分フィールドの「ダンディライオン」１体または「綿毛トークン」２体をリリースして発動できる。
手札・デッキ・墓地から「ダンディライオンLv１０」１体を特殊召喚し、その後自分の手札の炎属性モンスター１体を破壊する。手札に炎属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。


発動されるや否や、場のダンディライオンを紅蓮の炎が包み、その姿は雄々しく猛々しく成長してゆくーーーーー


火群「ーーーー場の炎王獣 ダンディライオンをリリースし……現れろッ！ 雄々しく猛る百獣の炎…ッ！
『ダンディライオン Lv１０』！！！」


炎を振り払うように現れたのは百獣の王と呼ぶのに相応しい、煌びやかな鬣をなびかせる紅蓮の獅子。
気高き意思を炎と灯し、獅子は咆哮する。


ダンディ『ガルァァァアァァァァッッ！！！』[ATK 3000]


『ダンディライオンLv１０』＊Ph.X Original Cards
効果モンスター
星１０/炎属性/獣戦士族/3000/3000
このカードは通常召喚できない。
『昇火する綿毛』の効果でのみ、特殊召喚することができる。
①フィールドのこのカードは効果の対象にはならず、相手の効果では破壊されない。
②１ターンに１度、自分・相手のバトルフェイズ中に発動できる。自分フィールドの「ダンディライオン」及び「綿毛トークン」を全て破壊し、この効果で破壊したモンスター1体につきこのカードの攻撃力は１０００ポイントアップする。この効果の発動後、相手はターン終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
③このカードを特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動する。このカードを墓地へ送る。


不死鳥「……逃げられたか……だが、成長したところで…ッ…ガルド・デストロイヤーの方が攻撃力は上……！ 貴様が私を殺す事などできん…ッ！！」

怒りの感情を表に出す不死鳥の化身に火群は、

火群「…殺すつもりなんてねぇよ」

静かな口調で、一蹴。拳を握る。

火群「かといって、黙ってお前に乗っ取られるつもりも……無いッ！」

不死鳥「……ッ……」

握った拳を前に突き出し、

火群「ーーーーバトルフェイズ…！！
ダンディライオンLv１０の効果発動！！ 俺の場の綿火トークンを破壊し、攻撃力を１０００……上昇させる！！」

周囲を旋回する綿毛に火が灯り、赤く、紅く、燃え上がる。

火群「全ての綿毛を昇火させ……、獅子王よ…ッ真の力を解放せよッ！！
〝バーニング・イグニッション〟！！！」

叫び、腕を振り払うと、その炎は獅子王の右腕に渦を巻きながら宿っていくーーーーー


ダンディ『ガルァァァアァァァッッ！！！』[ATK 3000→4000]


不死鳥「……チ…ッ……！」

久義「…これで、ガルド・デストロイヤーの攻撃力を上回った…！」


火群「…更に！ この効果の発動後、相手はターン終了時までカードの効果を発動できない！！」


不死鳥「……なんだと…ッ…！」

驚く不死鳥の化身。破壊される事で発動するガネーシャの効果を封じられたためだ。

火群「それだけじゃない…！ 綿火トークンが効果で破壊された事で、１枚ドロー！！」[手札 1]

地面をぎゅっと踏みしめ、獅子と火群は拳を高く突き上げる。

火群「ダンディライオンLv１０で、ガルド・デストロイヤーを攻撃…ッッ！！
受けてみろ……！！
俺たちの拳を……俺たちの炎をーーーーッ！！
ーーー〝獅子王・百火繚乱〟ッッ！！！」


『ダンディライオンLv１０』
[ATK 4000]
ーーーVSーーー
[ATK 3200]
『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』


獅子王の炎拳が、襲い来る破滅の焔の突き抜け、

ダンディ「…ガルァアァァァアアッッ！！！」

雄叫びと共に、不死鳥の化身の身体に打ち込まれた。


不死鳥「ーーーーーがフぁッッ！！」

炎の身体は弾け飛び二転三転した後、壁に叩きつけられる。

不死鳥「…ガぁ…ッッ！」【LP 7000→6200】

休む暇など与えず、続くガルドニクスの攻撃。

火群「ーーーー行くぞニクス！！」

ニクス「…ああ！！」


『炎王神獣 ガルドニクス』
[ATK 2700]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『炎王獣 ガネーシャ』


