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第109話:変身 作:光芒







☆TURN01(紫苑)

「先攻は私ということね。では始めさせてもらうわ」
(いつも遊大さんが使っている【オッドアイズ】のデッキとは違うデッキ、とのことですが……いったいどんなデッキを)
「まずは魔法カード、おろかな埋葬を発動。デッキからモンスター1体を墓地に送るわね」

 おろかな埋葬はその汎用性からデッキを選ばず採用されるカードだ。制限カードにも指定されるこのカードがデッキの内容を推し量ることはまず不可能と言っていいだろう。

「私が墓地に送るのは―――《屍界のバンシー》よ」
「屍界のバンシー?」
「そして墓地の屍界のバンシーの効果を発動」

《屍界のバンシー》
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守200
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドゾーンの「アンデットワールド」は効果の対象にならず、効果では破壊されない。
(2):フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。手札・デッキから「アンデットワールド」1枚を選んで発動する。この効果は相手ターンでも発動できる。

「墓地のこのカードをゲームから除外し、手札またはデッキからフィールド魔法《アンデットワールド》1枚を選んで発動するわ」
「デッキからフィールド魔法を直接!?」

 生気を感じられない白い肌をした少女のようなモンスターが悲鳴のような叫び声を上げる。すると瞬く間に紫苑のフィールドはおどろおどろしい死者の世界へと変化した。

《アンデットワールド》
フィールド魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター及び墓地のモンスターは全てアンデット族になる。
(2):お互いはアンデット族モンスターしかアドバンス召喚できない。

「まさか紫苑のあのデッキは……」
「遊希さん、心当たりがあるの?」
「ええ。恐らくあのデッキは前に生徒会の広報に載せるために私が高海くんとのデュエルで使ったデッキ……構築済みデッキを元にしたものとはいえ、かなりの完成度を誇っていると見ていいわね」

 アンデットワールドの下ではフィールドと墓地の全てのモンスターがアンデット族へと変化してしまう。デッキの性質上美鈴のデッキはアドバンス召喚を行わないが、種族の強制変更は決して彼女に無関係の話ではない。

(……アンデットワールドをどうにかしないと【魔導】が腐ってしまいます)
「私は《牛頭鬼》を召喚」

《牛頭鬼(ごずき)》
効果モンスター
星4/地属性/アンデット族/攻1700/守800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から「牛頭鬼」以外のアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。

「牛頭鬼の効果を発動するわ。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地に送る。墓地に送るのは《グローアップ・ブルーム》よ。そして墓地に送られたグローアップ・ブルームの効果を発動」

《グローアップ・ブルーム》
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻0/守0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地へ送られた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加える。フィールドゾーンに「アンデットワールド」が存在する場合、手札に加えず特殊召喚する事もできる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。

「墓地のグローアップ・ブルームを除外し、デッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加える。そしてアンデットワールドが発動している場合はそのモンスターを特殊召喚することもできるわ」
(彼女のデッキは見慣れないカードばかりですが、アンデットワールドを軸に完璧に組み上げられている……これが精霊の力だと言うのですか)
「私が特殊召喚するのはレベル8の《死霊王 ドーハスーラ》よ」

 紫苑のフィールドには人面蛇身のモンスターが現れる。その姿形はまさに冥界の王と称するに相応しいオーラを放っていた。

《死霊王 ドーハスーラ》
効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻2800/守2000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):「死霊王 ドーハスーラ」以外のアンデット族モンスターの効果が発動した時に発動できる。以下の効果から1つを選んで適用する。このターン、自分の「死霊王 ドーハスーラ」の効果で同じ効果を適用できない。
●その効果を無効にする。
●自分または相手の、フィールド・墓地のモンスター1体を選んで除外する。
(2):フィールドゾーンに表側表示でカードが存在する場合、自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

「私はカードを1枚セット。これでターンエンドよ」


紫苑 LP8000 手札2枚
デッキ:32 モンスター:2(死霊王 ドーハスーラ、牛頭鬼)魔法・罠:2(アンデットワールド)墓地:1 Pゾーン:青/赤 除外:2 エクストラデッキ:15(0)
美鈴 LP8000 手札5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)


