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第六話 バトルシティの前哨戦 作:サクラ
翌日
パソコンを開くと奇妙な文字が書かれていた。
《決闘者よ集え。古の決闘者とカードの刻印の集まる街へ》
日時は今日。午後6時に童実野町の中央でデュエルモンスターズ大会のセレモニーが始まると書かれている。
遊香は知っている。これは海馬コーポレーションのバトルシティ開催の合図だ。
バトルシティでは記憶を取り戻す為の必須アイテム、神のカードが手に入る。
「遊戯、バクラ……この大会は私の本気で神のカードを手に入れる。そして、記憶の世界で私の正体と復活の目的を見つけ出してやる。千年アイテムは逃げやしない。全てを取り戻してからゆっくりと手に入れてやるさ」
午後6時。遊香は使用人を童実野町の中央部に向かわせ、カメラを生放送モードにする。パソコンでカメラの様子を確認するともう始まっているようだった。
海馬のデュエルディスクの紹介、バトルシティ大会の概要。特に知識と変わった点はない。
「さぁ、これから新しいバトルシティ編が始まるぞ。待っていろよ神のカード」
部屋の中に響く遊香の笑い声。屋敷の外でカラスがバサッと飛んで行った。
「そっか!遊香さんも参加するんだね」
「うん。デュエルモンスターズだったら黙っていられないからね!私も決闘者として頑張らないと」
「遊香、頑張ってね!」
遊香と遊戯、城之内、獏良を含む7人はデュエルディスクを扱う店に入り店員に声を掛ける。
「デュエルディスクが欲しいんですけど」
「ああ、君たちもバトルシティ参加者かい?デュエルディスクはデュエリストレベルが高い人には無料配布されているんだよ。名前を言ってくれるかな?」
「武藤遊戯ですけど……」
「武藤遊戯……っと」
店員は慣れた手つきでパソコンに名前を入力する。すると、店員は大袈裟に驚く。
「凄い最高の8点だ!文句無しだよ。さ、これを持っていくといい」
「ありがとうございます」
「おっちゃん!次俺!俺はどうだ!?城之内克也だ!」
遊戯にデュエルディスクの入った箱を渡すと店員は次に城之内の方を見る。
「城之内克也……2点、馬の骨」
「な、なんだと!?」
城之内は憤慨する。城之内を馬の骨扱いする人間は海馬以外いない。それに、バトルシティは海馬コーポレーション主催だ。もう99%海馬だ。
しかし、店員は一瞬目を見開き城之内の方を見る。
「あーごめんごめん!私の見間違いだったみたいだ。ギリギリ5点だったよ。君にも無料配布するよ。次は?」
「野崎遊香です」
「野崎遊香……おお!君は8点だ──────ッ!?」
店員がパソコンに釘付けになる。先程の城之内の時とは明らかに食い付き方が違っていた。遊香達は怪訝そうに店員を見ると、直ぐに思い出したかのように話し始める。
「あー、ああ!はい。これをどうぞ」
遊香もデュエルディスクを受け取る。獏良も無事に手に入れると、各々明日の大会に向けて帰っていった。
「もしもし俺だが……ああ。一人は強敵だが、もう一人は大したことなさそうだ……」
店員のサングラスがキラリと光る。その怪しさは店を運営する人間の顔じゃなかった。
「説明書読んだけど結構機能充実してるんだなぁ……」
遊香はデュエルディスクを抱えて家に向かっていた。すると、目の前に黒いローブを着た男が道を塞ぐように現れた。
「何ですか?貴方」
「野崎遊香だな?ここを通りたかったら私とデュエルしてもらう!」
「デュエル?なんでそん─────ふふ。なるほど、原作と違い今回は私がいる事で私の方にもレアハンターが来たわけか。面白い。いいだろう。私のデッキの錆にしてやろう」
「「デュエル!」」