火群「ーーー焼き貫けッ！
ーﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ・ｲﾚｲｻﾞ-ー
〝業火炎の抹焼熱線〟！！」

解き放たれた螺旋状の火炎放射はガネーシャごと不死鳥の化身を撃ち抜いた。

不死鳥「……グァァァアアッッ！！」【LP 6200→5300】

久義「…ライフが並んだ…！」


バトルフェイズ→メインフェイズ２


火群「ーーーーこれで終わりじゃない…！ 俺はレベル８の炎王神獣ガルドニクスに、レベル１の幼炎王獣 ガルドニクスをチューニング！！
再び現れろ！！ シンクロ召喚！！ レベル９ーーーー
『炎王神獣 アニマ・フェニックス』！！！」[DEF 2700]

不死鳥「……ッ…！」

火群「アニマの効果発動！！」

①このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカード以外の自分の手札・フィールドの炎属性モンスター1体を選んで破壊し、自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。その後、自分の墓地の「炎王獣」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。

火群「場の狐トークンを破壊し、俺は５００のダメージを受ける…！」【LP 5300→4800】

火群「その後、『炎王獣 ガネーシャ』を墓地から特殊召喚する！」[DEF 200]

火群「…続いてアニマのもう一つの効果…！！」

②このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの①の効果または相手のカードの効果で自分がダメージを受けた時、自分のライフが6000以下の場合に発動する。相手は1000LPを失い、自分は1000LP回復し、このカードの攻撃力は自分が受けたダメージの数値分アップする。

火群「相手のライフを１０００吸収し、受けた痛みの分だけ、アニマの攻撃力はアップする！
〝ホワイト・チャージング・フレア〟！！」

不死鳥【LP 5300→4300】

火群【LP 4800→5800】

『炎王神獣 アニマ・フェニックス』[ATK 1700→2200]


火群「墓地の『幼炎王獣 ガルドニクス』の効果…！ １ターンに１度、俺の場に炎王神獣が存在する場合、墓地のこのカードを特殊召喚できる！ 現れろ！幼炎王獣ガルドニクス！」[DEF 200]

火群「…俺はこれでターンエンド…！
そしてこのエンドフェイズ、ダンディライオンLv１０は自身の効果により墓地へ送られるーーーー」


火群【LP 5800】
(モンスター)
『炎王神獣 アニマ・フェニックス』[DEF 2700]
『炎王獣 ガネーシャ』[DEF 200]
『幼炎王獣 ガルドニクス』[DEF 200]
伏せ:0
手札:1
墓地:炎王神獣ガルドニクスx1 幼炎王獣x1 バロンx1 キリンx1 ヴォルカニック・カウンターx1 ダンディx1 ダンディLv10x1 九尾の狐x2(効果無効x1)

不死鳥【LP 4300】
(魔法)
『破戒空間』(フィールド)
(罠)
『破壊輪廻』
伏せ:1
手札:1
墓地:バロンx1(効果待機) ガルド・デストロイヤーx1 炎王神獣ガルドニクスx1 ガネーシャx1


◉TURN:０４◉


久義（……ライフは逆転した……、しかし互いの実力はほぼ互角……いつ決着が着いてもおかしくない状況だ。
ーーーー気を抜くなよ……火群…！！）


不死鳥「ーーーーー私のターンッッ！！」[手札 2]

怒りに身を任せた力強いドロー。感情が炎となって辺りを駆け巡る。

ドローフェイズ→スタンバイフェイズ

不死鳥「ーーーー効果で破壊されたバロンの効果により私がデッキから手札に加えるのは、『炎王輪廻』…！！」[手札 3]

不死鳥「……そして墓地の『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』を対象に『炎王輪廻』を発動ッ！！
ガルド・デストロイヤーのランクは『４』……よってデッキの上から４枚のカードをめくり、その中の炎属性モンスターを破壊するーーーーー」