☆TURN02(美鈴)

「私のターン、ドローです!」

 フィールドにはアンデットワールドが発動している。そのため、フィールドおよび墓地のモンスターはいずれもアンデット族へと変えられてしまう。美鈴のメインデッキには魔法使い族モンスターが多く投入されており、そのサポートカードも投入されている。
 その代表格が美鈴の手札にある魔導書士 バテルだ。バテルは召喚もしくはリバース時にデッキから魔導書カードを1枚サーチできるのだが、ステータスの低いバテルを残しておくメリットはないため、専らバテルでサーチできるルドラの魔導書でバテルを墓地に送り、ドローに変換してデッキを回転させることができる。しかし、ルドラの魔導書のコストにできるのは“魔法使い族”のモンスターである。そのため、アンデットワールド発動時にバテルはアンデット族モンスターとなってしまうため、ルドラの魔導書の対象にならないのだ。

(ドローソースが潰された以上、今ある手札で切り抜けるしかありません)
「私のフィールドにモンスターが存在しない場合、手札のWW-アイス・ベルの効果を発動します!」

 アンデットワールドの効果が及ぶのはフィールドおよび墓地。手札にまでは及ばない。

(手札ではアイス・ベルは魔法使い族のまま。ドーハスーラの効果でも止められないわね)
「アイス・ベルを特殊召喚します。そして特殊召喚したアイス・ベルの効果でデッキからWW-グラス・ベルを特殊召喚します! 特殊召喚に成功したグラス・ベル、そしてアイス・ベルの効果を発動します!」

チェーン2(美鈴):WW-アイス・ベル
チェーン1(美鈴):WW-グラス・ベル

(グラス・ベルの効果にアイス・ベルを重ねることで、グラス・ベルの効果を確実に通そう、ということね。なるほど、よく考えられている)
「チェーンはありますか?」
「ないわ。どうぞご自由に」
「わかりました。ではチェーン処理に入ります。チェーン2のアイス・ベルの効果であなたに500のダメージを」

紫苑 LP8000→7500

「そしてチェーン1のグラス・ベルの効果でスノウ・ベルを手札に加えます。グラス・ベルの効果を発動したターン、私は風属性モンスターしか特殊召喚できません。そしてスノウ・ベルは自分フィールドに風属性以外のモンスターが存在せず、風属性モンスターが2体以上存在する場合に手札から特殊召喚できます! では行きます! 私はレベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング! 世界が白く染まる時、凍てつく風と共に鈴の音響かせる。氷雪を力に変え舞い踊りなさい! シンクロ召喚! WW-ウインター・ベル!! シンクロ召喚に成功したウィンター・ベルの効果! 地のWWモンスター1体を対象に、そのモンスターのレベル×200のダメージを相手ライフに与えます! 私が対象に取るのはレベル4のWW-グラス・ベルです!」

紫苑 LP7500→6700

(いいコンボね。でも、美鈴ちゃん。あなたは大事なことを見落としているわ)
「そしてレベル7のシンクロモンスター、ウィンター・ベルに、レベル1のチューナーモンスター、スノウ・ベルをチューニング! 光り輝く雪風が呼び覚ますは水晶の翼を持ちし竜。雄々しくも美しいその身を以てあらゆるものを突き穿て! シンクロ召喚! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

 美鈴のエースモンスターにして切り札であるクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンが水晶の翼を煌めかせながら高らかに咆哮する。スノウ・ベルを素材にすることでクリスタルウィングの弱点である魔法・罠の効果による破壊を受け付けないため、よりその安定性を高めることができるのだ。

「グラス・ベルの効果で封じられるのは特殊召喚だけ。私は手札から《妖精伝姫-カグヤ》を召喚します!」

《妖精伝姫(フェアリーテイル)-カグヤ》
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから攻撃力1850の魔法使い族モンスター1体を手札に加える。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・エクストラデッキから墓地へ送ってこの効果を無効にできる。墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