「私のターン!モンスターを守備表示に、魔法カード《強欲な壺》!カードを二枚ドロー!そして《天使の施し》!三枚ドローして二枚捨てる!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
「ほう?私のターン。ドロー」
この辺りまでは想定通り。おそらく城之内から真紅眼の黒竜を奪ったレアハンターだろう。エクゾディアを揃わせる事に特化させすぎてグールズ最弱っていわれた悲しい人だ。遊香はだからなんだと笑ってみせる。
「私は《手札抹殺》発動。手札を全て捨て、捨てた枚数ドロー。私は5枚」
「私も5枚だ」
「《魔導書士パテル》召喚。このカードは召喚、リバースした時にデッキから《魔導書》カードを手札に加える。《グリモの魔導書》を手札に、そして発動。《ルドラの魔導書》を手札に加える。《魔導書士パテル》を墓地に送り、《ルドラの魔導書》を発動。カードを二枚ドロー……ふふ」
「何がおかしい?」
「簡単な事さ。お前のデッキコンセプトを丸ごと粉砕するカードを引いてね……」
「何?私のデッキコンセプトを破壊するだと?はははっ!馬鹿な!まだ私のカードは何一つ公開していないぞ?それだけで私のデッキを見抜くなど不可能だ!」
「ふふ。まあ見ておけ。カードを伏せ《ネクロの魔導書》発動。墓地の《魔導書士パテル》を除外し、手札の《グリモの魔導書》を見せる。これにより、墓地の魔法使い族を蘇生する。蘇れ《魔導冥士ラモール》を特殊召喚。そして効果発動。墓地の《魔導書》の枚数によって効果が増えていく」
「効果が増えるだと?」
「私の墓地には4種類の魔導書がある。それにより二つの効果を適用する。攻撃力が600上がり、デッキから《魔導書》のカードを手札に加えバトルだ。《魔導冥士ラモール》で伏せモンスターに攻撃」
「《エア・サーキュレーター》が破壊された。よってカードドロー」
「ターン終了。ふふ」
「おいおいどうした?私のデッキを粉砕するんじゃないのか?」
「今に分かるさ」
遊香は妖しく笑う。レアハンターは不機嫌に顔を歪ませる。
「私のターン!ドローカード」
(ふん!こんな小娘のハッタリの挑発などに乗せられてたまるか!私の手札には既にエクゾディアパーツが4枚とダブりが2枚ある。最後の1枚は《クリッター》!お前がウッカリ攻撃してくればそれで終わりだ!)
「お前のドローフェイズ時、罠カード《魔のデッキ破壊ウイルス》発動!《魔導冥士ラモール》を媒体し攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊し、3ターンの間あらゆるドローしたカードを全て確認して1500以下のモンスターは破壊される。お前の手札には揃いつつあるんだろ?《エクゾディア》がな!」
「ば、馬鹿な!?何故分かった!?」
「さぁな?では手札を全て見せてもらうか」
「くそ!」
レアハンターは手札を全て墓地に送った。
「《エクゾディア》を使う奴とは既に合間見えているんでね。当然それぐらいの対策はしてあるさ。これでお前のデッキコンセプトは崩壊。《エクゾディア》パーツを3枚ずつなど格好の餌食だ」
「そ、そんな馬鹿な……」
「私のターン。ドロー。ふふ、まさか初出しがお前程度の決闘者になるとは思わなかったが見せてやろう。私の切り札の1枚を!《青き眼の乙女》召喚!」
「なんだそのカードは!?」
青い瞳、白銀の髪の女性がフィールドに現れる。青き眼の乙女は遊香の方に振り向くと笑いかけた。
「このカードは世界に一枚、私しか持っていないカードだ。更に手札の《ヒュグロの魔導書》を《青き眼の乙女》を対象に発動!攻撃力が1000アップし、これにより《青き眼の乙女》の真価が発揮される!」
「そのカードの真価だと!?」
青き眼の乙女はヒュグロの魔導書を手に取ると赤いオーラを身に纏う。すると、青き眼の乙女自身から青いオーラが抜け出し漂い始め、それが形になった。
「こ、これが!?」