めくったカードを確認し、不死鳥の化身はかすかに肩を揺らす。

不死鳥「…フフフハッッッ！！ 何度でも壊して壊して壊して壊し尽くしてやる…ッッ！！！」

火群「……ッ…！」

捲り
『炎王獣 ガネーシャ』→破壊
『火舞太刀』→破壊
『熱血獣士 ウルフバーク』→破壊
『破壊輪』

墓地→EXデッキ
『炎王神獣ガルドデストロイヤー』


火群「…ガネーシャに…火舞太刀…ッ…！！」

破壊された２体のモンスターの効果が発動する。

火舞太刀
(1)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動する。
その相手の表側表示モンスターを破壊し、相手に５００ダメージを与える。

ガネーシャ
(2)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、「炎王獣 ガネーシャ」以外の自分の墓地の炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。

チェーン②『火舞太刀』(対象:炎王獣ガネーシャ)
チェーン①『炎王獣 ガネーシャ』(対象:炎王神獣ガルドニクス)

火群「…くっ…！ ガネーシャの効果で火舞太刀の効果を無効にし、俺の場の幼炎王獣を破壊する…！！」

ガネーシャの炎が火舞太刀を封じ込めると同時に火群の場の幼炎王獣が破壊され、直後、


不死鳥「……そうだ…そうするしかないはずだ…ッ…！
こちらのガネーシャの効果により、墓地より現れよ…ッッ！！！
ーーーーー破壊へ誘う邪炎の翼！『炎王神獣 ガルドニクス』！！！」[ATK 2700]

不死鳥の再臨。火群も負けじと墓地に手を伸ばす。

火群「…俺たちの心はまだ壊れちゃいない…！！
破壊された幼炎王獣の効果…！！」

②このカードがカードの効果で破壊された場合、「幼炎王獣 ガルドニクス」以外の自分の墓地または除外されている自分の「炎王」モンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

火群「…墓地より現れろッ！！
ーーーー勝利へ導く紅蓮の翼！！『炎王神獣 ガルドニクス』！！」[ATK 2700]


並び立つ不死鳥。フィールドはとてつもない熱気に包まれる。


不死鳥「…何度立ち塞がろうが…破壊する…ッッ！！
破壊……破壊……ッ破壊ハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイだァァッッ！！！」

凄まじい剣幕で全身の炎を燃え上がらせ、炎翼は部屋中を覆い尽くすーーーーー

ニクス「……破壊は何も生まない……ッ…！ お前は火群の中にいて何も感じなかったのか…！？」

不死鳥「……我は不死鳥……ッッ…！！ 死す度に蘇り、全てを破壊するだけの存在……ッッ！！ その様な人間的感情など持ち合わせていない！！」

不死鳥の化身は叫び、右腕を空高く突き上げる。

不死鳥「…墓地から蘇ったガルドニクス１体で、オーバーレイネットワーク構築ーーーーーエクシーズ召喚！！

地獄の底より蘇りし不死鳥……ッッ！！ 再び“破滅の焔”を宿し、黒き力で全てを破壊せよッ！！

『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』ッッ！！！」


『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』[ATK 3200]


黒き破滅の焔がガルドニクスに掛け合わされ、漆黒の波動を解き放つ。


火群「…ッ…！」

黒炎が押し寄せる中、火群の瞳は、不死鳥の化身を捉えて離さない。

火群「お前が全てを破壊するならーーーーー俺たちは壊される度に創り直すだけだッッ！！！」


不死鳥「ーーーー黙れぇッ！！ 再びこの焔を受けて、同じ事が言えるかッ！！
ガルド・デストロイヤーのX素材を全て取り除き、効果発動ッ！！」

①このカードが「炎王神獣 ガルドニクス」を素材としたX召喚に成功した場合、このカードのX素材を全て取り除いて発動できる。相手フィールドのモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×500ポイントのダメージを相手に与える。その後、自分の墓地の「炎王」魔法・罠カード1枚をこのカードの下に重ねてX素材にする事ができる。この効果で破壊したモンスターの効果は無効化される。

不死鳥「どうやらガルドニクスを復活させたのは失敗だったようだなーーーーー相手フィールドのモンスターを全て破壊し、破壊した数x５００のダメージを受けてもらうッッ！！
〝ブラックエンド・ヘルフレア〟ッ！！」