「召喚に成功したカグヤの効果で、私は攻撃力1850の魔法使い族モンスター、妖精伝姫-シラユキを手札に加えます。そしてドーハスーラを対象にカグヤの効果を発動します! カグヤとドーハスーラを手札に戻します。最もこの効果はデッキの同名カード1枚を墓地に送ることで無効にできますが」
「あら、そうなの。では遠慮なく2体目のドーハスーラを墓地に送らせてもらうわ。だってドーハスーラをバウンスされるのは困るもの」
「……そうですか、ですがそのドーハスーラには退場して頂きます! バトル! クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで死霊王 ドーハスーラを攻撃!!」

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000 VS 死霊王 ドーハスーラ ATK2800

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンはレベル5以上のモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算時のみ相手の攻撃力を自身の攻撃力に加えます! これで大ダメージです!!」
「……そう、それがクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの強み。でもあなたは大事なことを一つ忘れているわ」
「大事なこと……?」
「あなたが今デュエルしている相手はデュエルモンスターズの精霊であるこの私。そして―――高海 遊大というデュエリストなのよ! リバースカードオープン。このカードの発動に対して相手は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない」
「まさか!!」
「速攻魔法―――超融合。手札1枚をコストに、自分または相手フィールドのモンスターを素材に融合召喚を行える。素材にするのはあなたのクリスタルウィングとカグヤよ!!」

 美鈴のフィールドに存在していたクリスタルウィングとカグヤが渦巻く強烈な光に吸い込まれていく。そしてその光の中から現れたのは見るも恐ろしい死霊の如く龍であった。

「“白き水晶の竜よ。月より舞い降りし姫よ。二体の亡者の魂は一つとなりて冥界の主を呼びさます。此岸の扉を破り現れよ!” 融合召喚!《冥界龍 ドラゴネクロ》!!」

《冥界龍 ドラゴネクロ》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守0
アンデット族モンスター×2
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。このカードと戦闘を行うモンスターはその戦闘では破壊されない。また、このカードがモンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、そのモンスターの攻撃力は0になり、そのモンスターの元々のレベル・攻撃力を持つ「ダークソウルトークン」(アンデット族・闇・星?・攻?/守0)1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
「冥界龍 ドラゴネクロ」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

「冥界龍 ドラゴネクロ!? あのモンスターは稀少なモンスターのはず……」

 遊希の言うように、ドラゴネクロは大会の商品として取り扱われるモンスターであり、このカードを持てるのは当然プロデュエリストクラスのデュエリストに限られるはずであった。

「このカードは確かに稀少なカードのようね。でもこのデッキは遊大君の思考の下に作り出されたデッキ。彼が頭の中でもし自分でこのデッキを組むのであれば、という仮定で超融合とドラゴネクロの存在をリストアップしていたの」
「そうか……遊大がこのカードがあれば、的なことを考えていればそのイメージの下にドラゴネクロを精霊の力で具現化させれば使うことができるということか」
「それってズルじゃない!?」
「……正規のルートで作られたカードではないにしても、違法にはならないわ。高海くんのオッドアイズ・レイジング・ドラゴンと同じようにね」

 一気呵成に攻撃を仕掛けたかった美鈴であったが、フィールドに出したモンスターはまとめてドラゴネクロの融合素材にされてしまった。アンデット族モンスター2体を素材に要求するドラゴネクロとアンデットワールド、そして超融合の相性は語るまでもないだろう。

「攻撃できるモンスターはいません。私はカードを1枚セットしてターンエンドです……」


紫苑 LP6700 手札0枚
デッキ:31 モンスター:3(冥界龍 ドラゴネクロ、死霊王 ドーハスーラ、牛頭鬼)魔法・罠:1(アンデットワールド)墓地:4 Pゾーン:青/赤 除外:2 エクストラデッキ:14(0)
美鈴 LP8000 手札1枚
デッキ:31 モンスター:0 魔法・罠:1 墓地:4 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:13(0)


☆TURN03(紫苑)

「私のターン、ドローよ。このスタンバイフェイズに墓地の2体目のドーハスーラの効果を発動するわ。フィールド魔法が存在する場合、このカードを墓地から守備表示で特殊召喚するわね」
「カグヤの効果が……」
「裏目に働いちゃったわね、残念。私は《ユニゾンビ》を召喚」

