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第10話 初陣:全力のエンタメ 作:にしん
☆前回終了時の状況
遊飛
LP:3900
手札:2枚
モンスター:覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
VS
ミミカ
LP:8000
手札:2枚
モンスター:トリックスター・リリーベル、チアブルーム・チューリップ、チアブルーム・ジャスミン
魔法・罠:トリックスター・ライトステージ
Pスケール:未設定
「このままじゃ俺の覇王烈竜の効果は使えないし、ミミカちゃんも攻撃反応型のアクションマジックを準備しているはず」
「うぐっ」
「だからメイン2でカードを1枚セットしてターンエンドだ」
遊飛:手札2枚→1枚
伏せカード0枚→1枚
ターンを終わらせつつ、俺はエクシーズ召喚の時に使ったシーソーのそばへと移動した。露骨な移動だけどミミカちゃんはドローの準備をしていた。
「あっ、ターン終了時だからエールとブーケの効果は終了だねっ」
<トリックスター・リリーベル>:攻撃力3400→800
<チアブルーム・チューリップ>:攻撃力1600→800
<チアブルーム・ジャスミン>:攻撃力900→100
【ターン6:ミミカのターン】
「あたしのターン、ドロー・・・と見せかけて速攻魔法<チアブルーム・アピール>発動☆」
ミミカ:手札2枚→1枚
「ドローフェイズに速攻魔法!?」
「ドローをしない代わりにデッキからプリムローズちゃんを特殊召喚しちゃうよ☆この効果で出たアイドルがフィールドから離れた時にドローできちゃうのですっ」
<チアブルーム・アピール>(オリカ):速攻魔法
自分ドローフェイズに発動できる。ドローをする代わりにデッキ、手札から「チアブルーム」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターがフィールドを離れた時、自分はデッキから2枚ドローする。
>チアブルーム・プリムローズ:星3:攻600(守800)
2枚目のプリムローズか。戦闘ダメージを効果ダメージ扱いにする効果と直接攻撃を持っていたな。ともあれ再び上級モンスター効果の発動ロックをされる俺。さらにはジャスミンのロックも加わり、上級モンスターは攻撃もできなくなった。
「ついでにその伏せカードもライトステージの効果でロックだよ☆」
その言葉を俺は待っていた。俺はシーソーの片方に乗って目線を覇王烈竜に向けると、覇王烈竜は足で反対側を思いっきり乗せた。その瞬間シーソーは一気に動き、俺は飛ぶ。突然の俺のパフォーマンスにミミカちゃんはもちろん、観客もびっくりして止まる。
俺は計算通り空中ブランコの台に着地し、かけてあった空中ブランコの足場を掴んで一気に空中へ飛ぶ。少し怖い。下には安全ネットがあるとはいえ、空中ブランコを演技するなんて素人には難しい。だけど、このエンタメデュエルに熱があるからなのか俺はそれをも気にせず夢中で空中をブランコで舞う。そして、目的の輪の上に着地してアクションマジックに触れた。
「その効果・・・これで無効だ!アクションマジック!<炎の輪くぐり>!」
<炎の輪くぐり>(オリカ):アクションマジック
①:相手モンスターの攻撃宣言およびカードの効果が発動した時に発動できる。相手はコイントスを行う。裏だった場合、その攻撃および発動を無効にする。
「なっ、なんと!?」
俺のエンタメからのアクションマジックに観客は盛り上がる。ミミカちゃんも驚いている。さて問題はここからだ。ミミカちゃんの効果の成否・・・つまり、ミミカちゃんの目の前に現れた炎がついた輪をくぐれるかどうかで俺の運命が決まる。
サーカスらしくコイントスの代わりにどこからもなく黒い獅子のような猛獣、レオグンが現れ、その後ろには何故か団長が鞭を持ってスタンバイしていた。
<レオグン>:星5:攻1750守1550 通常モンスター
百獣の王のような立派なたてがみを持つシシ。体も大きい。
「確率はちゃんと二分の一だから安心していいよ、虹くん!」
「団長!?それにそのモンスターって・・・」
「うちの定番の一つ、レオグンさ。百獣の王のようなたてがみのシシさ。ライオンじゃないかもしれないけどライオンっぽいからライオンさ」
この謎の解説に観客は大笑い。俺も少し笑いそうだったが今はこの確率に運命を任せるしかない。
団長は鞭を打つ。それに合わせてレオグンは雄叫びを上げ、その百獣の王のようなたてがみを走行風でなびかせながら炎の輪に向かって走り出す。さすがはシシ。運動神経いいし、躊躇なく輪に走る。
そして、レオグンが輪の中に向かってジャンプをする。それを見守る俺、ミミカちゃん、そして観客たち。そしてレオグンは輪の中を超え・・・
「あぁっ!?」
「そんな!?」
なかった。つまりコイントスは「裏」。役目を終えた炎の輪とレオグンは消えた。俺はこの成功にガッツポーズをしようとするが・・・
「うわっ!?輪が動き出し・・・」
俺が乗っていた輪は観覧車のようになっている。少しでもバランスを変えれば回り始める。俺は必死にゆっくりと回る輪の上部を維持しようと歩く。そして1周、2周。そんな俺の姿に観客やミミカちゃん、団長からは笑いが起きた。
一番低いところに来たタイミングで俺は床に着地をする。
「あはは、お疲れ様だよ、新人さんっ」
「はーはーぜーはー」
呼吸を整える。色々動きすぎてかなり疲れた。落ち着いたところで俺はデュエルを続行する。
「ほ・・・<炎の輪くぐり>の効果でミミカちゃんの効果は無効・・・げほっげほっ!」
まだ息苦しいのが残っていたのか、むせてしまった。
「初めてなのに思い切ったことするからだね☆」
「はは・・・」