周囲を取り巻いていた黒炎が勢いを増し、凄まじい豪炎が火群ごとフィールドを焼き尽くすーーーー


火群「ーーーーがぁぁああぁっっ！！」【LP 5800→4300】

墓地→X素材
『炎王の急襲』

不死鳥「ーーーー更に、破壊したモンスターの効果は無効となる！！」


火群「……ぐっ……ッ…！」

痛みは確実に身体に刻まれ、腕には無数の火傷の痕。

ニクス「……ッ…！」

ニクスは火群のそんな状態を心配げに目線を向けるが、視線が合った途端火群はどこか哀しげな表情で笑い返す。
痛いから、苦しいから、辛いから。
などとは全く別の、どこか遠くを見つめるような、不思議な表情。

火群「……っ…」

その表情に込められた思いをニクスは考え、目線を火群の右腕に移す。


ニクス「ーーーーッ」


しかしそこで爆風が晴れ、破滅の炎が再び火群へと襲いかかる。


不死鳥「ーーーーガルド・デストロイヤーの攻撃……ッッ！！
ﾃﾞｽﾄﾛｲ・ﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ
〝破滅の黒焔翼〟ッッ！！！


『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』[ATK 3200]


解き放たれた業火から守るものは無く、ガルド・デストロイヤーの攻撃力全てが火群に直撃した。


火群「……ぐぁぁあああ…ッ…あああああぁあああッッがああああぁぁああッッ！！！」【LP 4300→1100】


久義「…火群ッッ！！」

久義は耐えられず駆け寄ろうとするが、火群はよろめきつつも左手を軽く上げ、それを静止する。


火群「……」

だが火群は力無く俯き、火傷に痛む右腕を抑えながらただ足元を見つめていた。

不死鳥「……戦う気力を失ったか………。
フッ……無理もない」

ゆらゆらと炎の身体を不気味に揺らしながら化身は勝ち誇ったように鼻を鳴らす。

火群「…………っ……」


ふと。

一粒、二粒。

三粒、四粒。

五粒。


火群の足元に、雫が溢れる。

ニクス「…ホムーーーーー」

振り返るニクスは、その水滴が火群の目元から溢れた涙である事に気づき、開きかけた口を紡ぐ。


火群「…………きっとーーーーー」


その涙も痛みから来るものでは決して無い。近くて遠い誰かを憂う様な、悼む様な、そんなーーーー優しい涙だった。


火群「ーーーー和泉はもっと、痛い思いをしただろう」


２年前、火群の目の前で破滅の焔によって右腕を焼かれた少女の名を口にする。

火群「…痛かったよな……熱かったよな………辛かったよな……っ……」

次第に右腕を抑える力が強くなるのを見て、ニクスは左手をそっと火群の肩に乗せた。

火群「……けど、こんな痛み……こんな痛みじゃ……ッ……俺は和泉の事を理解してやる事はできない……ッ」

ニクス「……火群…」

火群「…悔しくて悔しくて堪らない…っ…。
和泉に、チアガールに、結維さんに……ッ…『大丈夫』『心配ない』『君の所為じゃない』なんて言われる度に…ッ……罪悪感で押しつぶされそうになるーーーー」