《ユニゾンビ》
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。手札を1枚捨て、対象のモンスターのレベルを1つ上げる。
(2):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送り、対象のモンスターのレベルを1つ上げる。
この効果の発動後、ターン終了時までアンデット族以外の自分のモンスターは攻撃できない。

「ユニゾンビの2つ目の効果を自身を対象に発動。ユニゾンビのレベルを1つ上げて、更にデッキからアンデット族モンスター1体を墓地に送る。墓地に送るのは《シノビネクロ》よ」

ユニゾンビ 星3→星4

「そして牛頭鬼の効果も発動しておくわね。デッキから《馬頭鬼》を墓地へ。そして私はレベル4の牛頭鬼にレベル4となったチューナーモンスターのユニゾンビをチューニング。シンクロ召喚。PSYフレームロード・Ω! 墓地へ送られた牛頭鬼の効果は……手札が無いから発動できないわね、残念」
「……っ」

 紫苑のフィールドには攻撃力3000のドラゴネクロに、2800のドーハスーラとPSYフレームロード・Ωの計3体のモンスターが攻撃表示で存在しており、それでも美鈴のライフを0にするには十分すぎるほどの戦力であると言えた。

「さて、バトルよ。PSYフレームロード・Ω、ドーハスーラ、そしてドラゴネクロでダイレクトアタック!」


PSYフレームロード・Ω ATK2800
死霊王 ドーハスーラ ATK2800
冥界龍 ドラゴネクロ ATK3000


「きゃあああっ!!」

美鈴 LP8000→0











「ねえ、あなたは自分が何故こうもあっさり敗れてしまったかわかるかしら?」

 デュエル終了後、膝をつく美鈴に手を差し伸べる紫苑。その時、彼女は美鈴にこんな質問を投げかけた。

「えっ……」
「超融合を発動した時に言ったでしょう? この身体の元々の持ち主は高海 遊大だって。彼はとても純粋なデュエリストでね、常にみんなのことを考えていたわ。美鈴ちゃん、あなたもそのうちの一人よ。あなたのWWモンスター3体からシンクロ召喚されるクリスタルウィングは強烈無比だって。でも、そのコンボの存在を彼は知っている。そしてその対策を立てないデュエリストかしら?」

 遊大からしてみれば、美鈴も例外なく凄腕のデュエリストの一人である。そんな凄腕のデュエリストたちに勝つためには自分には何が必要であるか。遊大は時間の許す限り、そのデッキのことを考え尽くしていた。もちろんどうやったらWW3体によって召喚権を使わずにシンクロ召喚できるクリスタルウィングを突破するかを。

「そうか、遊大さんは私のことをそんな風に……」

 敗れたこともあってか美鈴は何処か魂が抜けているように見えた。だが、その原因は敗れたことのみではない。紫苑の言った言葉からわかる通り、美鈴は遊大にとって確かにライバルで切磋琢磨しあえる存在ではある。しかし、それは何も美鈴一人の特権ではない。陸や仁、礼・留奈・林檎も美鈴と同じ立ち位置にあるのだ。そして、それは同時に美鈴が抱くような感情を遊大が美鈴に抱いていないということの証明にもなってしまっていたのだ。

「私は……私は……?」
「さて、このデュエルに勝ったから私は今のまましばらく過ごさせてもらうわ。でも、あなたも頑張ったからお姉さんの持つもう一つの力を見せてあげるわね」

 紫苑は両手に自身の持てる力を収束させる。紫色に怪しく輝くその手をかざすと、その光に包まれた紫苑の身体が少しずつ変化していく。そして光が晴れると同時に現れたのは紛れもなく高海 遊大その人だった。

「遊大さん!? 遊大さん!!」

 思わず遊大に抱き着こうとする美鈴であったが、他ならぬ遊大がそれを静止した。

「美鈴ちゃん。姿形は高海 遊大だけど、私は紫苑よ。私が毒以外に持つもう一つの力……それが変身能力。私はね、自分の思い浮かべたものや見たものに変身することができるのよ。最も無機物には変身できないけどね」