「あたしは次に<チアブルーム・エキザカム>を発動っ☆<フレグランス・ストーム>で墓地に送った最初のプリムローズちゃんをデッキに戻して1ドロー!」
ミミカ:手札1枚→0枚→1枚
<チアブルーム・エキザカム>(オリカ):魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
①:自分の墓地の「チアブルーム」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻して1枚ドローする。ドローしたカードが「チアブルーム」モンスターだった場合、お互い確認してデッキから2枚ドローする。
「更に!ドローしたカードがチアブルームちゃんだった場合は追加で2ドロー☆」
ミミカ:手札1枚→3枚
ミミカちゃんが見せた最初のドローカードは<チアブルーム・ポインセチア>だった。ここで1:3のリカバリー。ミミカちゃんはロックをしつつバーンを与え、手札も充実させる、あらゆるアドバンテージを稼ぎつつじわじわと削っていくのが得意なようだ。こういうことならブラックホールとかサンダーボルテックスとか入れてもよかったかもなぁ。入れる枠なくて家で腐っている。ロックバーンと聞くとデモンズチェーンとか超重力の網とかを思い出す。
「このターンであたしのステージは完成させる・・・新人さんのせっかくのEMSカードが見れないのはちょっと残念だけど、ここで決めちゃうのです!」
ミミカ:手札3枚→2枚
ミミカちゃんが1枚のカードを掲げると、ミミカちゃんが光り出す。これは確かローラさんの時の・・・EMSカードだ!さっきのドローで入ったのか。というか、俺のEMSカードを出せないということを聞いてなんだかローラさんが微妙な顔をしていた。
「チアリーダー・・・ミミカ=カンナカラー。全力で応援させていただきますっ☆」
>EMS チアリーダー・ミミカ:星1:攻1000(守1000)
<EMS チアリーダー・ミミカ>(オリカ)
このカード名のカードはフィールドに1体しか存在できない。このカード名の①②の効果は1ターンに1度、どちらかしか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チアブルーム・ガーベラ」1体を手札に加える。この効果で手札に加えたモンスターは召喚、特殊召喚できず、効果を発動できない。
②:自分フィールドの「チアブルーム」モンスター1体をデッキに戻して発動できる。手札から「チアブルーム・ガーベラ」1体を特殊召喚する。
③:このカードがフィールドから離れる時、デッキに戻す。
ミミカちゃんの姿はチアリーダーそのものだったのが、更に派手なチアリーダーっぽい衣装に。花をイメージさせる、綺麗な衣装だ。そして、妖精と思わせる羽も2対4枚ついていた。まさにチアブルームのリーダー。
EMSカードの効果は確かエースモンスターのサーチか展開。このターンで完成させるということは、エースモンスターを出すのか・・・?
「そうです!新人さんっ☆あたしはチアリーダー、だけど、副リーダーもいる・・・つまり、あたしのエースモンスター!あたしはジャスミンちゃんを戻して特殊召喚っ!」
ミミカ:手札2枚→1枚
あたしの頼れる副リーダー・・・神秘なるおニューな応援でみんなをもっともーっと元気にしてあげて!
神秘的な音楽が流れ始め、ミミカちゃんとトリックスター、チアブルームたちのゆっくりとしたダンスが始まる。リリーベルがベルをゆっくりと鳴らし始めると、三角に分かれたミミカちゃんと2体のチアブルームの中心に光の柱と共に黄色い花びらが舞い始める。美しい。元気いっぱいのチアダンスとは違う、神秘的な演出。ダンスが終わり、そこに現れたのは・・・
「究極の、美しい応援を・・・」
>チアブルーム・ガーベラ:星5:攻0(守2000)
<チアブルーム・ガーベラ>(オリカ)
①:このカードは攻撃できない。
②:自分のレベル4以下のモンスターの攻撃、効果によって相手にダメージを与える時に発動する。そのダメージを0にし、与えるはずだったダメージ分、ターン終了時までこのカードの攻撃力に加える。
③:エンドフェイズに1ターンに1度発動する。相手にこのカードの攻撃力の倍の効果ダメージを与える。その後、このカードを表側守備表示にする。
今までの小さくてかわいいアイドルみたいなチアブルームとは違い、大人びつつも応援されるような、とにかく美しい妖精の女性が現れた。虹色に輝く長い髪、そして目立つ胸のふくらみ・・・
(って何を考えてるんだ俺は)
影響はないが、チューリップのロック効果の範囲がレベル5~12まで広がり、完全な上級モンスター効果発動ロックがかかった。恐らくジャスミンや他のチアブルームも出たら全てロックすることも可能なのだろう。確かにこれはロックバーンだ。
それならアクションマジックに頼るしかない。俺の手札は俺のEMSカードだけ。あたりを見渡してアクションマジックが落ちていないかを確かめる。しかし、探している途中でミミカちゃんたちは次のダンスを始めてしまった。バトルフェイズだ。
「まずは直接応援組☆リリーベルちゃんとプリムローズちゃん!!」
リリーベルのベルに合わせてプリムローズが音波のように白い花びらを光と共に飛ばす。近くにアクションマジックは見つけられない。なので俺は防御の構えをした。
「・・・あれ?ダメージを受けていない?」
防御の構えを解いてミミカちゃんのステージを見る。すると、ガーベラを中心にしてステージが虹色に光っていた。
「あたしたちの応援を、ガーベラちゃんに!」
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力0→800→1400
「攻撃力が上がった!?」