炎の様に揺らぐ身体を何とか気合だけで立たせながら、火群は続ける。

火群「……大切な仲間の人生を狂わせたお前を……俺は許せないし、お前を生み出してしまった俺自身も………絶対に許すことはできないーーーーー」


不死鳥「……だが貴様には、私を殺す意思も無ければ、黙って私に乗っ取られるつもりも無いーーーーー。
ならば、どうするーーーー？」

問いに対し火群は、

火群「…今の一撃を受けてようやくはっきりしたよ。
俺はーーーーー」

俯いていた顔を上げ、真っ直ぐな瞳で不死鳥の化身の射抜く。



火群「ーーーーお前の焔を」

火群「ーーーーお前の罪を」

火群「ーーーーお前という存在を」


火群「ーーーー全部俺のものとして背負って生きていくべきなんだ」



瞬間。火群の足元から炎が這う様に広がるーーーーーー

不死鳥「……ッ…！」

火群「……だからまずはーーーー」

言いながら、火群は自分の墓地に手をかける。

火群「……俺が戦闘ダメージを受けた事で、墓地の『ヴォルカニック・カウンター』の効果が発動……！！」


《ヴォルカニック・カウンター/Volcanic Counter》 †
効果モンスター
星３/炎属性/炎族/攻 300/守1300
このカードが墓地に存在し、自分が戦闘ダメージを受けた時に発動する。
墓地のこのカードをゲームから除外し、
自分の墓地に「ヴォルカニック・カウンター」以外の炎属性モンスターが存在する場合、
自分が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを相手ライフに与える。


火群「……俺が受けた痛みーーーーいや。
みんなが受けた痛みを、お前にも受けてもらうぜ……ッ…！！」

不死鳥「……ッッ」

炎は地を走り、炎の身体を包み込む。

不死鳥「…グファ…ッッ…ガァァッッアアアァア！！！」【LP 4300→1100】


不死鳥「……この程度…ッッ！！
私は貴様を手に入れ…ッ、貴様という存在になる事で…ッ…、全てを破壊し尽くさなくてはならないんだァァッッ！！」

ニクス「……っ…！」

叫び、開かれた伏せカードを見て、火群は眉をひそめる。

不死鳥「…罠発動ーーーー『破壊指輪』！！！」


《破壊
はかい
指輪
リング
/Destruction Ring》 †
通常罠
自分フィールド上の表側表示モンスター１体を破壊し、
お互いに１０００ポイントダメージを受ける。


不死鳥「…私の場の『炎王神獣ガルド・デストロイヤー』を破壊しーーーー互いのプレイヤーに１０００のダメージを与えるッッ！！」


宙を舞う小さな指輪に付けられた爆弾の導火線は短く、視認すると同時に辺りは爆風に包まれる。

不死鳥「…グ…！！」【LP 1100→100】

火群「ぐぁ…っ！！」【LP 1100→100】


ニクス「……火群ッッ！！」

爆風が立ち込める中、ニクスは火群の名を呼び手を伸ばす。

火群「…ニクス……！！」

火群も必死で手を伸ばし、なんとか繋ぎ合わせ視線を交わす。

ニクス「…立てるか？ 火群」

火群「もち！！」

火群は笑顔で答え、

火群「ライフが１００だろうが、ゼロにならない限り、俺たちは何度でも立ち上がれるーーーーーどんな困難だって乗り越えられる！！」


不死鳥「……ならば、立ち上がれなくなるまで破壊してくれる…ッ！！
破壊されたガルド・デストロイヤーの効果発動！！」


③X召喚したこのカードが破壊された場合に発動できる。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。その後、自分の墓地の「ガルドニクス」モンスター１体を選んで特殊召喚できる。


不死鳥「……墓地より三度現れよ…！！！
破壊へ誘う邪炎の翼！『炎王神獣 ガルドニクス』！！！」[ATK 2700]

火群「……！！！」


不死鳥「……貴様の場にカードは残されていない……ッ……これで終わりだァァッッ！！
ガルドニクスの攻撃…ッ！！
ーﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ・ｲﾚｲｻﾞ-ー
〝業火炎の抹焼熱線〟！！」


放たれる螺旋状の炎。

不死鳥の化身の言う通り、火群の場にはモンスターはおらず、魔法・罠も無い。

墓地にも発動可能な効果は無く、残されたのは１枚の手札のみーーーーー


火群「……ニッ」

火群は小さく笑い、


火群「ーーーーこのカードは、自分の場にカードが存在しない場合……手札から発動できる…っ！！！」

不死鳥「…ッ！！」

１枚の罠カードを手札から発動させた。

火群「……罠発動！！！
ーーーーー『炎王転輪』ッッ！！！」



《炎王転輪》＊Ph.X Original Cards
通常罠
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①このターンに効果で破壊された自分の墓地の炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で４体以上のモンスターを特殊召喚した場合、相手フィールドの表側表示のカードの効果を次のターンのエンドフェイズ時まで無効にする。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。