「そう、出でよ!《青眼の白龍》!!」
青いオーラは青眼の白龍へと姿が変わった。青眼の白龍は咆哮すると、レアハンターを睨み付けた。その凄まじい光景にレアハンターは尻餅をついた。
「やれ、《青き眼の乙女》のダイレクトアタック!」
「ぐっ!」
「トドメだ《青眼の白龍》!『滅びの爆裂疾風弾』!!」
「ヒ、ヒィィイイ!!!」
青眼の白龍の口から光線が発射され、レアハンターは吹き飛ばされた。遊香はレアハンターのパズルカードと城之内の《真紅眼の黒竜》を抜き取る。レアハンターはピクピクと痙攣しながら気絶していた。
「ふん。負けた者には罰ゲームが待っている。お前が気絶していようとな」
遊香が千年ピアスに触れようとすると、レアハンターが突然起き上がった。レアハンターは頭を抱えて発狂する。
「マリク様お許しを!!ぐわぁ!…………やぁ。お前が野崎遊香だな?」
「ふふ。そういう君はグールズの総帥、マリク・イシュタールだろう?知っているよ」
「ほう?僕を知っているか。そう、僕がマリク・イシュタールだ。お前だろう?僕たちグールズの近辺を嗅ぎまわってたのは」
「だったらどうする?」
「まぁいい。この者はグールズの中でも最弱。あまり調子に乗らないことだね。それに僕には『神のカード』がある。お前が海馬同様《青眼の白龍》を持っていようと一瞬で終わりだよ。くふふ」
マリクが中から消えると、レアハンターは再び倒れ込んだ。興が削がれた遊香はレアハンターを放って屋敷に向かって行った。
屋敷の扉を開けて中に入ると、
(マリク。お前の持つ本物の神のカード、《オシリスの天空竜》と《ラーの翼神竜》を手に入れてやる。表人格などに負ける私ではない!……ふふ)
遊香はほくそ笑む。自分自身の部屋に入ると、机の引き出しから2枚のカードをデッキに入れた。
パソコンを開くと奇妙な文字が書かれていた。
《決闘者よ集え。古の決闘者とカードの刻印の集まる街へ》
日時は今日。午後6時に童実野町の中央でデュエルモンスターズ大会のセレモニーが始まると書かれている。
遊香は知っている。これは海馬コーポレーションのバトルシティ開催の合図だ。
バトルシティでは記憶を取り戻す為の必須アイテム、神のカードが手に入る。
「遊戯、バクラ……この大会は私の本気で神のカードを手に入れる。そして、記憶の世界で私の正体と復活の目的を見つけ出してやる。千年アイテムは逃げやしない。全てを取り戻してからゆっくりと手に入れてやるさ」
午後6時。遊香は使用人を童実野町の中央部に向かわせ、カメラを生放送モードにする。パソコンでカメラの様子を確認するともう始まっているようだった。
海馬のデュエルディスクの紹介、バトルシティ大会の概要。特に知識と変わった点はない。
「さぁ、これから新しいバトルシティ編が始まるぞ。待っていろよ神のカード」
部屋の中に響く遊香の笑い声。屋敷の外でカラスがバサッと飛んで行った。
「そっか!遊香さんも参加するんだね」
「うん。デュエルモンスターズだったら黙っていられないからね!私も決闘者として頑張らないと」
「遊香、頑張ってね!」
遊香と遊戯、城之内、獏良を含む7人はデュエルディスクを扱う店に入り店員に声を掛ける。
「デュエルディスクが欲しいんですけど」
「ああ、君たちもバトルシティ参加者かい?デュエルディスクはデュエリストレベルが高い人には無料配布されているんだよ。名前を言ってくれるかな?」
「武藤遊戯ですけど……」
「武藤遊戯……っと」
店員は慣れた手つきでパソコンに名前を入力する。すると、店員は大袈裟に驚く。
「凄い最高の8点だ!文句無しだよ。さ、これを持っていくといい」
「ありがとうございます」
「おっちゃん!次俺!俺はどうだ!?城之内克也だ!」
遊戯にデュエルディスクの入った箱を渡すと店員は次に城之内の方を見る。
「城之内克也……2点、馬の骨」