「次はチューリップちゃんとあたし!直接攻撃はできないからこれを使うよっ☆速攻魔法<チアブルーム・アイリス>発動☆」
ミミカ:手札1枚→0枚
<チアブルーム・アイリス>(オリカ)
①:自分フィールドに「チアブルーム」モンスターが存在する時に発動できる。このターン中、自分の攻撃力1000以下のモンスターは直接攻撃できる。
「アイリスは“恋のメッセージ”という花言葉を持つの・・・つまり、あたしたちの応援もメッセージのように届けちゃうよ!」
チューリップとミミカちゃんによる応援により、ステージの輝きが一層増す。どんどん眩しくなっていく。どんどん輝く応援とステージに、観客はどんどん盛り上がっていく。覇王烈竜の輝きが見えないほど、ステージが輝いている。
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力1400→2400→3200
「そしてこのあたしたちの応援は愛の光となり、希望となる・・・それは、普段より倍の応援にしちゃうの☆」
「倍だって!?」
3200の倍。つまり6400。この応援を受けたら俺はやる気ゲージの上限をオーバーして炭になる。つまりデュエルとエンタメの敗北。
「ガーベラちゃん、いっけえええぇぇぇーーー!!!神秘のガーベラエールっ♡」
ダンスのフィニッシュが決まり、中心となっていたガーベラから虹色の巨大なビームが放たれる。その威力に俺は押されてしりもちをつく。アクションマジックは!?いや、探して発動する前にこの応援ビームを受けてしまう。受けるしかないのか・・・
その時、俺の視界に覇王烈竜の、熱い虹色の光が差し込んできた。その光は、デュエルディスクにセットされた1枚のカードを照らしていた。
「伏せカード・・・そういえばこれがあったな」
過剰な応援は逆にプレッシャーとなる。やや絶望的になっていた俺を救ってくれるのは、俺のエース、覇王烈竜。敗北を目前としたこの状況の中、希望の光を照らしてくれた。そういえば数分前に<炎の輪くぐり>で死守したじゃないか。やっぱりこの状況だと伏せカードの存在を忘れてしまうな。俺は立ち上がる。
「・・・ここからが、大逆転勝利という最高のエンタメを見せてやるぜ!」
「アクションマジックもないし、新人さんは素直にあたしたちの応援を受けるしかないはず・・・っ!?そういえば伏せカード!」
「ありがとよ、覇王烈竜」
俺は伏せカードを発動した。慌てるミミカちゃんとアイドルたち。アクションマジックを探すも俺の罠カードを見て止まってしまった。
「罠カード発動!!<地獄の扉越し銃>エンタメバージョン!!」
遊飛:伏せカード1枚→0枚
<地獄の扉越し銃>:カウンター罠カード
ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができる。自分が受けるその効果ダメージを相手に与える。
俺の目の前に現れたのはカラフルでおしゃれな扉。その扉を応援ビームが貫き、中に入っていった。そしてその扉の中から現れたのは・・・虹色に輝く1つの大玉。その大玉がゆっくりとミミカちゃんに向かって跳ねながら転がっていき、目の前で光となって弾けた。このイメージだと<驚愕の扉越し大玉>だなこれ。これには観客もびっくり。団長は頷いていた。このカードをくれたのは団長だから。
「きゃあっ!?」
ミミカ:LP8000→1600
「っしゃあ!!」
驚愕の扉越し大玉が決まり、一気にLPが逆転する。思わぬ反射にミミカちゃんとその周辺のアイドルたちは慌てていた。ガーベラに至っては全てを放出したのか、ぺたりと座り込んでいた。
「ガーベラちゃんは応援した後一休みするの・・・」
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力3200→0→表側守備表示:守備力2000
「た、ターンエンドなの」
遊飛
LP:3900
手札:1枚
モンスター:覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
VS
ミミカ
LP:1600
手札:0枚
モンスター:トリックスター・リリーベル、チアブルーム・チューリップ、チアブルーム・プリムローズ、チアブルーム・ガーベラ(守備表示)、EMS チアリーダー・ミミカ
魔法・罠:トリックスター・ライトステージ
Pスケール:未設定
【ターン7:遊飛のターン】
全ての力を出し切って応援したからか、ミミカちゃんたちは元気がなかった。恐らくはさっきのガーベラの全力応援で決めるつもりだったのだろう。アクションマジックすら探す元気もなく、疲れ果てていた。
「俺のターン、ドロー」
遊飛:手札1枚→2枚
「確かに今回はEMSカードを出す必要はなかったなぁ」
「だねー。デュエルはあたしの負け。新人さんっ、デビュー戦のデュエル・・・初勝利を飾っちゃって☆」
「よーし。バトル!俺は虹彩の覇王烈竜で、リリーベルを攻撃!」
覇王烈竜は虹色の翼を広げ、さっきミミカちゃんたちがしたように虹色の光を輝かせる。
「あたしたちより輝いてる気がする・・・なんだか悔しいな」
「でもミミカちゃんの応援みたいに元気にさせることはできないかも・・・チアダンスすごかったぜ」
「えへへ、ありがと☆」
輝いた覇王烈竜は舞台全体はおろか、観客席までを光で包む。観客の盛り上がる声が聞こえる。あれ、俺でもみんなを元気にしている?まぁ、いいか。
そして光が収まった時、ミミカちゃんのLPは0になっていた。
<覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン>:攻撃力3000 > 攻撃力800:<トリックスター・リリーベル> 破壊+戦闘ダメージ
ミミカ:LP1600→-600
【デュエル終了】
WIN!