不死鳥「…馬鹿な…ッッ！！ 手札から……ッ…罠カードだと……ッ！！？」

驚く不死鳥の化身の前に、破滅の焔に焼かれていった火群の仲間たちが立ち塞がる。


『炎王神獣 ガルドニクス』[ATK 2700]

『炎王神獣 アニマ・フェニックス』[DEF 2700]

『炎王獣 ガネーシャ』[DEF 200]

『幼炎王獣 ガルドニクス』[DEF 200]


火群「……４体以上のモンスターを特殊召喚した事で、エンドフェイズまで、お前の場のカードの効果は無効化される…！！」

不死鳥「…ッ……！！
ガルドニクス……ッ…お前だけはァァ！！」


勢いを殺さぬ螺旋状の炎に合わせ、火群の場の炎王神獣も業火を放つ。


火群「…迎え撃て！！
ーﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ・ｲﾚｲｻﾞ-ー
〝業火炎の抹焼熱線〟！！」


『炎王神獣 ガルドニクス』
[ATK 2700]
ーーーVSーーー
[ATK 2700]
『炎王神獣 ガルドニクス』


互いに持つ力全てを出し切り、激しい技のぶつかり合いの果て。
２体の不死鳥は業火の中にその身を沈めていくーーーーー

同攻撃力のためライフの変動は無く、続き両者の墓地が光る。

不死鳥
「ーーーーーガルドニクスの効果ッッ！！」
火群

戦闘破壊された事で発動する、デッキから同名以外の『炎王』を特殊召喚する効果だ。


不死鳥「……現れよ……ッ『炎王獣 バロン』！！」[ATK 1800]

火群「…来い！！ 『炎王獣 バロン』！！」[ATK 1800]

続けて、バロンの攻撃。

『炎王獣 バロン』
[ATK 1800]
ーーーVSーーー
[DEF 200]
『幼炎王獣 ガルドニクス』

幼炎王獣は双剣により薙ぎ払われ、炎の中に消えてしまう。

不死鳥「……ハァ……ハァ…ッ……！ ターン……エンドだ…ッッーーーーー」

息を荒げながらターン終了が宣言されたと同時に、炎王転輪によって特殊召喚された火群のモンスターが炎に包まれた。


場→破壊
『炎王神獣 アニマ・フェニックス』
『炎王獣 ガネーシャ』



刹那。



火群「ーーーーリミット解放ッッ！！
コード『ガルドニクス』ッッ！！！」


火群のEXデッキがまばゆい輝きを放つ。


久義「……あのカードは…っっ！！」

火群「このカードは、俺の場のモンスターが破壊された場合、ライフが３０００以下なら……俺の場か墓地の『炎王神獣 ガルドニクス』を《ライズコア》とする事で特殊召喚できるーーーーー！！」

不死鳥「……なん……だと…ッッ……！？」

火群「ーーー朽ちること無き恒久の翼、今こそ解き放てッ！ 不滅の焔が敵を穿つ！」

大地を割り、溶岩とともに現れたニクスの周りを、眩い光を放つ無数の粒子が覆い、ニクスを新たな姿へと作り変えていく。

そして不死鳥は光を纏い舞い上がる。

火群「ーーー〝ライズ召喚〟！！！
現れろ！！
『炎王神獣 ガルド・イモータル』！！」[ATK 2700]


現れた不死鳥は金色の炎翼を大きく広げる。その姿は、闇をも照らす太陽の如くーーーーー


久義「…《ライズコア》となったガルドニクスはガルド・イモータルの下に重ねられ、そのデュエル中は１枚のカードとして扱う……」

火群「…更に、ガルド・イモータルが破壊される場合、ライズコアと共にEXデッキに表で戻るーーーー」


久義「……精霊と一つになった炎花と……姉弟である火群だからこそできたーーーーー唯一無二の召喚法……っ！」


気づけば久義の目からは涙が線を引いていた。
目の前の金色の不死鳥に、不滅の焔に、今は亡き娘の姿を思い出し、どうしようもない感情が内から込み上げてきていた。

しかし今は感傷的な感情を胸の中で押さえつけ、ただ、

久義「……頑張れ……火群…っ…炎花……！！」

小さくそう呟き、服の袖で涙を拭った。



◉TURN:０６◉


火群【LP 100】

不死鳥【LP 100】


火群「……俺のターーーンッッ！！」[手札 1]