 紫苑の持つ変身の力によって先ほどまで美鈴の立っていた場所には遊大が立っていた。しかし、これはもちろん本物の遊大ではない。顔、体つき、声などは元の遊大と同一なのだが、元が紫苑であるため、価値観や仕草、知能や性格などまでは完全に再現できないのであった。

「では改めて自己紹介をさせてもらう。俺は高海 遊大……と言っても彼の姿をしたデュエルモンスターズの精霊なんだけどね。彼の体力と精神力が万全になるまでの間だけど、宜しくお願いします」

 そう言ってぺこりと頭を下げる遊大の姿をした紫苑。彼(彼女)を果たして今まで通りと同じように接してしまっていいのだろうか。という気持ちが皆の間に広まったのまでは言うまでもなかった。












○後書き
ストラクチャーデッキ「アンデットワールドR」は9月22日(土)発売です。






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ター坊
なんと、ストラク販促回だったのか。元から3つ買う予定でしたが、これを見てより組みたくなりましたね。今回は汎用がない代わりにユニゾンや隠者、馬頭鬼等のアンデットに必要なパーツは全部揃ってる内容なので地味に嬉しいです。
仲間を思うが故に、対策もバッチリという訳ですね。アンデット化したモンスターを超融合で巻き込むのも良い解答でしょう。
そして紫苑さん、なぜ遊大モードになったんだ。普通に女子高生姿で良いじゃないか。歳的にキツいのか? (2018-09-21 06:55)
光芒
ター坊さん
まあユーリも販促のために対明日香戦でアンティークデッキ使ったので多少はね?ぶっちゃけそこはちょっと意識しています。

遊大は美鈴のことを「ライバル」として認めていますからね。しっかり彼女の得意コンボに対しても対策も立てています。あくまでもライバルとして……ですが。

>歳的にキツいのか?
紫苑「あら、私は永遠の17歳よ?」

(2018-09-24 19:51)