虹 遊飛 VS ミミカ=カンナカラー
3900 LP 0
「デュエルエンド!!まずはデュエルの勝者は新人の虹 遊飛くん!!」
団長のデュエル終了のコールで会場は大きく盛り上がる。あとは確かエンタメ部門での特定で最終的な勝敗が決まるんだったなここのエンタメデュエルは。
「今から審査員による採点を行うので、しばらくお待ちください!」
採点中の間、元の何もない、デュエルスペースだけの状態に戻った舞台を眺める。どうやってこの広さをソリッドビジョンで実体化しているのだろうか。後でローラさんに聞いてもいいかもしれない。
一方ミミカちゃんは疲れ果てたのかプレイヤーゾーンに座り込んでいた。何やらメモをとっていた。今回のデュエルに関することだろう。見ているのに気付いたミミカちゃんは立ち上がって俺に寄って来た。
「新人さんっ、楽しいデュエルだったね☆」
「う、うん」
「応援抜きにしても、なんだか熱くなっちゃったかも。新人さん・・・ううん、虹くん、またエンタメデュエルしようね☆」
「あ、ああ。色々・・・楽しかったしまた、お、お願いします」
なんだか照れる。というのもこうして女の子と近い距離でかつ、本業・・・俺の場合は副業?であるカードゲームの事で話したことは学校でもほとんどなかったからだ。特にエンタメデュエルの事となるとなおさら。
採点が終わったようだ。団長がマイクを持って俺たちの前に立つ。
「では結果発表を行います!」
団長のコールで会場が再び暗くなり、複数のスポットライトが目まぐるしく動く。それと同時に結果発表前の焦らしらしいスネアの音が鳴る。そしてシンバルの音と共に多くのスポットライトが一か所に照らされた。照らされた場所は・・・
・・・
一方、観客席の最上段には頭が竜の角みたいになっているフードを被った男と真っ白のファーを羽織った鳥の翼のようなサングラスをかけた女性、そして大剣のような機械を背負った男がこのデュエルを見ていた。
「ククク、ようやく見つけたぞ・・・」
フードの男は虹彩で輝く竜を見て、不敵な笑みを浮かべた。
「行くぞ。奴を・・・あの竜を手に入れ、復活させるために作戦を練るぞ」
「りょーかい」
「・・・・・」
ーーー
おまけ
遊飛「今回はEMSカードを出さなかったけど、実は効果をよく読んでないから使い道が分からなかったというのは秘密だぜ」
ミミカ&ローラ&団長「えっ!?」
審査員の皆さん「えっ!?」
団長「今回のデュエルは虹くんもミミカさんも切り返しが極端に弱いデッキだからいつ<地獄の扉越し銃>が発動するかわくわくしていたんだけど、最高の形で出してくれたね。効果ダメージを全部跳ね返せるから<方界>などにも採用できるよ」
遊飛
LP:3900
手札:2枚
モンスター:覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
VS
ミミカ
LP:8000
手札:2枚
モンスター:トリックスター・リリーベル、チアブルーム・チューリップ、チアブルーム・ジャスミン
魔法・罠:トリックスター・ライトステージ
Pスケール:未設定
「このままじゃ俺の覇王烈竜の効果は使えないし、ミミカちゃんも攻撃反応型のアクションマジックを準備しているはず」
「うぐっ」
「だからメイン2でカードを1枚セットしてターンエンドだ」
遊飛:手札2枚→1枚
伏せカード0枚→1枚
ターンを終わらせつつ、俺はエクシーズ召喚の時に使ったシーソーのそばへと移動した。露骨な移動だけどミミカちゃんはドローの準備をしていた。
「あっ、ターン終了時だからエールとブーケの効果は終了だねっ」
<トリックスター・リリーベル>:攻撃力3400→800
<チアブルーム・チューリップ>:攻撃力1600→800
<チアブルーム・ジャスミン>:攻撃力900→100
【ターン6:ミミカのターン】
「あたしのターン、ドロー・・・と見せかけて速攻魔法<チアブルーム・アピール>発動☆」
ミミカ:手札2枚→1枚
「ドローフェイズに速攻魔法!?」
「ドローをしない代わりにデッキからプリムローズちゃんを特殊召喚しちゃうよ☆この効果で出たアイドルがフィールドから離れた時にドローできちゃうのですっ」
<チアブルーム・アピール>(オリカ):速攻魔法
自分ドローフェイズに発動できる。ドローをする代わりにデッキ、手札から「チアブルーム」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターがフィールドを離れた時、自分はデッキから2枚ドローする。
>チアブルーム・プリムローズ:星3:攻600(守800)
2枚目のプリムローズか。戦闘ダメージを効果ダメージ扱いにする効果と直接攻撃を持っていたな。ともあれ再び上級モンスター効果の発動ロックをされる俺。さらにはジャスミンのロックも加わり、上級モンスターは攻撃もできなくなった。
「ついでにその伏せカードもライトステージの効果でロックだよ☆」
その言葉を俺は待っていた。俺はシーソーの片方に乗って目線を覇王烈竜に向けると、覇王烈竜は足で反対側を思いっきり乗せた。その瞬間シーソーは一気に動き、俺は飛ぶ。突然の俺のパフォーマンスにミミカちゃんはもちろん、観客もびっくりして止まる。
俺は計算通り空中ブランコの台に着地し、かけてあった空中ブランコの足場を掴んで一気に空中へ飛ぶ。少し怖い。下には安全ネットがあるとはいえ、空中ブランコを演技するなんて素人には難しい。だけど、このエンタメデュエルに熱があるからなのか俺はそれをも気にせず夢中で空中をブランコで舞う。そして、目的の輪の上に着地してアクションマジックに触れた。