「な、なんだと!?」
城之内は憤慨する。城之内を馬の骨扱いする人間は海馬以外いない。それに、バトルシティは海馬コーポレーション主催だ。もう99%海馬だ。
しかし、店員は一瞬目を見開き城之内の方を見る。
「あーごめんごめん!私の見間違いだったみたいだ。ギリギリ5点だったよ。君にも無料配布するよ。次は?」
「野崎遊香です」
「野崎遊香……おお!君は8点だ──────ッ!?」
店員がパソコンに釘付けになる。先程の城之内の時とは明らかに食い付き方が違っていた。遊香達は怪訝そうに店員を見ると、直ぐに思い出したかのように話し始める。
「あー、ああ!はい。これをどうぞ」
遊香もデュエルディスクを受け取る。獏良も無事に手に入れると、各々明日の大会に向けて帰っていった。
「もしもし俺だが……ああ。一人は強敵だが、もう一人は大したことなさそうだ……」
店員のサングラスがキラリと光る。その怪しさは店を運営する人間の顔じゃなかった。
「説明書読んだけど結構機能充実してるんだなぁ……」
遊香はデュエルディスクを抱えて家に向かっていた。すると、目の前に黒いローブを着た男が道を塞ぐように現れた。
「何ですか?貴方」
「野崎遊香だな?ここを通りたかったら私とデュエルしてもらう!」
「デュエル?なんでそん─────ふふ。なるほど、原作と違い今回は私がいる事で私の方にもレアハンターが来たわけか。面白い。いいだろう。私のデッキの錆にしてやろう」
「「デュエル!」」
「私のターン!モンスターを守備表示に、魔法カード《強欲な壺》!カードを二枚ドロー!そして《天使の施し》!三枚ドローして二枚捨てる!カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
「ほう?私のターン。ドロー」
この辺りまでは想定通り。おそらく城之内から真紅眼の黒竜を奪ったレアハンターだろう。エクゾディアを揃わせる事に特化させすぎてグールズ最弱っていわれた悲しい人だ。遊香はだからなんだと笑ってみせる。
「私は《手札抹殺》発動。手札を全て捨て、捨てた枚数ドロー。私は5枚」
「私も5枚だ」
「《魔導書士パテル》召喚。このカードは召喚、リバースした時にデッキから《魔導書》カードを手札に加える。《グリモの魔導書》を手札に、そして発動。《ルドラの魔導書》を手札に加える。《魔導書士パテル》を墓地に送り、《ルドラの魔導書》を発動。カードを二枚ドロー……ふふ」
「何がおかしい?」
「簡単な事さ。お前のデッキコンセプトを丸ごと粉砕するカードを引いてね……」
「何?私のデッキコンセプトを破壊するだと?はははっ!馬鹿な!まだ私のカードは何一つ公開していないぞ?それだけで私のデッキを見抜くなど不可能だ!」
「ふふ。まあ見ておけ。カードを伏せ《ネクロの魔導書》発動。墓地の《魔導書士パテル》を除外し、手札の《グリモの魔導書》を見せる。これにより、墓地の魔法使い族を蘇生する。蘇れ《魔導冥士ラモール》を特殊召喚。そして効果発動。墓地の《魔導書》の枚数によって効果が増えていく」
「効果が増えるだと?」
「私の墓地には4種類の魔導書がある。それにより二つの効果を適用する。攻撃力が600上がり、デッキから《魔導書》のカードを手札に加えバトルだ。《魔導冥士ラモール》で伏せモンスターに攻撃」
「《エア・サーキュレーター》が破壊された。よってカードドロー」
「ターン終了。ふふ」
「おいおいどうした?私のデッキを粉砕するんじゃないのか?」
「今に分かるさ」
遊香は妖しく笑う。レアハンターは不機嫌に顔を歪ませる。
「私のターン!ドローカード」
(ふん!こんな小娘のハッタリの挑発などに乗せられてたまるか!私の手札には既にエクゾディアパーツが4枚とダブりが2枚ある。最後の1枚は《クリッター》!お前がウッカリ攻撃してくればそれで終わりだ!)