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74 第76話:剣閃 1152 2 2017-12-02 -
81 第77話:膠着 1013 2 2017-12-09 -
70 遊大たちが1月制限について語るようです 1236 4 2017-12-11 -
62 第78話:豹変 1159 2 2017-12-17 -
116 第79話:親心 1170 4 2017-12-22 -
96 第80話:疾風 1186 2 2017-12-30 -
75 番外編:隠想 1190 3 2018-01-01 -
78 第81話:異能 1045 2 2018-01-08 -
127 第82話:要塞 1094 2 2018-01-13 -
97 第83話:相反 1112 3 2018-01-17 -
93 第84話:特異 1111 5 2018-01-22 -
75 第85話:忌避 1233 4 2018-01-29 -
121 第86話:転生 1287 4 2018-02-06 -
69 第87話:変貌 1285 4 2018-02-14 -
112 第88話:祭典・1 1172 4 2018-02-22 -
82 第89話:祭典・2 1178 4 2018-02-28 -
90 第90話:祭典・3 1182 4 2018-03-10 -
145 18年4月制限について語るようです 1424 4 2018-03-14 -
86 第91話:閉幕 1108 4 2018-03-22 -
118 第92話:令嬢 1125 4 2018-03-31 -
103 第93話:共闘 1146 4 2018-04-07 -
125 第94話:古豪 1012 3 2018-04-15 -
76 第95話:護心 1006 2 2018-04-19 -
58 番外編:裏話 1168 4 2018-04-29 -
130 第96話:転機 1199 4 2018-05-03 -
118 第97話:敬意 1026 0 2018-05-13 -
69 第98話:遺托 1072 4 2018-05-17 -
120 番外編:青春 1204 2 2018-05-23 -
127 第99話:疾駆 1186 6 2018-06-12 -
127 遊大たちが18年7月制限について語ります 1037 0 2018-06-14 -
140 第100話:戦士 1057 0 2018-06-19 -
118 第101話:懐古 1066 2 2018-06-24 -
59 第102話:降竜 940 0 2018-06-30 -
45 第103話:乱入 951 3 2018-07-06 -
122 第104話:奮起 1155 0 2018-07-15 -
65 第105話:白翼 1051 0 2018-07-22 -
117 第106話:夢境 1334 3 2018-07-30 -
103 第107話:紫苑 1107 4 2018-09-12 -
77 遊大たちが10月制限について語ります 1054 2 2018-09-14 -
113 第108話:猛毒 1168 2 2018-09-17 -
68 第109話:変身 980 2 2018-09-21 -
81 第110話:共闘 1024 4 2018-09-25 -
83 第111話:油断 844 2 2018-09-27 -
102 第112話:浸食 1136 2 2018-09-30 -
55 第113話:神意(修正・再掲版) 966 2 2018-10-03 -
98 第114話:忍者 939 2 2018-10-06 -
73 第115話:継承(修正版) 932 3 2018-10-08 -
68 第116話:征圧 911 2 2018-10-10 -
127 第117話:両雄(修正版) 988 3 2018-10-15 -
94 第118話:負担 911 2 2018-10-17 -
91 第119話:確信 904 2 2018-10-20 -
95 第120話:無限 964 4 2018-10-22 -
105 第121話:必然 857 2 2018-10-25 -
101 第122話:悲劇 1038 2 2018-10-28 -
124 第123話:鬼気 977 2 2018-10-31 -
66 第124話:捕食 953 3 2018-11-02 -
120 第125話:一輪 975 2 2018-11-05 -
126 第126話:後悔 1070 3 2018-11-07 -
76 第127話:神話 971 2 2018-11-10 -
108 第128話:仮説 1070 3 2018-11-12 -
72 第129話:伝心 1033 3 2018-11-14 -
95 第130話:対立 1036 2 2018-11-16 -
112 第131話:残酷 973 3 2018-11-18 -
99 第132話:涙雨 1018 3 2018-11-20 -
90 最終章予告 898 3 2018-11-21 -
106 番外編:歓喜 958 5 2018-11-22 -
91 第134話:決戦・1 927 2 2018-11-23 -
68 第135話:決戦・2 985 2 2018-11-25 -
94 第136話:決戦・3 1373 2 2018-11-27 -
77 第137話:決戦・4 967 3 2018-11-28 -
82 第138話:決戦・5 1025 3 2018-11-30 -
71 第139話:覇王 1062 3 2018-12-02 -
71 第140話:精霊 1152 3 2018-12-04 -
113 第141話:落涙 995 4 2018-12-05 -
106 第142話:命脈 1031 3 2018-12-07 -
52 第143話:終焉 988 3 2018-12-08 -
106 第144話:帰還 1053 3 2018-12-10 -
82 遊大たちが19年1月制限について喋ります 1111 3 2018-12-11 -
83 第145話:三様 1045 2 2018-12-12 -
99 第146話:光明 887 2 2018-12-15 -
103 第147話:竜星 970 3 2018-12-16 -
97 第148話:斬撃 913 3 2018-12-18 -
104 第149話:神竜 908 3 2018-12-20 -
78 第150話:新竜 879 3 2018-12-21 -
100 第151話:共鳴 884 3 2018-12-24 -
101 第152話:前夜 986 3 2018-12-25 -
90 第153話:星竜・1 970 3 2018-12-28 -
85 第154話:星竜・2 974 3 2018-12-29 -
99 第155話:星竜・3 1041 3 2018-12-31 -
111 エピローグ:雪夜 1278 6 2019-01-01 -
76 番外編:甘露 977 2 2019-02-14 -
86 遊大たちが19年4月制限について喋ります 904 3 2019-03-12 -
44 エイプリルフールに間に合わなかったので 779 0 2019-04-01 -
88 番外編:夏想・1 787 4 2019-04-17 -
88 番外編:夏想・2 843 2 2019-04-19 -
87 番外編:夏想・3 607 2 2019-04-22 -
83 番外編:夏想・4 874 2 2019-04-25 -
88 番外編:夏想・5 796 0 2019-05-01 -
66 番外編:師弟・1 745 2 2019-05-04 -
80 番外編:師弟・2 763 2 2019-05-08 -
66 番外編:師弟・3 707 0 2019-05-13 -
89 番外編:師弟・4 731 2 2019-05-17 -
58 番外編:師弟・5 751 3 2019-05-21 -
59 10万アクセス記念企画 874 4 2019-09-24 -
78 番外編:聖夜 1148 2 2019-12-25 -

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