「その効果・・・これで無効だ!アクションマジック!<炎の輪くぐり>!」
<炎の輪くぐり>(オリカ):アクションマジック
①:相手モンスターの攻撃宣言およびカードの効果が発動した時に発動できる。相手はコイントスを行う。裏だった場合、その攻撃および発動を無効にする。
「なっ、なんと!?」
俺のエンタメからのアクションマジックに観客は盛り上がる。ミミカちゃんも驚いている。さて問題はここからだ。ミミカちゃんの効果の成否・・・つまり、ミミカちゃんの目の前に現れた炎がついた輪をくぐれるかどうかで俺の運命が決まる。
サーカスらしくコイントスの代わりにどこからもなく黒い獅子のような猛獣、レオグンが現れ、その後ろには何故か団長が鞭を持ってスタンバイしていた。
<レオグン>:星5:攻1750守1550 通常モンスター
百獣の王のような立派なたてがみを持つシシ。体も大きい。
「確率はちゃんと二分の一だから安心していいよ、虹くん!」
「団長!?それにそのモンスターって・・・」
「うちの定番の一つ、レオグンさ。百獣の王のようなたてがみのシシさ。ライオンじゃないかもしれないけどライオンっぽいからライオンさ」
この謎の解説に観客は大笑い。俺も少し笑いそうだったが今はこの確率に運命を任せるしかない。
団長は鞭を打つ。それに合わせてレオグンは雄叫びを上げ、その百獣の王のようなたてがみを走行風でなびかせながら炎の輪に向かって走り出す。さすがはシシ。運動神経いいし、躊躇なく輪に走る。
そして、レオグンが輪の中に向かってジャンプをする。それを見守る俺、ミミカちゃん、そして観客たち。そしてレオグンは輪の中を超え・・・
「あぁっ!?」
「そんな!?」
なかった。つまりコイントスは「裏」。役目を終えた炎の輪とレオグンは消えた。俺はこの成功にガッツポーズをしようとするが・・・
「うわっ!?輪が動き出し・・・」
俺が乗っていた輪は観覧車のようになっている。少しでもバランスを変えれば回り始める。俺は必死にゆっくりと回る輪の上部を維持しようと歩く。そして1周、2周。そんな俺の姿に観客やミミカちゃん、団長からは笑いが起きた。
一番低いところに来たタイミングで俺は床に着地をする。
「あはは、お疲れ様だよ、新人さんっ」
「はーはーぜーはー」
呼吸を整える。色々動きすぎてかなり疲れた。落ち着いたところで俺はデュエルを続行する。
「ほ・・・<炎の輪くぐり>の効果でミミカちゃんの効果は無効・・・げほっげほっ!」
まだ息苦しいのが残っていたのか、むせてしまった。
「初めてなのに思い切ったことするからだね☆」
「はは・・・」
「あたしは次に<チアブルーム・エキザカム>を発動っ☆<フレグランス・ストーム>で墓地に送った最初のプリムローズちゃんをデッキに戻して1ドロー!」
ミミカ:手札1枚→0枚→1枚
<チアブルーム・エキザカム>(オリカ):魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
①:自分の墓地の「チアブルーム」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻して1枚ドローする。ドローしたカードが「チアブルーム」モンスターだった場合、お互い確認してデッキから2枚ドローする。
「更に!ドローしたカードがチアブルームちゃんだった場合は追加で2ドロー☆」
ミミカ:手札1枚→3枚
ミミカちゃんが見せた最初のドローカードは<チアブルーム・ポインセチア>だった。ここで1:3のリカバリー。ミミカちゃんはロックをしつつバーンを与え、手札も充実させる、あらゆるアドバンテージを稼ぎつつじわじわと削っていくのが得意なようだ。こういうことならブラックホールとかサンダーボルテックスとか入れてもよかったかもなぁ。入れる枠なくて家で腐っている。ロックバーンと聞くとデモンズチェーンとか超重力の網とかを思い出す。
「このターンであたしのステージは完成させる・・・新人さんのせっかくのEMSカードが見れないのはちょっと残念だけど、ここで決めちゃうのです!」
ミミカ:手札3枚→2枚
ミミカちゃんが1枚のカードを掲げると、ミミカちゃんが光り出す。これは確かローラさんの時の・・・EMSカードだ!さっきのドローで入ったのか。というか、俺のEMSカードを出せないということを聞いてなんだかローラさんが微妙な顔をしていた。
「チアリーダー・・・ミミカ=カンナカラー。全力で応援させていただきますっ☆」
>EMS チアリーダー・ミミカ:星1:攻1000(守1000)
<EMS チアリーダー・ミミカ>(オリカ)
このカード名のカードはフィールドに1体しか存在できない。このカード名の①②の効果は1ターンに1度、どちらかしか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チアブルーム・ガーベラ」1体を手札に加える。この効果で手札に加えたモンスターは召喚、特殊召喚できず、効果を発動できない。
②:自分フィールドの「チアブルーム」モンスター1体をデッキに戻して発動できる。手札から「チアブルーム・ガーベラ」1体を特殊召喚する。
③:このカードがフィールドから離れる時、デッキに戻す。
ミミカちゃんの姿はチアリーダーそのものだったのが、更に派手なチアリーダーっぽい衣装に。花をイメージさせる、綺麗な衣装だ。そして、妖精と思わせる羽も2対4枚ついていた。まさにチアブルームのリーダー。
EMSカードの効果は確かエースモンスターのサーチか展開。このターンで完成させるということは、エースモンスターを出すのか・・・?