火群はカードを引き、輝きに満ちた空間で疲弊した不死鳥の化身と改めて向き合う。


火群「……不死鳥……お前が壊してきたものは、全部俺の大切なものだ…」

不死鳥「……ッ……」

火群「お前の事なんか大ッ嫌いだし…消えて無くなっちまえばいいとも思うよ…」

不死鳥「……」

火群「………けどここでお前を“破壊”してしまったら、それこそお前の思うツボだ。
俺の中の破壊衝動が目覚めた時点で、俺はお前に支配された事になるんだからなーーーー」

不死鳥「……クク…、貴様の一言一言……いちいち虫唾が走る…」


火群「……そいつは悪かったな…。
そんじゃ二度と聞こえねー様に、俺の中でじっとしていてくれーーーーー」


そう言って右手を突き上げると、ニクスは口内に紅蓮の炎を溜め始めるーーーーー


『炎王神獣 ガルド・イモータル』
[ATK 2700]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『炎王獣 バロン』


不死鳥「───ここまで……かよ……」

なんて生温い焔なんだ。

そんな事を思いつつ、化身は不滅の焔に包まれながら、最後に火群に問う


不死鳥「───これで、本当にいいのか？」

罪を。
焔を。
存在を。
全て背負うという事は、簡単な話ではない。
先程までの荒々しさの抜け落ちた調子で投げられたその問いに対し火群は、



火群「一度壊れてしまったものは元通りには戻らない。
……だから、壊れていったものをより良いものに創り変えていくのが───
俺たちの役目だ」



───役目。
そう、言い切った。



不死鳥「………そうか…」【LP 100→0】



◉Winner◉
-市瀬 火群-



不死鳥「…だがいずれ、その選択をきっと後悔することになる………貴様らの背負う“業”は……それほどまでに重い───」


最後にそう言い残し、不死鳥の化身は『炎王神獣 ガルド・デストロイヤー』のカードの中に封印された。

終焉の焔との決戦を翌日に控えた大事な１日に起きた予期せぬ一戦。
消耗は激しくとも得られたものは大きく、この一戦を二人はゆっくりと噛み締め、緊張の糸が切れた様に同時にその場に倒れこんだ。

火群「……ハハ…っ…は…っ」

ニクス「………ふふ…は…っ」


火群「……不死鳥の化身……。また目覚めたりしない…よな」

ニクス「…心配するな。このカードからも、私の内にも、邪悪な気配は微塵も感じない。
───私たちの勝利だ」


ニッと笑い、ニクスは左手の甲を軽く上げ目配せをする。
火群はそれに合わせ右手の甲をニクスの左手に軽く当てると、化身の最期の言葉を思い返して表情を曇らす。

火群「……後悔……か」

しかしすぐに表情は決意に満ち、ふと天井を仰いだ。



火群「何があっても、きっと大丈夫だよな───ホノカ姉さん」


ニクス「当たり前だろう───ホムラ」



火群「俺たち───」



ニクス「───ふたりなら」





倒れても立ち上がる。

壊れたら創り直す。

何度でも。何度でも。

破壊と創造を繰り返し。

その度に、強く強く成長してゆく。




───これは、そんな少年少女の物語。








◉遊戯王 Ph.X◉
ーーDRAW:２００ーー
《〝破壊と創造〟》












ーー遊戯王 Ph.X ーー
◉◉◉第２章◉◉◉

〜VS 終焉の焔編〜
《破壊と創造》

ーーーTHE・ENDーーー




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間も無く、起動するでしょう。

精霊界と人間界を繋ぐ、“神星樹”が───

私はこの闘いの行方を見守る事しか許されない───それが、神の意志……。

否。

慈悲、なのだから。







ーーーー遊戯王 Ph.X ーーーー
◉◉◉◉◉第３章◉◉◉◉◉

〜決戦の地・セフィロト編〜
. 《Dead or Alive》 .







《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:２０１ 不死鳥の精神






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