「お前のドローフェイズ時、罠カード《魔のデッキ破壊ウイルス》発動!《魔導冥士ラモール》を媒体し攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊し、3ターンの間あらゆるドローしたカードを全て確認して1500以下のモンスターは破壊される。お前の手札には揃いつつあるんだろ?《エクゾディア》がな!」
「ば、馬鹿な!?何故分かった!?」
「さぁな?では手札を全て見せてもらうか」
「くそ!」
レアハンターは手札を全て墓地に送った。
「《エクゾディア》を使う奴とは既に合間見えているんでね。当然それぐらいの対策はしてあるさ。これでお前のデッキコンセプトは崩壊。《エクゾディア》パーツを3枚ずつなど格好の餌食だ」
「そ、そんな馬鹿な……」
「私のターン。ドロー。ふふ、まさか初出しがお前程度の決闘者になるとは思わなかったが見せてやろう。私の切り札の1枚を!《青き眼の乙女》召喚!」
「なんだそのカードは!?」
青い瞳、白銀の髪の女性がフィールドに現れる。青き眼の乙女は遊香の方に振り向くと笑いかけた。
「このカードは世界に一枚、私しか持っていないカードだ。更に手札の《ヒュグロの魔導書》を《青き眼の乙女》を対象に発動!攻撃力が1000アップし、これにより《青き眼の乙女》の真価が発揮される!」
「そのカードの真価だと!?」
青き眼の乙女はヒュグロの魔導書を手に取ると赤いオーラを身に纏う。すると、青き眼の乙女自身から青いオーラが抜け出し漂い始め、それが形になった。
「こ、これが!?」
「そう、出でよ!《青眼の白龍》!!」
青いオーラは青眼の白龍へと姿が変わった。青眼の白龍は咆哮すると、レアハンターを睨み付けた。その凄まじい光景にレアハンターは尻餅をついた。
「やれ、《青き眼の乙女》のダイレクトアタック!」
「ぐっ!」
「トドメだ《青眼の白龍》!『滅びの爆裂疾風弾』!!」
「ヒ、ヒィィイイ!!!」
青眼の白龍の口から光線が発射され、レアハンターは吹き飛ばされた。遊香はレアハンターのパズルカードと城之内の《真紅眼の黒竜》を抜き取る。レアハンターはピクピクと痙攣しながら気絶していた。
「ふん。負けた者には罰ゲームが待っている。お前が気絶していようとな」
遊香が千年ピアスに触れようとすると、レアハンターが突然起き上がった。レアハンターは頭を抱えて発狂する。
「マリク様お許しを!!ぐわぁ!…………やぁ。お前が野崎遊香だな?」
「ふふ。そういう君はグールズの総帥、マリク・イシュタールだろう?知っているよ」
「ほう?僕を知っているか。そう、僕がマリク・イシュタールだ。お前だろう?僕たちグールズの近辺を嗅ぎまわってたのは」
「だったらどうする?」
「まぁいい。この者はグールズの中でも最弱。あまり調子に乗らないことだね。それに僕には『神のカード』がある。お前が海馬同様《青眼の白龍》を持っていようと一瞬で終わりだよ。くふふ」
マリクが中から消えると、レアハンターは再び倒れ込んだ。興が削がれた遊香はレアハンターを放って屋敷に向かって行った。
屋敷の扉を開けて中に入ると、
(マリク。お前の持つ本物の神のカード、《オシリスの天空竜》と《ラーの翼神竜》を手に入れてやる。表人格などに負ける私ではない!……ふふ)
遊香はほくそ笑む。自分自身の部屋に入ると、机の引き出しから2枚のカードをデッキに入れた。
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