「そうです!新人さんっ☆あたしはチアリーダー、だけど、副リーダーもいる・・・つまり、あたしのエースモンスター!あたしはジャスミンちゃんを戻して特殊召喚っ!」
ミミカ:手札2枚→1枚
あたしの頼れる副リーダー・・・神秘なるおニューな応援でみんなをもっともーっと元気にしてあげて!
神秘的な音楽が流れ始め、ミミカちゃんとトリックスター、チアブルームたちのゆっくりとしたダンスが始まる。リリーベルがベルをゆっくりと鳴らし始めると、三角に分かれたミミカちゃんと2体のチアブルームの中心に光の柱と共に黄色い花びらが舞い始める。美しい。元気いっぱいのチアダンスとは違う、神秘的な演出。ダンスが終わり、そこに現れたのは・・・
「究極の、美しい応援を・・・」
>チアブルーム・ガーベラ:星5:攻0(守2000)
<チアブルーム・ガーベラ>(オリカ)
①:このカードは攻撃できない。
②:自分のレベル4以下のモンスターの攻撃、効果によって相手にダメージを与える時に発動する。そのダメージを0にし、与えるはずだったダメージ分、ターン終了時までこのカードの攻撃力に加える。
③:エンドフェイズに1ターンに1度発動する。相手にこのカードの攻撃力の倍の効果ダメージを与える。その後、このカードを表側守備表示にする。
今までの小さくてかわいいアイドルみたいなチアブルームとは違い、大人びつつも応援されるような、とにかく美しい妖精の女性が現れた。虹色に輝く長い髪、そして目立つ胸のふくらみ・・・
(って何を考えてるんだ俺は)
影響はないが、チューリップのロック効果の範囲がレベル5~12まで広がり、完全な上級モンスター効果発動ロックがかかった。恐らくジャスミンや他のチアブルームも出たら全てロックすることも可能なのだろう。確かにこれはロックバーンだ。
それならアクションマジックに頼るしかない。俺の手札は俺のEMSカードだけ。あたりを見渡してアクションマジックが落ちていないかを確かめる。しかし、探している途中でミミカちゃんたちは次のダンスを始めてしまった。バトルフェイズだ。
「まずは直接応援組☆リリーベルちゃんとプリムローズちゃん!!」
リリーベルのベルに合わせてプリムローズが音波のように白い花びらを光と共に飛ばす。近くにアクションマジックは見つけられない。なので俺は防御の構えをした。
「・・・あれ?ダメージを受けていない?」
防御の構えを解いてミミカちゃんのステージを見る。すると、ガーベラを中心にしてステージが虹色に光っていた。
「あたしたちの応援を、ガーベラちゃんに!」
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力0→800→1400
「攻撃力が上がった!?」
「次はチューリップちゃんとあたし!直接攻撃はできないからこれを使うよっ☆速攻魔法<チアブルーム・アイリス>発動☆」
ミミカ:手札1枚→0枚
<チアブルーム・アイリス>(オリカ)
①:自分フィールドに「チアブルーム」モンスターが存在する時に発動できる。このターン中、自分の攻撃力1000以下のモンスターは直接攻撃できる。
「アイリスは“恋のメッセージ”という花言葉を持つの・・・つまり、あたしたちの応援もメッセージのように届けちゃうよ!」
チューリップとミミカちゃんによる応援により、ステージの輝きが一層増す。どんどん眩しくなっていく。どんどん輝く応援とステージに、観客はどんどん盛り上がっていく。覇王烈竜の輝きが見えないほど、ステージが輝いている。
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力1400→2400→3200
「そしてこのあたしたちの応援は愛の光となり、希望となる・・・それは、普段より倍の応援にしちゃうの☆」
「倍だって!?」
3200の倍。つまり6400。この応援を受けたら俺はやる気ゲージの上限をオーバーして炭になる。つまりデュエルとエンタメの敗北。
「ガーベラちゃん、いっけえええぇぇぇーーー!!!神秘のガーベラエールっ♡」
ダンスのフィニッシュが決まり、中心となっていたガーベラから虹色の巨大なビームが放たれる。その威力に俺は押されてしりもちをつく。アクションマジックは!?いや、探して発動する前にこの応援ビームを受けてしまう。受けるしかないのか・・・
その時、俺の視界に覇王烈竜の、熱い虹色の光が差し込んできた。その光は、デュエルディスクにセットされた1枚のカードを照らしていた。
「伏せカード・・・そういえばこれがあったな」
過剰な応援は逆にプレッシャーとなる。やや絶望的になっていた俺を救ってくれるのは、俺のエース、覇王烈竜。敗北を目前としたこの状況の中、希望の光を照らしてくれた。そういえば数分前に<炎の輪くぐり>で死守したじゃないか。やっぱりこの状況だと伏せカードの存在を忘れてしまうな。俺は立ち上がる。
「・・・ここからが、大逆転勝利という最高のエンタメを見せてやるぜ!」
「アクションマジックもないし、新人さんは素直にあたしたちの応援を受けるしかないはず・・・っ!?そういえば伏せカード!」
「ありがとよ、覇王烈竜」
俺は伏せカードを発動した。慌てるミミカちゃんとアイドルたち。アクションマジックを探すも俺の罠カードを見て止まってしまった。
「罠カード発動!!<地獄の扉越し銃>エンタメバージョン!!」
遊飛:伏せカード1枚→0枚
<地獄の扉越し銃>:カウンター罠カード
ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができる。自分が受けるその効果ダメージを相手に与える。
俺の目の前に現れたのはカラフルでおしゃれな扉。その扉を応援ビームが貫き、中に入っていった。そしてその扉の中から現れたのは・・・虹色に輝く1つの大玉。その大玉がゆっくりとミミカちゃんに向かって跳ねながら転がっていき、目の前で光となって弾けた。このイメージだと<驚愕の扉越し大玉>だなこれ。これには観客もびっくり。団長は頷いていた。このカードをくれたのは団長だから。
「きゃあっ!?」
ミミカ:LP8000→1600
「っしゃあ!!」
驚愕の扉越し大玉が決まり、一気にLPが逆転する。思わぬ反射にミミカちゃんとその周辺のアイドルたちは慌てていた。ガーベラに至っては全てを放出したのか、ぺたりと座り込んでいた。
「ガーベラちゃんは応援した後一休みするの・・・」
<チアブルーム・ガーベラ>:攻撃力3200→0→表側守備表示:守備力2000
「た、ターンエンドなの」
遊飛
LP:3900
手札:1枚
モンスター:覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
VS
ミミカ
LP:1600
手札:0枚
モンスター:トリックスター・リリーベル、チアブルーム・チューリップ、チアブルーム・プリムローズ、チアブルーム・ガーベラ(守備表示)、EMS チアリーダー・ミミカ
魔法・罠:トリックスター・ライトステージ
Pスケール:未設定
【ターン7:遊飛のターン】
全ての力を出し切って応援したからか、ミミカちゃんたちは元気がなかった。恐らくはさっきのガーベラの全力応援で決めるつもりだったのだろう。アクションマジックすら探す元気もなく、疲れ果てていた。
「俺のターン、ドロー」
遊飛:手札1枚→2枚
「確かに今回はEMSカードを出す必要はなかったなぁ」
「だねー。デュエルはあたしの負け。新人さんっ、デビュー戦のデュエル・・・初勝利を飾っちゃって☆」
「よーし。バトル!俺は虹彩の覇王烈竜で、リリーベルを攻撃!」
覇王烈竜は虹色の翼を広げ、さっきミミカちゃんたちがしたように虹色の光を輝かせる。
「あたしたちより輝いてる気がする・・・なんだか悔しいな」
「でもミミカちゃんの応援みたいに元気にさせることはできないかも・・・チアダンスすごかったぜ」
「えへへ、ありがと☆」
輝いた覇王烈竜は舞台全体はおろか、観客席までを光で包む。観客の盛り上がる声が聞こえる。あれ、俺でもみんなを元気にしている?まぁ、いいか。
そして光が収まった時、ミミカちゃんのLPは0になっていた。
<覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン>:攻撃力3000 > 攻撃力800:<トリックスター・リリーベル> 破壊+戦闘ダメージ
ミミカ:LP1600→-600
【デュエル終了】
WIN!
虹 遊飛 VS ミミカ=カンナカラー
3900 LP 0
「デュエルエンド!!まずはデュエルの勝者は新人の虹 遊飛くん!!」
団長のデュエル終了のコールで会場は大きく盛り上がる。あとは確かエンタメ部門での特定で最終的な勝敗が決まるんだったなここのエンタメデュエルは。
「今から審査員による採点を行うので、しばらくお待ちください!」
採点中の間、元の何もない、デュエルスペースだけの状態に戻った舞台を眺める。どうやってこの広さをソリッドビジョンで実体化しているのだろうか。後でローラさんに聞いてもいいかもしれない。
一方ミミカちゃんは疲れ果てたのかプレイヤーゾーンに座り込んでいた。何やらメモをとっていた。今回のデュエルに関することだろう。見ているのに気付いたミミカちゃんは立ち上がって俺に寄って来た。
「新人さんっ、楽しいデュエルだったね☆」
「う、うん」
「応援抜きにしても、なんだか熱くなっちゃったかも。新人さん・・・ううん、虹くん、またエンタメデュエルしようね☆」
「あ、ああ。色々・・・楽しかったしまた、お、お願いします」
なんだか照れる。というのもこうして女の子と近い距離でかつ、本業・・・俺の場合は副業?であるカードゲームの事で話したことは学校でもほとんどなかったからだ。特にエンタメデュエルの事となるとなおさら。
採点が終わったようだ。団長がマイクを持って俺たちの前に立つ。
「では結果発表を行います!」
団長のコールで会場が再び暗くなり、複数のスポットライトが目まぐるしく動く。それと同時に結果発表前の焦らしらしいスネアの音が鳴る。そしてシンバルの音と共に多くのスポットライトが一か所に照らされた。照らされた場所は・・・
・・・
一方、観客席の最上段には頭が竜の角みたいになっているフードを被った男と真っ白のファーを羽織った鳥の翼のようなサングラスをかけた女性、そして大剣のような機械を背負った男がこのデュエルを見ていた。
「ククク、ようやく見つけたぞ・・・」
フードの男は虹彩で輝く竜を見て、不敵な笑みを浮かべた。
「行くぞ。奴を・・・あの竜を手に入れ、復活させるために作戦を練るぞ」
「りょーかい」
「・・・・・」
ーーー
おまけ
遊飛「今回はEMSカードを出さなかったけど、実は効果をよく読んでないから使い道が分からなかったというのは秘密だぜ」
ミミカ&ローラ&団長「えっ!?」
審査員の皆さん「えっ!?」
団長「今回のデュエルは虹くんもミミカさんも切り返しが極端に弱いデッキだからいつ<地獄の扉越し銃>が発動するかわくわくしていたんだけど、最高の形で出してくれたね。効果ダメージを全部跳ね返せるから<方界>などにも採用できるよ」
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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161 | 第0話 プロローグ | 1016 | 4 | 2018-08-31 | - | |
65 | 第1話 第一歩 | 730 | 0 | 2018-09-02 | - | |
125 | 第2話 メルティオールサーカスへ | 813 | 2 | 2018-09-06 | - | |
76 | 第3話 EMS入門 前編 | 865 | 3 | 2018-09-08 | - | |
61 | 第4話 EMS入門 後編 | 792 | 3 | 2018-09-10 | - | |
80 | 第5話 俺の覇王烈竜 | 790 | 1 | 2018-09-13 | - | |
52 | EX-1 団長の決定 | 651 | 0 | 2018-09-17 | - | |
118 | 第6話 初陣の準備 | 714 | 2 | 2018-09-22 | - | |
76 | 第7話 初陣:入場 | 694 | 2 | 2018-09-26 | - | |
120 | 第8話 初陣:アイドル | 896 | 2 | 2018-09-29 | - | |
108 | 第9話 初陣:俺の竜たち | 782 | 0 | 2018-10-02 | - | |
99 | 第10話 初陣:全力のエンタメ | 790 | 0 | 2018-10-06 | - | |
79 | 第11話 黒フード | 699 | 0 | 2018-10-12 | - | |
102 | 第12話 続・黒フード | 797 | 4 | 2018-10-17 | - | |
59 | 第13話 事件!? | 640 | 0 | 2018-10-22 | - | |
86 | 第14話 教会 | 729 | 0 | 2018-10-25 | - | |
99 | EX-2 サーカス団員の休日 | 843 | 2 | 2018-10-27 | - | |
87 | 第15話 スピード勝負 | 666 | 0 | 2018-10-30 | - | |
93 | 第16話 覇王降臨 | 812 | 4 | 2018-11-03 | - | |
74 | 第17話 覇王とエンタメ | 693 | 4 | 2018-11-08 | - | |
104 | EX-3 メルとゼム | 737 | 0 | 2018-11-11 | - | |
80 | 第18話 転校生 | 679 | 0 | 2018-11-23 | - | |
64 | 第19話 学校のアイドル? | 765 | 0 | 2018-12-01 | - | |
54 | 第20話 鍛冶屋、推参! | 676 | 0 | 2018-12-11 | - | |
53 | 第21話 魔剣コレクション | 853 | 0 | 2018-12-15 | - | |
108 | 第22話 魔剣と竜 | 714 | 2 | 2018-12-22 | - | |
59 | EX-4 ??? Pt.1 | 603 | 0 | 2018-12-25 | - | |
70 | 第23話 「魔剣」 | 658 | 0 | 2018-12-30 | - | |
56 | 第24話 ”本物” | 616 | 0 | 2019-01-07 | - | |
52 | 第25話 解析結果 | 646 | 2 | 2019-01-20 | - | |
75 | 第26話 不思議なデュエリストたち | 710 | 2 | 2019-02-08 | - | |
103 | EX-5 サーカス七不思議 | 715 | 0 | 2019-02-11 | - | |
57 | EX-6 ??? Pt.2 | 629 | 0 | 2019-02-19 | - | |
77 | 第27話 PLACE TO PLACE | 773 | 0 | 2019-02-24 | - | |
92 | 第28話 あっちでこっちでこたつ | 748 | 4 | 2019-03-02 | - | |
65 | 第29話 新システムのうわさ | 681 | 2 | 2019-03-14 | - | |
72 | 第30話 新システムのお披露目 | 681 | 0 | 2019-03-27 | - | |
58 | 遊戯王EM更新についてのお知らせ | 676 | 0 | 2019-04-07 | - | |
88 | EX-7 サーカスの夏休み | 921 | 2 | 2019-04-14 | - |
更新情報 - NEW -
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